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お客様を主語にすると?問い合わせの裏にあるインサイトは?ベイクルーズの「想像」から始まる体験づくり

お客様を主語にすると?問い合わせの裏にあるインサイトは?ベイクルーズの「想像」から始まる体験づくり

19th May, 2021

2021年2月16日、17日に、アプリサービスのCX事例に焦点をあて、アプリでのKARTE活用を中心に扱うカンファレンス「KARTE CX Conference 2021 for App」を開催しました。

「ベイクルーズが考える顧客体験と施策への落とし方」と題したセッションでは、株式会社ベイクルーズ EC統括 Digital Marketing Div. UI/UX Sec.の目黒希望氏が登壇。

同社にてオフラインとオンラインをシームレスにつなぐ体験を顧客に届けている目黒氏が語ったCX向上のためのポイントは、「想像すること」。顧客に対しても、組織に対しても、共通して「想像」が求められると語る目黒氏。一体、なぜ想像が重要になるのでしょうか。

「チャネルホッパー」へと変容する顧客と向き合う

ファッション、家具・インテリア、飲食、フィットネスなど幅広く事業を展開するベイクルーズ。同社は、ファッション事業においてマルチブランド展開によって市場シェアを拡大しています。ファッション事業のオンラインに占める割合は年々上昇。ECの売上における自社ECシェアは約78%と高い比率となっています。

さらに、オンラインのなかでもアプリの売上シェアは約26%。アプリのインストールは、店舗きっかけが全体の約5割となっており、同社はオンラインとオフラインを組み合わせたサービスの展開に力を入れています。様々な顧客とのタッチポイントを見ている目黒氏は、顧客に起きている変容をこう解説します。

目黒氏「企業やブランドとお客様のタッチポイントは以前と比較して格段に増えました。そのため、お客様はオフラインとオンラインを自由に行き来するチャネルホッパーへと変容しています。

例えば、電車で見た広告に掲載されているバーコードをスマートフォンで読み取って、表示されたオンラインの動画広告を閲覧し、その広告のなかでオフラインのイベントやキャンペーンのことを知って来店する。

このように、お客様は無意識のうちに様々な情報に触れながら、スマートフォンを通して複数の媒体を行き来していると考えています」

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顧客がチャネルホッパーへと変容しているなかで、ベイクルーズは自社が提供する体験をどのように捉えているのでしょうか。

目黒氏私たちは、どのチャネルがきっかけでもお客様のタイミングに合わせてチャネルを横断したシームレスで快適な体験を提供したい。 店頭、アプリ、Webにはそれぞれの強みと弱みがありますが、アプリがオフラインとオンラインの体験をつなぐハブの役割を担うことで、シームレスな体験を提供できると考えています。

また、オフライン、オンラインのどちらも利用しているクロスユースのお客様は、そうでないお客様よりも平均単価が約4倍高いことがデータからわかっています。シームレスな体験の提供は、お客様にとって快適であるだけでなく、ビジネスの観点からも重要です

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こうした背景から、ベイクルーズではアプリに様々な役割を付与しているといいます。もはや、アプリがオンラインにおいて興味喚起から購入までの体験をストレスなく提供することは当たり前で、オフラインにおいても体験価値を向上させる役割を果たす必要があると目黒氏は語ります。

目黒氏「ベイクルーズのアプリは、店頭では商品や在庫を探すナビゲーターとしてに機能し、さらにレビューや着こなしスナップなど店頭で不足する情報を補う役割なども担えます。また、店頭でポイントカードの代わりにもなります。オフラインのお買い物体験においても、アプリを使いこなしていただくことでより"失敗しない""快適な"お買い物をしていただけると考えています

「まず、顧客を想像する」。なぜそれが重要なのか?

顧客とのタッチポイントが多様化しているなかでシームレスな体験を提供するために、ベイクルーズではどのように施策を考えているのでしょうか。目黒氏は、課題を見つけるための3つのポイントを語りました。

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目黒氏「体験価値の向上を目標としたときに、ボトルネックになっている部分はどこかを分解し、目指す姿とのギャップを考えます。そのために実施するのは、主に3つです。

一つ目は、想像すること。自分だったらどう思うか?と仮説を立てて、俯瞰して考えます。二つ目は、ユーザーに聞くこと。 NPS®アンケートやお客様からのお問い合わせ内容を分析します。三つ目は、データを見ること。 各種解析ツールを使いながら、個にフォーカスしたデータを見たいときにはKARTEのユーザーストーリーを見ています」

この課題発見のポイントのなかでも、とにかく大切なのが想像するプロセスであり、それがなければユーザーの声の分析やデータの解析もうまくいかないと目黒氏はいいます。

目黒氏「お客様からのお問い合わせ内容をそのまま受け取るのではなく、本当に求めているインサイトは何か。構築した仮説は、自分やターゲットに近い周りの人に置き換えたときに腹落ちするか。こうしたことを、まずは自分の頭で考え、仮説を持つことが非常に大切です。必ず先に想像することで、データを見たときや施策の結果を検証したときに答え合わせができて、想像の精度が上がっていきます

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顧客の課題発見のためには想像が重要。では、想像とはどのように行えばいいのでしょうか。目黒氏は、ご自身でも意識しているポイントを共有しました。

目黒氏「私が想像するときのチェックポイントを紹介します。まず、自分が主語になっていないか?つまり、ユーザーが主語になっているかを考えます。続いて、インサイトや潜在的なニーズを捉えられているか?を考えます。

例えば、返品送料無料キャンペーンの施策はお客様からも好評です。ただ、それはお客様が返品送料を無料にしてほしいわけではなく、サイズやイメージで失敗したくない、過去にECで服を買って失敗した経験があるから買う前に確かめたいというインサイトだと思っています。そうすると、必ずしもその打ち手は返品送料無料である必要はありません。

また、ビジネスメリットがあるかも大切です。最終的に事業にとってプラスになる構造になっていなければなりません。数字を盲信しすぎて、ミスリードしていないか?も大切な視点です。 例えば、価格の値下がりを前面に押し出した訴求は、短期的には良い成果となる可能性があります。ただ、中長期的に考えると、それは必ずしもプラスになるとは限りません。

そして、効果に対して工数が見合っているか?最適な打ち手はなにか?を考え続けること。 この観点では、KARTEを活用しての施策はしっかり企画をすれば、非常にコスパがいいと考えています。ただ、とにかくお客様に情報を伝えればいいわけではありません。ターゲットをしっかり絞り、お伝えしていくことが重要なので、この点でもKARTEが役立っています」

組織のなかで施策を進めていくためにも「想像」が不可欠

顧客を想像するプロセスを経て発見した課題を、どのように施策につなげるのか。目黒氏はセッションの後半で施策への落とし込み方について語りました。

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目黒氏「想像した後は、お客様の声を聞き、データを見て課題を抽出します。続いて、打ち手となる施策をとにかく思いつく限り、ブレストして箇条書きにしていきます。この作業は幅広くアイデアを出すことが重要なので、一人で担う必要はありません。

施策をリストアップしたら、実現可能であり、かつ実施する価値のある施策を選定していきます。このステップでは、自分だけで考えず、チームや周囲の意見に耳を傾けます。ただ、その際に得られたフィードバックは鵜呑みにしすぎず、ひとつの意見として受け止めて再度俯瞰して考えてみることを意識しています」

組織のなかで施策を進めていくうえで、一人で完結できることは多くありません。周囲と協同しながら進めていくうえでも、施策を考えるときと同様に「想像すること」が重要だと目黒氏は語ります。

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目黒氏「周囲と協力しながら施策を進めていくためにも、想像することが欠かせません。私は、組織のなかで施策を遂行するうえでも相手のことを想像しながら、4つのポイントを意識しています。

まず、誰を説得すれば進められるのか。そして、お客様のインサイトを捉えるのと同様に、相手からの質問の意図を考える。続いて、誰に協力してもらう必要があるのかを考えます。 施策の実行には、店舗のスタッフやECのスタッフなど、バックグラウンドが異なるスタッフの協力が必要です。理想は描いたけれど、現場のオペレーションは考慮できていなかった、といったことがないように施策に関係する人を想像することは必要不可欠です。

最後に、どうしたら周りの人に気持ちよく協力してもらえるかを考え、働きかけていくこと。 一つひとつのポイントは、当たり前だと思われるかもしれません。ですが、意外とできていないことが多いのです。施策が上手くいかないときは、基本に立ち返り、それぞれのポイントが意識できているかを見つめ直してみると、なにか糸口が見つかるかもしれません」

本セッションでは、一貫して「想像」する大切さが語られました。顧客の声に耳を傾ける、データを分析するより前に、まず顧客を「想像」することから始める。顧客のための施策を考えている方は、まず「想像」から始めてみてはいかがでしょうか。

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