Event Report

利用歴9年のQVCジャパンが語る、伴走支援を受けながら戦略的にKARTEを活用する方法|KARTE Friends Meetup vol.40

2025年10月に開催した「KARTE Friends Meetup vol.40」では、KARTE利用歴9年のテレビショッピングを展開するQVCジャパンから津隈さん、水野さん、林さんが登壇。

2025年10月に開催されたKARTE Friends Meetup vol.40には、テレビショッピングを中心とするマルチプラットフォーム通販企業の株式会社 QVCジャパン Digital Store所属の林さん、津隈さん、水野さんの3名に登壇いただきました。

QVCジャパンは2016年からKARTEを導入し、今年で9年目を迎えます。当初は「キャンペーン告知ツール」としてだけ使われていたKARTEが、KARTE Datahubの導入を転機に、顧客理解に基づく戦略的なパーソナライズの基盤へと進化を遂げました。

現在では、Webサイト上のレコメンドをKARTEで実装し、PLAID ALPHAの伴走支援もあり、成果に直結する施策を次々と生み出しています。その取り組みの軌跡と、成功の秘訣についてお話しいただきました。

KARTE利用歴9年、KARTE Datahub導入をきっかけに生じた変化

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株式会社 QVCジャパン Digital Store 津隈 真歩さん

QVCは、Quality(品質)、Value(価値)、Convenience(利便性)の頭文字を取った社名のもと、一貫したサービスをお客さまに提供しています。日本では2001年にテレビショッピングの放送を開始し、来年で開局25周年を迎えます。

津隈「KARTEとの出会いは2016年。『ECサイト上でサンタさんをクリックするとクーポンがもらえる』というキャンペーンを実現したいという社内要望に応えるために導入しました。その後、社内理解の進展に伴い、9年をかけてKARTEの拡張を重ね、今ではさまざまな場面でKARTEを活用しています」

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しかし、導入後しばらくは思うような活用ができず、津隈さんは「KARTEはただのキャンペーンツールではないはず」「パーソナライズできるのに全配信している」「社内データが使えない」「メールが送れない」「費用対効果をどう証明するか」という「5つの苦しみ」を抱えていたといいます。これらの課題を解決するため、2018年にKARTE Datahubの導入を決断しました。

津隈「KARTE Datahub導入後は、企画ごとに毎回リソースをかけるのではなく、定常運用できる自動化施策を優先して開発する、戦略的な活用ができるようになりました。また、Webやアプリの行動データと社内データとの連携も進められ、CDPとしての利用が可能になったことも大きな変化です。
データを活かせるようになった結果、ユーザーごとに違和感のないタイミングで配信できるようになりました。KARTEの利用が加速したことで、セキュリティの必要性も向上したため、社内のセキュリティチームと対策を進めていったという経緯もあります。さらに、分散していた各ツールのコストもKARTEに集約できるようになり、コスト調整がやりやすくなったというメリットも生まれました」

津隈さんは、KARTE Datahub導入で加速した点について、以下のようにまとめました。

  1. 戦略的活用:企画毎に毎回リソースをかけるのではなく、定常運用できる自動化施策を優先して開発。
  2. 顧客体験:Allユーザーに押し付けるような案内だけでなく、ユーザー毎に違和感のないタイミングで配信しやすくなった。
  3. データ統合:Web・App行動データだけでなく、社内データの連携でCDPとしての利用が加速。
  4. データセキュリティ:利用が加速したことで、セキュリティの必要性もアップ。グローバル標準の監査・SSOログインで安心の体制に。
  5. コスト効率:分散していたツールのコストをKARTEに集約。コスト調整がやりやすくなった。

レコメンドアイテムをKARTEで実装、顧客理解×商品データの掛け算

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株式会社 QVCジャパン Digital Store 水野 稔さん

続いて水野さんから、現在のQVCジャパンにおけるKARTE活用事例が紹介されました。ECサイト「QVC.jp」に表示されるレコメンドは、KARTEで実装されているといいます。

水野「以前は別のレコメンドアイテム配信ツールを使っていましたが、KARTEでレコメンドアイテムを作り直しました。リアルタイムで把握したお客様の特性をもとに、適切な商品提案を行うためには、レコメンドをKARTEで実装する必要があったからです」

具体的な活用例として紹介された「あなた専用注目情報」レコメンドは、商品ページ閲覧後のトップページに表示される施策です。

水野「ユーザーが閲覧した商品データと、その商品と一緒に見られている・買われている商品データを組み合わせることで、ログインしていないユーザーにも表示するレコメンドを実装しました。ユーザーの個人情報を利用しているわけではないため、ログイン状態に関係なく表示できるのが特徴です。従来の閲覧履歴表示のみの施策と比較して、来訪頻度、平均来訪単価、平均購入単価すべてが向上しました」

また、「お気に入りブランド」機能もKARTEで実装。ユーザーが登録したブランドの新着商品や値下げ情報を、Webサイト上だけでなくプッシュ通知やメールで配信する仕組みをKARTEを使って構築しました。

さらに、この仕組みをより多くのユーザーに使ってもらうことを目的として「お気に入りブランド登録キャンペーン」を実施しました。こちらの施策では、自分と似たユーザーがどんなブランドを登録しているかを表示することで、お気に入り登録のハードルを下げる工夫も行ったといいます。

水野さんは「これらの実装は、PLAID ALPHAの支援なしには実現できませんでした」と述べました。

広がり続けるKARTE活用とPLAID ALPHAとの伴走

最後に林さんから、PLAID ALPHAとの伴走支援について話されました。まず、QVCジャパンがKARTEシリーズを活用するようになった背景にあった、同社特有の課題の紹介からスタート。

「弊社はグローバルカンパニーということもあり、システム面での対応はQVCジャパンの関係者だけで完結できないことが多い。その為、やりたいことがあっても、時間がかかってしまう。ツールの入れ替えをやろうとすれば、大騒ぎです。KARTEは汎用性が高く、サービス領域が広いため、これを導入できていればいろんな施策を自分たちで実行できるようになるため、本当に助かっています」

さらに、オフィスの立地が都心から離れているため、人材採用が比較的困難な状況にあったことも課題でした。KARTEでやりたいことが増えても、担当する人手が足りない状況だったといいます。そこで頼りになったのがPLAID ALPHAでした。

「当たり前ですが、PLAID ALPHAにはKARTEに詳しい人が多いので、やりたいことを相談すると形にする方法を教えてもらえます。また、人が足りないときに相談すると、担当する人も増やしていただいています。今も、来年の大きな取り組みに向けて、PLAID ALPHAのチームを編成してもらっていて、助かっています」

KARTEを使いこなす上で、伴走支援を受ける上での成功の秘訣があるという林さん。その秘訣として、3つのポイントを挙げました。

  1. 理解のレベルを合わせる - テレビショッピングを中心とするマルチプラットフォーム通販というサービスの特性や、QVCジャパンの専門用語まで共有して理解してもらう
  2. 目線を合わせる - 週1回のすり合わせミーティングで取り組み内容の全体把握と、施策の優先順位を共有する
  3. 一喜一憂し合える関係性 - 単なる受発注関係を超えて、施策の結果に一喜一憂できるようにサービスへのコミットをしてもらう

こうした対応がない中では、伴走支援を受けても成果にはつながらない可能性があると林さんは述べました。現在、QVCジャパンのWebサイト上では多数のコンテンツがKARTEで動いており、「1日KARTEが止まったら大変なことに・・」と苦笑いを浮かべるほどKARTEの影響が高まっているそうです。

林さんは最後に、「競合ツールの研究も怠らないでほしい。私は新しいツールの情報を得たら、逐一『あのツール、こんなことできますよ』『KARTEでもこれできると思うんですよね』と伝えています。KARTEとの連携が強固になっているからこそ、より素晴らしいプロダクトになってもらいたい」と期待を語ってくださいました。

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ハロウィン企画で楽しみながら、参加者同士の活発な交流へ

イベントの最後は、KARTE Friends同士の交流会の時間に。KARTEの活用の仕方などについて、お互いに情報交換している様子が伺えました。この日は、ハロウィンだったため、イベントとしてもハロウィンに合わせた催しも。みなさまに楽しんでいただきました。

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9年間のKARTE活用を通じて、KARTEの活用方法が拡張していったQVCジャパン。データの活用による顧客体験の向上と、PLAID ALPHAとの伴走支援による成功事例は、多くのKARTE Friendsにとって貴重な学びとなったのではないでしょうか。

PLAID ALPHAの支援事例についてもっと知りたい方は、以下よりご確認ください。
https://cxclip.karte.io/tags/alpha/

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