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店舗を持たない銀行だからこそ、オンラインでお客さまのニーズを汲み続ける。KARTEによって起きたセブン銀行の変化

店舗を持たない銀行だからこそ、オンラインでお客さまのニーズを汲み続ける。KARTEによって起きたセブン銀行の変化

12th Apr, 2021

「いつでも、どこでも、だれでも安心してご利用いただける」をモットーに、ATMプラットフォーム事業や決済口座事業を展開するセブン銀行。お客さまの利便性を高めるためにリリースしたスマートフォンアプリ「Myセブン銀行」に、KARTEを導入いただいています。

店舗を持たない銀行という特性上、お客さまとコミュニケーションできる機会が少なく、お客さまのニーズが掴みにくい、という課題がありました。そのような課題を解決するため、KARTEを導入した結果、アプリに関わるメンバーの顧客体験への意識が変化していったといいます。今回は、KARTEの活用法とセブン銀行に生じた変化について、バンキング統括部サービス開発グループ副調査役の神野会沙様に伺いました。

いつでも、どこでも、気軽に使っていただくために、アプリに注力

はじめに、「Myセブン銀行」について教えてください。

セブン銀行口座をご利用いただいている方向けのスマートフォンアプリです。セブン銀行は、流通業界から生まれたバックグラウンドを生かして、「いつでも、どこでも、だれでも」安心してご利用いただける安心感や親しみやすさを大切にサービスを展開しています。

口座の残高や入出金明細の確認はもちろん、最短10分での口座開設や、QRコード※を活用してキャッシュカードなしでATMから現金を引き出せる機能なども提供しています。加えて、セブン銀行ATMの手数料無料の時間は、土日祝日含めて朝7時から夜7時までと長く、手軽に現金を引き出せる「お財布代わりの口座」としてご利用いただくことが多いです。

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Myセブン銀行は2020年の4月にリリースされています。アプリ提供の背景を教えてください。

もともと私たちは、セブン銀行口座のサービスをインターネットバンキングで提供していました。アプリも、非常に簡易的なものはあったんです。しかし、サービスのコンセプトを実現するためには、モバイルでの使いやすさにさらに力を入れていかなければいけません。 本格的なアプリの提供は必須だと考えて、改めて「Myセブン銀行」をリリースしました。

どのようなチームでアプリの運用にあたっているのでしょうか?

アプリの機能などを考える「開発企画」と、実装を担当する「開発」、マーケティング戦略などを考える「販促」、問合せ等に対応する「顧客応対」の4つのチームが関わっています。私は開発企画として、新たなサービスの企画や既存サービスの改善を担当しています。

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店舗を持たない銀行だからこそお客さまの要望を明確にとらえたいと、KARTEを導入

お客さまにとっての利便性を追求するためにアプリの提供に力を入れたのですね。なぜKARTEを導入されたのでしょうか?

アプリから取得できる情報をもとにお客さまのニーズを理解し、より使いやすいサービスを提供したいと考えたからです。

店舗を持たない銀行という特性上、顔を合わせてお話しする機会がないので、ニーズがつかみにくいという課題がありました。 既存のアプリでは分析ツール等を活用していなかったこともあり、お客さまの行動データなども取得できておらず、お客さまを知ろうと思ってもその材料がほとんどない状況でした。

また、一人ひとりのニーズに合わせてサービスのご案内をしたいと考えていたものの、メールマガジンしかコミュニケーション手段がなく、アプローチの自由度が低かったんです。また、得られる情報にも限界があったため、顧客理解が進まず、なかなか課題が見えてきませんでした。

アプリから得られるお客さまの行動履歴や属性情報などの多くのデータを活用することで、お客さまのニーズを知りたい、メルマガ以外のコミュニケーション手段も増やしたいと考え、KARTEの導入を決めました。

金融系のサービスは個人情報の取り扱いに関する規制が厳しく、KARTEでのデータ取得にあたっても、工夫が必要だったと伺っています。

お客さまに関するデータをどのようにKARTEと連携すれば問題がないのかは、かなり頭を悩ませましたね。システム部門や法務部門のメンバーと話し合い、着地点を探っていきました。

結果として、KARTE内に年齢や性別、口座残高などの情報を具体的な数値としては蓄積せず、データ分析にあたってはフラグ化して対応することにしました。 口座の残高であれば0〜1万円の方は1番、1万円から10万円の方は2番といったフラグを付与してKARTEにデータを送る形です。フラグ化することで、個人を特定できない形でデータを取得する一方、分析に必要なデータの粒度は確保し、適切なデータの取得や分析が可能になっています。

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KARTEによって「お客さまの姿」をイメージでき、ニーズに合わせた施策を打てるように

現在は、どのような体制でKARTEを運用しているのでしょうか?

Myセブン銀行のアプリに関わる開発企画と開発、販促のメンバーで分析や施策の立案に活用しているのに加え、施策の設定などは外部の企業様にもお手伝いいただいています。

具体的には、月に1回、各部のメンバーが集まる定例ミーティングを開催し、課題の抽出や施策の立案、振り返りをしています。チーム全員でユーザーダッシュボードを見ながら、お客さまの動きを分析。そこから開発企画のメンバーが課題点を洗い出し、販促や開発のメンバーとともに施策を練るという流れができています。

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ユーザーダッシュボードでは、作成したセグメントや行動をチャートにすることができ、クリックしていくことで絞り込んでいくことができる

また、部署が異なるメンバー間の連携を強めるために、KARTEと同時期にSlackも導入し、専用のチャンネルを作って活発に情報共有するようにしています。

もともと、顧客理解が進まないことやコミュニケーション手段の自由度の低さを課題に挙げていました。導入してみての手応えはいかがですか?

ユーザーダッシュボードを活用することで、お客さまの属性や全体的なサービスの使い方が可視化されるので、かなりお客さまのイメージがつくようになったと感じています。

分析ツールの管理・運用コストを下げるため、アプリの分析にはKARTEしか使っていないのですが、ユーザーダッシュボードは、グラフィカルで見やすく、すぐに使いこなせるようになりました。

お客さまの属性情報のほか、特定の機能の利用者といった行動ベースでセグメントを設定して動きを分析したことで、どういった部分でひっかかりやすいのか、使いにくいポイントはどこなのか、といった課題を抽出しやすくなりました。さらに、施策検討時に迷うところがある場合には、アンケート機能でお客さまの声を聞くこともでき、格段にニーズを把握しやすくなっています。

また、細やかなご案内もしやすくなりました。分析によって見えてきた仮説をベースに、「このセグメントには、こういったご案内をしてみよう」といったアイデアが、KARTEなら簡単に試せるんです。

プッシュ通知やポップアップは、ちょっとしたものならデザイナーに頼らずにクリエイティブを作れるので、文章さえ決めてしまえば最短1日で配信できます。以前はメルマガの設定などを含めて配信までに数日かかっていたことを考えると、気軽に様々なアプローチを試せるようになったと思います。

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お客さまへの理解度が上がったことで、コミュニケーション方法にも変化がありましたか?

アンケート機能を活用してお客さまの声を聞いたことで、改善施策の方針が変わったことがありました。

Myセブン銀行の「スマホATM」という、QRコード※を活用してキャッシュカードなしで現金を引き出せる機能の利用率が伸び悩んでいたんです。一度きりしか使わないお客さまも一定数おり、機能そのものに原因があると考え、改善の必要性を感じていました。

ただ、どのように改善すればいいかが見えてこず……。そこでKARTEで「一度しか利用しなかったお客さま」にアンケートを取ってみたんです。その結果は意外なもので、機能自体への満足度は高かった。機能自体が使いにくいわけではなく、お金を引き出したいタイミングで想起されない、忘れているパターンが多かったんです。

そこで、お客さまがATMを使うタイミングで思い出してもらえるようにプッシュ通知するなど、利用を促進するようなコミュニケーションを取るようにしました。お客さまの声を聞けていなければ、機能の改善ばかりにフォーカスしてしまい、あまり効果の出ないアプローチを繰り返してしまっていたかもしれません。

収益性や工数以上に「お客さまのためになるのか?」が議論の中心に

お客さまの声を聞き、本当に必要なアクションを考えられるように変化しているんですね。

はい。合わせて、「顧客体験」への意識や感度も変わっていきました。 KARTEの導入前は、お客さまの声は主にカスタマーサポート担当者のもとに集約されている状態。その部門からフィードバックはもらっていたものの、その声をどの程度重視すべきなのかなど、どうしても実感が湧きにくかったんですね。

しかし、KARTEを通して「お客さまの声」という定性面に加えて、「行動データ」という定量面も可視化されました。それらの情報をもとに日々の施策を振り返るうちに、一人ひとりのお客さまを意識しながらサービス改善に取り組めるようになっています。

こういった変化が、チーム全体に浸透しているのも重要な点だなと思っています。今までは新たな機能を提案すると、「ビジネスとしての収益性」や「開発工数」などを中心とした議論になりがちでしたが、まず「お客さまにとってどのような価値があるのか」という言葉がメンバーから出てくるようになりました。

お客さまの理解を深められるKARTEという存在があるからこそ、この変化が起きているのだと思います。アプリに関わるメンバーはそれぞれ部門が異なりますが、毎月のミーティングでユーザーダッシュボードやユーザーストーリーを見て、それらを起点に施策を考えているうちに、「お客さまを理解しよう」という目線合わせが自然とできていましたね。

一人ひとりのお客さまを意識できるようになったことで、神野さん自身のやりがいはどのように変わりましたか?

プロダクトを「形にすること」から、「使っていただくこと」にやりがいが変わっていきました。私自身も、お客さまの反応を見られるのが面白くて仕方がないんです。 これまで、システム開発を主としてキャリアを歩んできたので、「リリースするまで」が仕事のメイン。その先の「自分が作ったものが、お客さまにどのように使われているのか」を知る機会は、なかなかありませんでした。

今は、お客さまと向き合うなかで、時には厳しいご意見をいただくこともあります。しかし、その声と向き合い、本当に価値のあるサービスにしていくための体験を考える過程に、楽しさややりがいを感じています。

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今後、さらにお客さまのニーズに応えられるようなサービスを展開するために、どのようにKARTEを活用していきたいですか?

今まで以上に、改善のスピードを上げていきたいですね。ユーザーダッシュボードを見て施策を考えて実行するサイクルはできているのですが、実行までのスピードをより上げられるはずだと感じています。

そして、お客さまへの理解度をさらに高めていくために、KARTEに連携するデータの細分化もしていきたいです。口座の残高も0円〜1万円、1万円〜10万円など、比較的大きめの単位でフラグ分けしていますが、個人情報の兼ね合いも見ながら、もう少し細かい粒度で分けていきたい。併せて、他の連携サービスの利用状況なども見ていきたいですね。そうすることで、より一人ひとりにカスタマイズされた体験を実現したいです。

より細やかにお客さまを理解し、一人ひとりに合わせたサービスを提供していきたいんですね。

最終的にはMyセブン銀行を、保険や証券、投資信託など金融サービスが並ぶ、お客さまにとって便利にお使いいただける店舗のような存在にしていきたいんです。Myセブン銀行にアクセスすると、自分にぴったりな金融のサービスが提示されるような世界。それを実現するには、提供できるサービスを増やしていく必要もあると考えています。

ただ、サービスを広げていくに当たっても、お客さまの「声」が最も重要なのは変わりません。「いつでもどこでもだれでも」安心してご利用いただけるサービスを作り、より良い顧客体験を届けていくために、これからもお客さまの声を汲み取り、寄り添っていきたいですね。

※QRコードは、㈱デンソーウェーブの登録商標です

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