「小さく試す」で不動産サイトのUXを改善したLIFULL HOME’S

使いやすさにこだわるLIFULL HOME’Sのサイト改善施策とは。株式会社LIFULLでは、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S(ライフル ホームズ)」を始め、様々な領域においてKARTEをご利用いただいています。今回はLIFULL HOME’S(ライフル ホームズ)の賃貸領域でのKARTEの活用について、賃貸事業部UXユニットの井上様にお話を伺いました。

使いやすさにこだわるLIFULL HOME’Sのサイト改善施策とは。

株式会社LIFULLでは、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S(ライフル ホームズ)」を始め、様々な領域においてKARTEをご利用いただいています。

今回はLIFULL HOME’S(ライフル ホームズ)の賃貸領域でのKARTEの活用について、賃貸事業部UXユニットの井上様にお話を伺いました。

サイトの使いやすさをユーザーに評価してもらっている

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— LIFULL HOME’Sのサービスとしてのこだわりを教えていただけますか。

ユーザーのことを考えて取り組んでいる部分では、掲載物件数は非常に重視して、力を入れています。

ただし、量だけでユーザーに評価されているというわけではなく、情報の質にも、そして探しやすさにもこだわった日本最大の物件データベースがLIFULL HOME’Sです。

ユーザーから特に評価をいただけている部分は、サイトの使いやすさや分かりやすさ、検索条件の細かさと言う点です。まさにその分野は、私の所属する部署でずっと改善を進めています。

いかに使いやすくするか、見やすくするか、しっかりと正しい情報が正確に伝わっているかなど、さまざまな点で日々改善を重ねていますので、その部分でユーザーに評価していただくことはあります。

— ユーザーの使いやすさもこだわるということには、どのような背景があるのでしょうか。

弊社には、「ガイドライン」という行動指針があり、常にこれを記載したカードを携帯しています。ガイドラインの一つに「すべてのステークホルダーを重んじる」という言葉があります。

ここでいうステークホルダーは、コンシューマー、クライアント、従業員、パートナー、株主、社会、地球環境です。

その全てを重視して、とにかくLIFULLがやることはすべてのステークホルダーにとってよいことになっているかを、自分たちでチェックしています。

このような考え方が浸透しているというのが、ユーザーの使いやすさに対しても真摯に向き合うということにもつながっていると思います。

ただし、この部分はしっかりバランスを取らないといけない部分で、ユーザー目線だけを重視してクライアントのことを考えない、またその逆になったりしないように、全員で気をつけています。

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常に携帯しているガイドライン。

ビジョンをすごく大事にしている

— 不動産のポータルだけでなく、引っ越し、リフォーム、保険などいろいろな分野のサービスを提供されていますが、それらをまとめる全体のビジョンはあるのでしょうか?

2017年4月に社名がLIFULLに変わったときに、『あらゆるLIFEを、FULLに。』というコーポレート・メッセージができました。

いろいろな人たちの生活や人生、すべてをフルに、つまり幸せにしていこう、安心と喜びで満たしていこう、という象徴としての言葉です。

現在の事業の柱はLIFULL HOME’Sですが、私たちはそれ以外の分野でも様々な価値を提供しようとしています。中長期計画では、子会社100社、100カ国展開というスローガンを掲げて、新規事業開発にも注力しています。

— ビジョンに関しては、どのように社員の一人ひとりに浸透させているのでしょうか。

ガイドラインとは別に「LIFULL Act」という活動規範がありまして、サービスの品質チェックリストのようなものです。

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「LIFULL Act」と呼ばれる指標

「あらゆるLIFEを、FULLに。」を実現するために、サービスの品質や価値がちゃんと目指すべき水準に達しているかどうか、この「LIFULL Act」で常に追求していこうと取り組んでいます。

このようなことを通じて普段の業務の中でもビジョンを意識していると感じます。このLIFEを中心に考えていくビジョンをすごく大事にしてますね。

採用の際にも、このビジョンへの理解と共感が大事になってきますし、ビジョンに共感した人が集まっているということがLIFULLの大きな資産になっていると思います。

他の部署と何かを一緒にする際でも「そのプロジェクトがどのようにビジョンにつながっているか」という部分で議論をすれば、結果的にみんなが共感してくれるものになるので、そういったものがない会社に比べると、非常に話しやすいと感じます

「とりあえずKARTEでやってみて」という流れ

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— 井上さん個人のキャリアを教えていただけますか。

基本的には、Webディレクターをずっとやっていました。

途中、アクセス解析の業務に徐々にシフトし、最終的には専任でアクセス解析を5年ほどやっていたという時期があり、そこからLIFULLに中途入社し、またWebディレクターに戻り、KARTE担当になりました。

— 入社されてすぐにKARTE担当だったのですよね。

私が入ってきたタイミングでちょうどKARTEの導入が決まっており、入社2日目にKARTE担当に任命されました(笑)。

現在では、KARTEだけではなく他の部分も見ていて、KARTEも含めてサイトの使い勝手の向上、ユーザー体験の向上を中心とした担当領域となっています。

KARTEの導入に関しては、施策を試してPDCAを回していくために軽く試せてすぐに結果も分かるKARTEが良いということで選ばれたと聞いています。

— サイトの課題をどうやって見つけているのでしょうか。

課題の発見は様々な観点から行っていて、ユーザーからの声やクライアント(不動産会社)からの声、アクセス解析の結果やヒューリスティックなものなどがありますが、それを受けてディレクターが企画する、ということが多いですね。

エンジニアやデザイナーから、やりたいことがあり、それをやるようなケースももちろんあります。

そのような課題があがってきた時に、通常であれば、その課題を解決したらどれぐらいKPIに貢献するのかという試算を行い、それに対してどの程度工数をかけられるかどうかを考慮します。

KARTEがあれば開発にかかる工数が小さく、とても気軽にテストができるので、「じゃあ、KARTEでやってみよう」ということになる場合が多いですね。
課題と解決策に対しての仮説を立てて、それが本当に正しいのかを、実際にKARTE上で試すという意味合いが大きいです。

それで解決策がはっきりして、これからもずっとやるべきこととなれば、サイト内に実装をします。こういう使い方になっているので、最近は「とりあえずKARTEでやってみて」という流れになっています。

— 社内でKARTE利用者は増えていますか?

ユニット全体で、結構増えていますね。他の事業部にも広まっているので、私が関わっていないプロジェクトでも数多く利用されています。

賃貸領域に関しては、KARTEでやる施策が増えてきたので、使える人がたくさんいないと困るという状況で、みんなにどんどんとやってもらっています。

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2017年8月時点でのKARTE利用率。

KARTEでやりたいという施策や勝ち筋が見えた施策が増えてきているので、その担い手が必要、使えないと逆に困るということで使える人が増えていますね。

KARTEはサービス自体がまだまだ成長する

— KARTEで魅力に感じる部分はどこでしょうか。

まず感じたのは、やりたいことは大体できそうと感じた柔軟なカスタマイズ性。そして、テンプレ―トが豊富にあり、公開/停止がいつでもできるので施策が高速で回せるということでした。

最近では、どんどん機能が改善されていって使いやすくなっていっているところですね。また、サポートの対応が丁寧で、こちらの意図がすぐに伝わるというのもいいですね。

こういった部分を見ていると、KARTEはサービス自体がまだまだ成長するだろうなと感じます。

— 今まででうまくいった施策を教えてください。

元からある機能の認知を促進する施策は効果がありました。

最近見た物件を再度確認する機能があるのですが、その機能があまり気づかれていないみたいだったので、それを強めに出しました。

同じように検索条件も前回の検索条件を使えたりするのですが、そういった機能を知らないユーザーにちゃんと伝えるだけで結果がかなり変わったというのがありました。

最近見た物件を見る機能をお知らせする接客例。

似た条件の物件検索の機能をお知らせする接客例。

また、チャットでユーザーからの相談を受けるということも一部ではおこなっています。今までの知見から、ある回数以上物件の詳細を見たユーザーは確度が高くなるというのが分かっていました。

KARTEのセグメントを利用し、特定の条件のユーザーにだけチャットが出てきて、相談に乗るという対応を行っています。

一人ひとりのユーザーが良い物件に巡り会ってほしい

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— KARTEを利用することでマーケターとして変化がありましたか。

これは自分だけではないですが、とりあえずKARTEでやってみようという感覚はみんなに根づいてきているので、「小軽く試す」みたいなことができるようになってきました。

実際には業務はなかなか「小軽く」やるというのはできないんですけど、KARTEを使えばできるなという感覚になっています。

特に自分はたまたま企画立案やJavaScriptなどのKARTEに必要なスキルセットも持っていて柔軟にカスタマイズできるので、そうなると自分がやりたいことがKARTEを通せばなんでもできちゃうというメリットを感じています。

— 今後の展望を教えてください。

住み替えには入学・就職や結婚などのライフステージの変化だったり、単なる気分転換だったり、いろいろな理由があります。それら一人ひとりのユーザーが良い物件に巡り会えるように、物件が探しやすい、見つけやすいサイトにしていきたいと考えています。

ユーザーの行動や過去をしっかりと捉えて、それに合った接客、サイトの見せ方を実現していくという部分は、KARTEを活用してもっとできると期待しています。

個人としては、業界の負の部分を解消するような新しい常識を生み出すことをLIFULL HOME’Sのサービスを通じて実現していきたいです。
社会が少しでもよくなる、世のため、人のためになることにつながる仕事していきたいと考えています。

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