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「オフラインデータを使いたい」は企業のエゴなのでは。顧客目線のデータ活用に不可欠な人の創造性

「オフラインデータを使いたい」は企業のエゴなのでは。顧客目線のデータ活用に不可欠な人の創造性

27th Apr, 2021

2021年2月9日、10日の2日間、CXを追求するにあたってのデータ利活用やテクノロジー領域に焦点をあて、KARTEおよびKARTE Datahubの活用事例を中心にしたカンファレンス「KARTE CX Conference 2021 for Data」を開催しました。

「データ活用のリアルな現場 〜『理想と現実』『効率と非効率』『EXとCX』〜」と題したセッションでは、ストライプインターナショナル デジタルトランスフォーメーション部 部長の榎本 一樹氏が登壇。

オンライン、オフラインのデータを連携し、データ活用の改善サイクルを回し続けてきた榎本氏。データ活用の最適化の果てに同氏が発見したのは、一見すると非効率な、人のクリエイティビティを活かすことの重要性でした。

データの運用体制を構築し、エンジニアなしでのECサイト改善とノウハウ蓄積を実現

ストライプインターナショナルは「ライフスタイル&テクノロジー」をテーマに、ECサイト「STRIPE CLUB」、ファッションサブスクリプションサービス「MECHAKARI」、hotel koé Tokyoというホテルなど、様々な事業を展開しています。

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榎本氏は同社で、社内データ基盤構築やテクノロジー活用などテクニカルな業務全般を担当し、社内にデータドリブン文化を根付かせるための活動を推進しています。ストライプインターナショナルでのデータと活用は、以下のような流れになっていると榎本氏は語ります。

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榎本氏「当社は、店舗と自社のECサイト、アプリがお客様の接点となっており、店舗が最も大きなチャネルです。各接点で得られた、売上データや在庫データ、お客様のデータ、商品類のマスターデータ、Webのアクセスログなど、各種データを一箇所のCDPに蓄積。そのデータを用いて、お客様によりよいサービスを還元できればと考えています」

こうした状況のなか、同社は「エンジニアがいなくてもECサイト改善を行う」「そのノウハウが蓄積できる」「お客様を深く理解した上で一人ひとりに合った体験をつくる」といった目的のため、KARTEとKARTE Datahubを導入。 以下のような体制でKARTEを活用しているといいます。

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榎本氏「店舗で発生した売上データなどは、社内のITシステム部門の環境を通じて、Treasure DataのCDPに蓄積しています。アプリのアクションログについては、SDKを使ってCDPに貯め、ECのデータは外部パートナーさんのデータをCDPに蓄積しています。

上の図におけるグレーの部分は、社内のシステムからはタッチできない環境なのですが、柔軟にデータが活用できるようにECサイトにGoogleタグマネージャーを設置して、アクセスログをCDPにデータを貯めています」

システムを連携させ、CDPで貯めたデータをKARTEで有効に使うために、同社はKARTE Datahubを活用。 KARTEとのデータ連携を行い、KARTEの力を最大限発揮できるようなシステムを構築しているそうです。

続いて、榎本氏はこうしたデータ活用のシステムを運用する体制について共有。部門はECとDXに分かれていたものの、2019年度まではほぼ一人のスタッフがクリエイティブ作成から接客設定まで担い、日々の運用で手一杯の状況だったといいます。

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2020年度、同社はさらにECに注力するためPJ体制を変更し、それぞれの部門でPJメンバーを増員。DX部門がプロジェクトのディレクションを担当し、データ活用のPDCAをリードしながら、技術サポートを担当しています。EC部門は、接客の設定と本番化の判断を担うようになりました。こうした体制が出来上がり、下記のようにKARTEを運用するようになったといいます。

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榎本氏「運用は、日次、週次、月次で分かれます。まず、日次では事業部門がKARTEの接客設定の依頼を記入するシートに書き込みをしてもらいます。EC部門が依頼を確認して、仕様調整。問題がなければKARTEの接客設定をして、DX部門がダブルチェックとレビューを行います。必要に応じて設定を修正した後、本番化。その後、結果を事業部門にフィードバックするというフローを依頼の発生ベースで行っています。

次に、週次では日々のプロジェクトを改善する活動をしています。EC部門とDX部門で週次で会議を行い、KARTEの接客状況を見たり、依頼を見たりしながら、改善点などを議論。議論の内容を踏まえて、接客の調整をしています。KARTEの不明点を記入するシートを用意しており、そこに記入した疑問点をもとに、KARTEのカスタマーサクセスの方に相談して解決しています」

日次や週次というサイクルで運用を行いながら、月次では一ヶ月の接客データをエクスポートし、一覧化した上で接客の良し悪しを振り返っているそうです。この際、振り返りをしやすく、ナレッジを蓄積しやすくするためのフォーマットをつくり、シート上にまとめているといいます。

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KARTEを運用した結果、当初の目的であった「エンジニアがいなくてもECサイト改善を行う」「ECサイト改善ノウハウを蓄積する」などは実現できていると、榎本氏は語ります。 同社は、KARTEの導入に手応えを得た後、KARTE Datahubとの連携でさらに高度な接客の実現を目指しました。

「オフラインデータを活用したい」は企業側のエゴなのでは

ストライプインターナショナルは、KARTE Datahubを導入してCDPとKARTEを連携。取得していたオンラインデータやオフラインデータを活用して、接客施策を行ったといいます。

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榎本氏「オンラインデータを活用して実施したのは、VIP会員様向けのバナー表示です。この接客のために、まずECからの売上以外のデータや、ブランドごとに異なるVIPの定義をCDP側で集計して、各ブランドごとのVIPフラグを付与しました。

そのデータをKARTE Datahubと連携して、お客様IDとの紐付けを行います。連携したデータを活用して、限定セールのバナーをVIPのお客様向けに掲載しました。この施策の結果、クリック率は30%弱、バナー経由での購入率は10%弱と、当社の接客のなかでは高い数字となりました」

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オンラインデータでの実践を成功体験に、オフラインデータでの連携にも乗り出したものの、最初はうまくいかなかったと榎本氏は語ります。

榎本氏「蓄積されていた店舗の購買データを活用して、お客様が店舗で購買した商品に合わせたコーディネートを掲出する施策を行いました。KARTEのテンプレートと、店舗業務をオンライン業務へ変換できる業務用アプリケーションであるSTAFF STARTの情報を連携して表示しようとしたのですが、これがうまくいきませんでした。

お店で購入された商品のIDと、どこの店舗で、いつ買ったかなどのデータをお客様のデータと紐付けて接客しようとしたものの、想定していないエラーが発生。エラーの解消に苦戦した結果、施策は数ヶ月の間ペンディングとなり、成果も思うようには上がりませんでした。

エラーの要因としては、この施策に複数社が関わっていたこともあり、やりとりに時間がかかってしまったこと、当社のエンジニアリングリソースがなくテンプレートを直接触ることができなかったことなどが挙げられます」

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オフラインデータの連携では期待していた成果を実現できなかった榎本氏は、ある発見をします。それは「どのデータを使うか」も重要であると同時に、「どう顧客に見せるか」も重要だということ。

榎本氏「振り返って考えると当然のことですが、『オフラインデータを使う』ことに意識が向きすぎてしまっていました。『オフラインデータを活用したい』だけで施策を打つのは、企業側のエゴのようなもの。

お客様が求めていることを考慮した、おもてなしの姿勢が必要で、それこそが成果につながるということです。お客様のインサイトをとらえたメッセージは何かを考えるためには、データだけでなく勘や経験といった人の力が重要になると気づいたのです

非効率にも見える、人のクリエイティビティを活かしてCXを向上させる

KARTEやKARTE Datahubの導入により、「サイト改善に時間がかかる」「ノウハウが属人的にしか貯まらない」といった課題を解決したストライプインターナショナル。次のステップへと進み、エンジニアなしでECサイト改善を行い、そのノウハウを蓄積できるようにもなったと榎本氏はこれまでの歩みを振り返ります。効率化を推し進めたことで気づいたのは、非効率なことに向き合う大切さだったといいます。

榎本氏「当初は、効率化を目的とした取り組みがメインでした。その結果、膨大な時間をかけていた作業が短時間で可能になりました。作業が効率化したことで、KARTEに触れるメンバーの体験の質、EXが向上した。これは、KARTE導入時に描いていた理想の状態です。

この状態が実現できた後、新たな現実が見えてきました。データを「どう出すか」の実現には、エンジニアやデザイナーの協力が必須であること、人の力が重要になることなどです。これらの課題が解決できれば、お客様をより深く理解し、一人ひとりに合わせた体験が提供できると考えています。

効率化によって生み出された余裕を活かして、『非効率』にも見える人のクリエイティビティを発揮した施策を増やしていく。それがCX向上につながると思います

榎本氏は最後に、顧客体験の向上に向けた取り組みを山登りに例えて、セッションを締めくくりました。

榎本氏「『あそこが頂上だ』と思って、理想を目指して登り始めるものの、実際に登ったらもっと高い山があった、なんてことの連続なんです。現実が理想に近づくと、また新しい現実と理想が見えてくる。CXの向上とは、終わりのない山登りのようなものだと思います

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