創業100年を超える中谷本舗が目指す、お客様の背中を押してあげるウェブ接客

中谷本舗ではECサイトでも実店舗に近い接客をするためにKARTE Entry Series for ECを導入し、さまざまな取り組みを行っています。株式会社中谷本舗 執行役員の中谷 圭佑さんに、KARTE Entry Series for ECが果たした役割や導入効果について伺いました。

大正10年、名峰・大台ケ原に抱かれた奈良県吉野郡上北山村で創業した中谷本舗。2021年には創業100周年を迎えた老舗です。先代夫婦が考案した「ゐざさ寿司」を中心に、柿の葉寿司などの名産寿司を製造・販売しています。奈良県内を中心とした直営店での販売や卸売りに加え、ECサイトも活用し、全国へ郷土の味を届けています。

ECサイトでも実店舗に近い接客をするためにKARTE Entry Series for ECを導入し、さまざまな取り組みを行っています。株式会社中谷本舗 執行役員の中谷 圭佑さんに、KARTE Entry Series for ECが果たした役割や導入効果について伺いました。

100年を超える歴史を持つ中谷本舗がKARTE Entry Series for ECを導入した理由

はじめに、貴社の事業内容について教えてください。

中谷:中谷本舗は大正10年に米屋として創業されました。1965年に寿司製造部門を立ち上げ、ゐざさ寿司や柿の葉寿司などの名産寿司を製造販売しています。

最も売上規模の大きいのが卸販売です。商品を駅の売店やスーパーなどに卸しています。次に売上規模の大きいのが直営店での販売で、その次がDMやECによる通販という順番です。ただ、コロナ禍の影響で卸や直営店の売上が下がり、ECに力を入れていこうと考えました。実はその前からECサイトのリニューアルは進めており、2020年2月にリニューアルをしています。

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柿の葉寿司のゐざさ‐中谷本舗‐公式通販サイト

私が家業である中谷本舗に戻ってきたのは2018年になるのですが、当時はECに関する明確な部署はありませんでした。顧客層の中心が中高年齢層なので、ECで売れるのか?と懐疑的な意見も社内に少なからずあり、Webまわりは弱かったです。

とはいえ、社会の流れとしてデジタルを強化しようという声があがり、リニューアルを進めていました。サイトリニューアルに加え、発信に重きを置こうと考え、SNSの活用もはじめました。

ECサイトをリニューアルし、2021年の年末にKARTE Entry Series for ECを導入いただきました。導入しようと考えた理由を教えてください。

中谷:実店舗と同じような接客をECサイトでもできないかと考えたからです。直営店では30年もの長い間、ご利用いただいているお客様もいらっしゃいます。そうした関係性をECサイトでも作りたいと考えていました。
以前からKARTEの存在は知っていて、実際に問い合わせをして話を聞いたこともあります。ただ、当時はランニングコストの面で弊社のECサイトでの導入は難しく、他社の接客ツールを利用していました。

その後、KARTE Entry Series for ECがリリースされた際に再度ツールを見直すタイミングがありました。KARTEなら他社のツールではできないことができ、費用と運用の観点からうちでも導入できると考え、導入を決めました。

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株式会社中谷本舗 執行役員 中谷 圭佑氏

ECサイトに欠かせないカゴ落ち対策が可能になり、売上も向上

実際にKARTE Entry Series for ECを活用してみていかがですか?

中谷:まずは、カゴ落ち対策の効果が出ています。カゴ落ちステップメールから購入してくれるお客様もいますし、カゴ落ち率も10%くらい下がっていますね。もともとカゴ落ち対策を全くできていなかったので、効果を実感しています。KARTEでの実績あるナレッジを元にしたシナリオが用意されているので、自分たちでシナリオをイチから考える必要がありません。設定や運用にかかるリソースを削減できています。

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カゴ落ち対策のステップメールの訴求例

他にも、初回訪問者に対しておすすめ商品を表示する機能や、会員登録してくれた方へのインセンティブをわかりやすく表示する機能も好評です。

▲過去購入履歴のない方に、人気の新作アイテムをピックアップしてサイト内に埋め込み訴求する接客例

売上に対する効果はありましたか?

中谷:前年同月比の売上を上回っているので、導入効果はあると思います。ECサイトの会員数も増え続けています。

以前ではできなかったお客様への細かな対応が、KARTE Entry Series for ECを導入したことでできるようになりました。これは大きいですね。私にとっては、「リアルな店舗ではないけれど、できる限りリアルな店舗に近い接客を実現できるツール」として助かっています。

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2022年8月のEntry Series経由の売上結果

KARTE Entry Series for ECを活用して、お客様の声を元にした機能を追加

ECサイトの集客に力を入れていますが、どのようなターゲット層を狙っているのでしょうか?

中谷:現在、顧客層の中心は中高年齢層ですが、若い方にも私たちの商品を知ってもらいたいです。そのために、SNSを使ってインフルエンサーマーケティングもはじめています。
私たちの商品は、贈り物としての需要が多いです。お客様にアンケートをお願いしたところ、日常のちょっとした贅沢やお返しに使われることが多いとわかりました。その中でも、母の日や父の日の贈り物といったカジュアルギフトに使われます。こういったシーンで利用される方に向けてもアピールしていきたいです。

どのようにKARTE Entry Series for ECを活用した施策を進めていますか?

中谷:社内の担当者が少ないので私が進めることも多いのですが、お客様からの声を受けて施策を進めることもあります。例えば、8月からサーチアシストパッケージの「カテゴリサーチ機能を導入し検索補助を実施する」施策をはじめました。
「どこに何の商品があるのかわからない」という、お客様からの問い合わせがあったのです。わかりやすく作っているつもりでしたが、まだまだわかりにくい部分があったのだと思います。そこでKARTE Entry Series for ECを活用して、機能を追加しました。

▲カテゴリサーチ機能を導入し検索補助を実施した接客例

当社の担当者とのコミュニケーションはいかがですか?

中谷:定期的に打ち合わせをしています。相談や不安の解消をしています。「こんなことを考えている、こんなことをやりたい」と話すと、KARTE Entry Series for ECでできる提案をしてくれます。いつも的確にアドバイスをいただき助かっています。

▲初回訪問のお客様にウェルカムメッセージでサイトのメリットをシンプルに訴求する接客例

お客様が好きなときに好きなものを、好きなタイミングで買えるように

今後、事業で実現したいことを教えてください。

中谷:いくつかあります。まずは、シニアフレンドリーなサイト作りを突き詰めたいです。80歳を超えるお客様が、ECサイトをご利用いただくこともあります。そうしたお客様にももっと買い物をしやすいサイトづくりを目指したい。KARTE Entry Series for ECを活用して実現できればと考えています。

大きな展望でいうと、OMO(Online Merges with Offline)を考えていきたいです。
現在は実店舗とECサイトが点にしかなっていません。これを線の体験にしたいです。「ECサイトで貯まったポイントを実店舗で使いたい」というお客様の声があります。逆も然りです。実店舗でもしっかりと会員データを取得し、ポイントの統合などをしていきたいです。実店舗とECサイト両方で、お客様に便利に買い物してもらえるようにしたいと考えています。

お客様が好きなときに好きなものを、好きなタイミングで買えるようにしていきたい、それがCX向上につながると思います。お客様がデジタルの環境に慣れてきているので、いろいろな施策に取り組まないとお客様に取り残されてしまうという危機感があります。

自分自身がリアルの店舗で買い物をする際、迷っていたり困っているときに背中を押してもらえると買いやすいという体験は私だけではなく多くの人が共感することだと思います。はじめてのお店で何を買えばいいかわからないときに、おすすめを教えてくれるのはお客様のためになる。ECサイト上でもできる環境があるので、ここをブラッシュアップしていきたいです。

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