お困りごとに合わせてFAQ・有人チャットのサポートチャネルを最適化。問い合わせ起点の改善サイクルで感動対応を目指すSHEのRightSupport by KARTE活用

SHE株式会社は、運営するキャリアスクール「SHElikes」の受講者から寄せられる問い合わせに対して、オペレーターの負荷を減らしつつ、一人ひとりに合わせた「感動対応」を実現するためにRightSupport by KARTEを導入。導入の経緯や活用方法について聞きました。

SHE株式会社が運営する、女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」では、受講者の不安や迷いを解消し、その人らしいキャリアアップや自分らしい働き方を下支えするカスタマーサポート(CS)に注力しています。

「シーメイト」と呼ばれる受講生の数が増えてきたなかで、CSの体制や管理方法の変更が必要となった同社はRightSupport by KARTE(以下、RightSupport)を導入。前プロダクトからのFAQの移管と改善、Webサポート施策の活用、有人チャットの導入を通じて、問い合わせ対応の負荷を減らしながら、必要なところに人手をかけるサポートを実現しようとしています。

本記事では、CSの施策立案や優先度の整理を担当するナレッジマネジメントチームの森 瀬里奈さん、立田 菜摘さん、吉野 華純さんに、RightSupportの導入背景、活用事例、そして今後の展望を伺います。

事業伸長にともない変化が求められたSHEのカスタマーサポート

──SHEの事業について教えてください。

森: SHEは“ 一人一人が自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を創る ”をビジョンに、女性向けのキャリアスクール「SHElikes」を運営しています。SHElikesは、デザインやライティング、マーケティング、動画編集など全45以上の職種スキルを掛け合わせて学べるオンラインスクールです。これまでに受講したシーメイトさんの総数は7万人以上います。

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プロダクト事業部 体験品質ユニット プロダクト品質グループ カスタマーサポートチーム 森 瀬里奈さん

──CSとしてこだわられていることはありますか?

森: キャリアスクールというサービスの特性上、問い合わせには「サイトの使い方がわからない」といったシンプルな相談以外に、「どう受講を進めていいのかがわからない」といった悩み相談もきます。そうしたものに対しては、一人ひとりに寄り添い、その方の悩みの背景にも思いをはせながら、奥行きのある対応をする「感動対応」(※)を心がけています。
※その方のネクストアクションにつながるような情報伝達をすること(これを見てください、これも役立ちそうです、といったプラスアルファの提案)

吉野: 目指すところは、「つまずかせない、問い合わせをさせない」ことです。CSがいなくても問題ないようにするのが真に目指すところであり、そのための対応の在り方を「おもてなし」という共通言語としています。

ですから、問い合わせを受ける前の段階でなるべく課題を取り除けるように意識しています。たとえば、SNSなどからシーメイトさんの困りごとや、「ここでつまずいている」といった声を拾い、能動的なサポートも実施しているんです。

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プロダクト事業部 体験品質ユニット プロダクト品質グループ カスタマーサポート 吉野 華純さん

──RightSupportの導入以前、CSで抱えていた課題について教えてください。

森: 事業が成長しシーメイトさんが増えるにつれて、問い合わせ数が増えました。会員さんのWebに関する知識にもばらつきが出てきたため、CSの体制や管理方法の再考が必要になりました。ここ1〜2年は、PCの使い方などの初歩的な質問も届くようになり、すべての問い合わせに対応するのは難しくなっていたんです。

有人サポート以外の方法で相談に応じるため、FAQサイトをきちんと活用したいと考えていましたが、それには3つの課題がありました。

1つは、シーメイトさんが使うマイページとFAQサイトの接続がうまくできておらず、FAQを見れば解決するはずの疑問も、問い合わせ窓口に集まっていました。

2つ目は、問い合わせの入力を自由記入のフォーマットにしていたこと。質問の仕方や詳細の書かれ具合がバラバラで、お客様が本当に求めているものがなにかを理解するためのコミュニケーションラリーが多く発生していました。

3つ目は、以前使っていたFAQサイトを管理するためのプロダクトの使い勝手に課題があったことです。プロダクトの仕様にも依存しているんですが、相談内容の階層化や、FAQデータの具体的な分析ができなかった。例えばAという問い合わせをする前に、Aを解明するFAQがあれば問い合わせ自体が発生しなくなります。FAQの十分な分析ができず、どの問い合わせに対してどのFAQを提供したらいいかといった仮説が立てられず、根本的な疑問解決につなげられていませんでした。これらの課題を解決するためにRightSupportを導入しました。

FAQの棚卸し移管を敢行し、能動的な改善サイクルを確立

──RightSupport導入後の最初の施策を教えてください。

森: 前プロダクトからRightSupportにFAQを移管するにあたって、まずはFAQの棚卸しから始めました。すべてのFAQを洗い出し、古くなっている情報や書き換えが必要なものを修正。料金に関することなどシビアな箇所は、改めて法務チェックにまわし、表現や注意書きを微調整しました。それから、全社に呼びかけをして、各チームに該当ページのURLの書き換えなどを依頼し、移管を一気に進めていきました。

立田: 一定の時間はかかりましたが、とてもいい機会になりました。一般的に一度作ったFAQは、そのまま放置されることが多いと思います。恥ずかしながら、私たちも以前は、お客様からの問い合わせにより課題が顕在化してから見直すという体制でした。

しかし、「おもてなし」を実現するには、問題が起きる前に解決できることが大切です。FAQの棚卸しとリニューアルをきっかけに、FAQの定期的な見直しやアップデート、改善サイクルを作ることの重要性を強く実感しました。

私たちナレッジマネジメントチームが発足したのもこのタイミングです。

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プロダクト事業部 体験品質ユニット プロダクト品質グループ カスタマーサポートチーム 立田菜摘さん

FAQの閲覧状況が可視化され、「健康診断」のように改善点が明確に

──FAQの移管後はどのような施策をしましたか?

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立田: 受け皿としてのFAQが整理できたので、まずは入会90日以内のシーメイトさんを対象に、Webサポート施策を表示しました。そこでFAQへの案内ができているという手応えを感じたので、次にすべてのシーメイトさんに対して開放することを検討しました。

「もしかしたら問い合わせが急増するのでは…」という不安もありましたが、覚悟を決めて「お問い合わせWeek」と称した4日間の期間限定でトライ。結果は、「本当にウィジェット(施策)が出ているのか?」と疑うほど、問い合わせ数に変化はなかった。その結果をもとに、2023年10月からは全シーメイトさん向けにウィジェットの表示を定常化しました。

また、RightSupportでデータが見られるようになったのが大きかったですね。FAQがどう閲覧されているのかが把握できていなかったのが大きな課題でした。RightSupportによって、閲覧状況が明確になり、健康診断の結果のように「ここが悪いね」というのがわかるようになった。その結果に応じて、FAQを修正したり、ブラッシュアップすべき項目を最短で発見できたりといったことが可能になりました。

森: 問い合わせのハードルが下がったのに、問い合わせ数が増えないということは、おそらくFAQをスムーズに見ていただける導線ができ、FAQにより自己解決できる幅が広がったのだと思います。施策実施期間の前後でFAQの閲覧数は1.3倍ほどになりました(※)。本当に人の応対が必要な問い合わせだけが来るようになっている、という理想の形ができていました。以前は、マイページの「よくある質問」から飛ぶか、各予約完了メールのリンクから飛ぶかしかFAQへの導線はありませんでした。この施策により、FAQの存在を新たに知った方も多いだろうと考えています。
※2023/10/10〜の2週間が対象、閲覧数はセッション数で集計

自己解決導線と有人チャットのチャネル最適化を通じて問い合わせ内容が変化

──FAQを案内できるようになった後はどのような施策を実施されたのでしょうか?

森: サポートアクションの次に着手したのは、有人チャットの導入です。以前は、KARTE Talkを活用してSHEの公式LINE上でのみ行っていた有人サポートを、マイページ上でもそのままチャット問い合わせができるようにしました。

吉野: これは、サポートアクションで提示されるFAQを見ても疑問が解消されなかったシーメイトさんが、シームレスに問い合わせするためのものです。すべての疑問がFAQで解決できるわけではありません。なんらかの形で有人サポートは引き続き必要だと考えていました。

どう有人サポートを行うかのイメージは当初ついていなかったのですが、RightSupportについて知っていくなかで実現できそうなイメージが湧いたため、構想を具体化していきました。約1ヶ月の検証期間を経て、本格的に導入に至っています。

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──素早く導入されたようですが、既存の業務フローに組み込むために工夫した点はありますか?

立田: 有人サポートを行う全スタッフが見られる回覧板に使い方のマニュアルなどを共有しました。そもそものKARTE TalkのUIがわかりやすいことや、スタッフがアクセスする管理画面はLINEでの運用時と同じものだったこともあり、特に問題なく有人チャットサポートを導入できました。

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KARTE Talkの画面イメージ。ウェブチャットとLINEのコミュニケーション履歴も同じ画面上で管理できる

吉野: 一気に業務フローを変化させすぎると、対応するスタッフの負担が大きくなってしまうので、一つずつ導入して慣れてもらうようにしています。RightSupportでやりたいことはまだまだたくさんあるのですが、現場の負担にならないように緩やかに導入して、徐々に展開できたらと考えています。

──有人チャットからの問い合わせ内容は、以前のものと比べて違いがありますか?

立田: 問い合わせ時に、どんなことに困っているかを確認するためのコミュニケーションラリーの回数が少なくなりました。問い合わせいただいた時点で、その方が過去にどのFAQを見ているのかがすぐわかるため、同じFAQを送るという無駄が省けたり、より具体的に悩みに迫る質問ができたりして助かっていますね。

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右のユーザーパネル上で過去閲覧していたFAQ記事を可視化

FAQと有人チャットの導線を最適化したこの取り組みは、現場からの評判も良かった。応対を担当するスタッフからは、「問い合わせの内容の種類が変わりました」とよく言われました。FAQを整えたとしても、ちゃんと見てもらえないと意味がないので。ウィジェットをフル活用して、まずは見てください、と丁寧に訴求したことと合わせて効果を発揮したのだと思います。

──FAQの移管、Webサポート施策の展開、有人チャットサポートの導入などを経て、全体的な問い合わせ数は減りましたか?

吉野: 問い合わせを「減らすべきもの」「減らすべきではないもの」「FAQを作るべきもの」の3つに分類しているのですが、「減らすべきもの」の問い合わせ数削減率は10.2%となりました(2023年10月~12月)。狙ったところのFAQを改善したり、Webサポート施策のシナリオに組み込んで出やすくしたり、FAQ内の検索に引っかかりやすくしたりしたことが功を奏したようです。

ちなみに「減らすべきではないもの」とは、受講のつまずきやキャリアの相談など、有人チャットで対応したほうが感動対応につながると判断しているものです。それらの問い合わせに丁寧に対応する時間を確保するためにも、「減らすべきもの」をさらに減らしていきたいと思います。

問い合わせ応対からFAQの改善点を見つけ、さらなる自己解決の促進へ

──「FAQを作るべきもの」に対応するなど、FAQの改善は現在どのような体制で行っていますか?

森: 現場で問い合わせの一次対応をするスタッフから、気づきや改善案をあげやすい体制やフローをつくっています。基本的に問い合わせ対応をしているスタッフがFAQを一番よく見ているんです。対応中や振り返り時に「FAQのこの文言を変えよう」とか「マニュアルやテンプレの定型文を変えればよりスムーズに対応できる」などが発見しやすい。そこで、なにか良くないと思ったらそのままにせずにすぐに声をあげられる状態にしたかった。具体的には、改善アイデアを提案するために、Slackのワークフロー機能を使って投稿しやすい状態を整備しています。

吉野: 加えて、提案とまではいかずとも「こうした方がいいかもしれない」といった気づきが雑多に投稿できるSlackチャンネルも運用しています。アルバイトを含むメンバーが呟いてくれた内容に対して、ナレッジマネジメントチームから「ワークフローにあげてくれると嬉しい!」などと声をかけ、提案への心理的ハードルを下げているんです。

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立田: 週に一度、オペレーターも参加する定例会議も開催し、口頭でも提案できるようにしています。他にも、オペレーターがKARTE Talkの画面上で気づきや改善に関するコメントを入れ、ナレッジマネジメントチームがダブルチェック、加筆修正したのちにFAQへ反映しています。これらのいくつかの取り組みにより、従来組んでいたフローよりも声をあげやすくなり、FAQ改善プロセス自体も短縮することができました。

チャット問い合わせを起点としたFAQの高速改善サイクルを構築。工数削減と顧客の自己解決に貢献

カスタマーサクセス領域にも寄与できるチームへ

──RightSupportの導入により、CS全体に何か変化はありましたか?

吉野: 先ほどもお伝えしたように、問い合わせ内容が変化してきている手応えがあります。FAQやサポートアクションを活用して自己解決できる方が増えたため、シンプルな内容の問い合わせは減少しました。実際、Webサポート施策を利用した方の自己解決率は90%以上にもなっています。

サポートウィジェットで FAQ/有人チャットの振り分けを行うことで、約90%の自己解決を実現

立田: 自己解決が促進されたことで、有人サポートにより注力できるようになりました。「体調不良で休みたい」という問い合わせに対して「了解しました」だけでなく「ご自愛くださいね」と一言つけるなど、シーメイトさんに寄り添った感動対応をしようというカルチャーがさらに強まったと感じます。

森: CSに対する社内からの認識にも変化がありました。以前のCSは「トラブルがあった際に対応をお願いするチーム」のような認識だったと感じており、ある程度のコストをかけてツールを導入するのは勇気が必要でした。ただ、RightSupportを導入したことや、トラブルが発生する以前の部分を改善しようとしている姿勢が認知されるにつれて、「カスタマーサクセスのような役割も担えるチーム」だと、社内で認識されるようになりました。

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──今後はどのような挑戦をしていきたいですか?

吉野: 究極的には、シーメイトさんが困りごとや悩みを自己解決できるようになり、つまずき起因で学習が止まったりしないようなサービスを目指したいと思います。最近取り始めたCSAT(顧客満足度)では全項目で4.5以上をいただくことができました。文句なしの問い合わせ対応ができるメンバーが揃っているからこそ、シンプルなQ&Aだけでなく、おもてなしの一言だったり、血が通っている温かい言葉をかけられる文章を作ってもらえるような、サクセス的なCSを目指していきたいです。

また、効果が出始めている施策をブラッシュアップしお客様の自己解決をさらに促進することで、CSのみんなが「おもてなし」を意識した有人サポートに集中できる状態を作りたいですね。

森: 決して安くはないお金を払ってSHElikesに入会したのに、サービスの使い方が分からなくてつまずき、退会してしまう方がいるのは非常に悲しいことです。そんな方を一人でも多く救うのがCSの役目だと考えています。

シーメイトさんに近く、全社的な目線も持っているCSだからこそ、一つの問い合わせをもとに全社的に改善すべきことを見つけられるかもしれません。これから行う施策によって得た知見やデータをもとに、CSとしての提案を自信を持って全社に発信できるようになりたいと思います。

立田: RightSupportを活用してさまざまな施策を試し、CSを進化させ続けたいですね。ただ、どれだけ新しいCSになったとしても、血の通った温かいコミュニケーションの文化は大事に守っていきたいと思います。

窓口には、多くの問い合わせをいただきます。私たちにとっては数ある問い合わせのうちの一通だったとしても、ご本人からすれば勇気を振り絞って送った一通かもしれません。そのことをちゃんと心に刻んで、新しい体制、新しいメンバーになったとしても「おもてなし」の文化を絶やさないようにしていきます。

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