Rakuten TV、JapanTaxiが登壇|KARTE Friends Meetup for App vol.2
KARTEを使いこなすヒントは、業界が違えど他社の事例にあり──。 KARTEユーザーのみなさんにお集まりいただいた、2019年8月6日開催の「KARTE Friends Meetup for App vol.2」。今回はRakuten TV様、JapanTaxi様にご登壇いただき、KARTE for Appの活用のコツや具体的な施策などのナレッジをご共有いただきました。
KARTEを使いこなすヒントは、業界が違えど他社の事例にあり──。
KARTEユーザーのみなさんにお集まりいただいた、2019年8月6日開催の「KARTE Friends Meetup for App vol.2」。今回はRakuten TV様、JapanTaxi様にご登壇いただき、KARTE for Appの活用のコツや具体的な施策などのナレッジをご共有いただきました。
- 「Rakuten TV」を運営する、Rakuten TV Japan マーケティング課の津輕辰彦さん
- 「JapanTaxi」を運営する、JapanTaxi株式会社 配車UX事業部の坪井聡さん
2019年5月に開催した「KARTE Friends Meetup -App-」の第二弾として、約30名の方にご参加いただいて盛り上がった今回のMeetup。当日発表いただいたナレッジとMeetupの様子についてレポートします!
初めての参加でも安心!和やかな雰囲気でスタート
今回の参加者の半数以上がKARTEのMeetupに初参加である一方で、すでに3〜4回参加経験のあるというリピーターの方も!
乾杯で幕開けしたMeetup、まずはグループごとに自己紹介をします。初対面でも自然と話が盛り上がり、会場はあっという間に和やかな雰囲気になりました。
Rakuten TVの事例紹介:ユーザーを理解するためのKARTE活用
場の雰囲気が和らいだところで、登壇者によるプレゼンテーションへ。一人目は、Rakuten TVの津輕さんです。
スポーツや映画、ドラマなどの約18万本の動画を配信しているオンライン動画視聴サービス「Rakuten TV」は、2016年からKARTEを導入しました。津輕さんがRakuten TV Japan事業部にジョインされた2018年時点のRakuten TVでは2つの課題を抱えており、KARTEの活用によってそれらの課題を解決したいと考えていたそうです。
1つ目の課題は、顧客とのタッチポイントが少ないこと。津輕さんはメールマガジンのディレクションも担当していましたが、キャンペーンなどの告知に際して他の選択肢の必要性を感じていました。
2つ目の課題は、プラットフォームとしての差別化。各動画配信サービスではコンテンツの内容や値段で差をつけることが困難であるため、競合サービスとの差別化を図るためには顧客体験を充実させる必要があると考えていました。
津輕さんはどのようにKARTEを利用したのでしょうか。
施策1:情報を届けたい顧客を絞り込んで、プッシュ通知をパーソナライズ化
Rakuten TVの特徴として、NBA(National Basketball Association:北米のバスケットボールのプロリーグ)の試合を独占配信していることが挙げられます。津輕さんはCX向上のために、NBAファンに対してメールマガジン以外の方法で試合情報を告知する方法を検討していました。
そこで目をつけたのが、KARTE for Appの「プッシュ通知」。プッシュ通知によって試合情報を告知する準備として、応援しているチームや視聴頻度を回答してもらうアンケートを実施しました。
NBAの定額見放題に申し込んでいる顧客に対して実施したアンケートを元に、パーソナライズしたプッシュ通知を配信したところ、プッシュ通知を受け取ったユーザーのうち26%がプッシュ通知を機に視聴を開始する結果となりました。
ユーザーにリアルタイムでアクセスしてもらうことに価値があり、ユーザーにとっても重要度が高い情報を配信したいときに、パーソナライズしたプッシュ通知が有効であることがわかります。
施策2:クーポンが活用されない原因を、アンケート機能で解明
「使ったことがある人はいますか?」と津輕さんが会場に問いかけたところ、ほとんど手が挙がらなかったKARTEのアンケート機能。津輕さんは、この機能の思わぬ活用方法も紹介してくれました。
Rakuten TVではユーザーが誰でも使えるクーポンを付与してバナーやポップアップで訴求していたものの、利用率が低いことが課題になっていました。
そこで原因を探るために「クーポンが付与されていることに気付いていますか?」「クーポンはお得に感じますか?」と質問する簡潔なアンケートを実施したところ、クーポンの付与に気付いていない人が8割いる一方で、クーポンをお得に感じる人は6割を占めました。
クーポンの利用率が低い原因は、ユーザーがベネフィットを把握していないことだと判明。以降、クーポンの施策を継続しながらその訴求方法に変更を加えたそうです。
津輕さんのお話から、Meetupの参加者のみなさんは、アンケートに好意的に回答してくれるユーザーが多いこと、簡単なアンケートを打つことで素早く改善できることを知って驚く方もいらっしゃいました。
今後、Rakuten TVでは既存ユーザーの満足度を上げていくために、KARTEを活用して顧客体験における更なる差別化を図りたいそうです。視聴期限が切れてしまっているユーザー向けの体験やポイントサービスなどの、更なる施策の充実を検討されています。
マーケティング用語を知らなくてもKARTEを活用できたコツ
最初からKARTEを使いこなしているかのように見える津輕さんですが、現在の仕事をするまでウェブマーケティングの経験がなかったのだとか。それでもKARTEを運用していくために、2つの方法を実践したそうです。
1つ目は、KARTEのサポートサイトを活用すること。基礎用語から説明されていて細かい解説が派生していくため、マーケティングやKARTEに関する用語を一つずつ理解できたと言います。解説ページがこまめに更新されていることも、安心感につながったそうです。
2つ目は、自分のアカウントをKARTEのストーリー画面で表示させて、アプリやサイトを操作すること。KARTEからどのようなデータを取得できているのか把握できていない状態だと施策が思い浮かばなかったことから、この方法を実践してみたそうです。
参考:サイト、アプリを閲覧している自分自身のデータを確認する | ドキュメント / ユーザー / リアルタイムユーザー | KARTEサポートサイト
2つの方法の積み重ねで、津輕さんは次第に「そもそもKARTEで何をできるのかわからない」「なんとなく難しそう」といった“KARTEアレルギー”の状態から脱していきました。KARTEの運用を引き継いだ担当者の方にもおすすめの方法とのことです。
JapanTaxiの事例紹介:KARTE for Appだからできたこと
二人目の登壇は、JapanTaxi株式会社 配車UX事業部ディレクター、坪井さんです。
全国47都道府県で約7万台のタクシーを配車できるタクシーアプリ「JapanTaxi」では、2019年2月からKARTE for Appを導入しました。
JapanTaxiのミッションは、「移動で人を幸せに。」。移動の時間をコストではなく機会と捉えられるサービスを提供するために、タクシーを呼ぶユーザーの「瞬間のニーズに合わせたきめ細やかな施策を打ちたい」と考えていました。
KARTE for App導入前のJapanTaxiではアプリ内の配信ツールによる施策を打っていたものの、タクシーの利用シーンが多岐に渡り、一律のコミュニケーションではユーザーのニーズとの間に齟齬が生じていたのです。
JapanTaxiはこうした課題を解決するために、KARTE for Appの導入を決定。3つの目標を定めました。
- 個々のユーザーにフィットする施策をリアルタイムで提供すること
- 「KARTE Datahub」によってデータソースと連動させて接客を包括的に向上させること
- 「KARTE for App」を共通基盤として施策と効果の見える化を図ること
の3点です。
実際にどのようにKARTE for Appを活用し、導入によってどのような変化が生じたのでしょうか。
施策:プッシュ通知を使って緊急事態へのスムーズな対応に成功
工数を減らしたことは、緊急な対応が必要な場面でも有用でした。東京2020に向けた交通規制試行の影響で、タクシーの運行に支障をきたす恐れがあった際、KARTEを使ってコミュニケーションを実施。
システムの改修は最小限で、エリアを限定して特定のユーザーに向けてポップアップを表示し、プッシュ通知を配信したことで、ユーザーからの問い合わせも減ったそうです。問い合わせ前に適切な案内が可能になったことで、開発のコストだけではなく顧客対応にかかるコストも低減しました。
社内のマインドセットとコミュニケーションが変化
坪井さんはKARTE for Appを導入してから半年で、JapanTaxi内で「効果検証の体制改善」「個々の施策のスピードの向上と幅の広がり」「想定外の部署への広がり」などが変化していると感じているそうです。
KARTEによって素早く施策が実行でき、効果検証が可能になったことで、社内のコミュニケーションにも変化が生じています。当初はマーケティング部門で導入したKARTEも、「まずはKARTEを使って何かできないか」と考えるマインドセットが全社的に広がっていったことで、現在では部署を横断してKARTEの活用が広がり、活用人材が増えてきています。
「今後は、KARTEを使いこなせる人を社内で育成しながら、ユーザーの体験向上につながる施策を追求したい」と坪井さんは語ります。Rakuten TVのようなアンケート施策への活用、事業開発の観点における連携の強化などを進めながら、「移動で人を幸せに。」するために更なる改善を重ねていきたいと考えているそうです。
異なる業界の他社事例にヒントが詰まっている
プレゼンテーションの後は、参加者同士が情報交換したり、ゲストへの質問をしたりする時間を設けました。
特にRakuten TVで活用しているアンケート機能については、「気軽に使っていいとわかった」「改善のためのアンケートにも積極的に回答してもらえることがわかった」などの発見が多かったようです。
今回登壇されたお二人からも「KARTEを導入しているけれど使いこなせない、同じような悩みを持っている仲間がいるんだなと思った」「背景の異なる他社事例を聞けることで勉強になる」と感想をいただき、会場全体が積極的に学ぼうという熱気に包まれる時間となりました。
課題解決のヒントが見つかるMeetup、今後も開催!
最後は懇親会で、ドリンクやフードを片手に今後のKARTEの運用に関する活発な会話が繰り広げられていました。
今後もこのようなナレッジ共有の場を継続的に開催予定なので、お一人でもお気軽にご参加ください!