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発見溢れる日常を編む。“生活者”視点の体験づくりを探究するプレイドの新チーム「EDIT」

発見溢れる日常を編む。“生活者”視点の体験づくりを探究するプレイドの新チーム「EDIT」

18th May, 2022

2022年3月、プレイドは企業のブランド活動を支援するチーム「EDIT(Experience Design and Invent Team)」の立ち上げを発表しました。デジタルを用いて生活者の文脈や行動を捉え、ブランドの価値発見から体験設計、実装までを支援します。

これまでもCXプラットフォーム「KARTE」を通して、顧客にとってより良い体験づくりに取り組む企業やブランドを支えてきたプレイド。なぜ今改めて、生活者視点の価値や体験に特化したチームをつくったのか。立ち上げの背景やこれまでの取り組み、目指す世界観についてEDITの藤井陽平と宮下巧大に聞きました。

顧客の“生活”という広大な文脈を捉え、体験を思考したい

はじめに、EDITを立ち上げた背景を教えてください。

宮下:一つは、KARTEを導入されている企業の方々から「KARTEをどう活用するか」だけでなく「そもそも顧客にどういった価値、体験を提案するか」について相談いただく機会が年々増えていたことです。

私自身、普段の仕事でクライアントさんと向き合う中で、“そもそも”を相談できる相手が求められているのだなと感じていました。

2020年5月から参加しているOMOのプロジェクトチームでは、オンラインとオフラインを行き来する体験を、クライアントさんと共につくってきました。プロジェクトでは「実店舗とデジタルをデータでどう繋ぐか」といった仕組みだけでなく「どのような価値や体験を生活者に届けたいのか」についても議論を重ねています。

そのなかで「仕組みの話はできても、価値や体験の話もセットで相談できる相手は、意外といない」という言葉を聞く機会が何度かありました。テクノロジーや技術の話が先行し、顧客にとってのベネフィットの設計ができず、プロジェクトが進まないという課題をもつ企業は増えているのではと感じています。

プレイドは、企業の都合ではなく「顧客にとって価値ある体験が何か」を考え抜く姿勢と、体験を実装するための仕組みの両方を備えていると自負しています。これまでもKARTEを導入している企業とともに、どのような体験を提案するかを考えてきました。ですが、高まる需要に応えるには、より体験設計の支援に力を入れて取り組むべきではないか。それによってプレイドとして提供できる価値がより大きくなるのではないか。そう考え、新たなチームを立ち上げるにいたりました。

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宮下 巧大(CXプランナー)
東京藝術大学にて建築のデザインを学んだのち、新卒で建築設計事務所に勤務。住宅〜商業〜公共など幅広い建築のデザインを担当。設計業務の傍ら、地方行政のまちづくりやスタートアップの立ち上げに参画し、サービスデザインや企業ブランディングも経験。issue採用をきっかけに2020年よりPLAIDに参画。これまでは、データを活用したリアルでの顧客体験の設計をおこない、KARTEの可能性を広げるプロジェクトに従事。

藤井:もう一つ、「顧客体験」を本来の意味する通りに広く捉えたいという考えがありました。

顧客体験やCXといった言葉は、KARTEを「CXプラットフォーム」としてリブランディングし、CXに特化した『XD』を始めた2018年頃に比べ、多く目にするようになった実感があります。ですが、​​デジタル活用を担う部署が「顧客体験を考える」と言うとき、購買やその他のコンバージョンをゴールとする体験だけを考えているケースは少なくないです。「どのように買ってもらうか」が話の中心になっている。

けれど、生活者の視点に立つと、モノやサービスを買う瞬間というのは、企業やサービスと接する体験の中のほんの一部でしかないし、価値を感じる瞬間は利用や認知など多岐にわたります。顧客にとって価値ある体験を実現しようとするなら、「どのように買ってもらうか」だけではなく、購買の前後も含めた生活、そこに流れる文脈を考える必要がある。

そうした考え方や実践を、世の中にもっと増やしていく必要がありますし、プレイドも顧客体験を狭い範囲で捉えてしまっていないかと、問い続けなければいけないと思います。今回、生活者視点で価値発見や体験設計を行うチームを立ち上げた背景には、そうした私たち自身の内省もありました。

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藤井陽平(CXストラテジスト)
学生時代にデザインシンキングを学んだのち、新卒で博報堂に入社。2015年にSEEDATA(博報堂グループ会社)を立ち上げ、取締役に就任。一貫して、生活者データを中心とした商品・サービス開発やブランディング、戦略設計などを担当。2021年よりPLAIDにジョインし、クライアント企業の顧客戦略の設計や、KARTEを活用したビジネスグロースに従事。

宮下:企業が「体験を考えよう」とすると、一社の企業、一つのブランドとして、どういう体験を提案するかを考えがちだったり、一度の買い物や一回のセッションといった短い時間軸で計測したデータのみから顧客像を想像してしまったりする。

ですが、顧客は日常のなかで、複数の企業やブランドと接しているし、その接点も実店舗やデジタルが混在している。そこに垣根はないですし、一つひとつの体験は別々の点ではなく、一つの長い線で繋がっている。EDITでは、企業の文脈だけでなく、そうした顧客の生活における文脈も広く捉え、体験を考えていきたいです。

プレスリリースで「生活者」という言葉を使っているのも、顧客の生活における文脈を捉えたいという意図があった?

藤井:そうですね。顧客という言葉は、辞書では「お得意の客」などと定義されます。また、「顧客」と日本語訳されることの多い「customer」には「商品やサービスを購買する人」という意味がある。ビジネスの場面で「顧客」という言葉を使うときも「購買の意思のある人」といったニュアンスが込められているように感じます。

先ほど述べた通り、EDITでは購買に囚われず、顧客の生活を広く捉えていきたいと思っていたので、「顧客」ではなく、より範囲の広い「生活者」という言葉を使おうと考えました。

宮下:加えて「顧客」というと「一人の顧客」をイメージすることが多いと思うんです。特にデジタルにおいては、スマートフォンなどのデバイスを通して、様々なデータを蓄積し、一人ひとりの顧客に合わせた体験を実現しやすくなっている。それはポジティブな面もある一方、「一人の顧客」の周囲にいる他者を見落としやすくしてしまう面もあると思います。

自分の生活を振り返ってみると、同じ「買い物」であっても、一人で行くか、友人や恋人と行くか、家族と行くかによって欲しい情報や求める体験は異なる。「誰とするか」は体験を構成する重要な要素です。そうした他者の存在や関係も含め、その人の生活の文脈を捉えたいという思いも、「生活者」という言葉を選んだ理由の一つでした。

「編集」を意味するEDITという言葉をチーム名に選んだのは、どのような意図や背景があるのですか?

藤井:EDITでは、すでにブランドの持っている“らしさ”を発見し、生活者に伝わる文脈に変換し、ブランドの価値を最大化していきたい。それは0から何かを作るのではなく、すでにあるものを編集していく行為に近いと思っており、チーム名にも「編集」を意味する「EDIT」という言葉を選びました。

そう考えた背景としてブランディングをめぐる変化があります。近年、個人でもD2Cブランドなどを立ち上げる例も珍しくなく、ブランドを作るという営みが、限られた企業のものから、より一般的なものへと広がってきているように感じています。

そのうえで次に必要になるのは、培ってきたブランドの“らしさ”が生活者に伝わるよう、体験を設計し、体験を一つの長い文脈に合わせて、デジタルで実装していくこと。まさに編集です。設計から実装まで担えるのは、KARTEを持つプレイドだからこそだと捉えています。

EDITという文字をスラッシュで挟んだロゴにも、WebサイトのURLを繋ぐスラッシュのように、私たちがブランドと生活者の間で、両者の文脈を繋いでいく存在になりたいという意図を込めました。

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「楽しい!」気持ちや体験が、その場限りで途切れないように

具体的にEDITでは、どのように体験を設計、実装していくのでしょうか?

宮下:まず、企業やブランドの持つ“らしさ”を発見します。KARTEを利用してくださっている場合は、KARTEで捉えることのできるリアルタイムの行動データを、KARTEをまだ導入されていない場合は、エンドユーザーへのインタビューや社員の皆さんへのワークショップやヒアリングの内容を参考にしながら、生活者にとっての価値を考えていきます。

プレイドでは、どのメンバーも日頃から優れた顧客体験を形にしている国内外の事例や、その実現に取り組むクライアントの考えに触れ、よりよい体験とは何かを議論し、思考を深めている。こうした実践知の蓄積も参照しながら、価値を見出していきます。

次に発見した“らしさ”を、生活者に伝わるような体験に変換します。価値を届けるために必要であれば、新たなコンテンツをクリエイティブも含めて開発。生活者とのコミュニケーションや新しいサービスを設計します。

そのうえでKARTEを用いて、体験を実装するための仕組みを構築、改善します。一度作って終わりではなく、実際の行動や反応から価値を感じてもらえたかを確かめ、PDCAを回していくのが特徴です。

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これらのプロセスすべてを私と藤井だけで担うわけではありません。プロジェクトの内容によって最適なメンバーをアサインします。
プレイドには、藤井のように事業づくりやブランディングの経験が豊富な人や、アパレル業界で商品の企画開発や営業に長く携わってきた人、私のように建築業界出身だったりと、異なる専門性や個性を持つメンバーが揃っています。その強みを存分に活かし、プロジェクトを進めています。EDITはサークル組織と銘打っていて、社内外のメンバーを巻き込みながら、円形に広がっていきます。

すでに動いているプロジェクトについても教えてください。

宮下:一つは、三井不動産ビジネスイノベーション推進部とのプロジェクトです。

三井不動産では、新しい価値を提供するD2Cブランドを支援し、共創して生活者に豊かな暮らしを届けるプロジェクト『NEW POINT』を進めています。

その取り組みの一貫である体験型ポップアップイベントに、EDITが関わっています。具体的には、イベントに来たお客さんの来場前後も含めた購買体験の設計と、イベントを訪れた人が、その後どのようにブランドの商品やサービスを利用し、価値を感じたのか、結果として事業にどれくらいの効果があったかを、計測するための仕組みを構築しました。

藤井:『NEW POINT』という言葉が示す通り、ポップアップイベントは新しい視点と出会える場所だと思っています。「ポップアップイベントで買う」ではなく、「ポップアップイベントで出会い、利用が始まる」体験を構築しています。

D2Cブランドの方々にヒアリングをしてみると、ポップアップイベントの一時的な売り上げや認知率の伸びは見えても、訪れた人の「その後」が見えづらいという課題が見つかりました。イベントに訪れた人のうち、数週間や数ヶ月後に商品やサービスに興味をもった人がいたのか、買った人がいたのか、ブランドの継続性がブラックボックスになっていました。

このブラックボックスをKARTEを活用して可視化することで、ポップアップイベントを訪れた生活者の「その後」の行動を知り、よりよい体験に還元できないか。そう考え、仕組みの構築や実際の計測などを進めています。

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藤井:二つ目は、食のクリエイティブカンパニーシズるとのプロジェクトです。デジタルを活用して、レストラン『sio』での体験を拡張する試みに伴走しています。

レストランでの体験と聞くと、お店に行き、食事をし、店から帰るまでをイメージすると思います。ですが、sioでは店に行く前に食事を楽しみにしたり、家に帰って「美味しかったね」と写真を見て振り返ったりすることも含めて、sioの顧客体験と捉え、長い文脈で考えていました。お客さんにsioの魅力を事前にお伝えするためにnoteで記事を書いたり、来店後に食事の感想をSNSで呟いている人に感謝を伝えたり、来店前後のコミュニケーションを積極的に図っています。

こうした来店前後のコミュニケーションをsioの魅力と捉え、デジタルを使ったレストラン外の感動体験の設計や実装をお手伝いしています。

来店前に食事への期待が膨らむ瞬間、来店後に喜びや感動を思い出す瞬間を増やし、『sio』での体験をより長く、楽しんでもらえないかと試行錯誤を重ねています。

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ワクワクする発見に溢れ、もっと創造的になれる日常を

いずれの事例も、企業だけでなく生活者の視点で、購入だけでなく利用も含めた体験を考えていることが伺えました。最後にEDITとしての今後の展望を教えてください。

宮下:私自身はいち生活者として、グッと「感情」の動く日常に豊かさを感じるのですが、最近は世の中に情報が溢れ、物を買うにしても、サービスを利用するにしても「頭」を使って価値を判断する、理解することが多くなったとも思っています。

もちろん、それ自体を否定したいわけではないけれど、商品を買う、サービスを使うといった行為を通して、もっと感情を豊かに働かせたいとも考えているんです。感情の動く瞬間が連なり、生活がより楽しく変わっていく。EDITがテーマに掲げる「購買を中心に考えない」思考で、そうした変化へのヒントを模索したい。

この変化を起こすために企業は、散在している顧客接点やサービスを「merge(結合、繋ぐこと)」するだけではなく、一本化したうえで新しい価値を「invent(発明すること)」が求められてくるはずです。断片的にイメージを集めた一冊スクラップブックを作るのではなく、一つのテーマに沿って編まれた一冊雑誌を仕上げるように。新しいサービス、体験を創りたい。

デジタルの活用を目的化せず、デジタルを組み合わせて、新しい体験や価値を生み出すことを目指していきたいです。

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藤井:EDITがつくりたいのは、発見のある日常です。購買へと巧みに誘導するゲームハックでもなく、データから導き出された最適解を勧めるでもなく、創造的になるきっかけを与える体験を実現したい。

例えば、洋服を買いに行ったとき。私の好きな色やデザインを理解して、ピッタリ当てはまる商品を選んでもらえるのもありがたいし、嬉しいです。でも、その理解があったうえで、あえて自分なら手に取らないような服を勧められて、試着室で「あ、こういうのも似合うかもな」と意外性を感じる。その瞬間って宮下の言う通り、感情が動くというか、自分の創造性が刺激される気がします。そういう発見をEDITでは生み出していきたいですね。

宮下:シンプルに言えば、日常にワクワクをつくりたい。これに尽きますね。


EDITと共に、デジタルを用いて生活者視点の価値発見や体験設計に取り組みたい企業やブランドの方は、こちらからお問い合わせください。
https://team.plaid.co.jp/

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