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映像で企業の魂を伝える。制作チームと振り返る、KARTE GATHERの世界観を表現するコンセプトムービーができるまで

映像で企業の魂を伝える。制作チームと振り返る、KARTE GATHERの世界観を表現するコンセプトムービーができるまで

9th Nov, 2020

プレイドが2020年8月に発表した、店舗からオンライン接客を実現するデバイス「KARTE GATHER」。この発表と同時に、新プロダクトの世界観を映像に落とし込んだコンセプトムービーが公開されました。この映像は、KARTE GATHERが作ろうとしている未来を表現した仕上がりとなっています。

一般的に、企業向けプロダクトのリリースに合わせて公開される映像は、商品説明が中心になることが多い。にも関わらず、なぜわかりやすい説明動画ではなく、コンセプトムービーという形になっているのでしょうか。

今回は、この映像制作に関わったTHINGMEDIAのプロデューサー・佐藤一樹氏とフリーランスの映像ディレクター・下田彦太氏、プレイドのKARTE GATHERの開発担当(R&D)・秋山剛、コミュニケーションディレクター・川久保岳彦の四者が集まり、映像を通して表現したかったもの、企業がプロダクトを映像に落とし込む重要性などを語り合いました。

「顧客が世界観に没頭できるか」に重きを置いた制作過程

KARTE GATHERのコンセプトムービーは、主人公が自宅でストリート系ブランドのECサイトを見ている中で、実店舗にいる店員とKARTE GATHERを通じて会話を重ね、最後には店舗に足を運ぶというストーリーになっています。

スケートボードやスニーカーなど趣味性が高い商品は、専門知識を持つ店員とのやりとりによって購買体験が大きく変わるという点で、KARTE GATHERと親和性が高い。動画の内容は、どのように決まっていったのでしょうか。

秋山:見る人が自分の日常に落とし込めて、かつ未来感もある、そのバランスを追求していった結果が、この映像ですよね。製品説明はしてないけれど、「何ができるのか」「それによって顧客の生活がどう変わるのか」がわかるようになっている。

川久保:最初の打ち合わせの時に、「KARTE GATHERがあると、オンラインの接客や購買体験はどう変わるんだっけ?」とみんなで話し合いましたよね。普通、映像制作の打ち合わせではしないことだと思います。

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下田氏(以下、下田):そうですね。KARTE GATHERがもたらす少し未来の接客をどう映像で表現しようかと考えて、最大公約数的に案を出していきました。さまざまなツール紹介動画の中でも違和感があるものにしたいよね、とか、ドキュメンタリーっぽくしてみるか、とか。

佐藤氏(以下、佐藤):その話を経て、脚本を書いていきながら、趣味性が高くて、知識があることでより楽しめるようなもの、スニーカー、古着、レコード、スケートボードなどの具体的なアイディアを出していきました。

下田:映像の脚本が大枠で決まってから、そこに「KARTEを含めたKARTE GATHERの説明」を入れていったんですよね。

ただ、そういった“説明をする脚本”を最初の提案として出したら、川久保さん、秋山さんから「広告である必要はないよ」と言われて。そこから説明的な要素を引き算していき、“顧客の日常がどう変化するか”にフォーカスした映像になっていきました。

佐藤:例えば今回の映像では、「ストリート系ブランドのECサイトを見る女性は、どんなインテリアの家に住んでいて、本棚にはどんな本が並んでいるんだろう」というところまで考えて作り込んだ。だからこそ、本当にどこかにいそうなたった一人の人の日常を感じられるのかなと思います。

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川久保:企業側が言いたいことを言うのではなく、見る側がどう感じるか、本当に共感できるのかを意識することが大切だと思っています。顧客にとってのリアルを無視したアウトプットを作ってしまうと、見ている人は世界観に入りこめないですよね。

秋山:映像もプロダクトも、そこは同じですよね。受け取る人に焦点を当てて、何をどう形にしていくかを考える。未来を見せる映像だからこそ、自分ごとに置き換えられる絶妙なリアリティが必要でしょうね。

下田:その点、今回は偶然が重なって、スタジオではなく実際に営業しているお店で撮影ができたり、主人公の女性もアパレル店員も、実際にスケートカルチャーに触れている人をアサインできたんです。こういう、映像内の設定と同じようなバックグランドを持った人を登場させられたことも、見る人が映像に入り込めるリアルさの実現につながったのではないかと思っています。

企業の魂を映像で伝えるためには?クリエイターと企業担当者が意識するべきこと

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秋山:今回のコンセプトムービーは、商品説明を引き算していって制作したにも関わらず、「KARTE GATHERのことがよくわかった」「プロダクトを通じてやりたいことが理解できた」と反響をいただくことがすごく多くて。

川久保:説明していないのに、プロダクトのことが伝わる映像を作れたのは、THINGMEDIAさんが「日本一KARTEに詳しい映像制作チーム」だからだと思います。佐藤さんには2年ほど前からプレイドの映像を協力してもらっていて、ディレクターの下田さんとも半年以上かけてKARTEについて議論していました。その結果が、「KARTEプロダクトツアー」の動画ですし、先日突貫で作った「KARTE Blocks」の動画でもあります。

秋山:KARTEに対する知識が豊富という前提条件があるから、KARTE GATHERへの理解も早く、プレイドが思い描く世界観を的確に映像で表現していただけた。KARTEの思想を理解していなかったら、KARTE GATHERも別の解釈をされて、全く違う映像になっていたかもしれません。

下田:私はプロダクトツアーからプレイドさんの映像制作に関わっています。そのときも、佐藤からKARTEについて説明してもらい、自習もして、めちゃくちゃ勉強しました(笑)。

ただ、KARTEの機能とかを理解するのはもちろんなんですけど、プレイドがなぜKARTEを作り、どうしていきたいのかという思想の理解を何より重視していました。

川久保さんはいつも「KARTEは”人”にフォーカスしている」と言っていて。こういう揺るぎない判断基準を共有できていたから、僕らの専門領域である映像では何をどう表現すればいいのかを、一定の自由度を持って考えられているのだと思います。

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佐藤:ただ映像を作るだけなら、正直いくらでもできるんですよ。でも、本当に納得のいくアウトプットを作るためには、企業が大事にしている魂のようなものを、制作チームにも共有してもらうことがめちゃくちゃ重要。お互いに根本を理解し合っているから、思いをぶつけて磨き合えるんじゃないかなと。

プレイドさんの場合、川久保さんがプロデューサー的にプロジェクト全体をみつつ、クリエイターに必要な情報を渡してくれるので、ゴールが握れた状態で最大限クリエイティビティを発揮させてもらえています。

秋山:企業として大事にしたいことと、広告や映像などのクリエイティブをどう作っていくかの両方わかっている人がいて、橋渡しをできるかどうか。それによって、生み出されるものはまったく変わってくるでしょうね。

川久保:その点、外部のチームと連携して指揮できる能力を企業の中で持ってないと、企業の魂をクリエイティブに反映させにくいですよね。まずは自社内で「こうありたい状態」を決める。そこから、自分たちの思想やプロダクトを各分野のプロの協力者に理解してもらう努力もする。

社内でしっかり思考し、外部との相互理解を深めることで、社会とより良いコミュニケーションを取るためのアプトプットが作れるのではないでしょうか。

映像によって、近未来のプロダクトを「顧客の日常」に近づける

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秋山:実は、プレイドのR&Dチームが開発したプロダクトが、機能説明的な文脈以外で映像化されるのは、初めてなんです。こうやって映像になることで、世界観がこんなにも理解されやすくなるのか、という驚きがありました。

下田:「R&D」と「コンセプトムービー」は、「こういう未来もある」と人々に提示できる意味では、近い関係にあると思っています。

ただ、アウトプットがプロダクトである場合、それだけで未来を提示するのは難しい面もありますよね。対して、近未来を描いた映画などがあるように、映像はアウトプットで未来の可能性をイメージしてもらいやすいと思っています。

秋山:そうなんです。確かに、まだここにない未来の姿を表現するという点ではプレイドのR&Dと映像は近いけど、R&Dが作るものはわかりやすいとは言えないんですよね。「4〜5年後に世間から理解される」くらいのものをつくっている感覚を持っています。

プロダクトを作って出すだけでは僕らが描いている未来の社会像は一部の人にしか伝わらない。だから、KARTE GATHERが実現したい未来が理解されるのは、もう少し先だと思っていました。

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一方で、研究所や大学のような研究機関ではなく一般企業の中で研究開発している状態なので、世の中に理解してもらい、しっかりビジネスとして成立させなければ、という気持ちもあって。

世間に受け入れてもらい、市場をつくっていくにはどうしたらいいのか?その答えのひとつが、映像で世界観を描き、多くの人の琴線に触れることなのかなと思います。

プロダクトが人々の生活に提供する価値をわかりやすく映像に落とし込んでいく過程を見たことで、映像を通して未来を提示し、ストーリーとして伝えていくことの重要性を再確認しました。

下田:それは私たちが企業の映像を作っている時も意識することですね。プロダクトがもともと持っているストーリーを切り取って組み替えて映像化することで、身近に感じてもらえると思うので。

佐藤:プロダクトを説明するのは、分厚い資料だけではありません。映像に落とし込むことで、企業が伝えたかったメッセージの解像度が一気に高まり、多くの人に理解してもらいやすくなると思っています。

秋山・川久保:ありがとうございました。

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