位置情報(IPロケーション)データを活用したマーケティング施策や事例
スマートフォンの普及により、位置情報を活用したサービスが続々と世の中に送り出され、今や欠かせないものとして私たちの生活に根付いています。
スマートフォンの普及により、位置情報を活用したサービスが続々と世の中に送り出され、今や欠かせないものとして私たちの生活に根付いています。
たとえば、出かけた街でエリア限定のクーポンがもらえたり、大雪の予報の出たタイミングで買いそびれていた雪かきをレコメンドされたら、エンドユーザーは、「自分がいま受け取る価値がある情報だ」と企業からのメッセージをポジティブに感じるでしょう。
もし、台風が直撃しているのにレジャーのお知らせが届いたら、その企業に対してどう感じるでしょうか?「台風が来てるのに出かけることを薦めるなんて、この企業は私のことがわかってないんじゃないか」と感じるのではないでしょうか。
位置情報は、エンドユーザーとのコミュニケーションの質、CX(顧客体験)を左右します。この記事では、位置情報を活用したマーケティングについてご紹介します。
位置情報を考慮したコミュニケーション設計
位置情報はユーザーにとって移動するためのナビゲーションとなるだけではなく、企業にとっては相手の状況を把握してコミュニケーションを取るうえで、とても重要な情報の一つです。位置情報からは、以下のようなことがわかります。
位置情報から分かること
- 現在地
- 居住地域
- 企業情報
- その土地の気候、天気予報
- 国外の場合は言語、時差 など
位置情報は、エンドユーザーの情報の一部です。情報を正確に把握することで、無駄な情報発信を控え、本当に必要な情報を必要な人にだけ届けることができます。
エンドユーザーの情報を取得する以外にも、位置情報には活用するメリットがあります。情報をリアルタイムに共有できるようにすることで、サービスの透明性を向上させ、エンドユーザーの信頼につながることもあります。
例えば、登録した一般の人が配達員としてデリバリーする形式が話題となったUber Eatsでは、配達員の位置がGPSで測位され常に更新されるため、従来の出前とくらべて到着時刻が明確で、待ちぼうけ感が少ないとの声も。配達員の動きを見て、「迷っているのでは」と感じたら電話やメッセージを送ることも可能で、デリバリーの顧客体験そのものがアップデートされた例と言えるでしょう。
位置情報(IPロケーション)データとは?
そもそも、位置情報とはどういうものなのでしょうか。英語では、「Geolocation(ジオロケーション)」と呼ばれ、地球・地上などと言った意味を持つ「Geo」と、位置・場所と言う意味の「Location」という二つの単語の組み合わせから成り立っています。
実は、位置情報と一口にいっても、様々な判定の仕方が存在しています。位置情報と言った際に、GPSや携帯電話の基地局からわかる位置情報、Wi-Fiの電波からわかる位置情報なども含まれます。
位置情報には、IPアドレスと位置情報を紐づけたデータベースを用い、IPアドレスから位置情報を判定する仕組みもあります。KARTEではIPアドレスと位置情報を紐づけたデータベースを用い、位置情報を判定しています。(GPSによる正確な測位ではありません。)
次は、位置情報(IPロケーション)のデータを活用した、KARTEにおけるマーケティング事例をご紹介します。
KARTEと位置情報を活用して、地域ごとに顧客体験を変化させたオンラインマーケティング事例
事例
株式会社アクティビティジャパン(https://activityjapan.com/)
アクティビティを予約できるポータルサイトで位置情報と天候データを活用した事例です。
事例サマリー
位置情報(IPロケーション)からエリアごとに明日の天気を把握し、雨の日予報の出ている地域ユーザーにのみ雨の日向けのアクティビティをご案内しました。
サイトには様々なアクティビティが掲載されていますが、天候が悪い日に体験できるアクティビティは限られます。特に雨の日は外で体験できるアクティビティも限られ、ユーザーの参加モチベーションの維持が難しくなります。
位置情報(IPロケーション)データとその位置に基づいた天候データを用いることで、対象ユーザーにのみ適したアクティビティを提案可能な仕組みを作ることができ、施策をクリックしたユーザーのコンバージョン率が通常の約2倍に向上しました。
施策のスクリーンイメージ
この施策のポイント
該当地域の天候がサービス・商材の体験価値を大きく左右するなか、天候ごとに適切なコンテンツを適切なユーザーにご案内することができ、IPロケーションデータの利用方法として非常に有効な施策です。
KARTEにおける接客シナリオ
KARTEの位置情報は国、都道府県、市区町村単位で利用可能です。天候だけではなく、リアル店舗への誘導など適切なコミュニケーションに役立てることができる接客シナリオをご紹介します。
位置情報を元に「地域限定クーポン」を配布
特定店舗の周辺にいる方のみに限定クーポンを配布することで、来店を促進しましょう。リアル店舗でのイベント開催に合わせて、周辺地域にいる方にだけ「渋谷店で只今限定セール開催中です」といった告知をサイト上に出すことができます。
海外からのアクセスを適正ページへ誘導
海外からのアクセスに対して個別のサイトを用意している場合、アクセス元(IPアドレス、ブラウザ言語など)に応じてバナーを出し分けることができます。 海外への発送情報を記載したページや、海外言語対応したページなど、IPアドレスを元に判別した海外からのアクセス者にそれぞれに適応した言語で誘導させましょう。
よいCX(顧客体験)の実現のために位置情報の活用は重要
より良いCXを実現するには、顧客一人ひとりの置かれている状況、さらに感情まで深く理解しようとする姿勢が重要です。位置情報の活用によって画一的ではない顧客接点が生まれ、CXの向上がより加速することでしょう。