Event Report

KARTE誕生10周年記念!「KARTE Friends SUPER THANKS DAY 2025」開催レポート

2025年3月12日、KARTE誕生10周年を記念した招待制パーティー「KARTE Friends SUPER THANKS DAY」を開催しました。「KARTE STAR 2025」の授賞式をはじめ、盛りだくさんの内容となった当日の模様をお届けします。

2025年3月12日(水)、東京国際フォーラム ホールにて、KARTE誕生10周年を記念した招待制パーティー「KARTE Friends SUPER THANKS DAY」を開催いたしました。本イベントは、日頃からKARTEをご活用いただいている「KARTE Friends」のみなさまへの感謝をお伝えすることを目的に企画しています。

昼の部と夜の部の二部構成で実施し、KARTE Friendsによる貴重なセッションやKARTE Friends同士の交流の場、「KARTE STAR 2025」の授賞式、プレイド代表 倉橋によるメッセージなど、充実したプログラムをお届けしました。今回は「KARTE Friends SUPER THANKS DAY 2025」の様子をレポートします!

価値創造のためのデータとAIの実現へ

イベント冒頭では、当社CTOの牧野よりプレイドの最新の取り組みについてご紹介しました。 まず、牧野は「当社が10年前、まだ小さなオフィスで静かにリリースした技術が、現在までコアとして活き続け、今もなお先端を走れていることに感謝しています」と、これまでの10年を振り返ります。続けて、AI技術が仕事の効率に大きな変化をもたらしている現状に触れ、「独自の価値に集中することの重要性」を強調しました。

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株式会社プレイド 執行役員CTO 牧野 祐己

牧野「人しかできないと思われていた作業の一部にも、どんどんAIが入ってきています。そうなると、それだけで優位性を持つことは難しくなります。では、何が価値になるのか。そこを見極めなければいけません」

こうした問題提起から、ソフトウェア開発の現場で起きている“劇的な変化”として、いま注目される「vibe coding(※vibe=雰囲気)」の概念を紹介。「コードの詳細をほぼ見なくても、アプリケーションを実装できる世界がもう来ています」と語り、実際にプログラミングの民主化やイノベーションの加速が進んでいる事例を示しました。

牧野「vibeに任せてプログラムを書いてもらい、私たちは必要なポイントだけ指示すればアプリケーションが構築される。結果、プログラマーは従来より10倍の生産性を上げられる可能性があります。初心者でもアプリが作れる時代がやってきているのです」

一方で、「品質管理やセキュリティリスク、高度なカスタマイズの必要性といった課題もある」と言及しました。

牧野「AIによる変化は想像以上に急速ですが、コードを書く作業だけが変わるわけではありません。マーケティングなど他の領域にも影響を与えています。その中で重要なのは、『何を実現するか』という視点です。AIは『どう実現するか』をある程度サポートしてくれるようになりましたが、『何をやるのか』『どれを選ぶか』を判断するのは、依然として人間の役割です」

こうしたメッセージを通じて牧野は、技術者やビジネスパーソンがAIの進化に対応するためには「人間らしさや深い思考が大切であり、独自のデータが不可欠になる」と強調しました。

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すでに生じている変化と、これから起こるであろう変化に、プレイドはどう向き合おうとしているのか。牧野は「人の価値を活かした、価値創造のためのデータとAI」という可能性について言及し、これを軸に活動するために、以下の3つのポイントを挙げました。

  1. 顧客コンテクスト解釈の民主化
  2. 顧客接点のAI Native UX/CX化
  3. データに基づいたOps改善

具体的にどのような活動を展開していく構想なのかを語る前に、牧野はこの1年でプレイドが行ってきたAIへの取り組みを例に挙げました。

牧野「まず、KARTE Craftの正式版の提供を開始しました。AIネイティブなエディタになっており、こちらにはサイトホスティングが可能な『Craft Site』を追加しています。また、KARTE Craftに画像生成AIも導入しました。生成した画像はKARTEのライブラリから呼び出して活用できるように連携しています。

他にも、グループ会社のRightTouchでは、カスタマーサポートの顧客接点で活用できる生成AI『Right Intelligence』を発表。同じくグループ会社のエモーションテックでは、アンケートや口コミなどをAIが要約・分析する『TopicScan™』をリリースしています」

1年間のプレイドにおけるAIの取り組みを紹介した後に、牧野が語ったのが「データ×AIで実現する顧客価値中心経営」という構想。これは、さまざまなSaaSにAIが組み込まれるなかで、人間の役割はより「顧客のための意思決定」にシフトしていくという考え方です。

牧野「これまでにもさまざまなSaaSが登場してきました。AIの登場によって、一つひとつのSaaSが効率化されます。その変化が到来したときに、人はどう関わるのでしょうか。

プレイドは、お客様から生まれるあらゆるデータを統合し、お客様がどのような状態にあるかを可視化できるようにします。統合したデータをもとに、人が意思決定に活かせるようサポートするためのサービスを考えています」

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まず、牧野が触れたのは「スマートタグ」というサービスです。これは、商品やWebサイト、顧客情報といったあらゆるデータをAIで統合することを目指すもの。このスマートタグを用いることで、従来は活用が難しかった非構造データも活用可能になるといいます。

スマートタグで収集したデータをふまえ、顧客が「何に」「どれくらい」興味があるのかというコンテクストをデータ化することも可能になります。これにより、これまで以上に顧客の変化を捉えやすくなると牧野は語りました。

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顧客、商品・サービス、そしてコンテクスト。この3軸のデータで事業を俯瞰し、具体的に捉えられるようにするための「Data Cube」というサービスも開発を進めています。これは、俯瞰したデータから価値ある重要なコンテクストへとたどり着くようなデータ分析を可能にするツールとなる予定です。

最後に牧野が紹介したのが、顧客のコンテクストも理解するAIエージェントである「Contextual Agent」です。このエージェントによって、検索やレコメンデーションなどを通じ、さらなる顧客体験の向上とオペレーションの改善を両立できると考えています。

牧野によるプレゼンテーションの後は、KARTE Friendsがテーブルごとに交流を行う時間となりました。「自社でのAI活用状況について」や「自社でAI活用ができそうだと感じたこと」などをトークテーマとして、各テーブルで活発な意見交換が行われました。

代表の倉橋によるプレゼンテーション「KARTE10周年を迎えて」

続いて、代表の倉橋による「KARTE10周年を迎えて」と題したプレゼンテーションがスタート。まず、倉橋は2011年10月の創業時を振り返りました。

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株式会社プレイド 代表取締役CEO 倉橋 健太

倉橋「人もモノもお金も、全くない状態からのスタートでした。2015年3月にKARTEをリリースして、現在ちょうど10年となります。みなさまの期待があったからこそ、現在ではグループ総勢は500名を超え、1,200社以上のお客様との関係を築くことができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」

当日は10年間の歩みをまとめた映像も上映され、倉橋は「10歳はまだ思春期の入口に過ぎない」という考え方を示しつつ、さらに先の10年を見据えた抱負を語りました。

倉橋「当時はKARTEと自分自身が一体化しているように感じていました。しかし、2018年から2020年にかけて、KARTEが外に出て“羽ばたいている”のを感じました。ここから先は、さらにみなさまとの取り組みを通じてKARTEと未来をつくっていきたいと考えています。応援いただけるとうれしいですし、これからも全力で走り続けます」

また、10年の中で特に重要な3つのターニングポイントとして「2015年のKARTEリリース」「2018年のCXを旗印とした活動」、そして「2025年に見据えるKARTE×AI」が挙げました。

リリース当初は顧客を深く理解するためのデータベースづくりを目指し、ウェブ接客という形で提供を開始。そこからCX(顧客体験)を大きなテーマに据えることで、多くの企業が抱える理想と現実のギャップへのフラストレーションに向き合ってきたといいます。さらに今後は、急速に進むAI時代に合わせてKARTE自体を「AIネイティブ」に再構築する準備を進めていると語りました。

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倉橋「技術やAIが加速度的に進化している中で、KARTEをどうアップデートしていくのか。みなさまの期待に応えられる大きなリリースを考えています。2030年頃には“AI”という言葉すら当たり前になっているかもしれませんが、だからこそ今が非常に重要なタイミングだと考えています」

不可逆的な変化として、倉橋は「技術進化」「データ化のさらなる加速」「人材不足」の3点を挙げます。その上で、事業者としてのデータ活用、生活者自身によるデータ活用、そして恣意性が少なく三方よしを実現するプラットフォームの創出が今後の鍵になると述べました。こうした取り組みを通じて「真のAI実用化と事業への実装」を成し遂げ、次の10年でも“有言実行”を続けていくと明言しました。

倉橋「未来は誰にとっても正しい方向に進んでいくと信じています。そこに向かって勇気を出せる人や企業を、KARTEはこれからもサポートしていきたい。10年という大きな区切りですが、さらに多くの可能性があるこの先の10年へ向けて、みなさまと一緒に進んでいければと思います」

プレゼンテーションは感謝の言葉とこれからの挑戦への決意をもって締めくくられました。提供開始から10年を経て、いまもなお進化を続けるKARTE。その背景には「顧客理解の深化」「新しい技術への果敢な挑戦」、そして「支援してくださる方々への感謝と共創意識」があることを改めて感じさせるセッションとなりました。

「KARTE STAR 2025」授賞式

続いて、「KARTE STAR 2025」の授賞式を執り行いました。「KARTE STAR」は、顧客体験向上(CX)、デジタルによる事業変革(DX)、従業員およびチーム変革(EX)に取り組むKARTE Friendsのチャレンジを表彰する、年に一度のアワードです。3回目の開催となった今年も、エントリー内容をもとに「GOLD」「SILVER」「BRONZE」の各賞を決定しました。

昨年、新設された特定プロダクトを用いた取り組みの成果に焦点を当てた特別賞には、今年からKARTE Craftが追加され、KARTE for App、KARTE Blocks、KARTE Message、KARTE Craftの4つの特別賞が用意されました。KARTE STAR 2025の受賞企業を順番にご紹介します!

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KARTE BRONZE STAR 2025

「⁠KARTE BRONZE STAR」を受賞したのは、東京ガス株式会社、株式会社TSI、エン・ジャパン株式会社、ベルフェイス株式会社、株式会社カウネット、株式会社スタディスト、オーケー株式会社の7社です。オーケーはKARTE for Appの特別賞もあわせて受賞、TSIはKARTE Messageの特別賞をあわせて受賞されました。

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⁠KARTE BRONZE STARを受賞された担当者のみなさま

KARTE SILVER STAR 2025

「⁠KARTE SILVER STAR」を受賞したのは、WED株式会社、株式会社KG情報、株式会社GA technologiesの3社です。

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KARTE SILVER STARを受賞された担当者のみなさま

KARTE GOLD STAR 2025

そして、今年のKARTE GOLD STARを受賞したのは株式会社JTB、野原グループ株式会社の2社です。

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KARTE GOLD STAR 2025を受賞した野原グループのみなさま

野原グループ株式会社は初エントリー・初受賞となり、KARTE Blocksの特別賞もあわせての受賞となりました。事業者向け建材・建築資材・建築材料のオンラインストア「アウンワークス」にKARTEやKARTE Blocksを活用し、外注に頼らず、低コスト・短期間で多岐にわたるWebサイト改善施策を実行したことが評価につながりました。

KARTE STAR 2025 「GOLD STAR」受賞インタビュー:野原グループ株式会社

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KARTE GOLD STAR 2025を受賞したJTBのみなさま

JTBはなんと3回連続でのGOLD STAR受賞となりました。また、KARTE Craftの特別賞もあわせての受賞となりました。同社は、業務プロセス自体を再構築するBPRのアプローチで多くの成果を出し、まだユースケースが少ないなかで、先駆者的にKARTE Craftを活用し、大きな成果を上げたことが受賞の決め手となりました。

KARTE STAR 2025 「GOLD STAR」受賞インタビュー:株式会社JTB

リリース前からKARTEを使っている「10年フレンズ」による叱咤激励

夜の部では、KARTE導入から10年の歴史を持つ「10年フレンズ」として、株式会社TSIの岸様と株式会社ティンパンアレイの桜庭様にご登壇いただきました。お二人からは、KARTEとの長いお付き合いを通じた変化や期待についてお話しいただきました。

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左から、株式会社ティンパンアレイ 桜庭氏、株式会社TSI 岸氏

桜庭さんは、店舗からEC部門への異動というご自身の経験も振り返りながら、「お店ではできていたのにECだとできないというもどかしさを、KARTEを通して一つ一つ実現できてきました」と語りました。一方、岸さんは「10年前のECはただ商品を並べれば売れる時代でしたが、ECサイト自体が進化する中で、KARTEを使ったきめ細かい接客がECの進化を支えてきたと思います」と当時からの変化を述べられました。

代表の倉橋からは「10年前の僕らはおそらく何もなかったと思っています。そこから一緒に10年走らせていただいたことは本当にありがたい」と振り返りつつ、「次の10年、君たちならここまで行けるんじゃないかという叱咤激励があればぜひ」とメッセージをお二人に求める場面も。

これに応えた桜庭さんは10年前の導入時の思い出を語りながら、「今年で40年を迎える会社として、大事なところは変えずにお客様の期待に応えていくために、KARTEの進化とともに新しいサービスを一緒に考えていきたい」と述べられました。岸さんは「複数のECサイト運用において浮気しそうになっても付き合い続け、大規模リニューアル後もプレイドは残りました」と笑いを交えながら語り、「これからますます進化するデータマーケティングの中で、新しいサービスを一緒に作っていけたら」と期待を寄せられました。

KARTE誕生の初期段階から伴走してきた「10年フレンズ」お二人の言葉からは、KARTEの歴史とこれからの可能性への期待が感じられました。寄せてくださっている期待にお応えできるよう、プレイド一同、さらにKARTEを良いプロダクトにしていこうと襟を正す思いでした。

夜の部は立食形式のパーティーとして開催し、「KARTE Friends SUPER THANKS DAY」に足を運んでくださったみなさまには、カジュアルな雰囲気の中で交流を深めていただきました。

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会場には、KARTE Friendsによるブースも設置されたほか、KARTEの歴史を紹介するパネルやギフトバーも出店。もちろん、KARTEのプロダクトについて紹介するブースもあり、KARTEの最新機能や活用事例について理解を深めていただく機会となりました。

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「KARTE Friends SUPER THANKS DAY」は、KARTE Friendsのみなさまが一堂に会し、互いの知見を共有する貴重な機会となりました。KARTE誕生から10周年を迎え、今後もKARTEは顧客体験の向上と事業成長に貢献するプラットフォームとして進化を続けてまいります。10歳になったKARTEをどうぞよろしくお願いいたします!

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当日の様子はこちらからもご確認いただけます。

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