会員データを最大限に活用するための、実践ノウハウと売上アップの事例
昨今、ウェブサービスをはじめとしたあらゆる領域でデータ活用が進んでいますが、「データ収集・蓄積はできているものの改善に生かせていない」という悩みを抱えている企業も少なくありません。 サービス改善に生かすためのデータ分析や、そのためのデータ管理などついて事例を交えて紹介します。
昨今、ウェブサービスをはじめとしたあらゆる領域でデータ活用が進んでいますが、「データ収集・蓄積はできているものの改善に生かせていない」という悩みを抱えている企業も少なくありません。
サービス改善に生かすためのデータ分析や、そのためのデータ管理などついて事例を交えて紹介します。
ウェブサービスのデータ管理でよくある悩み
データ活用を進める企業の中でよくある悩みには、どのようなものがあるのでしょうか。
分析から施策までのタイムラグがある
アクセス解析やユーザー分析をしているものの、施策に移すまでに時間がかかってしまい、即時性のあるアクションに移せないパターン。
ユーザー抽出、分析、企画、制作、実施の作業が煩雑で、着手から反映までに数週間かかることもあります。
どこに何のデータがあるか分からない
組織や事業の規模が大きくなるほど抱えやすいのがこの悩みです。
実店舗などを持っている企業の場合は、リアルで収集したデータとウェブ上で収集したデータを別に管理していて統合ができないというケースや、さらにどの部署がどのデータを管理しているかも分からないというケースもあります。
この他にも、同一ユーザーだがリアル店舗のIDとウェブのIDが別になっているケース、データを統合・活用するためのツール自体が複雑で使い切れていないケースなど、さまざまな課題が上がっています。
効果的なデータの活用・管理方法とは
では、サービス改善に生かすための効果的なデータ活用には、どのようなことが重要なのでしょうか。
最低限必要なデータだけに絞り込んで使う
データ統合というと、大きな構想を描くところがスタートになることがありますが、ポイントはどのデータが必要・不要なのかを見極めることです。
データの取捨選択をし、施策に必要なものだけを一つのデータベースに集約して活用するという方法です。
データ活用に便利なツールとは?
この時に便利なプラットフォームとして、ウェブ接客ツールを使うという選択肢もあります。
ウェブ接客ツールは、サイト来訪者一人一人に対する行動分析からアクションの実行までをシームレスに行うためのマーケティングツールです。
当社が提供する「KARTE(カルテ)」もその一つです。
KARTEはツール単体としてもリアルタイムのサイト来訪者分析や、それを生かしたアクション実行の機能が備わっています。
特に、データ分析ではアクセス解析的なデータはもちろん、ユーザーごとの行動データも蓄積できるので、顧客の過去と今この瞬間の状態やニーズなどを細かく把握することができます。
KARTEでは、「今この瞬間に誰がサイトに来ているか」を可視化することができます。
また、別のデータベースに蓄積しているデータをKARTEにインポートして連携させることも可能です。
データ統合をスムーズに行うためのAPIを用意しているため、現状で使っている/過去に使っていたデータベースから必要なデータをすぐに抽出し、KARTEで取得したデータを掛け合わせることができます。
ウェブサイト上の行動データだけでなく、例えば実店舗の購買データなども組み合わせることができるため、より精度の高い施策が可能になります。
さらに、KARTEのデータはエクスポートもできるので、各種分析ツールを使って数値を可視化する際や、KARTEのセグメントを他の施策に利用する際にも役立ちます。
ウェブ接客ツールで取得できるデータ
上で紹介したように、ウェブ接客ツール自体でデータを取得し、分析・活用までを完結させることができます。
KARTEではサイトに数行のタグを埋め込むだけで計測がスタート。KARTEで用意しているタグは、三種類です。
ベースとなる計測タグではPVや訪問回数のようなアクセス解析データから、閲覧しているページでのスクロールやマウス位置測定までユーザーのサイト内での行動データを細かく取得できます。
計測タグを埋め込むだけで、サイト上での行動データの取得、分析から、アクションまで行うことができます。
これに加えて、会員データを活用する場合はユーザータグ、購入履歴や申し込み状況といったデータを活用する場合はコンバージョンタグをサイトに埋め込みます。
計測タグだけでも接客に必要なデータを十分取得できますが、ユーザータグやコンバージョンタグも使うことで会員IDや属性、購買履歴など、あらゆるジャンルのデータを取得することができます。
また、上のセクションでも触れましたが、既存のデータベースを連携させるためのAPIを用いて、例えばリアル店舗の会員データ、購買データなどを紐付けた施策をウェブ上で行うこともできます。
データ管理・活用を成功させた実践ノウハウ
ここからは、実際にデータを活用してサイト内でユーザー活性化に成功した事例を紹介します。
その1:会員ランクごとのクーポンを、購入を迷っている時に配布
サイト内の行動に合わせて「その人のための限定感のある」クーポンの配布をすると高い効果を得ることができます。
例えば、セッション内で同じ商品を何度も見ているが購入に結びついていないお客様に対して、「ダイヤモンド会員限定クーポン」を配布することで、購入の最後のひと押しとなる可能性があります。
会員ランク別の接客例。
その他にも、同じダイヤモンド会員であっても、平均滞在時間や平均PV数でセグメントを分けて、じっくり検討しているお客様にだけクーポンを配布すると言ったやり方も可能です。
その2:データを使って既存ユーザーをさらに細分化
EC系サービスの施策では、会員情報や購買履歴を活用することで購買の後押しに成功した事例があります。
例えば、「当月に失効するポイントが一定以上」のユーザーがサイトに来訪した場合には「保有しているポイントがまもなく失効します」というポップアップ表示をすることでポイント利用を促したり、ポイントごとにランクを設けているサービスではユーザーごとに「あと〇〇ポイントでランクアップ!」という通知で購買促進をすることが可能です。
会員ランク変更のお知らせの接客例。
また、会員の誕生日を取得している場合には、サイト来訪時に誕生日のメッセージを出すという方法もあります。
メールマガジン等で誕生日特典の付与はよく行われていますが、サイト外でのメッセージではなかなか行動につながりません。
サイトに来た時にお祝いのメッセージを伝えることで、その後すぐにユーザーが行動を取ってくれる可能性が高まります。
誕生日メッセージと特典を一緒に出す接客例
その3:検索結果をユーザーごとに自動カスタマイズ
あるイベント系サービスでは、位置情報データや性別などのデータを活用して、予約率を改善させました。
サイト閲覧中のユーザーに対して「週末のイベントをチェック」というバナーを表示させ、クリックをすると、イベントの検索結果画面が表示されるようにします。
この時にKARTEで取得しているユーザーの位置情報、性別などを検索条件に反映させる設定をすることで、表示させるイベント一覧をユーザーごとに出し分けました。
例えば、バナーをクリックしたら「東京23区内」「男性30代」「今週末開催」というソート結果が自動で表示される、ということが可能です。
検索結果を自動的にカスタマイズすることで、このサービスではイベントの予約率がアップしました。
まとめ
ここまで、企業やウェブサービスにおけるデータ活用・管理に関する悩みから、効果的な活用法までを紹介しました。
施策に活用するためのデータを見極める
取得済み・取得可能なものを含めて、どのデータが施策に使えるのかを見極めることが重要です。
KARTEでも、仮説が生まれてからその検証に必要なデータを連携させ、常に必要最低限の情報で答えを出していく、という使い方ををおすすめしています。
目的から逆算したデータ活用
情報が多すぎる場合は、ユーザーに求めるアクションから逆算してデータを活用するという考え方も良いでしょう。
例えばECなど「購入」をゴールの一つにしているサービスの場合は、購入の「あり」「なし」でユーザーを分けます。
「あり」の場合はさらにサービス利用を活性化させるために、「購入履歴1回」「購入履歴◯回以上」などの場合分けをして、それぞれに合ったアクションが可能です。
また、「なし」のユーザーも「会員/非会員」「サイト訪問回数」「累計PV数」などによって接客の仕方を変化させることができます。
KARTEを導入するメリットは、このようにデータをもとにしてユーザーを細かく分類できることです。
また、分類したユーザー群ごとのアクションをすぐに実行できるための機能も備わっています。
上に挙げた例の他にも、すでに自社内で使っている分析軸をもとにしてユーザーをグルーピングできるので、ぜひ自社だけの接客の成功パターンを設計してみてはいかがでしょうか。