社内を巻き込んでいく。山野楽器、Schoo、ブランディアの担当者が語る、KARTE活用のヒント|KARTE Friends Buddy Story
KARTEの6周年イベント「KARTE Friends THANKS DAY 2021」の中で行った、KARTE Friendsとカスタマーサクセス担当が「Buddy」となって対談をする「KARTE Friends Buddy Story」では、日頃のKARTEの活用方法や社内を巻き込む取り組みなどについてお伺いしました。
2021年3月12日、プレイドはKARTEの6周年を記念したイベント「KARTE Friends THANKS DAY 2021」をオンラインで開催しました。KARTEを活用いただいているKARTE Friendsの皆さまに感謝の気持ちを伝えようと、毎年開催しているイベントです。
「KARTE Friends Buddy Story」のセッションでは、KARTE Friendsとカスタマーサクセス担当が「Buddy」となって登場。日頃のKARTEの活用方法やKARTEによってもたらされた変化などについてお伺いしました。今回は3組のBuddyの対談を振り返ります。
顧客を大切にしたい気持ちは同じ。店舗や社内の他部門も巻き込み、顧客体験を磨いていく
プレイド 荒生風花(以下、荒生):1組目のBuddyは、株式会社 山野楽器 藤井貴之さんと、カスタマーサクセスを担当している荒生風花でお送りします。まずは、山野楽器の事業内容と藤井さんの業務内容、KARTE活用の目的についてご紹介ください。
山野楽器 藤井貴之様(以下、藤井):山野楽器は、楽器や楽譜、CDなどの小売販売、音楽教室やレゴスクールといった教室運営、ジャズコンテストなど音楽に関するイベント事業の運営をしています。私はデジタルマーケティング課に所属し、Webサイトの構築や改善、分析、SNS運用などを担当しています。
私たちのお客様は、商品を探していたり、教室に興味があったりと、さまざまな目的でサイトに訪れます。一人ひとりの目的に寄り添い、適切なゴールに導くお手伝いをしたいと考えてKARTEを導入しました。
荒生:ありがとうございます。藤井さんには「社内メンバーの巻き込み方」というテーマでお話を伺っていきます。藤井さんは実店舗のスタッフの方々も巻き込みながらKARTEをご活用されています。どのような取り組みをされているのか、お話しいただけますか?
藤井:店舗を訪れたお客様がWebサイトについてどのようなことをお話しされていたのか、スタッフからフィードバックをもらっています。
弊社の主力事業は小売店や音楽教室など「対面のサービス」です。店舗や教室のスタッフはお客様との接点が多く、要望も一番多く聞いています。たとえば「問い合わせをしようとしたが、問い合わせフォームがわからなかった」「セールの情報を探していたが、見つけられなかった」など、問い合わせをするほどではないような課題をお客様は抱えています。スタッフが雑談を通してそれを聞いているケースが多くあるので、定期的に共有してもらい、KARTEでの接客に反映させています。
最近では、KARTEでできることを説明して、店舗や音楽教室のスタッフにもKARTEで実施するアクションのアイデアを出してもらっています。 「ここにフロアの動画を流したらイメージが湧きやすいのでは」「このタイミングでこんなバナーを出すと、お客様に関心を持っていただけそう」など、さまざまな案が生まれるので非常に嬉しいですね。
荒生:「お客様を大切にしたい」「良い顧客体験をお届けしたい」という気持ちは一緒ですよね。山野楽器様の施策は、実店舗をお持ちのKARTE Friendsの皆さまにも参考になると思います。
最近では、実店舗のスタッフさんだけではなく、社内全体を巻き込むため、誰でも参加できる定例のミーティングを始められたんですよね?
藤井:毎週月曜日の18時から15分間、「Webの振り返りの会」という名称で、前の週にKARTEで行った施策を振り返っています。 ユーザーダッシュボードを見ながらサイトに訪問したユーザーの属性を分析したり、接客リストを見て成果の良かったアクションを共有したりしています。
小売や音楽教室など、事業自体が異なるさまざまな部門から、多くのメンバーが参加しています。普段、他の部門のWebサイトでのお客様の動きを見る機会がないため、興味津々な様子でした。
「KARTE Live」を用いた振り返りでは、「クリックしてもらいたいボタンが押されていない」「問い合わせフォームの入力に思ったより時間がかかっている」など、さまざまな発見があります。サイトでのお客様の動きを知ることで、お客様への理解が深まり、新しいアイデアにもつながりそうだなと感じています。
荒生:毎週15分でしたら、KARTE Friendsの皆さまも気軽に取り入れられるかもしれませんね。藤井さんとお話しさせていただき、改めて「顧客体験は、社内全体で一緒に創るものなんだ」と実感できました。藤井さん、ありがとうございました 。
「試しに触ってみませんか?」KARTEの輪を広げる草の根活動
プレイド 吉江さくら(以下、吉江):2組目のBuddyは、株式会社Schooの町田さなえさんと吉江さくらでお送りします。まずは、Schooの事業とKARTEのご活用状況についてお話しください。
Schoo 町田さなえ様(以下、町田):Schooは「世の中から卒業をなくす」をミッションに、すべての人が一生学び続けられるインターネットの学校です。授業は365日生放送で配信。ユーザー同士や先生がオンラインで交流し、双方向の新しい学びの体験を提供しています。
KARTEは2018年の6月に導入しました。当初は主担当ではありませんでしたが、2019年に引き継ぎ、今は私が中心になって運用しています。
吉江:前任の方から引き継がれた時のお話や、社内のメンバーをどのように巻き込んでいらっしゃるかをお伺いしていきます。まず、町田さんがKARTEの主担当を引き継いだときの状況について教えていただけますか?
町田:KARTEの主担当だったメンバーが、2019年に離職したんです。私は当時、KARTEで出すポップアップ施策のテンプレートのデザインを担当していました。さらに、CSSやHTMLを使ってKARTEのテンプレート作成もしていたこともあり、後任として指名されました。
ですが、KARTEで設定されているアクションの目的や全体像が把握できておらず、最初は試行錯誤ばかりでした。それでも、社内では私が一番KARTEのことを理解していると思われていて。いろいろな質問や要望が寄せられてきて、焦りましたね(笑)
吉江:そこからどのようにキャッチアップしていったんでしょうか?
町田:私にとっては、吉江さんやチャットサポートの方など、プレイドのみなさんが頼みの綱だったんです。あまりにも連絡をしすぎて「またあいつか」と思われていたもしれませんね(笑)サポートしていただき、仕組みを理解してからは、しっかりと運用できるようになりました。
吉江:私たちも、たくさんご相談いただいたことでSchooの事業理解が進みましたし、課題に対しての打ち手も明確になりました。異動などで、KARTEの引き継ぎが発生する方もいらっしゃると思います。引き継ぎをする際にはどんなポイントに気をつけるべきだと思いますか?
町田:セグメントのルールやイベント設定・接客サービスの意図などは、マニュアルなどを作成しておくと、引き継ぎがしやすいと思います。 キャッチアップに時間がかかってしまったのは、KARTEで設定されているアクションの「目的」がわからなかったからでした。「特定のユーザーが、特定のイベントを起こした際に配信される」スクリプト配信などは、その設定に至った目的の理解が欠かせないんです。
これはKARTE全体に言えるのですが、目的さえわかれば、最低限のことはすぐに理解できるようになると思います。
吉江:引き継ぎでご苦労された町田さんだからこその説得力があります。今は、社内でKARTEに触れるメンバーをどんどん増やす取り組みに力を入れていらっしゃいますよね。
町田:はい。地道な「草の根活動」でKARTEの輪を広げてきました。社内のメンバーとコミュニケーションを取るなかで「KARTEに興味がありそうだな」「KARTEでできそうな施策を考えているな」と感じたら「試しに触ってみませんか?」と声をかけています。 「面白そうですね」など、いい反応が返ってきたら、すぐにアカウントを発行して操作してもらっています。
吉江:アカウントを発行したものの、実際になかなか操作してもらえないケースもあるように思います。町田さんはどんなコミュニケーションを心がけていらっしゃるのでしょうか?
町田:最初に「CX Clip」の記事を送るようにしています。 そもそも、KARTEに興味を持つメンバーの多くは試してみたい施策があるので、他社さんの事例を見せることで、イメージがどんどん湧いてきて、モチベーションも上がっていくと思います。操作方法を学べるKARTE Academyなどの動画もとても役に立つのですが、最初の段階では送らずに、「操作をしてみたい」とモチベーションが湧いたであろうタイミングで送っています。
吉江:確かに、いきなり接客の設定方法などの詳細な動画が送られてきたら、ハードルに感じてしまうかもしれませんね。
町田:そうですね。「動画を見ればわかりますよ」と丸投げをしてしまうと、躊躇してしまう人も少なくありません。「テンプレートを作ってみたので設定してみませんか?」「前に似たような接客をしているので、これを見てマネしてみてください」などと、簡単なものから少しずつ伝えるようにしています。
吉江:KARTEをうまく社内に広められず悩む担当者さんもいらっしゃると思うので、とても参考になりそうですね。町田さん、ありがとうございました。
「こんなこと相談しもいいのかな?」と思ったこともプレイドの担当に話して得られたこと
プレイド 高杉友莉菜(以下、高杉):3組目は株式会社デファクトスタンダードの遠藤夏海さんと、カスタマーサクセス担当の高杉友莉菜のBuddyでお送りします。
デファクトスタンダード様は、CX Clip(「テクノロジーは、効率化よりも顧客理解のために使いたい」お客様一人ひとりに合った接客を目指すブランディアのKARTE活用)にもご登場いただいていおります。記事の裏側にある日々の地道な努力について、遠藤さんにお伺いしていきます。
まずは、デファクトスタンダード様の事業内容とKARTEの活用状況についてお話しいただけますか。
デファクトスタンダード 遠藤夏海様(以下、遠藤):弊社はブランド品買取サービスの「ブランディア」を運営しております。最近では都内に実店舗をオープンしておりますが、基本的にはWeb上でご利用いただけるサービスです。
私が所属するマーケティング部では、ブランディアの集客やCRM(顧客関係管理)といったWebマーケティングや、テレビCMの企画などを担当しています。
KARTEは、2017年の9月に導入しました。累計施策数は約900件、公開中の接客数は約200件と、かなり活用させていただいています。
高杉:「まずはKARTEで施策を打ってみよう」という姿勢にいつも感謝しています。KARTEの導入の経緯をお話しいただいてもよろしいですか?
遠藤:「モノを売りたい」と考えるお客様は、一人ひとりニーズやモチベーションが異なるんです。一人ひとりの趣向や属性を理解したうえで、パーソナライズされた接客をしていく必要性を感じていました。 そのために、KARTE Datahubを導入したのが始まりです。
高杉:導入いただいてから、いろいろな議論を重ねて施策を打っていきましたよね。特に印象的だった施策はございますか?
遠藤:優良顧客向けのコミュニケーション施策を改善するために実施したユーザーインタビューです。私たちは、SEOなどのWebマーケティングは得意だったのですが、CRMに関してはCSの社員に頼っている状態で、非常に属人的でした。
CRMを強化して、顧客ロイヤルティを高めていくためには、優良顧客の属性や需要のイメージを把握する必要がある。しかしイメージが曖昧だったので、KARTEを活用しながら、高杉さんとディスカッションを重ねて、一緒に探っていきました。
優良顧客の定義が見えてきたところで、「実際に優良顧客にあたる人たちが、ブランディアに対してどのような印象を持っているのか、聞いてみましょう」というアドバイスをいただきました。ユーザーインタビューはもともと一つの選択肢としては考えていたんですが、コンバージョンに直接貢献する施策を重視していたため、実施できていなかったんです。今回、背中を押してもらえたことで、踏み出すことができました。
ユーザーインタビューを実施してみたところ、お客様のサービスに対しての所感や弊社へのイメージなど、たくさんの気づきを得られました。
高杉:ご相談いただいた1〜2週間後にはユーザーインタビューを終えられていて、スピード感に驚きました。遠藤さんのご経験から、私たちカスタマーサクセス担当とはどのように付き合っていくとベストだと感じましたか?
遠藤:考えていることは全て話したほうがいいなと思いました。 「こんなこと話していいのかな?」などと遠慮してしまうこともあるかもしれません。しかし、KARTEを導入するということは、自分たちが実現したい顧客体験の形があるはずですし、現時点で考えている打ち手などはどんどん明かした方が前に進められると思います。プレイドさんの社内には、さまざまなバックグラウンドを持っている方が多くいらっしゃるので心強いです。
高杉:ありがとうございます。ご相談していただくことで、私たち自身も勉強になることがたくさんあるんですよね。
今後も、多様なスキルや経験を持ったプレイドのメンバー全員でKARTE Friendsの皆さまのプロジェクトをサクセスへと導いていきたいと考えておりますので、皆さまもお気軽にご相談していただきたいと思います。本日は皆様ありがとうございました。