訪問者のインサイトをどう把握する?ECで素早く施策の効果検証する方法
「売る」から「聞く」へ転換し、目指した顧客体験とは。ティーライフ株式会社では、ダイエットや健康、スキンケアの通信販売を行う「ティーライフ公式サイト」においてKARTEをご利用いただいています。今回は、「ティーライフ公式サイト」におけるサービス体験の改善の取り組みについて、EC事業部EC事業課長の土屋様にお話を伺いました。
「売る」から「聞く」へ転換し、目指した顧客体験とは。
ティーライフ株式会社では、ダイエットや健康、スキンケアの通信販売を行う「ティーライフ公式サイト」においてKARTEをご利用いただいています。
今回は、「ティーライフ公式サイト」におけるサービス体験の改善の取り組みについて、EC事業部EC事業課長の土屋様にお話を伺いました。
自社サイトを中心に幅広い業務を担当
— ティーライフについて教えていただけますか。
土屋:健康食品と化粧品の通信販売をしています。もともとはティーバッグの加工を専門としている会社でしたが、お茶の通信販売を開始したことが今の事業の原形になっています。
当時はカタログ通販だけでしたが、2003年からインターネットでも通信販売を始めました。
— 静岡茶だけでなく、多くのお茶を取り扱っているのですね。
土屋:新茶の時期は静岡茶も出ますが、基本的には中国茶を取り扱っています。我々のサービスを利用している方の年齢はECサイトでは40歳前後が中心で、カタログ通販になると10歳ほど年齢が上にあがります。
カタログで見て、ECサイトで注文するお客様もいるので、カタログとECの利用者層は重なっている部分もありますね。
ティーライフ公式サイト
— たとえば、「化粧品とお茶」のようなカテゴリーをまたいで購入する方もいるのでしょうか。
土屋:カテゴリーをまたいで購入して頂けるお客様は三割ほどです。「お茶だけじゃなくて梅干しも一緒に」といったお客様はティーライフのファン度は高いですね。ありがたいです。ただ、多くのお客様は、お茶ならお茶だけ、化粧品なら化粧品だけといった注文をされています。
商品のリピーターは全体の二割ほどで、新規よりも既存のお客様が占める割合が高いですね。
— 土屋さんの業務での担当範囲を教えていただけますか。
土屋:公式サイト内はすべて担当しており、その中でもリテンション施策を中心にやっています。
自社ドメインとモールではビジネスモデルが違うので、楽天やAmazonなど、各ECモールには別の担当がいます。主力商品や利用者層もそれぞれ異なります。
— 土屋さんは以前も通販関係の仕事をされていたそうですね。
土屋:そうなのです。そういった経緯もあり、リターゲティング広告やアフィリエイトの既存向けの媒体は担当しています。それ以外には特集を作ったり、LINE@を運営したり、私を含めて3名の部署なので、幅広く業務を担当しています。
8月から自社ドメインとモール事業、Webでの新規顧客獲得が一部署に統合され、EC事業部EC事業課が新設されました。現在は、EC事業課の全体を見ている立場で、メンバーも私含め7名です。
「売る」から「聞く」への転換のためにKARTEを導入
— KARTEはどのように知ったのでしょうか。
土屋:私がKARTEをはじめて知ったのは新聞だったと思います。それで社内へ共有したのが最初でした。
当時はすぐに導入というわけにはいきませんでしたが、1年ほど経過した後にKARTEを入れるという話が出て、導入に至りました。
— 導入当時の課題はどのようなものだったのでしょうか。
土屋:お客様とのコミュニケーションですね。ウェブ接客という言葉が当時は流行っていましたし、CRMも含めてお客様とのコミュニケーションに力を入れていこうという雰囲気が社内にありました。
こちらからプッシュして売るだけではなく、お客様に参加していただく。そのためにお客様の要望に、耳を傾ける施策ができないかということが導入の経緯でした。
— KARTE導入にあたっての決め手はどの部分だったのでしょうか。
土屋:類似したサービスもテストしてみたのですが、その中でもKARTEに決めたのは、圧倒的な使いやすさです。A/Bテストが手軽にできることなど、エンジニアがいない弊社でも、簡単にやりたいことが実現できました。
離脱ページなどの導線分析ならGoogle Analyticsでもできますが、買わなかった人の行動までしっかり拾えるのはKARTEならではですね。
KARTEを導入後、お客様個人を意識した企画が出るようになった
— 導入後にはどんな変化がありましたか。
土屋:お客様ごとの企画案を考えられるようになりました。以前は、売りたい商品ありきで特集を考えることが多くありましたが、導入後には人が見えるようになり、「こういう人がいるからこういう提案をしよう」という考え方に発想が変わりました。
KARTEでは、1人ずつ訪問者の行動を追いかけて見ることができるので、お客様を個別に意識した施策を考えられるようになったのだと思います。
— 最初にKARTEを使った際の感想は覚えていらっしゃいますか。
土屋:ユーザーのタイムラインがどんどん流れていくところにインパクトがあったことを覚えています。どんな人が訪問しているのか直感的に見ることができ、タイムラインが流れていくインターフェースの印象がとても強く残っています。
効果検証は楽しくて毎日見ている
— KARTEを利用した施策をいくつか教えていただけますか。
土屋:閲覧した商品の履歴を表示する機能ですね。システム開発をせずにKARTEだけで実装でき、結果CVRがあがりました。
カートでのアップセルもすごく効果的です。カートに6,000円から6,999円の商品を投入したお客様に7,000円以上の購入で商品プレゼントというご案内をしたのですが、顧客単価がアップしました。
それ以外には、誕生日のお客様を対象のサービスの告知をしているのですが、そちらもよく利用されています。
質問にあわせて商品をおすすめする診断コンテンツ
— 雪を降らせるといった施策もされたみたいですね。
土屋:クリスマスに雪が降るというお客様体験施策を試してみたところ、アンケートに「雪が降っていましたね、かわいいですね」といった反響をいただきました。売上に直接は影響しないのですが、顧客体験を意識しておこなってみた施策です。
顧客体験の観点では、チャット対応も予定しています。部署の人数の関係でいきなりお客様全体を対象にチャット対応はできないので、VIP会員に絞ってチャットを出すことができる機能は助かりますね。毎月利用してくれているお客様に限定して、チャットを開放していく予定です。
— カゴ落ちメール、LINE@での友だち募集、誕生日カードのポップアップ、タイマー付きタイムセール案内など、幅広く利用していただいていると伺いました。
土屋:弊社にはエンジニアがいないので、できるだけ簡単に施策を実施したいと考えています。スクリプト設定やデータ提携など複雑な設定をするときには大変な場合もあるのですが、相談しながら進めることができたので、すぐに実現できました。
管理画面内にある接客のシナリオはよく参考にしていて、テンプレートをダウンロードして、画像だけ変えて利用するといったことをしています。
— 効果検証はどれくらいの頻度で行いますか。
土屋:毎日見ています。見ていて楽しいというか、すぐに結果がわかるというのはすごくいいですね。毎朝、昨日やったことはすべて目を通すように部署のメンバーには伝えています。
レポート機能が追加されてからは、振り返りがすごく簡単にできるようになりました。期間を設定してワンクリックでCSVをダウンロードできるので、レポート機能はとてもお気に入りです。
包括的な顧客体験の実現とお客様から相談される立場を目指す
— 今後の展望について聞かせてください。
土屋:一貫した顧客体験を提供することを目指しています。現状ですと、LINEやメール、アプリ、サイトと体験が分断されてしまっているので、同じ内容をメールとLINEで届けてしまうといったことが起きます。
情報提供をうまくコントロールして、お客様に適切なタイミングで、適切な情報を提供していくことが目標です。大きな話では、お客様のライフステージや、一日のライフスタイルに合わせて、適切な情報を提供したいと思っています。
— サービスとして今後目指されている部分を教えてください。
土屋:商品を売るだけではなくて、お客様が困ったら相談をすぐにできるような身近な関係を築いていきたいと思います。おせっかいおばさんのような、お客さんの身近な存在になれるのが一番いいと思い、目指しているところです。
あとは、さまざまな情報を充実させたいですね。弊社のサイトに来ていただけるお客様には、ダイエットに興味がある人もいれば、母乳が出やすくなるお茶を購入する妊産婦さんもいるので、幅広く適切な情報を届けたいと思います。
— 土屋さん個人としての目標も教えていただけますか。
土屋:購入とは別の指標でお客様の満足度を計測したいと考えており、KARTEのランク機能を活用したりして、指標を作れないかと考えています。たとえば、アンケートに記入してくれたとか、社長との懇談会に参加してくださったとか、オンラインのみならず複合的にロイヤリティを計っていきたいですね。
弊社の特徴として、マンパワーでお客様とのつながりを育てるというところがあります。今年の七夕にはお客様からのお願い事を背負って富士山に登頂するといったイベントを開催したり、過去にはお客様と社員で協力して東海道五十三次を歩いたり、特殊なキャンペーンも行っています。
ウェブやカタログなど社内のデータをすべて統合して、全体の最適を取ったCRM施策をやっていきたいですね。