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“隠れた売れ筋”とユーザーのベストなマッチングを実現。残在庫を利益に変えながら、「ほしいのに買えない」ストレスをなくす

“隠れた売れ筋”とユーザーのベストなマッチングを実現。残在庫を利益に変えながら、「ほしいのに買えない」ストレスをなくす

7th Sep, 2022

2022年7月、プレイドは「顧客ロイヤルティ向上を阻む壁の越え方」をテーマに、多様な業界・領域におけるCX向上の取り組みや考えを聞く「KARTE CX Conference 2022」を開催。「在庫分析データ × ユーザー行動データで切り拓く小売の未来」と銘打ったセッションでは、在庫管理という“壁”について取り上げました。

プレイドでは2021年にEcosystem Divisionを発足。ユーザーデータをリアルタイムに解析・活用できるKARTEのテクノロジーをAPIとして提供し、パートナー企業とともに新しいソリューション創出に取り組んでいます。その一環として、在庫分析クラウドサービス「FULL KAITEN」を開発・運営するフルカイテン株式会社とタッグを組み、在庫問題を含む、小売業における経営課題の解消に挑んでいます。

FULL KAITENの「在庫分析データ」と、KARTEの「ユーザー行動分析データ」をかけ合わせれば、残在庫から“隠れた売れ筋”を見つけ、その商品を求めるユーザーへの販促が可能になります。結果、需要と供給のバランスが取れた在庫管理が実現すれば、「ほしい商品があるのに買えなかった」という欠品によるユーザーのストレスを解消、企業のビジネス機会も最大化できます。

セッションでは、フルカイテン株式会社 代表取締役の瀬川直寛氏、株式会社プレイドの小野敏宏が登壇、各々のプロダクトの特徴や両者のコラボレーションによる可能性を語りました。

8割の商品はほとんど利益を生み出していない?

在庫問題は、売り上げや粗利などの経営指標に影響する事業課題です。加えて、必要な商品を必要な量だけ作り、余剰な在庫を生み出さないことは、環境負荷の軽減にもつながります。とりわけ近年は、企業の持続的な成長において「環境」「社会」「ガバナンス」への配慮が重要視され、その取り組みや成果を評価するESG投資の額も増加しています。ESGの観点からも在庫問題は経営課題として重要さを増しているのです。

しかし、「在庫と売上のバランスを取るのは非常に難しい」と瀬川氏は語ります。在庫を増やせば、売上が増える見込みを立てられるため、売上に困っているときほど在庫を積みがち。ただ、在庫を増やしていくと、当然『残在庫』が増え、会社の規模によっては資金繰りに悩まされる。かといって単純に在庫を減らすと売上も落ちていきます。そのため、多くの企業は、どちらかといえば「在庫過多」を選択しがちです。

問題解決の糸口を探るべく、フルカイテンは在庫についての調査を実施。クライアント34社・168ブランドに対し、FULL KAITEN導入当初の利益構造に関する市場調査を行ったのです。すると、驚くべき事実が明らかになりました。

瀬川氏「平均として、全SKU(商品の種類のことで、在庫管理を行う際の最小単位)の20%の商品で粗利益総額の80%を生み出していたんです。たった2割ですよ?ここにも『80:20の法則(成果や結果を示す数値の大部分がごく一部の要素によって成り立つという法則)』が当てはまるとは思いませんでした。最も深刻なところでは、全SKUの0.1%で粗利益総額の80%を生み出す企業もありました。一方、こうした在庫問題の実情を数字で把握している企業は、ほとんどないように思います」

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多くの企業が「全SKUの2割に売上と粗利益を頼っている」という実態からも、在庫と売上のバランスを取る難しさが伺えます。

また、FULL KAITENを開発した背景には、瀬川氏自身が『在庫問題』に悩まされた経験があったそうです。

瀬川氏「10年前に現在の会社を創業した際は、ベビー服のEC事業を運営しており、『在庫問題』が原因の倒産危機を3回も経験しました。それを乗り越えるたびに『もっとこうしたほうが、在庫リスクを避けながら業績を向上させられるのに』と、よくある在庫分析の手法に対する違和感や改善点など、さまざまな気づきを得られたんです」

そうした瀬川氏の経験や気づきをもとに開発されたのが、FULL KAITENです。開発過程で、瀬川氏は「在庫は『売れる』『売れない』だけでなく、両者の間に分類される商品もある」ことに気づき、そうした「隠れた売れ筋」こそが在庫問題の解消の鍵になり得ると考えるように。瀬川氏は「本来売れるはずの在庫をしっかりと売り、利益に変えていくことにこそ、FULL KAITENが介在する価値がある」と主張します。

残りの8割から隠れた売れ筋商品を見つけ、効率的な粗利アップを後押しする。具体的には、EC・店舗・倉庫、全ての在庫をAIを用いて予測・分析し、在庫の健康状態や商品力を可視化。プロパー消化率アップ(値下げをせずに売れる商品の割合を指す)や値引き抑制、キャッシュサイクル改善のために販促すべき商品を提案します。

瀬川氏「ある企業様は、FULL KAITENの導入から1年以内に昨対比で客単価8%アップ、売上高は25%増加しました。また、欠品率が16.4%から2.9%に低下し、在庫高も20%減少、在庫は半減したんです。売れ残った在庫も、本来はこれだけのポテンシャルを秘めている。これが“隠れた売れ筋”です。余計な在庫を極力積まずに、抱えている在庫をユーザーに届ける。だから、粗利が増えていくんです」

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「在庫分析データ」×「ユーザー行動分析データ」で、在庫問題の解消へ

FULL KAITENの活用で隠れた売れ筋商品が分かったとき、その商品を求めているユーザーに販促できれば、より高い成果を期待できます。ここで、ユーザーの分析を得意とするKARTEの出番です。

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KARTEは、Webサイトやアプリのユーザーの行動をリアルタイムに解析し、属性や嗜好に合った体験の提案に寄与してきました。一人ひとりのユーザーを知り、合わせることを得意とするKARTEを活用すれば、ユーザーが在庫商品に対してどのような動きをしていたのかを分析し、それに合わせてさまざまな提案を試すことができます。

小野「例えば、ある商品が多く売れ残った場合、どんなユーザーには見られたり、買われたりしていたのかだけでなく、売れ残った原因として商品への導線が問題だったのか、掲載回数が不足していたのか、閲覧は一定数あるから別の理由があるのか、といったことが分かるようになります。

さらに、KARTEにある多様なテンプレートを活用すれば、『何を』『誰に』『いつ』『どこで』『どんな風に』提案するかを細かく設定し、ポップアップやアンケート、チャットの表示、プッシュ通知の送信など、思いついたことをスピーディに試せます。今後は、テンプレートに在庫課題に特化した接客アクションも追加する予定です」

在庫の状態を可視化するFULL KAITENに、人軸の行動データ分析とそれにもとづくコミュニケーションを実現できるKARTE。両者のかけ合わせにより、これまで見えなかった在庫の課題、その原因を明らかにし、原因解決に向けた具体的な施策を実行できます。

“隠れた売れ筋”を求めていそうなユーザーに販促するには?

具体的にどのような分析やユーザーへのアクションが可能になるのでしょうか。まずは、FULL KAITENの機能を活用して、「完売予測日」と「売上貢献度」の評価軸をもとに、全在庫の商品力を4つに分類します。

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瀬川氏「『BEST』は在庫消化ペースも良好で、売上貢献度も高い商品。『BETTER』は売り切るのに時間はかかるものの、売上に貢献している商品。『GOOD』は消化ペースには乗っているものの、『BEST』ほど売上貢献度は高くない商品。最後に『BAD』は売り切るのに時間もかかり、売上にも貢献していない商品です」

分類した時点で取れるアプローチは多く考えられそうですが、「注力すべきは『BETTER』の商品だ」と小野は話します。

小野「『BETTER』は、きちんと販促さえすれば、すべての在庫が売上に貢献できる“隠れた売れ筋”です。この商品を求めていそうなユーザーに販促することで、全体の顧客体験を高めつつ在庫を利益に変えていけます」

KARTEを活用すれば、「Aの商品はなぜBADに分類されたのか?」と各象限における分類原因の分析が可能です。さらにKARTEの行動データをもとに、「BETTER」を中心に4象限に分類された商品を求めていそうなユーザーを把握。接客アクションを通じて適切に販促することで、ユーザーに届けていきます。

また、FULL KAITENが全在庫の売れ行き状況を把握しているため、欠品している商品を提案して、ユーザーの体験を損ねてしまうことも避けられます。

実際、両者の連携により、顧客体験を高めつつ売れ行きの改善や値引きの抑制、在庫消化がどれだけ実現できるのか。残在庫を利益に変えると同時に、隠れた売れ筋とのマッチングや在庫不足による出荷遅延を防ぐことで、ユーザーの満足度がどれほど向上するのか。それを確かめるべく、フルカイテンとプレイドは、本事業化に向けて2022年2月よりPoC(実証実験)を開始。

セレクト系アパレル企業、スポーツ用品の小売企業、大手通販事業者の3社で、現在も検証を行なっています。検証結果をもとに、今後は全体のサービス設計をブラッシュアップする予定です。

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在庫問題において「隠れた売れ筋」を発見する重要性、それらを見つけ、求めているユーザーに届けるまでを可能にするFULL KAITEN×KARTEのソリューション、その可能性が語られた30分間。最後に各登壇者から今後の意気込みが語られ、セッションは幕を閉じました。

小野「今日のお話から、未来の小売業のCXをプレイドがどのように変えていこうとしているのか感じていただけたら嬉しいです。『在庫分析データ』と『ユーザー行動分析データ』のかけ算が生み出す可能性は無限大である。それを証明し、小売業界を盛り上げるためにも、まずは3社でのPoCを成功させたいです」

瀬川氏「在庫は『罪子』とも言われますが、決してそんなことはありません。みなさんが想像する以上に、“隠れた売れ筋”はたくさん眠っています。FULL KAITENを活用してその商品を把握し、KARTEを使って必要とするユーザーに販促すれば、提供価値を高めながら利益を生み出せるはずです。両者の取り組みに、今後も期待してください」

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