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顧客に届けたい体験から思考する「OMO」。プレイドが実現したい、企業と顧客の理想的なコミュニケーションとは

顧客に届けたい体験から思考する「OMO」。プレイドが実現したい、企業と顧客の理想的なコミュニケーションとは

27th May, 2021

昨今、私たちはオフライン・オンラインをまたいで、企業やサービスと接点を持つことが増えてきています。例えば、同じブランドの商品を店舗とECサイトでその時々で購入する、オンライン上で申し込んでから現地に行く、といったことが挙げられます。

ですが、現状ECサイトなどのオンライン上の情報と実店舗などのオフラインの情報がつながっていないことも多く、オンライン・オフラインで同じ情報を記入するといった手間が増えたり、コミュニケーションが円滑に進まなかったり、違和感やストレスを感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このような企業・サービスと顧客とのコミュニケーションに存在する “バグ” を解き、理想的な体験を創造するため、プレイドでは2019年末からOMOのベストプラクティスの実現・ソリューション開発に取り組んできました。

OMOは「Online Merges with Offline」を略した言葉で、直訳すると「オンラインとオフラインを融合する」という意味です。オフ・オンラインの情報が融合されることで、顧客がいつでもどこからでも自分の嗜好にあった提案を受けられ、よりスムーズなコミュニケーションをとることができるようになります。

このようなOMOのベストプラクティスの開発を率いるのは、Brand Activationチームの宮下巧大、阪茉紘、神尾悟史。阪はto Cの外食、宮下は建築、神尾は百貨店と、それぞれ現場を通じて、顧客とダイレクトにコミュニケーションをとりながら体験づくりを行ってきました。

今回は3人に、なぜ今OMOが必要なのか、プレイドの考えるOMOとはどのようなものなのか、そして、それが実現することでどのような体験や顧客との関係が生まれるのか、CX Clip編集部が聞きました。

企業と顧客のコミュニケーションにおける“バグ”を解消する

まずはあらためて、なぜプレイドがOMOに取り組むのかを教えてください。

宮下前提として、プレイドでは「データによって人の価値を最大化する」をミッションに掲げ、CXプラットフォーム KARTEを通し、よりよい顧客体験の創造に貢献してきました。 そういったミッションやこれまでの取り組みをより加速していくにあたり、オフラインかオンラインかはあまり関係がなく、自然な流れでOMOの取り組みがはじまりました。

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宮下巧大 <経歴>東京藝術大学修士課程修了後、建築設計事務所で建築デザインを経験、issue採用をきっかけに2020年よりPLAIDに参画。データを活用したOMOを通じて顧客体験を創るプロジェクトの推進及びソリューション開発を担当

KARTEは、サイトやアプリの訪問者の行動や感情をリアルタイムに解析し、一人ひとりに合わせた体験の提供を可能にするCXプラットフォームであり、本来あるべきコミュニケーションに対して存在している “バグ” を解消するために開発をしてきたんです。

「KARTEが解いてきた、本来あるべきコミュニケーションに対して存在している “バグ” 」とは、どのようなものなのでしょうか?

:もともと企業やサービスと顧客の間には、洗練されたコミュニケーションが存在していました。わかりやすい例でいうと、オフラインの店舗などでは直接行う会話などを通して顧客のことを一人の人として理解し、それぞれに合わせたサービスを提供することができていました。 常連の方であればお気に入りのブランドの新作を紹介する、初めて来た方には丁寧に好みを聞く、といったことです。

一方、ECサイトなどのオンライン上でのコミュニケーションに目を向けてみると、企業が一方的に情報や商品を伝えるにとどまり、顧客を知るためのインタラクティブなコミュニケーションをとりづらくなっています。

その結果、企業は顧客それぞれに合わせた接客を行うことが難しくなり、顧客は自分に適した情報や商品を自分で探さざるを得ない状況になっています。 そういった店舗などのオフラインで当たり前に行われてきたコミュニケーションが難しくなり、企業・サービスと顧客とのコミュニケーションがスムーズにとれていない事象を現代の ”バグ” ではないか、と考えています。

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阪茉紘 <経歴>P&Gに新卒入社。複数ブランドに関して、顧客や市場の理解に基づいて戦略策定を実施。2014年末に日本マクドナルドに転職し、ブランド戦略やマーケティングキャンペーンの企画から実行までをリード。2018年12月プレイドに参画。現在は、顧客企業のブランド向上に関してプランニングやビジネスデベロップメントに取り組んでいる

本来あるべきコミュニケーションを実現するためには、オンラインだけではなくオン・オフライン双方に存在する顧客に向き合う必要が出てくると。

:そうなんです。デジタルやテクノロジーの進化や浸透によって、今後、顧客はよりオフラインとオンラインを横断するようになります。そういった変化の中でも 顧客をきちんと理解するためには、特定の接点のみで顧客と向き合うだけでは足りず、全ての接点において体験をつなぐ必要がある。

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けれど、多くの企業はオフラインとオンラインの体験やデータが断絶され、横断した体験やコミュニケーションを提供することが難しい環境にいらっしゃることが多く、その差によってコミュニケーションのバグが生じていると捉えています。

例を挙げると、馴染みの店舗でスタッフが自分のことを覚えてくれていて、いつも好みにあった商品をおすすめしてくれていたとしても、そういった自分にあった接客や関係性がオンラインにも引き継がれていることは少ないですよね。それぞれの場ごとに最適化された体験はつくれているかもしれませんが、顧客を中心に接点を横断した体験を創造できていないことは多いと思います。

そうしたバグを、オフラインとオンラインを当たり前のように行き来する顧客側の視点に立って思考することで、どうやって解消していくのか。それをプレイドは考える必要があるのです。

顧客を理解し企業やサービスらしさを伝える姿勢が重要な理由

「OMO」は一般的にオフラインとオンラインにおける体験やデータの融合を指すと思いますが、プレイドの考える「OMO」とはどのようなものなのでしょうか?

宮下:私たちも「オフラインとオンラインにおける体験やデータの融合」を目指している点は同じですが、顧客体験を重要視しているのがプレイドらしいポイントです。

大切にしてるのは、主語を「データ」ではなく「顧客」にして考えることです。 OMOの話になると、つい「店舗でのお客さまの行動をデータ化しましょう」や「オフラインとオンラインのデータをつなぎましょう」のように「データ」を主語にした話に偏りがちです。

そうした話も大切ですが、主語を「人」にして、どういった価値を顧客に届けるべきか、そのために何と何をつなぐべきなのかといった問いに重きを置いていきたいと考えています。

「オフラインとオンラインの融合」というゴールは同じでも、アプローチが違うのですね。

宮下:そうですね。プレイドでは、「人」を主語にしてOMOにアプローチをするにあたり「Context, Identity, Serendipity, Augumented ability」という4つのキーワードで、OMOの考え方を整理しています。

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宮下「Context」とは、OMOを実現する上で体験は点ではなく線として捉えることは大前提であり、線の体験をつくるには目の前の顧客の行動や反応をきちんと解釈し、次の体験に活かすことが不可欠であるという考え方です。

先ほどの例に出した馴染み客のバグを解決するためには、どの商品を勧めたか、その商品を過去に買ったか、という事実だけではなく、その時の納得度はどうだったか、気に入ってくれたポイントはどこだったかのようなコミュニケーションもオンラインに引き継ぐ必要があります。お客さまにとっての最高の体験は企業が一方的に押し付けるものではなく、対話を重ね一緒に作り上げていくものだと考えています。

お客さまと長く関係を築いていくには、企業はどのようなことを意識するとよいのでしょうか?

:Contextを実現するためには、データとは、顧客と企業双方にとって「関係を深めるために使われるもの」という前提が何よりも重要です。 そのためにも、企業と顧客の関係は即時的なものではなく、時間をかけて理解し合いながら築いていくものという前提をもっと共有していく必要があるのではないかと。

というのは、一度きりの関係だと思っていたら、わざわざ企業に自分のことを共有したくならないと思うんですね。だからこそ、企業は時間をかけてその企業やサービスと付き合っていきたいと感じてもらえるような体験を創造し、顧客からそういった認識をしてもらう必要がある。 相手のことも理解しながら自分のことを開示する、対話的なスタンスが大切になります。

神尾:社内でもよく話しているのですが、そのためには顧客がもっと安心して情報やデータを提供できる環境づくりが大切だなと考えています。 自分が顧客になったときの立場から考えると、積極的に情報を提供したいとは思わない場面って、オフラインやオンライン問わずあると思うんです。個人情報に敏感だったり、単純に知られたくなかったり。そこを、顧客が安心して、「この情報を渡したら、よりよい体験ができる」と信じられるようにしないといけない。

そこはKARTEの機能としてやるべきこともありますが、企業側でも意識することで顧客に伝わることだと思います。今はどうしても「顧客データは企業側が一方的に活用するもの」という構図になりやすいなと。

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Contextをつくるには、顧客に自分たちと長期的な関係を築くという認識を持ってもらい、情報やデータを提供してもらう必要がある、と。そのためには、顧客のニーズに応えつつも、自分たちを開示する対話的なスタンスというのは大切になりそうですね。

宮下:それが2つ目のキーワード「Identity」になるのですが、顧客とコミュニケーションをとる上で、自分たちが届けたい価値や強み、つまり「アイデンティティが何か?」を明確にすることが大切だと考えています。

OMOは目的ではなく手段です。アイデンティティが定まらない状態で設計すると、仕組み自体を最適化することに意識が向いてしまい、とにかく色々なデータをつなげることが目的になりかねません。そうすると、仮に企業・サービスがオフライン・オンラインの体験をつなげたとしても、本来届けたかったその企業・サービスならではの価値が伝わらない体験となってしまいます。

そうならないためにも、企業側がアイデンティティをどのように思考し、顧客との関係性のなかに盛り込んでいくのか。どのようにして、顧客が能動的に企業やブランドとコミュニケーションを持ちたいと思える期待値やを環境をつくるのか、という観点は常に持ち続けないといけない。

そのため、一緒にOMOの体験創出に取り組んでいる企業さまと議論するときは「店舗スタッフはお客さまにとってどのような存在であって欲しいのか?」「自分たちにとってのロイヤルユーザーとはだれか?」「店舗ではどのような価値を感じて欲しいのか?」といった企業のアイデンティティに対する問いを一緒に考えるようにしていますね。

その瞬間、人間の創造性が活きることで生まれる体験

データを活用することでパーソナライズ化が進む一方で偶然性は失われていくのではないかと感じていたため、「Serendipity(偶発性)」を挙げられているのは、相反するようにも感じました。これには、どのような意味が込められているのしょうか?

:今後、テクノロジーがより一層、様々な課題を解決してくれるようになると思うのですが、テクノロジーだけに解決を任せきってしまうスタンスでいると、あらゆる体験は、同じ最適解に向かっていくのではないか、世の中にあるたくさんの企業・サービスの個性が同質化してしまうのではと思うんです。

結果、顧客はそのサービスを選ぶ理由がなくなり、企業はこれまで以上に長期的に顧客と関係を築くことが難しくなる。顧客にとっても、各々がそれぞれ異なるニーズや個性を持っているにも関わらず、似たようなサービスばかりになってしまうと選ぶ楽しみや期待を超えた出会いなど、日々のちょっとした豊かさや楽しみが失われてしまいますよね。

だからこそ、私たちが期待したいのは、人だからこその着眼点や発想力、クリエイティビティです。 もちろん、KARTEは、テクノロジーでデータをより扱いやすくしていきますが、顧客の一連の行動を捉えた上で、その瞬間相手が何を求めているのかは人が発想する前提でつくっています。「Serendipity」は、そうした人間の創造力を引き出したいという考え方を表しています。

その創造力を人が発揮するために、「Augumented Ability(能力拡張)」が必要になるということですね。

宮下:そのとおりです。人が持っている着眼点や発想力、クリエイティビティは人によって能力に差がありどうしても得意不得意なことがあります。例えば、服が好きで服のことを話すことが好きだけどヒアリングが苦手、のように好きなこととできることが噛み合っていないケースもあります。

このような不幸な課題をなくすために、テクノロジーやデータで補えるところは補いながら、人ならではの得意なことに集中でき、能力を最大限発揮できる環境をつくるという考え方が「Augumented Ability」ですね。

神尾:能力が拡張されることで、より創造性が発揮できるようになる。顧客のコンテクストを理解することで、アイデンティティをより表現できるようになる。その結果、さらに能力が発揮できるようになる……といったように、4つの考え方は別に存在するというより、相互に作用するものだと捉えています。

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神尾悟史 <経歴>小売(西武百貨店)からキャリアをスタートし、広告/PR会社や事業会社(楽天/コロプラ/ヤフー/アンファー等)、Webメディア(グリー子会社)にてマーコム、プロモーション、アライアンスや広報領域に従事。to C向けの集客企画をメインに様々な領域で経験を積み、2020年1月にプレイドへ参画

今お話しいただいたOMOが実現したとき、どのような体験が実現できるのか。皆さんの考える理想を聞いてみたいです。

神尾:ちょうどさっき3人でランチをしていたとき、阪が左利きだから、店員さんが左利きに合わせて配膳してくれたんですね。一見些細なことに見えますが、瞬間的に顧客が何を求めているかを人が発想したからこそ生まれた体験だなと感じました。

他にも、弊社のメンバーが店舗に服を買いに行ったとき、店員さんが2、3年前に購入した商品を覚えていて、「以前買っていただいたアイテムと合うと思いますよ」と、声をかけてくれたそうです。

オフラインにはこうやって人が人を思いやる気持ちや創造性によって生まれる優れた体験が沢山ある。そのような体験を特定の接点だけでなく、いつでもどこからでも体験できるようにしたいですね。

:わかります。私も以前、百貨店のカウンターでスキンケアの相談をしたときに、店員さんが私の過去の肌荒れに関する悩みをヒアリングしてから、成分や開発の背景まで丁寧に説明した上で、商品を提案してくれたんです。その方に接客してもらうのは初めてだったので、相手は私の肌の状態や購買履歴などのデータは持っていないわけですよ。でもその場で丁寧に向き合ってくれた。

オフラインやオンライン問わず、そういった一人の人として理解してその人にとっていいものを提案するような、濃いコミュニケーションを求める顧客は増えるだろうし、企業もそれに応えていくようになると思う。私個人としても、そうやって「顧客と濃くつながりたい」と感じた企業とは、もっと関係を深めていけるようになるといいなと感じています。

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人軸、リアルタイム性、ワンストップ。OMOを実現する上で活きるKARTEの強み

そうしたプレイドの考えるOMOを実現するにあたって、KARTEにはどのような強みがあるのでしょうか?

:まず、KARTEの強みは「人軸」で「リアルタイム」にデータを貯め、その人にとって、最適なタイミングで、コミュニケーションできることです。 今まではオンライン上の行動データが中心でしたが、この強みをオフラインにも拡張して、顧客の解像度を上げる環境をつくっています。

また「ワンストップ性」も大きな強みです。複数のプロダクトと接続できるように開発しているからこそ、多様なアウトプットを設計できる。実店舗のデジタルサイネージや、あるいは、スタッフの方が持たれている端末などにオンライン上のデータをリアルタイムに届けるとか。オフラインのアウトプット先をどんどん拡張していく可能性を、KARTEは備えていると思います。

KARTEはオン・オフライン問わずコミュニケーション上で起きているバグを実直に解こうとしてきたからこそ、今挙げたようなOMOを実現できる特徴を持っていますし、KARTEの構想段階からオフラインとオンラインの融合は、視野に入っていたと思います。

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宮下:顧客の感情や行動が、リアルタイムに変化することを前提に開発されていることは、KARTEの大きな強みですよね。

例えば、実店舗に洋服を買いにきた顧客が「前日にオンラインストアでどの商品を閲覧したのか」まではわかっていて、その商品をご案内したけれど、実は「来店前の電車に乗っている間に別の商品を閲覧」していて気持ちが変わっていたというケースがあることは容易に想像できます。

KARTEが今までオンラインで大事にしてきたことですが、OMOにおいても、顧客のその時、その瞬間を捉え、即座にアクションを起こせるかは重要です。

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2019年末から今までどのように進められているのでしょうか?

:2019年末頃、KARTEのポテンシャルや普段向き合っているお客様との会話を踏まえて、OMOを絵空ごとではなくて、現実に引き寄せられそうな感覚があり、本格的にOMOの取り組みに力を入れていこう、と。そのタイミングで、issue採用でメンバーの募集を始め、宮下がジョインしました。

宮下:偶然にもコロナの影響もありOMOに対する関心は世の中全体でも高まっていますし、お客さまからお声かけいただくことも増えました。すでにKARTEを導入いただいている、店舗を持っている企業さまを中心に、ディスカッションを重ねながら少しずつ形にしてきています。

これからOMOに取り組みたいとお考えの企業さまはもちろん、私たちのOMOの考え方に共感いただける企業さまと一緒にこの考え方を広めながら、具体的な形にしていきたいと考えています。

  • より詳細を知りたい方:こちらから資料をダウンロードいただけます。
  • KARTEを導入されていないがこの取り組みに興味のある方: お問い合わせフォーム よりご連絡ください。
  • KARTEをご契約いただいている方(既契約者様): 営業担当またはサポート担当までご連絡ください。

プレイドメンバーとしてOMOの取り組みに関わりたい方も募集しています。詳細はこちらからご覧ください。

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