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体験を軸にした店舗は何が違う?店頭でのデータから顧客と企業の新たなつながり方を提案する「b8ta」 #exp_liveout

体験を軸にした店舗は何が違う?店頭でのデータから顧客と企業の新たなつながり方を提案する「b8ta」 #exp_liveout

1st Dec, 2020

店舗に足を運び、買い物をする。新型コロナウイルスの影響により、至極当然の行為だと思っていたことができない期間が続きました。その結果、店舗の役割や価値とは何か?について問われるようになっています。

店舗において製品の発見と体験を主軸にする「b8ta」が今年8月に日本に上陸。「商品を『売る』のではなく『体験』してもらう」を主目的とするb8taは、店舗の役割や小売のあり方をどのように考えているのでしょうか。

2020年9月29日に開催された「Experience LIVE OUT」では、顧客にとっての価値を高めるCXと「DX(Developer Experience / Digital Transformation)」および「EX(Employee Experience)」という、「3つのX」の連環に取り組む企業から、実践と背景にある思想が語られました。

CX/DX Sessionでは、ベータ・ジャパン合同会社 カントリーマネージャーを務める北川 卓司氏が登壇し、モデレーターをnote株式会社 noteプロデューサー/ブロガーの徳力基彦氏が務めました。「リテールを通じて人々に“新たな発見”をもたらす」をミッションに掲げるベータが、小売業界のDXをどのように進めているか、また、DXを進めることがCX向上にどうつながるかについて共有されました。

新しいリテールのあり方を提案する「RaaS」

b8taは、2015年にサンフランシスコにて、IoT製品など発売前の最新ガジェットが体験できる店舗として誕生しました。現在では、全米で23店舗、ドバイに1店舗を展開している新しい形態の店舗は、小売システムに対する課題から生まれたそうです。「ビジネスモデルは最初の店舗から確立していた?」という徳力氏の質問に対して、北川氏はこう語ります。

北川氏「創業者は、Googleに買収されたスマートホームのプロダクトであるNestを開発していました。ある日、家電量販店に行ったら自分が開発したプロダクトが目立たない場所に置かれていたんです。『もっと見やすい場所に置いてほしい』と店員と話しても、商品を理解してもらえなかったというのが原体験となっています。

最新のガジェットのように説明が難しい商品や、まだ世に出されていない商品は、見て、触って、動かしてと、実際の体験が重要になってきます。既存の店舗に商品を置いてもらうとすると、良い場所にしてもらうのは新しい製品であるほど難しい。商品を体験してもらいやすい場所を確保しようとすると、直販売店を持つしかありませんが、これは多額の資金が必要になります」

初期からビジネスのスキームは確立して始動したb8ta。その背景には、先端の商品における小売の課題がありました。スマートホームやスマートスピーカーなど、実際に体験してみないとわからない商品は増えています。一方で、従来の小売店のあり方が新しい商品を開発するプレイヤーと生活者にマッチしておらず、広告でリーチしようにも、ちゃんと生活者に届いているのかが把握しづらい状況です。こうした課題を解消するべく、誕生したのがb8taでした。

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北川氏「b8taは、オフラインでの出店に関わる様々なことを一括で対応するサービスを提供しています。一区画の月額出品料をお支払いいただいたら、店舗で製品体験する場所や、在庫管理や接客をする人材のトレーニング、ショッパーの行動データの提供なども行います。私たちは、これを『RaaS(Retail As A Service)』と呼んでいます。

b8taの店舗は体験が主目的ですが、その場で購入も可能です。顧客が購入した商品の売上は、100%企業に還元される仕組みになっており、b8taはあくまでも月額出品料しかいただいていません」

b8taの存在は、生活者にとっても利点があります。日々、新しい商品が登場するなかで、インターネットから商品を探すのは非常に大変です。インターネットで商品の口コミを発見したとしても、信頼できるかどうかも怪しい。また、いくらECが普及したとしても、実際に手に取らないと買う勇気が出ないケースもあります。そこで、b8taのような店舗があることにより、生活者も良い商品と出会い、購入しやすくなっている、と北川氏は語ります。

「販売ではなく、体験が主なテーマとのことですが、販売は本当にしないんですか?」という徳力氏の質問に対して、「展示のみの出店もあるので、全て購入できるわけではありませんが、50〜60%くらいは店舗で購入できます」と北川氏は回答。b8taという店舗のあり方を共有していきました。

店頭でのデータ分析が小売を変える

b8taの特徴として挙げられるのが、出店する企業に提供される来店者から得られるデータです。どのようにデータを取得し、提供されているのかが北川氏から語られました。

北川氏「出品いただいた企業様は、ダッシュボードで取得データが一覧できるようになっています。区画の前を人が通ったらインプレッション、5秒以上立ち止まったら興味があると判断してディスカバリーをカウント、デモンストレーションの回数やディスカバリーからデモンストレーションに至った割合、デモンストレーションから購買に至った割合などが閲覧できます。もちろん、売上も見られます。

店内に設置されたカメラによって、お客様の年齢や性別といったデータも可視化されますし、名前は伏せた状態になりますが、他社の製品とカテゴリや分類ごとでのパフォーマンス比較などもできるようになっています。店舗スタッフとチャットでコミュニケーションもできるようになっており、店頭でお客様から聞いた製品に関するコメントやフィードバックを受け取ることも可能になっています」

「月額を支払えば、お店を出すのに必要なすべてを得られる。さらに、通常の店舗では得られないデータも取得できるし、フィードバックもいろいろ受けられるんですね」と徳力氏はb8taでの出店を通じて得られる利点を知るにつれて、驚きをあらわにしました。

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「これまで家電量販店に出店しているメーカーは、店頭でのデータが得られなかったため、何が要因で売れ行きが悪いのかはわからなかった。それがb8taではわかるようになる。まさに、Webサイトで実施しているような分析が可能になるというわけですね」と、b8taで可能なデータの分析を受けて、徳力氏はb8taがもたらすであろう変化について語りました。

それを受けて、b8taの登場によって、リアル店舗でのデータ分析が進むことは、プロダクトの発展に欠かせないと北川氏は語ります。

北川氏「商品のディスプレイや説明、商品自体の魅力…販売が上手くいかなかったときに、何が顧客の体験を損ねているかはデータから仮説を立てることができます。その仮説に基づいて、接客の仕方や商品の改良に取り掛かることができます。従来の小売では、アンケートやヒアリングを重ねて、商品やマーケティングを改善していましたが、今ではb8taに商品を置くだけでデータが取れ、素早く顧客体験の向上に取り掛かることができます」

徳力氏「日本は、これまでリアルが強い国だったと思います。だから、店舗におけるデジタル化が進んでいない。そのため、リアル対デジタルのような構図になってしまっていることもあります。本当は、デジタルを利用すれば、リアルの価値もあがる。b8taはそれを体現していますよね」

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国境を超えた小売体験の創出のために

小売の体験を変えようとグローバルに展開しているb8ta。徳力氏は「北米で成功した店舗を日本に持ってくる上で、『うまくいかない』と言われることはなかった?」と投げかけます。北川氏は、日本でオープンする上で、アメリカと日本の違いに気をつけたと言います。

北川氏「日本のお客様は、アメリカのお客様に比べると、商品について深く知りたいと感じたときに、店頭での説明を求める傾向があります。アメリカでは、体験型店舗となると、お客様は自由に歩き回って体験いただけているので、店頭のスタッフ数は少ないのですが、日本はお客様が求めていることが変わってきます。そのため、日本のスタッフ数はアメリカの2〜3倍にしました」

また、日本は最新のガジェットに絞ることなく、ライフスタイル関連の製品なども幅広く取り入れています。「新しい発見の創出を意識して、ガジェットにこだわることなく展開していけたら」と北川氏は語ります。

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このように国によっても顧客が求めることは異なり、グローバルに商品を販売していこうとすると、その違いに向き合っていく必要があります。北川氏は、b8taを利用することで、グローバルでの商品の仮説検証もやりやすくなるのでは、と語ります。

北川氏「契約の違いなどはありますが、出品料をいただければ、アメリカ、ドバイなど海外でも同時に商品を出品して、どの国でどんな反応があるのかを検証できます。国によって商品に対する反応はばらつきがでるため、b8taに出品して得られるお客様のデータは、どの国に重点的にプロダクトを展開していくか考える上での指標にもなるかと思います」

最後に、徳力氏から「日本企業にどうb8taを使ってもらいたいと考えていますか?」と尋ねられた北川氏がこう語り、イベントは締めくくられました。

北川氏「b8taのモデルであれば、出店したいエリアとの距離は関係なくなります。たとえ、地方に拠点を持つ企業であったとしても、月額の出店料をお支払いいただければ、フットワーク軽く東京に出店でき、商品への反応をデータで得られます。エリアにとらわれず、小売でチャレンジしたいと考えている企業はぜひご相談ください」

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