Product Story

未知の価値を見つけるために、個人の創造性を活かす。KARTE開発チームのプロダクト・組織づくりを貫く思想

2021年6月9日、プレイドはオンラインイベント『生産者の声 - プロダクト開発チームで大事にしていること』を開催しました。今回登壇したのは、ソフトウェアエンジニア / VP of Engineeringの門脇 恒平。「未知の顧客にも価値を届ける」や「あえて不確実性を高める」など、プレイドの実現したいことや開発チームが大切にしている想い、実現するための取り組みについて語りました。

2021年6月9日、プレイドはオンラインイベント『生産者の声 - プロダクト開発チームで大事にしていること』を開催しました。

「生産者」というのは、KARTEの開発、デザインチームなどに所属するメンバーを指します。設計や開発に込めた思いなどを発信することで、KARTEに触れる皆様に、KARTEをより楽しんでいただきたい。そんな願いを込めたイベントです。

今回登壇したのは、ソフトウェアエンジニア / VP of Engineeringの門脇 恒平。モデレーターをプロダクトスペシャリストの池上純平がつとめました。「未知の顧客にも価値を届ける」や「あえて不確実性を高める」など、プレイドの実現したいことや開発チームが大切にしている想い、実現するための取り組みについて語りました。

あえて不確実性を増やし、個人の創造性を最大限に活かす

イベントの冒頭、「開発においては、WHYから考えることが非常に重要だと思います」と切り出した門脇。プレイドが実現したいこと、KARTEの開発において大事にしているポイントについて共有しました。

門脇「実現したいのは、端的に言えば『いいプロダクト』です。それも、ただの『いいプロダクト』ではなく、圧倒的に価値のあるプロダクト。KARTE Friendsの皆さんはもちろん、私たちにとって未知の顧客にとっても価値のあるプロダクトを生み出したいと考えています。

プレイドでは、『データによって人の価値を最大化する』というミッションを掲げています。この抽象的で捉えどころのない、壮大なミッションを実現するには、非連続な成長をいかに沢山生み出せるかが重要だと考えています。例えば、今まで不可能だったことが当たり前になるとか、そういった圧倒的な価値のあるプロダクトを世に出していきたい」

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VP of Engineeringの門脇 恒平

「また、非連続な成長のためには、現時点で自分たちが見つけられていない市場や、そこにいる顧客の課題へ思考を巡らし、価値を届けていく必要もある。正解がないなか新しい市場や価値観を生み出すことにも、日々トライしています」

非連続な成長を生み出すために、未知の顧客が抱える課題を見つけるために。日々の意思決定では、常に不確実性を増やし続けること、個人の創造性を最大限活かすことを大事にしていると、門脇は説明します。

門脇「よくエンジニアリングの仕事は、事業やプロダクトの不確実性を減らすことじゃないの?とも言われるのですが、先ほど述べたような圧倒的な価値、未知の顧客への価値を生み出すには、減らすだけでなく、あえて増やすことも必要なのではないかと考えています。不確実性の高い環境下で、価値を探索する範囲を広げ続けていきたい。

また、未知の顧客にも価値を届けるにあたって、解くべき課題も、解き方も、まだまだわかっていないことが多い。私たちも含めた誰も正解がわからないなかで、『いいプロダクト』を創っていくためには、個人の想像力や発想が欠かせません。プレイドのエンジニア一人ひとりが、アイディアを抑制せず、自由にアウトプットできる環境づくりに注力しています

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KARTE Friendsと開発者が価値を“共創”するシステム設計

「常に不確実性を増やし続ける」や「個人の創造性を最大限活かす」といった開発チームが大事にしているポイントは、KARTEというプロダクトにどのように反映されているのでしょうか。門脇は「常に拡張性、柔軟性、汎用性を意識してきました」と語ります。

門脇一つの課題に対して、一つの機能を作るのではなく、一つの機能でなるべく多くの課題が解決できる。そうした余白のある設計を心がけています。

未知の顧客への価値を生み出すには、開発チームの視点だけでは、きっと足りない部分があるはずです。だからこそ、KARTE Friendsの皆さんの視点もお借りして、一緒に価値を見つけていきたい。皆さんが自由に価値探索できる、遊び場みたいなものを、プロダクトとして実現したいと考えています」

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KARTE Friendsとともに価値探索をしたいという想いは、KARTEがプラグインを豊富に用意している理由でもあります。門脇は「プラグインをインストールし、カスタマイズできるので、KARTE Friendsそれぞれ違ったKARTEになる」と語ります。

また、KARTEは開発者一人ひとりにとっても、アイデアを探索しやすいシステム設計を実現しています。

門脇「アイデアを発想したとき、KARTE全体や関係のないFriendsの皆さんに大きな影響が出ない機能として追加し、トライアルアンドエラーできるよう設計されています。開発者の創造性も発揮しやすいシステム設計を目指してきました」

ルールを決めずに、ゼロベースに立ち返り、理想像を描く

続いて門脇は、チームづくりで大切にしている2つのマインドポリシーと、具体的な取り組みについて紹介しました。

1つ目のマインドポリシーは「決めない、固定しない、すぐ変える」です。

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門脇「開発チームでは、ルールなどはできるだけ決めない、固定しないようにしています。課題に直面したときにルールをつくりたくなってしまいますが、ルールは個人の活動を硬直化させるものになってしまうこともある。それに一度決めてしまうと取り除くのはとても難しいからです。

またプロダクトに関する意思決定においては常にゼロベースで考えます。最高のパフォーマンスを出し続けるためなら、それまでに積み上げてきたものや前提も手放します。 その結果ダメでも、また壊して、すぐに変えていく。

ルールを決めないことも、ゼロベースで考えることも、一見すると非効率なように感じるかもしれません。ですが、私たちが目指しているのは、圧倒的価値や新たな市場を創造すること。短期的ではなく、長期的な価値探索が必要です。それができるチームに成長していくには、必要なことだと信じ、あえて非効率も受け入れています」

2つ目のマインドポリシーは「プロダクトアウトを大事にする」です。

門脇「前提としてマーケットインも非常に大切です。ただ、KARTE Friendsの皆さんが抱える課題を聞き、順番に解いていくと、到底時間が足りなくなってしまう。

なので、プロダクトでどう課題を解くかではなく、本質的な理想状態を考えたうえで、プロダクトとしてどういう価値を提供するべきかを丁寧に議論します。課題があると知ったときも、即座に反映するのではなく『自分たちはプロダクトでどういった価値を提供したいか』を話し合います

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2つのマインドポリシーが反映された取り組みとして、門脇は「フォーカス」をベースとした開発サイクルを紹介します。

門脇「プレイドでは、2〜3ヶ月に期間を区切り、開発を進めています。この期間を『フォーカス』と呼んでいます。フォーカスが始まる前に、プロダクトとして何に注力すべきか、テーマを洗い出し、優先度の高いテーマからチームを編成していきます。

最初から『こういうものを創ってほしい』と決まっているわけではないので、各チームでは、最初の一週間で、フォーカスの全期間を通して成し遂げたいことや具体的な取り組みを議論、検討します。

フォーカスが終わると、再びゼロから何をやるべきなのかを考えます。継続するチームもあれば、解散するチームもある。この仕組みによって、状況の変化にも柔軟に対応できるのではと考えています」

こうした複数チームによるトライアルアンドエラーに関連して、門脇はKARTEのβ版機能の多さにも言及しました。

門脇「KARTEには、正式リリースされずβ版で運用されている機能が、複数あるかと思います。

β版のままにしておくことで、『仕様が変わるかもしれない』と認識してもらった上で、KARTE Friendsの皆さんが試して、フィードバックをいただきたい。それによって機能を最速で進化させていけたらと考えています。

ただ、全てがうまくいっているわけではありません。KARTE Friendsの皆さんにとって活用しづらい状態になってしまい、価値を十分に届けられていない部分もあると思います。この事実は真摯に受け止め、引き続き改善に取り組んでいく予定です」

KARTE Friendsとともに、価値を探索し続けたい

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最後に、門脇はKARTE Friendsの力を借りながら、プロダクトをよりよくしていきたいと呼びかけました。

門脇「繰り返しになりますが、開発チームが目指すのは、ただの『いいプロダクト』ではありません。圧倒的な価値のある、KARTE Friendsの皆さん、そして未知の顧客にとっても価値のあるプロダクトを創りたい。大きな成果を得るために、攻めの意思決定やアクションを積み重ねていきたい。

実現までの進捗率は、あくまで自分の感覚値なのですが、0.2%くらいだと思っています。まだまだ探索範囲は無限に広がっている。

だからこそ、今後も開発チームだけでなく、KARTE Friendsの皆さんとともに、プロダクトの価値を探索したり、WHYの部分から議論したり。共創を続けながら、実現したいミッションや世界観に向かって歩んでいきたいです」

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