Event Report

エン・ジャパン、Sunity、エス・エム・エス、ストリームが登壇 | KARTE Hackers vol.2

2019年9月12日に、KARTE Hackers vol.2を開催しました。前回の「KARTE Hackers vol.1」に続き、今回もKARTE接客サービスやデータ連携などに関するカスタマイズ自慢の方を集め、ディープに語り合う会として企画しました。

2019年9月12日に、KARTE Hackers vol.2を開催しました。前回の「KARTE Hackers vol.1」に続き、今回もKARTE接客サービスやデータ連携などに関するカスタマイズ自慢の方を集め、ディープに語り合う会として企画しました。

今回は、エン・ジャパン株式会社、Sunity株式会社、株式会社エス・エム・エス、株式会社ストリームの4社にご登壇いただき、エンジニアリングによってKARTEの使い方を拡張するような各社の取り組みや事例を共有していただきました。また、KARTEを提供するプレイドからも、カスタマイズの事例やエンジニア向けアップデートの紹介をさせていただきました。

今回の登壇者

事例紹介

エン・ジャパンの三島さん

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非エンジニアである三島さんが、KARTEのカスタマイズを利用して、ユーザー情報の取得やブラウザバックイベントの取得を工夫された話をご紹介いただきました。

【発表内容詳細】

アンケート機能のカスタマイズ

アンケート機能のカスタマイズにより、サイト外で扱えなかった情報をイベントデータとして出力できるようになった

  • 最初はアンケート回答に、サイト情報を入れてみたら取得できた
  • 次にアンケート回答に、ユーザー情報変数を入れてみても取得できた
  • イベントハンドラを利用して、イベントデータを入れてみても取得できた

viewイベントを深く見た話

  • 接客サービスの配信トリガーにブラウザバックを指定したかった
  • スクリプトを書いて、ブラウザバックイベントを取得しようとしたが、うまくいかなかった
  • KARTEのviewイベントをよく観察したところ、ブラウザバックを利用した場合の直近30件の情報と、通常の遷移が行われた場合の直近30件の情報に違いを発見
  • KARTEのviewイベントだけを元に、ブラウザバックをイベント化し、接客サービスの配信トリガーに指定できるようになった

プレイド社員から
三島さんは「非エンジニアです」とのことでしたが、ユーザーストーリーのイベント情報をとても注意深く観察されていて、私達でも知らないようなブラウザバック時の特徴を発見されていました。
アンケート機能についても、ユーザー情報を取得するために、アンケート回答にサイト情報を入れるところから始まり、ユーザー情報変数の情報を入れてみたり、イベントハンドラを利用してイベントデータを入れてみたり、様々な試行錯誤をされている点が印象的でした。

Sunityの西田さん

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接客サービスのカスタマイズ・ABテストを活用し、リフトアップ率を向上させた話をご紹介いただきました。

【発表内容詳細】

「記事回遊ポップアップ」の紹介

  • 複数記事ページの回遊を促すポップアップを作成した
  • アイコン画像やタイトル文字を変数化し、カンマ区切りで追加できるようにしたため、記事追加の手間を少なくできた
  • 既読ページを案内したくないため、「データ管理」の「閲覧ページのパス」の「直近30件」を利用して、直近見たページはレコメンド対象から除外するようにした
  • 実装に使ったのはたった5日間であったにもかかわらず、CVへのリフトアップ率が20〜40%も向上させられた

流入No.1ページでのコンテンツポップアップ作成過程

  • 流入No.1のページがあるが、直帰率が高いという課題があった。そこで読了後に回遊を促すポップアップを表示することにした
  • しかし、どんなコンテンツに興味を持ってもらえるかわからないので、大量のコンテンツでABテストを行い、最も効果の高いポップアップを探していった
  • 最終的に上位のコンテンツをまとめたポップアップを表示した
  • こちらもクリック率は3.7%、CVへのリフトアップ率は62%向上させることができた

プレイド社員から
効果の高そうなポイントを戦略的に見定めつつ、コストパフォーマンスを意識しながら積極的に手を動かしていく姿勢が、とても勉強になりました。
ABテストをすることで、コンテンツの比較ができることは皆さんご存知かと思いますが、「どんなコンテンツに興味があるかわからないから、まずは大量のコンテンツでABテストをやってしまおう」とすぐにアクションを実行して、検証を進めていくやり方は、他の参加者の皆様にとっても参考になったのではないかと思います。

エス・エム・エスの池水さん

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サイトリニューアルに伴い、KARTEの各種設定を変更し、対応した話をご紹介いただきました。(※発表資料は非公開)

【発表内容詳細】

Webサイトリニューアルに伴い、KARTEで対応したこと

  • Webサイトのリニューアルに伴い「ユーザータグ・サーバーサイドAPI」「GTMのトリガー」「セグメント」「接客サービス」について改めて見直しをする必要があった
  • 事前調査として、現状の接客サービス・セグメントの一覧をKARTE Datahubを利用してデータ抽出し、対応要否を確認した
  • 接客サービスの対応としては2点
  1. 新しいサイトで使えないものはアーカイブ
  2. 新しいサイトで使えるものは、複製し、新しいサイト向けのアクションの編集を行い、開始・終了日時の設定を行った
  • セグメントの対応としては、パスを新しいサイトのものに書き換えていった
  • リニューアル前は、推計ユーザー数が常に0人となるため、事前にテストできなかったが、ぶっつけ本番勝負で対応した
  • リニューアルに限らず、定期的な断捨離は大切だと感じた

プレイド社員から
新しいサイトに対応するために設定を変更された他にも、既存の接客サービス・セグメントの断捨離も行われたそうで、接客サービスを約50個、セグメントを約400個削除されたとのことでした。そこで「リニューアルに限らず定期的な断捨離は大事」とのコメントをいただきましたが、一時的に利用した接客サービスやセグメントを放置してしまっていることは参加者の皆様にとってもよくあることのようで、共感が深かったです。
またこの発表を聞いたプレイド社員から「もう動いていないセグメントを接客サービスでお知らせしよう」という声も上がり、私達にとっても学びのある発表でした。

ストリームの関口さん

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毎月開催するセールでのお客様の「ひと手間」と、運営側の管理コストをKARTEをうまく使って解決していった話をご紹介いただきました。

【発表内容詳細】

ログインする手間をKARTEを使って省く

  • 現状のサイトだと、セールページを見るために、ログインセッションが残っていないメンバーユーザーは、一度ログインする必要があった
  • KARTEのユーザー/ビジター判定を使って、メンバーユーザーには直接セールページを案内するようにした(お客さんがログインする手間を省いた)
  • さらに「判定している風の画面」を作成し、KARTEのロードに時間がかかっても、お客さんへのストレスをできるだけ少なくしながら待ってもらえるようにした
  • CVRや直帰率に改善が見られた
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ユーザーのロード時間のストレスを軽減する「判定している風の画面」イメージ

KARTEだけで更新できるようにする

  • セールのたびに HTML / CSS / JavaScript を更新しなければならず、手間がかかっていた
  • カスタマイズの画面から更新するのは、非エンジニアの方にとってハードルが高いため、接客サービスの入力欄を増やすことで、誰でも簡単にセール情報を更新できるようになった
  • また、個別入力だと間違えやすいものは、まとめてDatahubに情報を連携し、設定用接客を介して、自動的に表示を切り替えられるようにした
  • 結果として、制作担当者がセール更新にリソースを取られなくなった

プレイド社員から
お客さんの「ログインする手間」を省きたいという課題感から、KARTEのユーザー/ビジター判定を利用する発想もすごいなと思いましたが、さらに「判定している風の画面」まで作成されていて、KARTEのロード時間まで考慮した、きめの細かい対応が印象的でした。
また、セール情報を更新するために、接客サービスの入力欄を増やすお話では、非エンジニアの方の「カスタマイズの画面を触るのが怖い…」という気持ちもよく理解された対応で、とても勉強になりました。
また、最後にいただいた「KARTEの可能性は無限大」のお言葉、とても嬉しかったです!ありがとうございます!

プレイドの稲葉


アニメーションを利用した接客サービスの作り方について、紹介しました。

【発表内容詳細】

アニメーションプログラムを利用して、webに演出を

  • Apparel Halloween Nightのイベントページで作成した接客サービスの、アニメーションの作り方
  • アニメーションを作る場合、対象物がフレームごとに(例えば1秒あたり30フレームだと33ミリ秒ごとに)何らかの処理がされるように設定する
  • 「等速移動」「目的地にスローアウトする」「ふわふわ動く」それぞれの場合のプログラミング方法
  • 見ている人たちを楽しませるために、wow(演出)をKARTEで作りましょう

プレイド・エンジニアからの発表

プレイドAPIチームの目黒

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KARTE APIは現在β版の機能として、Track API や Talk API が公開されています。KARTE APIを利用することで、計測タグが入っていないサイトからKARTEのイベントを発火させることが可能になったり、チャットボットをKARTEと連携することが可能になったりします。
KARTE APIのユースケースを説明しながら、どんなAPIを追加して欲しいか、参加者の皆様に考えていただきました。

【発表内容詳細】

  • KARTE APIによって、KARTEの外からリアルタイムにデータを送信・取得できる
    • Track API / Datahub API / User API
  • 管理画面でしか使えなかった機能を外部サーバーから利用できるようになる
    • Talk API

プレイドProduct Specialist Engineerの秋庭

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先日公開されたエンジニア向けのオープンディスカッションの場、KARTE Forumの紹介をしました。

【発表内容詳細】

  • プロダクト・サポートの透明性を高める活動の一環としてフォーラムを公開した
  • 利用ユーザーのオープン化、サポートのオープン化、リクエストのオープン化を目指している
  • エンジニアの皆様向けにスタートしているので、技術仕様やカスタマイズの質問などはぜひこちらにご投稿ください

懇親会

事例共有のあとは懇親会。パエリアを食べながら、情報交換したり、議論を深めたりする時間となりました。

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登壇者の方を中心に、今回も盛り上がっていました。参加して頂いた皆様、ありがとうございました。次回も企画中ですので、知見の共有やディスカッションを通して、質問やフィードバックを得たいという方、お待ちしております!

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