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市民に信頼される最先端の行政サービスを。奈良市が目指すデジタル市役所構想とKARTE活用

市民に信頼される最先端の行政サービスを。奈良市が目指すデジタル市役所構想とKARTE活用

30th Jun, 2022

「積極的に情報を開示し、市民に分かりやすく、信頼される市役所に」を理念に掲げ、デジタル活用に取り組んでいる奈良市。2022年1月には、市のホームページをより分かりやすく、より使いやすいサービスに発展させる「デジタル市役所構想」の実現に向け、KARTEを活用した実証実験をスタート。ホームページを訪れた市民が「何を知りたいか」を把握し、一人ひとりに合わせた形で、情報を発信・提供するための施策を検証しました。

およそ3ヶ月間行われた実証実験の背景や具体的な内容、今後の展望について、同市総合政策部の光木修平さんと高松明弘さんに伺います。

12,000ページ分の情報から「知りたいこと」を素早く見つけられるように

はじめに、奈良市の目指す情報提供のあり方を教えてください。

高松:市民が素早くスムーズに、知りたい情報を得られる状態を目指したいと考えています。

現状、情報を得るには、ホームページで調べる、電話をする、市役所に行くなどの選択肢があります。これらは、いずれも市民が行動を起こす必要があり、市役所側は聞かれたら答える、いわゆる「待ち受け型」の対応です。

そうではなく、市役所側が市民の必要としている情報を察知し、積極的に提案する「プッシュ型」の行政サービスを実現したい。市民が手間をかけずとも、知りたい情報を見つけられる状態が理想です。そのために、デジタルを活用した情報発信や情報提供の方法を模索してきました。

nara city 1総合政策部 秘書広報課 シティプロモーション係 高松明弘係長

理想の状態に対し、市のホームページにはどのような課題がありましたか?

高松:そもそも市民にとって非常に情報を探しづらい状態でした。奈良市のホームページには約12,000ページ分のコンテンツがあり、内容も子育てから教育、福祉、産業など多岐に渡ります。カテゴリごとにページは分かれていますが、それでも情報量は膨大です。「すぐに目的のページにたどり着けない」といった声も市民から挙がっていました。

加えて、ホームページを訪れる市民の年齢や目的も多種多様。ですが、ページごとのアクセス数くらいしか把握できておらず、「どのような方が、どのような情報を探しているのか」は推測するしかありませんでした。

そうした課題が、今回の実証実験につながっていったのですか?

光木:そうですね。膨大な情報と市民の目的やニーズをどう結びつけるのか、解決につながるツールを探しているなかで、KARTEを知りました。ホームページを訪れた方々の属性や行動から「何を知りたいのか」を分析し、個人に合わせた情報を提供できると聞いて、「私たちの想いを形にできるサービスだ」と可能性を感じたんです。

また、KARTEではホームページを閲覧した方の氏名など、個人情報を特定することなく、行動の分析や施策の検証を行えます。個人情報の扱いに配慮した仕様も、今回の実証実験にKARTEを選んだ理由の一つでした。

nara city02総合政策部 情報政策課 デジタル推進室 光木修平室長

子育て中の“書類手続き”をスムーズにするための施策を実施

実証実験は、どのようなチーム体制で実施したのですか?

光木:デジタル推進室から5名、子ども政策課から3名、秘書広報課から2名と、部署混合のチームで進めました。

ホームページのなかでも、子育て関連の情報を発信する『子育て@なら』で施策を検証されています。どういった理由からですか?

高松:子育て世代の方々は、育児や仕事に忙しく、市役所の空いている時間帯に問い合わせをするのが難しい方が多いです。高齢者の方々に比べ、スマートフォンやパソコンを使いこなしている方の割合も高いですから、行政まわりの情報収集や手続きがスムーズになることで、喜んでいただきやすいのではと考えました。

また、子育て関連の情報や手続きは、お子様の年齢によって必要なものが異なります。個人に合わせた情報提供を検証するうえでも最適だと判断しました。

光木:加えて、チームメンバーには、自身も子育て中で「手続きがわかりづらい」という実感を持っている人がいました。当事者としての熱意も理由の一つだったように思います。

実施した施策の内容や目的について、詳しく教えてください。

高松:今回、子育て中の書類手続きをより簡単かつ素早くすることにフォーカスしました。以下が代表的な3つの施策です。

施策1:アンケートで回答したお子様の年齢に応じ、ホームページに埋め込まれた情報を変更

施策2:お子様の年齢をホームページ上のアンケートでヒアリングし、回答内容に応じて、表示するポップアップの情報を変更

施策3:必要な手続きや書類などはビジュアル込みで案内
nara city 3

いずれも今回はテスト環境にて実施し、先ほどのチームメンバーと十数名の職員で、ホームページでの見え方や動き、実際の運用イメージなどを確認しました。

検証に参加したメンバーからは、どのような声が挙がりましたか?

光木:年齢による情報の出し分け、ポップアップやビジュアルを用いた案内によって「すぐに手続き書類や期日を理解できた」や「他のページを確認せずに済んだ」といった声が挙がっていました。また、施策を実装する方法なども確認できたので、運用する際に整備すべきルールやマニュアルなども具体的にイメージできました。

暮らしを楽しむための発信、よりきめ細やかな対応を目指して

実証実験を踏まえ、今後検証してみたい仮説や施策アイデアなどはありますか?

光木:子育て関連のイベントに参加した方が、その後ホームページにアクセスした際、必要な情報を案内する施策です。

子ども政策課では、日頃から子育て支援のイベントを開催しています。そのなかで職員は、「一度イベントに来てくれた方に、別の相談機会や支援情報をお知らせしたい」と思っていたそうなんです。

急に市から電話やメールが来ると、何事かと驚いたり、押しつけがましく感じたりする市民もいらっしゃるかもしれない。ですが、再びホームページを訪れた方であれば、「何か知りたい」と思って、情報を探している可能性が高い。そうした方々に役立つ情報を案内できればいいのではと考えています。

これ以外にも、子ども政策課のメンバーから施策のアイデアが多数生まれ、チームの発想が広がりました。今後も、市民と向き合うなかで職員が抱いた「こういうことができたらいいのに」といった想いを形にしていきたいです。

nara city 4

子育て支援の分野以外でも、個人に合わせた情報提供を行いたい領域などはありますか?

高松:新たに転入される方への情報提供です。市のホームページをご覧になるのは「何か環境に変化があった方」が多いと思っています。なかでも、新たに奈良市にやってき方は、知りたいことが沢山あるはず。市のルールや制度にまつわる情報以外に、市民講座や文化事業、地域活動など暮らしを豊かにする情報も、転入された方の興味に合わせて提案していきたいです。

最後に、将来的に実現したい行政サービスの形を教えてください。

光木:一人ひとりの市民に、一般的なWebサービスにある「マイページ」のようなページが用意され、スマートフォンやパソコンから通知を受け取ったり、必要な手続きを完了したりできる未来に向けて、検討を重ねていけたらと思っています。それによって市民の手間を減らすとともに、市の職員が書類などを郵送する作業も省略し、行政サービスの生産性を高められるはずです。

高松:生産性の向上によって生まれた時間を活用し、障がい者の方や高齢者の方など、手続きに支援や配慮が必要な方への対応を手厚く行っていきたいと思っています。

また、行政サービスをより良いものにするには市民との対話がとても重要だと思っています。モニターのような形で検証に参加いただくなどして、皆様の声をお聞きし、できる限り反映していきたいです。市のホームページも、行政サービスも、奈良市民のためにあるものですから。

今から1300年以上前、当時としては最先端の国家の仕組みを取り入れたのが平城京でした。私たちも先人に負けることなく、デジタルを駆使し、これまでにない行政サービスを実現したい。かつて最も古い都のあった奈良の地から、最も新しい取り組みを発信していきたいと思っています。


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