「ウェブ担当者1人で完結できる!」サイト成約率アップに効く実践テクニック10パターン【事例付】
EC、人材、不動産…、ジャンルを問わずウェブサイトを運営する上で重要な指標の一つに成約率(コンバージョン)があります。 サービスの売り上げをアップさせるために、成約率をどのように改善していくか、事例を交えて紹介します。
EC、人材、不動産…、ジャンルを問わずウェブサイトを運営する上で重要な指標の一つに成約率(コンバージョン)があります。
サービスの売り上げをアップさせるために、成約率をどのように改善していくか、事例を交えて紹介します。
そもそも…成約率とは?
成約率とは、自社サービスの中で最終的な目的となる行動をしたユーザーの割合です。コンバージョンレートとも言います。
サイト上では何をすると「成約」になるのか
サイトでの成約は、業態などによって定義が異なります。サービスのジャンルごと成約が何に当たるのかを列挙します。
- ECサイト→購買(またはその手前として会員登録)
- 求人メディア→会員登録、職務経歴の記入
- 不動産、金融→問い合わせ、資料請求、来店予約など
- グルメサイト→店舗の予約、有料会員への登録
- 旅行サイト→資料請求、プランへの予約
成約率(CVR)の算出方法
成約率は以下の式で求めることができます。
【成約率=サイトでの成約者数 ÷ 来訪者数 ×100】(%)
サービス運営では、この成約率の他に「売り上げはいくらか(売上高)」「一人あたりの購入額はいくらか(客単価)」などの指標と掛け合わせて分析・改善を行います。この指標はサービスのジャンルによって異なります。
成約率を高めるための考え方
ここからは、成約率を高めるための実践的な考え方を紹介します。
どこに改善の余地がある?まずは課題・仮説を見つける
あらゆる改善に共通しますが、成約率をアップさせる場合もどこに課題があるかを考えることから施策がスタートします。
その中で、ウェブサービスでよくある悩みの一つに「来訪者一人ひとりにあった情報を提供できていない」ことがあります。
特に、運営を丁寧に行っているサービスでは、ほぼ必ずユーザーのペルソナを立てています。
実はこのペルソナ設計が成約率アップに必要なことでもある一方、改善の余地を生み出す原因になっている可能性があります。
当社メンバーの一人が、前職で主婦をメインターゲットにしたEC運営に携わっていました。
そのサービスは確かに主婦がメイン顧客層なものの、実際は男性の来訪者も一定数いたことに葛藤があったそうです。
施策一つにしても、「30歳女性には合うけど絶対男性には合わないよな」と感じながら、実際には来訪者全体の中での落とし所でしかアクションできないという悩みを抱えていました。
他にも、例えば銀行などの金融商品を扱ったウェブサイトでの悩みもこれに似た事例です。
顧客層も扱う商品も多岐にわたる金融系サイトのトップページには、来訪者によってはその時点では全く関係のないサービスも含めてあらゆる商品のリンクがあり、さらにその一つ一つがどれも難解なコンテンツになっていることがありがちです。
もし口座の有無、既に契約している商品の有無・その種類、過去に閲覧したページなどをもとにして、ユーザーごとに情報の最適化ができれば、成約率が高められる可能性が大いにあるケースだといえるでしょう。
PDCAを実行する(アイデアを出し、実行し、検証し続ける)
上に紹介した、全体を意識しすぎて逃してしまっているユーザーがいるなど、自社サービスの課題や改善のための仮説を抽出したら、次はその対策を試しに実行してみましょう。
ウェブサービスの施策の多くはサイト内での改善になるため、デザイナーやエンジニアに制作や開発を依頼しすることが一般的です。
しかし、仮説検証に時間や費用などのコストを考えると、必ずしも思いついた施策全てを実行できるわけではなかったり、実行までにある程度の期間を要してしまうということがあります。
そこで有効なのが、ウェブ接客ツール、A/Bテストツール、LPOツールなどの開発にかかる時間・コミュニケーションなどのコストを最小限におさえ、効果検証も同時に行えるツールを導入することです。
私たちも「KARTE(カルテ)」というウェブ接客ツールを、ジャンルを問わずあらゆるサービス向けに提供しており、上のセクションで挙げたような悩みを解決してきています。
KARTE 紹介ムービー
特に、ウェブ接客ツールは来訪者を”個”として捉えるという考えのもとで設計されているため、独自の特徴が二つあります。
1,ベターではなく、それぞれにとってのベストをつくる
A/Bテストツールなどの改善ツールとウェブ接客ツールの違いは、施策ごとの条件が非常に細かく設定でき、来訪者一人ひとりに合わせることを意識している点です。
それに対してウェブ接客ツールは「この人にはこれがベスト」というパターンを数多く用意することで成約率をはじめとしたサイトの改善を行うという考え方です。
実際に、KARTEを導入しているサイトでは、多いサイトでは50〜100といった数の施策を同時に走らせています。
また当社では、導入から実行までの支援、他社の成功施策のナレッジ化などをサービス提供と合わせて行っているので、導入初日から施策の実行・改善に取り掛かることができます。
KARTEでは、ワンクリックですぐに始めることができるテンプレートも豊富に用意しています。
2,一人ひとりの行動を可視化できる
「この人にはこれがベスト」を実現するための機能として、ウェブ接客ツールには分析機能が搭載されています。
例を挙げると、「この人は何回目の来訪か」「どのページを見ているか」「ページの何%までスクロールしたか」などの情報を来訪者別に、かつリアルタイムに分析することができます。
成約率の改善テクニック 10の実践パターン
ウェブ接客ツールでどのように成約率を高められるのか、KARTEでの事例をもとに代表的な施策を10のパターンを紹介します。
①非会員にだけ会員登録クーポン発行
KARTEを使って行う施策の中でも、もっとも定番ともいえるのがこのアクション。
KARTEには来訪者が自社サイトの会員/非会員なのかを判別できる機能があるため、これを用いて非会員にだけ会員登録を促すクーポンやメッセージを出します。届けたい相手だけにメッセージを届けることができます。
新規会員向けのクーポン例。
②過去の閲覧ページをもとに訴求を変える
来訪者が、過去にも自社サイトに来ていた場合、その際に閲覧したページを知ることができます。
例えば旅行系サービスで1人用プランの閲覧履歴があるユーザーには、一人旅特集などのコンテンツを作成し、ポップアップなどでそのページへ誘導させることができます。
③セール期間などのカウントダウン
ユーザーの購買意欲を高めるために、セール期間などの残り時間をサイトに表示するという方法がありますサイトのヘッダーなどに常時設置したり、セール商品のページを閲覧している間だけカウントダウンをしたりなど、さまざまな方法での表示ができます。
サイトのヘッダーなどに常時設置したり、セール商品のページを閲覧している間だけカウントダウンをしたりなど、さまざまな方法での表示ができます。
カウントダウンの接客例。
④「同じ商品を何人が狙っているか」リアルタイム通知
実店舗でも、良いなと思って見ている商品を隣の人が手に取る前に、反射的に自分のカゴに入れてしまう、といったことがあります。
オンラインでの接客でも、同じ商品ページを今何人が閲覧しているか表示することにより、商品の購買意欲を高めることができます。
現在ページを閲覧している人数を出す接客例。
⑥スマホ閲覧時だけ電話問い合わせバナーを出す
ユーザーがどのデバイスからサイトに来ているかを判別し、スマホからの閲覧の場合にだけ電話問い合わせバナーを出す施策です。
また、常にバナーが出ている状態はユーザーにとって逆に不親切になる可能性もあるので、「滞在時間やPVが一定以上」になったらバナーを出す、といったことも効果的です。
来店予約フォームに一定時間以上滞在しているお客様に電話でも予約可能なことを伝える接客例。
⑦バースデークーポンをサイト内で発行
クーポンを発行する場合も、全員に同じものではなく、一人ひとりに向けたものであるとユーザーの心をつかみやすくなります。その一つにバースデークーポンがあります。
ユーザーが自社サイトの会員などで誕生月/日が分かっている場合、来訪した月/日に応じて「おめでとうございます」といったメッセージとともにクーポンを発行するアクションを行うことが可能です。
メールマガジンと比較しても、サイト来訪時にアクションができるので、より高い反応率を見込むことができます。
誕生日のメッセージとともに、クーポンを提示する接客例。
⑧会員ランクに合わせたセールへの誘導
こちらもサイト内で会員登録機能がある場合に有効なアクションです。
会員の獲得ポイントなどのサービス利用度に応じてランクを分け、ランクごとに別のセール内容をサイト内で案内することができます。
⑨関連商品をカート投入後におすすめする
ECなどでクロスセルをねらう際にも、オンライン接客ツールを活用することができます。
ユーザーが商品をカートに入れた際、関連した商品をおすすめするポップアップを表示します。
レコメンド機能を実装しているサイトも増えてきていますが、そうでないサイトでもKARTEの機能を使えばサイト改修なしでこうしたアクションが可能です。
スマートフォンのケースをカートに入れた際に、同じ柄のモバイルバッテリーをおすすめするメッセージ。
⑩送料無料になるまでの金額をお知らせする
この施策もクロスセルに有効なパターンです。
一定の金額以上の購入で、商品の送料無料サービスを実施しているサイトなどで、一人ひとりのユーザーに対して「あと〇〇円のご購入で送料無料です!」といったメッセージを表示させるというアクションです。
送料無料施策とレコメンドを組み合わせた例。
この例では、シルバーエッグ社の「アイジェント・レコメンダー」との組み合わせで、送料無料までの金額を表示するとともに、お客様へのおすすめの商品も同時に表示し、まさにリアルの店舗のような接客サービスを実現しています。
(この施策についての詳細はこちら➝「KARTE」とシルバーエッグ社のレコメンドの連携により購入率約1.5倍、購入単価約1.4倍に ファッション通販サイト「FASHIONWALKER」で効果検証 ※プレスリリース)
まとめ買いで割引になる商品がある場合も、このような方法でお得情報として追加購入をプッシュすることができます。
まとめ
成約率を改善するための考え方や、ウェブ接客ツールを活用した改善事例を紹介してきました。
常にサービスを事業視点で考えることがポイント
課題発見や仮説出しから施策アイデア出しまで、重要なのは高い視点を持つことです。
課題の例として挙げたペルソナに合わないユーザーがいたケースでも、ペルソナ設計を疑うということは、事業運営の視点に立たなければできません。
また、個々に合わせたアクションを考える際も、「自社サービスがユーザーに与えられる価値は何か」「なぜこのサービスを運営しているのか」という目線に立つことでホスピタリティを発揮した”接客”ができるようになるでしょう。