Event Report

京都芸術大学が登壇|KARTE Friends Meetup Osaka vol.2

7月16日に、京都芸術大学に登壇いただき、関西開催第2回目となるKARTE Friends Meetup Osaka vol.2を開催しました。ホテルを会場としたためか、参加者の熱量に圧倒された前回とはまた違い、最後まで落ち着いた雰囲気で皆さまに交流いただけたようです。

7月16日に、京都芸術大学に登壇いただき、関西開催第2回目となるKARTE Friends Meetup Osaka vol.2を開催しました。ホテルを会場としたためか、参加者の熱量に圧倒された前回とはまた違い、最後まで落ち着いた雰囲気で皆さまに交流いただけたようです。

KARTE Friends Tシャツ

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今回は、KARTE Friends Tシャツお披露目の場でもありました。これまでのイベントでお配りしていたKARTE Tシャツと比べ、弊社デザイナー右田のこだわりポイントが更に、詰まっております。
気軽に着て頂けるよう、さりげないロゴの配置。KARTE Friendsの皆さんが作ってくださる温かい空気感を表現し、親しみを込める意味で選んだ「Friends」の手書き書体。みんなでコミュニティを作っていく、という手作り感も表しています。
さらには、背中にもワンポイントの秘密があるのですが、そちらは受け取ってのお楽しみとさせてください。今後、Meetupへご参加の方へは毎回お配りする予定です。

今回の登壇者

京都芸術大学の通信教育部 入学・教育開発課 課長の作山さまに登壇いただきました。前職はマスコミで映像制作のお仕事をされていたそうで、映像を織り交ぜながらの発表となりました。
実は、5月に行われた関西開催第1回目のKARTE Friends Meetup Osaka vol.1の当日に、準備中の会場にてKARTE導入インタビューのための取材にご協力いただいておりました。会場設営中のPLAIDメンバーが思わず何度も振り返って聞き耳を立ててしまうほど、CXを念頭に置いた取り組み、施策の組み立て方から振り返り方まで整理された思考が印象的で、このたびの企画へ繋がりました。

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事例紹介

まず、作山さんの所属する通信教育部は、18歳から22歳の若者だけでなくいわゆる「おとな」の方々、社会人を主に対象としています。現在、通学部の2倍以上の7400名あまり、年齢層も地域も様々の方が通信教育部に在籍しています。中には96歳のご卒業生もいらっしゃるそうです!
作山さんのお仕事は入学(学生募集)と教育開発の両方です。今回はKARTEを前提に置き過ぎず、作山さんがお仕事に向かう上でのスタンスやマインドセットなど、学習理論やファシリテーションなどを学んだ経験も生かしながらお話いただきました。

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経験・体験することの重要性

最初に、読む・見る・聞くなどの行為種別により情報定着率も変わるとする、キッザニア創業者がプレゼンテーションしたExperience Pyramidの紹介を元に、「体験する」ことの重要性をお話いただきました。例えば、本を「読む」、あるいはセミナーに参加して受動的に「聞く」だけでなく、職場へ持ち帰り実践、つまり「体験」することで情報の定着率は高まります。(今回ご参加の皆さまは、このお話を受け、すでに実践されていることと思います!)

ラブレターを書くように施策を考える

作山さんがメールやバナーのクリエイティブを考えるにあたり大事にしていることは、ラブレターを書くように「誰に」「いつ」から考え「何を」と組み立てることです。KARTEでできることを知ったからといって技術先行で「できること」、つまり「何を」から考えず、そもそも求められているのか、「誰に」伝えたいのかから考えるようにしているそうです。

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うまくいかなかったこと

うまくいった施策の詳細を説明する前に、まずは「うまくいかなかった」学びを共有いただきました。

広告配信

一つ目は、広告配信の施策です。具体的には、CRMに保管された入学者などの1stパーティーデータと、外部の3rdパーティーデータを掛け合わせ、類似拡張されたターゲットへ広告配信をするのですが、思うような結果が得られなかったとのこと。この施策の失敗要因を作山さんは、入学時期が4月と限られており、ECなど常にトランザクションが発生するサイトのデータとの相性の問題と考えています。

トライアルサイトへの誘導

もう一つの失敗例として、KARTEを使った施策も挙げていただきました。これは、広告から流入したものの、コンバージョンしなかったユーザーへ、トライアルサイト(授業動画の体験視聴)への登録を促すものでした。残念ながら、ゴール率は1%にも満たず、1日1件あるかないかという状況だったそうです。
結論として、ファネルの中でも認知・興味・関心といったリード獲得のステージを注視するのをやめ、リードを育成する方向、つまり一度接点を持ったユーザーを資料請求から比較検討、出願へと大事に育てていく、ということに決めました。

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うまくいったこと

優良セグメントへの広告配信

失敗に基づき、CRMを使った施策はニーズ拡張することをやめ、CRM登録者の中で関心が高まっていそうな優良顧客をセグメント化し広告配信する、という形へ変更しました。その結果、出願をコンバージョンとしたCPAが3000円を切る結果となったそうです。参考として、資料請求をコンバージョンとしたCPAが通常4500円から6000円だそうです。活動的になっているリードに対して育成するこの施策は、「うまくいった」結果となりました。

離脱者へのアプローチ

また、出願手続きに至るまでの離脱者へのアプローチも考えました。最初のステップに対して、半分ほどが最終的に離脱する状況とのこと。この「離脱者」への施策は、ECサイトでいう「カゴ落ち対策」になぞらえることができます。
ここで、「ラブレター」のお話に戻ります。「離脱対策」においても、「誰に(ターゲット)」「いつ(タイミング)」「何を(コンテンツ)」の順番で施策の組み立てを行いました。それにより、離脱者はその先のステップがわかりにくかったのではないか、という仮説のもとに、出願手続きのステップを紹介するメールを送信しました。結果として、開封率はなんと50.3%、クリック率は15.3%になったそうです!

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同様の内容を、KARTEの接客サービスを使ったポップアップ配信でも実行しました。こちらもゴール率が高く、仮説が正しかったことが分かってきました。

動画コンテンツで出願を促進

KARTEを使ったゴール率の高い配信例としては、直近の来訪頻度が高い人へ紹介動画を見せて出願を促進した事例もご紹介いただきました。
これらの施策により、最終的に、KARTEを使った施策を何らか経由し出願手続きを完了した人は、全出願者の46%を占める結果となりました!

Welcomeメール(学費支払いリマインド)

最後に忘れてはいけないのが、出願手続きの後の学費の支払い。実はここで20%ほどの人が離脱してしまうそうです。そこで作山さんは、出願完了者へ学費の支払いをお願いするのではなく、「入学おめでとう」と伝えるWelcomeメールを送信したのです。その結果、コースによっては開封率が100%のメールもあったそうです!

こうした施策にKARTEが役立っている理由として、作山さんからは「なにを」からではなく「いつ」「誰に」から考え個別最適化ができることを挙げていただきました。またカスタマージャーニーの活用を通してユーザーの感情に寄り添うこと、感情の起伏に合わせて必要なものを差し出せるよう、MOT(真実の瞬間/Moment of Truth)を捉えることの重要性があるといいます。その際に注意すべきは、潜在的なユーザーの意見があることを忘れないこと、またウェブの行動は真実を表しており、KARTEではそれを炙り出せるということです。

在学生の学習支援

教育機関として大切なのは入学までではなく、入学してから卒業までを支援するということです。CXやCRMが本領を発揮するのも入学後の学習支援であると考え、作山さんはまさに今、KARTEを活用した取り組みを始めようとされています。

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例えば、履修プランをまだ立てていない人へ向けて、参考になる記事をオススメする。課題を提出したことがない人へは、レポートの書き方のコツを掲載した記事をオススメする、などです。

素早くPDCAを回すためのポイント

先に挙げた施策を考える上で、フルスクラッチでシステム開発をした場合には「作って終わり」になってしまいがち、また大きな失敗しかできず修正までの時間もかかると、作山さんから指摘がありました。KARTEを使うことのメリットは、誰がクリックしたのかや設定したゴールに達したのかが全て見える化され効果検証ができること、また早く小さく失敗し、素早くPDCAを回して次のトライへ繋げられることだそうです。

ポイントは以下3つにまとめていただきました。

  • 効果・検証できないならやらない
    必ず施策ごとにKPIを設ける
  • 自動化することと、力を入れること
    ターゲットとタイミングは自動化し、クリエイティブやオファーに力を入れる
  • Fail Fast
    素早い失敗とたくさんの学習を繰り返す
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失敗は学びの第一歩

学習という観点において、最後にお話いただいたのは「失敗は学びの第一歩である」ということでした。まぐれで成功すると、学びの機会を失ってしまいます。学習理論の上だけでなく、マーケティングにおいても、恥ずかしがらず堂々と失敗をし、失敗の要因を考え振り返り、成長することが大切です。
KARTEの活用だけでなく、理論の紹介や失敗という大切な学びを共有いただくなど、豊富な内容のご準備と発表をいただきました作山さま、ありがとうございました!

グループワーク

今回は、グループワークの進め方についても作山さんよりアドバイスをいただいております。具体的には、作山さんが実際にイベントの振り返りに使うという、KPT(Keep, Problem, Try)というメソッドを応用しました。また、発表の中にも合った通りMOT(Moment of Truth)という、顧客の感情が動くポイントを捉える、ということも意識して構成しました。

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KARTEの活用をまだ始めていない方もいらっしゃいましたが、一貫して「顧客から見たポジティブ体験」「顧客から見たネガティブ体験(チャンス!)」という風に顧客視点を意識してお話をしていただいたところ、他社サービスの話を聞いたり、改めて振り返ることで気づきもお持ち帰りいただけたようです。

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懇親会

最後は懇親会です。今回は初参加の方も半分以上と多かったのですが、グループワークを通して会話の糸口がたくさんできたようで、最後まで悩みや共感も含めて様々なお話が尽きないようでした。

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ご参加いただいた方からは、いつもは売上を気にして回避するものと捉えていた失敗を前向きに考えてみたい、というお言葉や、顧客視点で施策を考えることがなかなか難しい中、他社の事例を自分ごととして考えてみたところ参考になった、などの感想を頂戴しております。
次回の企画も進めたいと思いますので、お近くの方はぜひ、ご参加お待ちしております。

登壇資料

作山さんには登壇資料の公開にも、ご協力いただきました。

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