【解説】 Craft Cross CMSとKARTE Blocksの使い分けとは?役割の違いと判断基準
本記事では、Craft Cross CMSとKARTE Blocksそれぞれの役割の違いと、状況に応じた使い分けの基準を解説します。これからWebサイトの運用体制を整えたい方や、より効率的な改善サイクルを作りたい方に、自社のフェーズに合わせた最適な進め方が分かるようになります。
Webサイトの更新や日々の改善を行う中で、「この施策はCMSで管理すべきか、それともツール側で対応すべきか」と迷うことはないでしょうか。便利なツールが増える一方で、「どのツールで何を管理すべきか」「今の自分たちのフェーズには何が必要なのか」という判断は難しくなりがちです。
本記事では、「Craft Cross CMS」と「KARTE Blocks」それぞれの役割の違いと、状況に応じた使い分けの基準を解説します。これからWebサイトの運用体制を整えたい方や、より効率的な改善サイクルを作りたい方に、自社のフェーズに合わせた最適な進め方が分かるようになります。
Craft Cross CMSとKARTE Blocksの役割と違い
まずは、両者の基本的な役割と立ち位置について整理します。専門的なシステム用語ではなく、身近な例に置き換えてイメージを掴んでみましょう。
アパレルショップで考える概念構造

Webサイトの仕組みを「アパレルショップ(実店舗)」に例えると、それぞれの役割分担が見えてきます。
Craft Cross CMS:店内の設計と什器の「型」を決める(データの構造化)
店舗の構造そのものや、商品棚の「仕様」を定義する役割です。
役割: 「Tシャツ売り場には、サイズ・色・価格を表示する棚を置く」という器(データの型)を作ります。
実務: 商品を登録し、決められたルール(新着順やカテゴリ順)に従って、まずは「標準的な売り場」を完成させるところまでを担当します。
KARTE Blocks:完成した売り場を「動的に最適化」する(運用の自由化)
CMSで作られた「標準的な売り場」をベースに、特定の条件下で見せ方を柔軟に変えるスタッフの役割です。
役割: 「標準の棚」を元に、「A/Bテストでどちらが売れるか試す」「特定のユーザー(常連客など)にだけ別の商品を提案する」といった施策を行います。
実務: CMS側のシステム改修を待たずに、現場の判断で「今だけこのバナーに変える」「この人にはこの棚を見せる」といった、一歩踏み込んだ運用(パーソナライズや検証)を担います。
このように、Craft Cross CMSは「崩れない土台(構造)」を作り、KARTE Blocksはその土台の上で「見せ方(運用)」を変える という違いがあります。
構造層と施策・最適化層の補完関係
システムの関係性で見ると、これらは競合するものではなく、補完し合う関係にあります。
- 構造層(Craft Cross CMS) ページ構成やデータ構造の基盤となります。デザインを統制し、再利用可能な形でコンテンツを管理する役割を担います。
- 施策・最適化層(KARTE Blocks) 構造層の上で、A/Bテストやパーソナライズなどの施策運用を加速させます。コンテンツパーツ(バナー、見出し、ボタンなどのUI要素)を管理対象とし、即時の反映や検証を得意とします。
しっかりとした土台(Craft Cross CMS)があり、その上で柔軟な運用(KARTE Blocks)が回る状態が理想的ですが、必ずしも最初から両方が揃っている必要はありません。
2つのシステムを併用すると聞くと、「どちらを直せばいいかわからなくなる」「二重管理になって現場が混乱しそう」と感じるかもしれません。しかし、先述の通り役割が明確に分かれているため、その心配はありません。
運用の基本となる考え方は、「Craft Cross CMSで構築されたページが常に『正(Original)』であり、KARTE Blocksはその上に『薄い膜』を張って、特定の条件下(特定のユーザーや期間限定など)においてのみ表示を上書きする」というものです。
日々の運用で迷った際は、以下の対比構造を思い出してください。
- Craft Cross CMS = 安定・共通・管理(店自体の品質を恒久的に保つ)
- KARTE Blocks = 変化・個別・検証(状況に合わせて見せ方を変え、売上を最大化させる)
つまり、「サイト本来の恒久的な情報や構造」を直したい時はCraft Cross CMSを更新し、「今だけのキャンペーン」や「特定顧客への見せ方の検証」を行いたい時はKARTE Blocksを使う、というように迷わず判断することができます。
具体的な使い分けの判断基準と手順
では、実際のプロジェクトや日々の業務において、どのように使い分ければよいのでしょうか。判断の基準となる考え方と手順を紹介します。
判断の第一歩は「構造」の変化
使い分けに迷った際は、まず 「今回の施策は、サイトの構造を変える必要があるか」 と問いかけます。
もし、新しい情報を表示するための「枠」自体が存在しなかったり、ページ全体のレイアウト(行や列)を追加する必要がある。こういうケースは、設計レイヤーに踏み込む話です。Craft Cross CMS(またはHTML実装)側で対応し、サイト本体のソースコードを変更しながら構造を組み立て直します。
一方で、すでに用意されている構造には触れず、その中身だけを変えたい場合もあります。既存の枠内で文言を差し替えたり、画像の順番を入れ替えたり、特定のコンテンツを前後に差し込む・差し替える。こうした施策・最適化の取り組みは、KARTE Blocksで対応できます。構造を崩さない範囲であれば、要素の追加や置き換えも柔軟に行えます。
ここで重要なのは、「コードを書くかどうか」という単純な違いではありません。
KARTE Blocksの価値は、サイト本体のソースコードを書き換えたり、ビルドやデプロイといったエンジニア作業を挟まずに、ブラウザ上で変更を即時反映できる点にあります。
既存構造を前提に、A/Bテストやパーソナライズを素早く実行できるのも、この特性によるものです。
整理すると、構造そのものを設計・変更するのがCraft Cross CMS。既存構造を活かしたまま施策・最適化を回していくのがKARTE Blocks 、という役割分担になります。
具体的なケース別判断リスト
よくある相談内容を例に、どちらのアプローチが適しているかのパターンを見てみましょう。
- ページの並び順変更
コンテンツの順序を構造として管理する場合はCraft Cross CMS、施策として見せ方を調整する場合はKARTE Blocksで対応できます。 - ページの新規作成
新しい記事ページや特集ページなど、ページを追加する場合は、コンテンツ構造や管理方法を定義する必要があります。このような場合はCraft Cross CMS(+フロント実装)で対応します。 - コンテンツ項目の追加
商品や記事に「素材」や「サイズ」といった新しい情報項目を追加する場合、コンテンツの持ち方や入力項目の定義が必要になるためCraft Cross CMSで対応します。表示上だけ要素を追加することはKARTE Blocksでも可能ですが、構造として管理する場合はCMSが適しています。 - バナーの差し替え
バナーの差し替えや、期間限定の訴求を追加する場合、KARTE Blocksで柔軟に対応できます。(運用担当者が変わっても、誰が入力してもデザインが崩れないように)システムとして入力項目を固定したい場合は、Craft Cross CMSが適しています。 - 常設ページの改善
キャンペーンの訴求内容や見せ方を変えながら効果を検証したい場合は、A/Bテストや即時反映が得意なKARTE Blocksが向いています。
迷ったときの判断フロー
Craft Cross CMSとKARTE Blocksのどちらを使うべきか迷ったときは、「サイトの土台を変える話か、それとも既存の土台の上で施策を動かす話か」という視点で整理すると判断しやすくなります。
まずは、今回の施策がデータの持ち方やサイト構造を変える必要があるかどうかを確認します。

このように、サイトの土台となるデータ構造やページ構造を変更する場合はCraft Cross CMS、既存構造の上で表示の変更や施策を行う場合はKARTE Blocksと整理するとさらに判断しやすくなります。
サイト運用を最適化する連携のイメージ
それぞれの役割を理解した上で、どのように導入や活用を進めていけばよいのでしょうか。最初から完璧な役割分担を目指すのではなく、フェーズに合わせて柔軟に進めることが重要です。
「崩れない土台」と「高速な改善」の両立
Craft Cross CMSとKARTE Blocksを組み合わせる最大のメリットは、安定性とスピードの両立です。
Craft Cross CMSによってサイト全体でどのような情報をどこに載せるかという「型」を定義します。これにより、ページ数や商品数が増えても一貫性を保ち、コンテンツ管理の負荷を抑えることができます。その強固な土台の上で、KARTE Blocksを使って顧客の状況に合わせた見せ方の調整やA/Bテストを行います。土台がしっかりしているからこそ、安心して高速に改善を繰り返すことができるのです。
状況に合わせた柔軟な進め方
サイトの状況や予算、チーム体制によっては、最初から両方を導入したり、厳密に役割を固定したりするのが難しい場合もあります。そのような場合は、以下のような段階的な進め方も可能です。
- まずは小さく改善から始める
まだCMSによる構造化までは手が回らない場合、まずはKARTE Blocksを使って、既存のサイト構造のままでA/Bテストや更新を行います。本来はCMS領域の内容であっても、短期的にはKARTE Blocksで対応して成果を検証するという判断も有効です。 - 勝ちパターンが見えてから「型化」する
KARTE Blocksでの運用を通じて、「このレイアウトは効果的だ」「この枠は頻繁に更新する」といった傾向が見えてくることがあります。その段階で初めてCraft Cross CMSを導入し、勝ちパターンを「型(構造)」として定義することで、運用の効率化と安定化を図ることができます。
最初からすべてを設計しきるのではなく、まずは手軽な改善から始め、必要に応じて構造化していくという柔軟なアプローチをとることで、無理なくサイト運用を最適化していけます。
まとめ
本記事では、Craft Cross CMSとKARTE Blocksの役割の違いと使い分けについて解説しました。
- 役割の違い: Craft Cross CMSは「構造層(店内の構造や什器の型)」を作り、KARTE Blocksは「施策・最適化層(ディスプレイや見せ方)」を調整する役割です。
- 判断の基準: 「構造やHTMLを変える必要があるか」が大きな分岐点となります。
- 柔軟な進め方: 最初から役割を固定せず、まずは改善(KARTE Blocks)から始め、成果が出たものを構造化(Craft Cross CMS)するなど、状況に応じた段階的な活用が可能です。
どちらか一方を選ぶだけでなく、現在の課題が「構造の整備」にあるのか、「日々の改善スピード」にあるのかを見極め、フェーズに合わせて使い分けていくことが成功の鍵です。まずは目の前の施策が「構造」に関わるものか、「見せ方」に関わるものかを考えることから始めてみてはいかがでしょうか。