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目指したのは、入社前後のギャップが少ない採用体験。求職者目線でコミュニケーションを設計する、ナイル流の採用

目指したのは、入社前後のギャップが少ない採用体験。求職者目線でコミュニケーションを設計する、ナイル流の採用

2nd Sep, 2021

デジタルマーケティングカンパニーであるナイル株式会社では、2021年3月、採用候補者の体験向上を目指し、採用関連サイトにKARTEを導入しました。

KARTEを導入して約半年、ナイル採用企画マネージャーの渡邉慎平様は「KARTE導入前と比べて、より候補者の視点でコミュニケーションをとれるようになった」と語ります。KARTEの導入〜活用は、人材業界での経験があるカスタマーサクセスの宮本 和典が、自身の経験も活かしながら、渡邉様と進めています。

今回は、ナイルがより良い採用活動をするために行ってきたアクションの変遷や、候補者視点のコミュニケーションの実現にどのようにKARTEが役立ったのかを伺いました。

目指したのは、入社後のギャップが少ない候補者体験

はじめに、ナイルの事業内容や渡邉さんの役割について教えてください。

渡邉:ナイルは「デジタル革命で社会を良くする事業家集団」をビジョンに掲げ、デジタルマーケティング・メディアテクノロジー・モビリティサービスの3つを軸に事業を展開しています。

私は採用企画マネージャーとして、採用オウンドメディア「ナイルのかだん」の運営を始めとする採用マーケティングや採用広報の企画から実行までを担当しています。新卒でナイルに入社し、約6年で300社以上のWebコンサルティングを担当、2018年5月から人事に移りました。

2018年に人事に異動した当時は、採用にどのような課題があったのでしょうか?

渡邉:1つは、候補者から抱かれるイメージと会社の実態のギャップです。

自分が人事に異動した頃は、「東大生が学生起業した、高学歴な人ばかりの会社」や「SEOの会社」などをイメージする候補者が多かったです。それらの一部は事実ですが、あくまでナイルの一つの側面でしかありません。そういった一面的な認識と実態のギャップを埋めることに時間を使ってしまい、入社後の業務イメージやナイルのカルチャーへの正しい理解促進ができていないまま採用してしまうケースがあり、離職率の高さにもつながっていました。

もうひとつが、やはり目標の採用数を達成することがミッションとしてあるため、どうやって候補者を多く集客するかという「入口」と、どうやって効率的に内定承諾まで導くかという「出口」に集中してしまっていたんです。その間の体験を大切だという認識はしつつも、なかなか着手できていませんでした。

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ナイル採用企画マネージャー 渡邉慎平様

これはWebマーケティングの領域においても、よく起きているように感じています。サイトへのアクセス数やCVRなど数字に注目し、そこにいる一人ひとりのユーザーの心理などには目を向けない。

しかし、採用でもマーケティングでも重要なのは、相手とどのようなコミュニケーションをとり、どのように自社や製品に興味をもってもらう、気持ちの変化を促していくことです。もっと候補者の心理を踏まえて、全体の体験をつくっていきたいと考えていました。

求職者視点での体験を設計するために行った、ふたつの取り組み

「会社の実態と候補者のイメージにギャップがある」という課題を解決するために何をしたのでしょうか?

渡邉:課題解決のためにやってきたことは主に2つです。

まずは、企業視点ではなく求職者視点で選考体験を設計し直しました。そのために活用したのが、コンセプトダイアグラムというカスタマーアナリティクスで用いる思考のフレームワークの応用です。

コンセプトダイアグラムは、ターゲットの心理状態の変化と、その変化を起こすために企業がとるべきコミュニケーションを図解して可視化するものです。

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より詳細なコンセプトダイアグラムの解説はこちら

いわゆるカスタマー・ジャーニーマップやキャンディデイト・ジャーニーマップは、最終的に自社を選ぶことを前提に設計しているため、求職者視点ではなく、企業都合のものになっています。

ですが、選考体験の設計にコンセプトダイアグラムを用いることで、「自社に入社してもらう」という企業視点のゴールではなく、「転職活動を経て最適な選択を選ぶ」という求職者視点のゴールに向けて、よりリアルな心理変化を考えられます。

コンセプトダイアグラムで求職者の心理がどのように変化していくのかを捉え、各段階での変化を起こすために必要なアクションを考えていきました。そして各アクションの優先順位や成果を測る指標を決めるために、キャンディデイト・ジャーニーマップを活用していきました。

キャンディデイト・ジャーニーマップは、マーケティングでいうカスタマージャーニーマップの採用版で、対象者をカスタマー=顧客から、キャンディデイト=採用候補者にしているものです。

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コンセプトダイアグラムで候補者の心理状態を軸に必要なアクションを考え、キャンディデイト・ジャーニーマップで企業との出会いから採用までの工程を可視化しながら、アクションを整理していく。企業視点ではなく候補者視点で採用体験を考えた上で、アクションを立案、実行できるようになりました。

2つ目は、「生のナイルを伝える」オウンドメディア「ナイルのかだん」のリリースです。入社前後でギャップを生まないように、「飾らないありのままの姿」と「フレッシュな情報」を伝えることを方針としています。

入社後に配属される部署やプロダクトに関する記事や、入社後に一緒に働く社員のインタビュー記事などを通じて、ナイルへの理解を深めてもらっています。面接前に「この人が面接担当しますよ」と事前に候補者に情報を送ることで、面接への心理的ハードルも下げられていると思います。また、1on1や給与と評価の記事などは、候補者から「ここまで情報がオープンになっているので安心しました」という感想をもらえており、懸念払拭にもつながっていますね。

候補者の視点でコミュニケーションを設計し、会社の実態を伝えるための情報提供を強化した結果、どのような変化がありましたか?

渡邉:入社した人向けのアンケートでは会社の実態と候補者のイメージのギャップが減少、さらに内定承諾率は向上し、離職率は低下しました。

実際に、選考を受けてくださる方に面接中に「質問はありますか?」と聞くと、「ナイルのかだんを読んでいるので特にありません」と言ってくださることが多いです。記事を通して応募や選考の段階でありのままのナイルを伝えられており、不安や疑問を払拭してから面接に望んでいただけるんだと思います。

KARTEを使って、候補者に最適なコンテンツを届ける

2021年3月から、採用サイトとオウンドメディア「ナイルのかだん」にKARTE を導入していただいてます。会社の実態と候補者のイメージのギャップが減少して成果も出ているなか、なぜKARTEを導入しようと思ったのでしょうか?

渡邉:KARTEを活用することで、理想的な候補者体験により近づけることができると思ったからです。

ナイルのかだんで候補者に必要なコンテンツを揃えることはできました。しかし、記事が増えたことで、サイトに訪れた人が読みたいコンテンツにたどり着くことが難しくなっていたんです。 例えば、エンジニアの働く環境を知りたいけれども、どの記事を読めばいいのかわからず離脱するなどですね。

せっかくコンテンツはあるのに、必要としている人に届かないのはもったいない。採用のどの段階で、どんな人にどういうコンテンツを届けるべきか改めて考え、体験として設計する必要性があるなと思っていました。

そんなときに、宮本さんから「サイトに来訪している候補者を一人ひとり知ること」「その人たちに適切な情報を届けること」ができるKARTE の話を聞いて導入を決意しました。

ナイルさんで初めて採用サイトにおいてKARTEを活用されましたが、宮本さんは最初はどのようにアクションを考えていったのでしょうか?

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カスタマーサクセス 宮本 和典

宮本:まずは、コンセプトダイアグラムを渡邉さんから共有してもらいました。それを参照しつつ、候補者が次のフェーズへと態度変容を起こすためにはどのようなコミュニケーションが必要で、現状はどのような課題があるかをブレストしていきました。

その中で、採用候補者の職種やフェーズごとに「取るべきコミュニケーション」や「どの程度情報が届いているか」を洗い出したり、細かいターゲット設定に対してどのように情報を案内していくかを話しましたね。

その結果、どのようなアクションが生まれたのでしょうか?

渡邉1つ目は、オウンドメディアに流入した人のニーズをアンケートし、その結果をもとに最適なコンテンツをレコメンドするアクションです。

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ナイルでは50ほどの職種を募集しており、職種についてのコンテンツだけでも膨大な数になっています。ナイルのビジネスに興味があるのか、ナイルのポジションについて興味があるのか、アンケートを答えていくとでそれぞれのニーズにあったコンテンツを提案できるようにしました。

2つ目は、関東以外の地域からアクセスした候補者に、関東への引越補助制度を訴求しました。

KARTEではIPロケーションの情報を連携することができるため、特定の場所にいる人だけにアクションすることができます。制度の対象にならないすでに関東に住まわれている方には表示されることなく、制度にメリットを感じられる可能性が高い人に絞ってご案内できたのがよかったですね。

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3つ目は、特定の社員がSNSでシェアしたリンク経由で採用サイトに流入した方に対して、その社員とのカジュアル面談にお誘いするポップアップを表示するというアクションです。 例えば、私が人事職の応募ページをツイートし、そのリンクをクリックしていただくと、私の写真つきで「カジュアルにお話ししませんか?」というポップアップが表示されます。

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宮本:渡邉さんをTwitterでフォローしている人が採用サイトに訪問したら、渡邉さんから「カジュアル面談しませんか?」と話しかけてもらえ、応募すれば実際に面談もできる。候補者目線で一貫性のある体験を届けられるアクションだったと思います。

候補者をN=1で捉え、長期的な関係を築いていく

KARTEを導入して新たに得た気づきなどはありますか?

渡邉KARTEを導入して、企業と候補者の間には大きな情報格差があることがわかりました。

KARTEのユーザーストーリーやKARTE Liveでサイト上の動きを見て気づいたのが「想像以上に、サイトに来た候補者が自分がほしい情報を見つけるのが難しい」ということでした。「滞在時間が長い=よく読んでる」と考えがちですが、ただ単に情報が見つからずに迷っているケースが多かったんです。

企業側は「ここクリックするだけで採用情報にたどり着けるのに」と思っていても、候補者はそのボタンを見つけられない。届けたつもりでも、実際に候補者が受け取っている情報は思っている以上に少ないんだろうなと。

それらを踏まえて、より候補者視点で情報を整理して案内する重要性を感じました。

今後は、どのような候補者体験を目指していくのでしょうか?

渡邉:1つ目は、候補者をN=1で捉え、相手を理解した上で細かなコミュニケーションをとっていきたいです。 企業視点で採用を考えるとき、どうしても候補者をN=1で捉えるのは難しくなります。「100人エントリーがあったら1人採用できる」というように採用ファネルの数字に着目しがちだからです。

しかし、実際にそこにいるのはたった一人の自身のキャリアを考える人であり、悩みながら一歩を踏み出そうとしているわけです。KARTEで採用候補者の動きを見ていると、そういった一人ひとりの行動が見えてきて、改めて一人ひとりを知ることの大切さを認識できました。

採用ファネルの数字だけを見るのではなく、「なぜオウンドメディアに来ているのか」「何に悩んでいて、何を知りたいのか」などを把握し、細やかなコミュニケーションをとりたいです。

2つ目は、候補者との長期的な関係づくりです。

現状、「ナイルに興味があり転職したい人」に対するコンテンツの訴求やアクションはかなりできるようになってきています。しかし、それ以外の「すぐに転職しないがナイルに興味がある人」や「途中まで選考に進んだけど辞退した人」などとの関係はあまり築けていません。

例えば名前とメールアドレス、今在籍している企業などをエントリーフォームに入力してもらえば個人を認識できますし、そういうデータをKARTEに蓄積していけば、ナイルと直接的な接点がない期間にもなにか有益な情報をお届けしたり、その人がまたサイトに訪れときにカジュアル面談をオファーするといったアクションを起こすこともできる。

エントリーしたけどご縁がなかった人も、その過程でどのようにナイルを理解してくれて、本来何を伝えるべきだったのかを考えたいし、いつかナイルで働いてみたい人には、今どのような状況であり何を知りたいのか、どのようなタイミングで接点を持つべきなのかを捉えてコミュニケーションをとっていきたい。

すぐに採用につながらないケースでも、一人ひとりのタイミングに合わせた、より長期視点での関係構築ができたらいいなと考えています。

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3つ目は、企業からの一方的な選考ではなく、より候補者の視点に立った「お互いに見極める」選考プロセスに改善したいです。

候補者視点に立つ努力はしているものの、Web適性検査やワークサンプルテスト、リファレンスチェックなど、弊社の選考プロセスは多いほうで、候補者の体験として一方的にスキルや情報の開示を求められているように感じかねません。

そうではなく、選考の各段階に合わせて「あなたにとってこういう風に魅力的な会社です」と、積極的に情報を開示していきたい。そうして、対等な立場でお互いに「一緒に働きたいか」を判断できるような体験を提供できたらと思います。

今回初めて採用領域でナイルさんにKARTEを導入いただきましたが、今後はどのような展望を描いていますか?

宮本今後は採用CXと言われる求職者体験の領域だけではなく、EXと言われる従業員体験の領域にまでKARTEを活用できるようにしていきたいと思っています。

入社までの過程はもちろん、配属や勤怠、評価や1on1の記録など入社後のデータもKARTEに蓄積していくことで、「どんな人がどのように入社し、どのように働いているのか」という長期的な従業員体験を可視化できるはずです。

そういったデータを用いて働き方をブラッシュアップすることが、優れた従業員体験につながる。そして、良い従業員体験は良い顧客体験につながり、結果として会社の価値も上がる。そんな循環を、KARTEで実現できたらいいなと思っていますね。

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