実践的カスタマージャーニーのススメ|"次"につながるマップの作り方とは?
カスタマージャーニーは真の目的を見失ってしまうと、時間をかけて設計したにも関わらず"作って終わり”になってしまいます。そこで本記事ではアクションにつながるカスタマージャーニーマップの作り方についてご紹介します。
せっかく時間をかけてカスタマージャーニーマップを作成したのに"作って終わり"になっていませんか?
カスタマージャーニーを設計するメリットとしては下記のようなことが挙げられます。
- 顧客の行動と気持ちを整理できる
- 顧客体験をきれいに描き、一覧でわかる
- 顧客に提供する価値がまとめられる
しかしこれらはあくまでも手段。これらのメリットにとらわれてカスタマージャーニーの目的を見失ってしまうと"作って終わり"になってしまいます。
そこで本記事ではカスタマージャーニーの目的と顧客体験をよりよくできるカスタマージャーニーの作り方についてご紹介します。作成したカスタマージャーニーマップをアクションにつなげたい方はもちろん、これから作ろうとしている方にとってもおすすめの内容になっているので、ぜひ最後まで目を通してください。
カスタマージャーニーとは顧客が製品・サービスの購入に至るまでのプロセス
まずカスタマージャーニーの定義をおさらいしましょう。
カスタマージャーニーとは顧客が製品・サービスの購入に至るまでのプロセスを旅に例えた概念です。
「カスタマージャーニーマップ」というのは、このカスタマージャーニーを可視化した図のことを指します。
カスタマージャーニー設計の本質は"顧客体験"をより良くすること
カスタマージャーニーは、顧客への提供価値(理想)や顧客の気持ちや行動を整理して、顧客体験の一連の流れをきれいに描くことができるので社内外での共通認識の形成がしやすいという特徴があります。
整理できること、一連の流れがわかること、共通認識が形成しやすいことは魅力的ではありますが、カスタマージャーニーの目的はその先にある顧客体験をより良くすることではないでしょうか。
そのために何をどう改善すればいいのか?これをカスタマージャーニー設計で明らかにすることができます。
ポイントは以下の3つです。
- あるべき姿と現実をしっかり把握して、
- 2つのギャップは何が課題で
- どういうアクションを作るのか?
それでは、この1つ1つのポイントについて解説していきます。
実践的カスタマージャーニー設計の手順
実践的カスタマージャーニー設計で用いるのは下記のカスタマージャーニーマップです。
※架空のECサイトでサンプル作成
一般的なフォーマットとの大きな違いは、顧客体験を整理するだけでなく、アクション(施策案)まで考えるところで、このアクションパートがあることによって何をどう改善すればいいのかの解像度を上げることができる仕様になっています。
それでは手順について解説していきます。
実践的カスタマージャーニーは以下の6つのステップで設計していきます。
今回はアクションをにつなげる部分に焦点をあてて、行動を整理する(HOW)〜アクションを考える(IDEA)について解説しますが、前段の部分が気になる方は『KARTEを活用したユーザーリサーチ手法』をご参考ください。
- KNOW:人と行動を理解する
- WHO:ペルソナを立てる
- HOW:行動を整理する
- WHY:感情を整理する
- IDEA:アクションを考える
- DO:アクションを実行する
行動を整理する(HOW)〜アクションを考える(IDEA)について1つずつ解説していきます。
カスタマージャーニー設計3.行動を整理する(HOW)
まずは実際のユーザーの行動を順に埋めていきます。
KARTEなどの行動データが可視化できるツールやユーザーインタビューで把握した情報をベースに代表的なユーザーの行動をまとめていきましょう。
行動を整理するときのポイントは、実行動ベースで考えることです。「ユーザーはこうやって行動するだろう」といった想像ベースだと実際のユーザー行動と乖離が大きかった時に改善のためのアクションがはまらない可能性があるからです。
ポイント
KARTEは、ユーザーがWeb/App上で「どのような行動をしたのか?」を時系列で確認することができるので、ユーザーの実行動を整理するときに役立ちます!
カスタマージャーニー設計4.感情を整理する(WHY)
次にユーザー行動の裏にあるユーザーの気持ち(=ニーズ)を考えていきます。
ユーザーインタビューでヒアリングできる部分もありますが、ユーザー行動から「ユーザーはこう思っているのでは?」と解釈して仮説をつくっていくことがアイディアに繋がっています。
カスタマージャーニー設計5.アクションを考える(IDEA)
最後にアクションを考えていきます。
このときのポイントは2つあります。1つ目は顧客体験の理想と現実のギャップから課題を捉えること、2つ目は施策の実行方法まで考えることです。
それぞれについて解説します。
顧客体験の理想と現実のギャップから課題を捉える
これまで整理したユーザーのリアルな行動や気持ちから『現実の体験』、企業側が本当に届けたいと思っている体験、つまり『理想の体験』を整理します。
そして理想と現実の間には「どんな課題があるのか?」仮説を立てて、現在足りていない打ち手を考えていきます。
施策の実行方法まで考える
ここでありがちなのが、施策のアイディアを考えて実装まで至らないことです。
なぜこのようなことが起こるかというと“いつ””誰に”対して"どのように”届けるのかといった具体的なHOWが描けていないからです。
したがって、アイディアを考えるときには施策アイディアだけでなく実装アイディアまで落として考えていくことがポイントです。
ユーザーの行動分析からアクションまで実施した事例
より良い顧客体験を目指してデータの裏側にある行動の要因を把握|株式会社JTB
遷移率の低いファネルにはページ上の体験に負があると仮説を立てて、遷移したユーザーと遷移しなかったユーザーのページ内行動をKARTEのLive機能を使って見比べたところUI/UX課題が見つかりました。KARTEを用いてA/Bテストを実施、成果が良かった方を採用するに至りました。
参考:「顧客を知る」事例|N1の目線に立つと負けた施策の“なぜ”まで分かる。A/Bテストを重ねて顧客理解を深める(JTB)
行動分析で『挫折ポイント』を特定!挫折抑制でCVR向上|株式会社ビズリーチ
登録から応募までをステップに分けてユーザーの行動分析を実施したところ離脱率が高い挫折ポイントを発見したので、それぞれの挫折ポイントに到達したユーザーに対してKARTEを用いて次のアクションを促す施策を実施したところ、離脱率が改善、CVRが向上しました。
参考:挫折ポイントごとに「ゴール設定」を行うことで挫折(離脱)を抑制(キャリトレ)
顧客理解が深まったからこそ生まれた新商品のアイデア|株式会社結わえる
アレンジレシピを紹介しているコラムをKARTEのLive機能を用いてユーザー行動を見たところ文字をなぞるように熟読するユーザーの様子が見て取れました。熱心に読んでくれるユーザーにより多くの商品を紹介するために新商品を開発やサイト内の関連商品を紹介する特集ページの作成に繋がりました。
参考:顧客の動きを感じられる、KARTEの“ダイナミックさ”に驚いた。一人ひとりの行動を知ることで気づいた「無意識の思い込み」
実践的カスタマージャーニーの作り方のまとめ
本記事では実践的カスタマージャーニー設計の作り方についてご紹介しました。
繰り返しになりますが、カスタマージャーニーは作ることがゴールではなく、カスタマージャーニーの作成によって出てきたアイディアによって顧客体験を改善することにあります。
KARTEは、カスタマージャーニー設計における実行動の把握に役立つだけでなく、そこで見つけた仮説をベースにアクションを打つことまで一気通貫でできるので、カスタマージャーニーで見つけたヒントを次に活かしやすいです。
カスタマージャーニーを設計したけど使いこなせていない、これから設計するけど改善までつなげられるか心配な方はご相談ください。
また、「スタマージャーニーは何パターン作ればいいの?」などカスタマージャーニーを設計する際のあるある質問に対する回答やKARTEの機能詳細をもっと知りたい方は『実践的カスタマージャーニーの使い方』をDLしてご確認ください。
実践的カスタマージャーニーマップを活用して理想の顧客体験の実現していきましょう。