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店舗とECの体験をつなぎ、顧客との関係の起点をつくる。プレイドが取り組むOMOの現在地

店舗とECの体験をつなぎ、顧客との関係の起点をつくる。プレイドが取り組むOMOの現在地

7th Dec, 2021

顧客がオンラインとオフラインを行き来する時代に、よりよいCXとはどのようなもので、いかに実現できるのか。そんな問いと向き合いながら、プレイドではOMOの事例開発に取り組んできました。

その一環としてナノ・ユニバースのスマートフォンアプリの「チェックイン機能」の刷新に伴走。2021年9月には、顧客が店舗を訪れた際、アプリから入店情報を登録すると、パーソナライズされた情報を受け取れる仕組みを導入しました。

オンラインとオフラインをまたいで実現できるよりよいCXを、一つの機能として形にした今回のプロジェクト。特にこだわった点として、オンラインであるECとオフラインである店舗の良さをかけあわせ、「好きに辿り着きやすくする」ことだと話します。このプロジェクトによって生まれる体験や今後の展望について、プレイドの宮下巧大、中野康平に聞きました。

オフラインとオンラインに散らばる「点」の体験を「線」につなぐ

はじめに、プレイドがなぜOMOに取り組むのか、背景を簡単に教えてください。

宮下:プレイドはKARTEを通して、顧客と企業・サービスの本来あるべきコミュニケーションに対して存在する課題を解消し、よりよい顧客体験の創造に貢献したいと考えています。顧客体験を創るうえで解くべき課題はいくつもあります。その一つがオフラインとオンラインのコミュニケーションの断絶です。

例えば、馴染みの店舗でスタッフが自分のことを覚えてくれていて、いつも好みにあった商品をおすすめしてくれていたとする。ですが、そういった自分にあった接客や関係性がオンラインにも引き継がれていることは少ないですよね。

オンラインとオフラインを行き来する顧客の視点に立ったとき、企業とのコミュニケーションは、店舗やアプリなど別々の「点」で起きていて、「線」でつながるものになっていない。そこをつないでいけば、企業は顧客の行動や反応を知り、解釈し、次に活かし、よりよい体験に還元できるのではないか。

そうした考えのもと2019年末にチームを組成。店舗を持っている企業さまを中心にディスカッションを重ねてきました。

参考記事:顧客に届けたい体験から思考する「OMO」。プレイドが実現したい、企業と顧客の理想的なコミュニケーションとは

店舗を持つ企業との取り組みにフォーカスしてきたのは、どういった理由があったのでしょうか?

宮下:現状のKARTEは、Webサイトやアプリなどオンラインの接点において、顧客の行動をリアルタイムに知り、一人ひとりに合わせてコミュニケーションする機能に強みがあります。ですので、今後「点」で起きているコミュニケーションをつないでいくにあたっては、店舗を始めとするオフラインの接点で、顧客を知り、合わせる機能を充実させていく必要があると考えていました。

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宮下巧大 東京藝術大学修士課程修了後、建築設計事務所で建築デザインを経験、issue採用をきっかけに2020年よりPLAIDに参画。データを活用したOMOを通じて顧客体験を創るプロジェクトの推進及びソリューション開発を担当

顧客とスタッフのコミュニケーションを充実させ、店舗を楽しむための仕組み

新しいチェックイン機能によって、どういった店舗体験が実現できるのか教えてください。

宮下:顧客が店舗を訪れた際、アプリから入店情報を登録すると、ECサイトやアプリでの利用データをもとに、お気に入りした商品の店舗在庫や今売れている商品、新しく入った商品など、一人ひとりに合った情報をアプリで受け取れます。

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ナノ・ユニバースさんは、顧客がなりたい自分になるのを手助けすること、店舗スタッフによるスタイリングに、ブランドとしてのアイデンティティーを見出されていたため、スタッフに話しかけやすい環境をつくれるよう意識しながら設計しました。 ただ情報を届けるだけで完結するというより、それを起点にスタッフとのコミュニケーションが充実することを想定しています。

自分に合った商品の情報が届き、それに沿って店舗を楽しみ、好きなものと出会える体験を実現したい。例えば「こういう雰囲気がいい」とうまく言語化できなくても、閲覧履歴やアプリに送られてきた情報を見せながら、スタッフにイメージを伝えるといった使い方もできます。

中野:顧客がなりたい自分に近づけるよう、スタッフは日々一人ひとりの状況やニーズを聞き、様々な手助けをしています。新たなアイテムを勧めるだけでなく、サイズの変更や手持ちアイテムとのコーディネートを提案することもある。

チェックイン機能を通して、顧客は理想の着こなしやなりたい自分のイメージを共有しやすくなる。 スタッフもそれらをより素早く、正確に把握し、提案に活かせるようになればと思っています。

その他にこだわったポイントなどはありますか?

中野:店舗に筐体を置き、物理的にタッチして、チェックインする仕組みを用意したことです。

チェックイン機能は、「価値ある情報を得たい」「店舗をもっと楽しみたい」と思った顧客が、主体的に利用することを想定して作っています。技術的にはアプリを筐体にかざさなくても情報を届けることはできます。

ただ、あえて物を置き、スマホを取り出し、筐体にタッチする行動をとってもらうことで「自分で決めた」という感覚を持ちやすくなればと考えました。データをつなげることを、事業側である自分たちだけではなく、顧客にもその体験へ能動的に参加いただくことが重要であると考えました。

顧客がタッチすることで、店舗に「オンラインの行動データを活用したい」という意思として伝えられると、店舗側も不意打ちを避けながら、パーソナライズされた体験を提供できます。自分に合った楽しい店舗体験を得られることを通して、顧客自身が自分のデータを企業側と共有する価値と動機を見出すことができるのではないかと考えています。

また、誰かがチェックインする姿を見て「あれは何?」と周囲の顧客が知るきっかけになるかもしれないですし、スタッフが「あの人はチェックインしていたな」と知ったうえでコミュニケーションできるのも利点ですね。

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中野康平 大学卒業後、小売事業者向けのコンサルティングや、webメディアの記者等を経験したのち、2020年4月にプレイドに参画。セールスやカスタマーサクセスを経験したのち、OMOのプロジェクト推進担当へ。現在はOMO領域のPMとして、プロダクトとビジネス双方の開発を推進している。

ECと店舗の良さをかけ合わせ、顧客が好きなものに辿り着きやすくする

オンラインであるECサイトとオフラインである店舗、それぞれの体験をどのように考えて、設計されたのでしょうか。

宮下:今回、店舗での体験について議論を進めていった際、店舗ではECのように情報が整理されておらず、商品を探しづらい面があるという話が挙がりました。「サイトで見たあの商品が欲しくて店舗に来たけどなかなか見つからない」といった経験は往々にしてある。ECサイトの検索機能やレコメンドに慣れた顧客にとって、店舗で商品を探す大変さを感じやすくなっているのでは、と話していました。

一方、実際に商品を試したり、店舗スタッフに相談したりしながら好きなものを探せるのは、店舗の良さです。そこにECの良さを融合させることで、いかに店舗で顧客が好きなものに出会いやすくするか。 これが今回のプロジェクトに限らず、今後のOMOの取り組みにおいても、重要なポイントになりそうだと考えています。

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その状態とは、どのようなものでしょうか?

宮下:まだ言語化している途中なのですが、一人ひとりに合わせて複数の選択肢が用意されていて、そこから自分で好きなものを見つけられる状態ではないかと考えています。

具体例を挙げると、先日東北地方に旅行しました。せっかくなのでご当地のおいしいものを食べたいなと思っていたのですが、有名な観光地というわけではないので旅行者向けにまとまっている情報誌は少なく、一方で口コミサイトやグーグルマップでお店の情報を調べるとチェーン店や特産品とは関係のないお店が上位に表示され、お目当てのお店を見つけるのに苦労しました。

最終的にはその地域に詳しい友人に相談をしたら、おすすめの飲食店リストを送ってくれました。「さばが食べたければここかここ。2件目にちょうどいい店はここ。1番のおすすめはここだけど、混雑してるので空いてなければここ。予約不可だけど開店の数分前にいくと入れてくれるのでおすすめ」などまさに自分の嗜好に合わせてコメントとともに候補を教えてくれたので、おかげでおいしい食事を楽しめました。

いくつかの方向性は残したまま、自分に合わせて絞られた選択肢があると、探しやすさと、自分で選べる納得感があり、満足度が高い体験になると思いました。 まさにこれが好きに辿り着きやすくなる体験だったと思います。

顧客と企業がやりとりできる情報の量と幅を広げて、双方向のコミュニケーションを促す

今回のプロジェクトについて今後の展望を教えてください。

宮下:店舗でスタッフが把握できる情報の幅はもっと広げていく必要があると思っています。顧客は入店した後も、商品を手に取ったり、鏡の前で合わせたり、試着をしたりと、色々な行動をしている。KARTEで捉えられるものをどう増やしていくのかは今後考えていきたいです。

中野:情報の幅を広げるとともに、それらを活用しやすくしていきたいですね。例えば、スタッフやマネージャー、本部の意思決定層など、立場によって表示するデータの種類や量を変えるなども検討できればと思っています。

最後にOMOの取り組み全体において、これから探究していきたいことを教えてください。

宮下:企業のアイデンティティーを表現できる機能や仕組みを作り、それらを活用したOMOの実践を重ねていきたいです。

今回のプロジェクトでは、ナノ・ユニバースさんのブランドとしてのアイデンティティーを踏まえ、よりよい店舗体験を考えていきました。別の企業やサービスであれば、店舗ではなく、ECサイトにチェックインのような仕組みを導入したほうが、表現したい体験に合うかもしれません。

中野:今回は「好き」に辿り着きやすくすることに焦点を当てましたが、店舗やアプリで起きた「点」のコミュニケーションから顧客の行動や反応を知り、次の体験に活かす方法は他にも無数にある と思います。

例えば店舗のコミュニケーションや体験について、顧客がスタッフにフィードバックを伝えやすくする、それによって来店する度に改善が回っていくとか、色々な可能性を探究していきたいと思っています。

そもそも店舗をもっと楽しめるようになるのではないか、というのは改めて感じました。自分が欲しいものを探しやすいほうがいいし、何なら、もうちょっと、お店の人とコミュニケーション取りやすくなったほうがいいなと。いち顧客としても、どうすると店舗が楽しくなるか、引き続き考えながら取り組んでいきたいですね。

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