有益だった施策は? チームコミュニケーションの工夫は?サイト改善のコツをパネルトーク│KARTE Blocks Friends Meetup vol2
2023年12月13日、直近リリースされた新機能や多様な活用事例を詳しくご紹介する『KARTE Blocks Friends Meetup vol.2』を開催しました。
Webサイトの新しい改善サイクルを実現する「KARTE Blocks」。2023年12月13日、直近リリースされた新機能や多様な活用事例を詳しくご紹介する『KARTE Blocks Friends Meetup vol.2』を開催しました。
実際にKARTE Blocksを活用いただいているお客さま(KARTE Blocks Friends)にご登壇いただき、前半は施策の詳細と効果について、後半は施策を実施する際のチーム内でのコミュニケーションについてお伺いしています。
効果のあった施策やその振り返り方法に加えて、失敗だったケースや企画アイデアの出し方までお話しいただきました。KARTE Blocksを使い始めている方はもちろん、まだKARTE Blocksには触れていないものの、サイト改善に興味ある方もぜひご覧ください。
KARTE Blocks初のメジャーアップデート。 5つの新機能を開発チームからご紹介
Meetupの最初のコンテンツとして、KARTE Blocksの開発メンバーから管理画面のデモを交えながら新機能をご紹介しました。
Meetup開催同日、KARTE Blocksは2021年9月の正式版リリース後初となるメジャーアップデートを実施しました。 「リーン・サイト運営プラットフォーム」という新しいコンセプトのもと、サイトに訪れるユーザーの反応を起点とした新しいWebサイトの改善サイクルを実現する5つの新機能 を発表しています。
Meetupでは、限定公開ベータ版での提供となっている「ダイナミックブロック」について、会場に来てくれたFriendsだけにまだ開発中の画面を少しだけお披露目。ユーザーに合わせたレコメンドコンテンツの表示などもKARTE Blocksで実現できるようになる新機能で、ベータ版の一般提供に向けてFriendsの皆さんから高くご期待いただいていることを改めて実感でき、開発チームへの良い刺激となりました。
手間がかかる顧客体験向上施策も、KARTE Blocksを活用して気軽かつ丁寧に実施
新機能のご紹介のあとは、Friendsの皆さんにご登壇いただいてサイト運営・改善に関するパネルトークを実施しました。
まず最初にお伺いしたのは、「直近効果のあった施策」。エン・ジャパン株式会社で「ミドルの転職」にてマーケティングを担当されている加藤さんは、広告LP改善でコンバージョンレートが大きく改善された事例をお話ししてくださいました。
エン・ジャパン株式会社 加藤さん
加藤さん「直近ですと、広告LP改善で新規会員登録のコンバージョンレートが15%改善した事例がありました(※ 2023年12月 エン・ジャパン株式会社調べ)。「◯◯株式会社(有名企業名)中途採用実施中」という具体的な企業名を掲載した広告バナーから遷移したユーザーさんに表示するLPで行った検証です。企業名から遷移してくるユーザーさんは、有名企業への憧れが強いのではないか、という仮説の検証を行いました。
具体的には、ファーストビューのメインコピーに「有名企業」という言葉を入れたり、その下のインタビューコンテンツにも「大手企業」などのワードを入れたりしています。それから各コンテンツの順番なども入れ替えるなどして、全体的な改善を行いました。」
加藤さん「コンバージョンレートを上げていく工程としては、KARTE Blocksを使えば、LPをブロックに分けて効果が見られるので、LPのいろいろなところを変更して、ブロックごとにより良い結果が出た方を参考にしながら次の検証を行っていく、という手法で行っています。例えば、『ファーストビューは変更後の方が良かったけど、その下のコンテンツは変えないほうが良かった』ということになれば、結果が良かったデザインに絞って次の検証をしていくといった流れです。
LPを複数運用していく際も、検証の度に新たなLPを作ると膨大な数になってしまうので、KARTE Blocksを使って“勝ちクリエイティブ”をある程度見定めてから、次の検証を行うためのLPをつくる ようにしています。」
また、加藤さんは、成果のためには広告を考慮したユーザー体験を大事にしなければならないともお話ししてくださっています。
加藤さん「広告LPと遷移先のサイトの整合性 は大事にしています。広告バナーを気に入ってクリックしてくださっても、遷移先のLPが全然違うデザインや内容だと、顧客体験が損なわれると思うんです。ですので、KARTE Blocksを活用して、最低限広告バナーと遷移先のLPの背景色を揃えたり、似たような画像を使うようにしています。1つあたりの改善率は5%ほどと大きくないんですけれども、それを積み重ねることによって、広告全体に与える良い影響は大きいんじゃないかなと思っています。」
会場ではこの施策に称賛の声が。「広告にパラメータをふって、広告バナーごとに異なるデザインの遷移先(広告LP)に移動させるのは大変なので、ものすごくカッコいいことをやっていらっしゃると思います。ただ、KARTE Blocksを活用すれば、こういったことも比較的簡単に行えるんですね。自分も、せめてキャンペーンごとにLPのファーストビューを変えるということには挑戦したいと思えました」。これまで工数の関係上難しかった顧客体験の改善も、KARTE Blocksにて効率化を行うことで実現することができるかもしれません。
合わせてご覧ください👇
LP改善の施策数が12倍、会員登録率が6倍まで向上した施策も!「ミドルの転職」による広告成果を高めるLPO
「失敗」よりも「変化なし」を避けよう。サイト改善で気をつけるべきこと
サイト改善を行う際に気をつけなければならないことについて話してくださったのは、テックアカデミーを運営するキラメックス株式会社にてマーケティング全般を担当されている福田さん。
福田さん「改善しても影響度が低い場所でテストしても意味がない、というのをまずは気をつけたいですね。KARTE Blocksを活用すれば簡単にテストできるからなおさらなんですが。例えば、ものすごくPVが少ないページでコンバージョンレートが200%になった、といっても実数で見れば数件しか変わっていない、それなのに『すごい』と感じてしまうのはものすごく危険だと思います。」
キラメックス株式会社 福田さん
福田さん「逆にPVがものすごく多いページでも、下部でほとんど見られない部分だったり、軽微なテキスト修正など改善の承認が得られやすいですが、改善しても事業の数字には影響しない場合がある。私も、テストを実施する前に、ヒートマップを掛け合わせて見ることで、ユーザーがどこを見ているのかチェックしたり、Blocksの数字だけではなく実際にどれだけ売上に繋がっているかのデータも見るようにしています。テストを行う前に、きちんと事業に影響のある部分のテストを行えるように準備しないといけませんね。」
ユーザーがどこを見ているのか、売上に繋がっているページはどこなのかを事前に知ることが、価値のあるサイト改善には必要不可欠。会場では、ヒートマップのように、ユーザーの行動を知ることができるツールとして『KARTE Live』の紹介も行われました。KARTE Blocksのメジャーアップデートで、ライブ連携機能もリリースしています。
参考:サイト上のユーザー行動を動画で追体験できる「ライブ連携機能」をリリース!👀
福田さん「A/Bテストにおける一番の失敗は『(変更しても)何も影響がなかった』ってこと だと思うんですね。もしテストに失敗して、結果が50%くらい下がっちゃったとしても、それは『ここの箇所を変えればそれだけのインパクトがある』という気付きにつながる。
ですので、例えばキャッチコピーに関しても、見た目上は変わっているんだけども、訴求軸、とらえようとしているユーザーニーズは同じで、言い方だけ少し変えている、というものだと全然結果が変わらないことがある。そういう、テストはしたけど『変化なし』になることは避けなければならない と思いますね。」
合わせてご覧ください👇
市場と顧客のニーズの変化を捉える。「前に進む」PDCAで成果を生み出すTechAcademyのサイト運営
166%改善が可能に。大事だったのは詳細にユーザーを見ていくこと
株式会社ベアーズ 遠山さん
家事代行サービス「ベアーズ」を運営する株式会社ベアーズにて、キャンペーンのプロジェクトマネジメントや、Web上でのUI/UX改善や販促施策を企画・運営されている遠山さん。ベアーズにおけるKARTE Blocks活用ケースとして、メジャーアップデートでリリースした「ユーザー別の効果探索機能」のベータ版を先行して使っていただいており、その感想をお伺いしました。
遠山さん「検索ボリュームもPVも多い、エアコンクリーニングのページの改善を行う際にKARTE Blocksの『ユーザー別の効果探索』機能を活用させていただきました。以前はお恥ずかしながら、コンバージョンにつながるボタンがページの高い位置になかったんです。改善すれば大きな違いが出るのではないかと考えて、KARTE Blocksを使って50%は現状のまま、もう50%はファーストビューのすぐ下にボタンを置いてテストしてみました。」
遠山さん「するとやはり効果が大きくて、効果をKARTE Blocksで見たところ、全体でCVRが約2.6倍にリフトアップしまして。さらに詳しくスマホとPCで分けて見たところ、スマホだけで約2倍にCVRが改善されていました。PCだと、ボタンが少し下の方にあってもそこまで気にならなかったんですが、たしかにスマホですと、かなりスクロールしないとボタンが見えてこない状態だったんですね。ですので、テストする際にはスマホとPC、両方の見え方をチェックしなければならないと感じましたし、今後もKARTE Blocksを活用して、どこから来たユーザーなのか、購入履歴はあるのかなども含めて、ユーザーの属性を細かく見ながらサイト内での行動を見ていけたらと思っています。」(※ 2023年12月 株式会社ベアーズ調べ)
参考:ユーザーセグメント別に効果を分析・深掘りする新機能をリリース!
チームでサイト改善を成功させるために。いかに進捗共有を行うか
パネルトーク後半では、KARTE Blocksをチームで活用するコツをテーマに対談形式でお話をお伺いしました。最初のテーマは「複数人でKARTE Blocksを活用するにあたって、どのようにページ管理をしているか」。
株式会社SmartHRの檜山さんは、ドキュメントツールを活用して実施している施策の見える化を実施。施策の共有についてはひと工夫加えているといいます。
檜山さん「普段はnotionで実施している施策をリスト化しています。一般的な項目ですが、施策名、施策の担当者、検証期間、どのような変更を行っているのかを、検索性も考慮して書いています。あとは、別途施策の振り返りテンプレートも作っていて、この施策をやったら次のアクションは何なのか、効果がなかったらどうするかまで価値形成をして施策を実施しています。」
株式会社SmartHR 檜山さん
KARTEのさまざまな機能を活用しながら、チームで施策を進める方法について語ってくださったのは、ディップ株式会社の丹伊田さん。知見やスキルの違う複数の事業部でKARTE Blocksを使う際に活用できるTipsをご教示いただきました。
丹伊田さん「最近、別の事業部でもKARTE Blocksを使うことになりましたので、KARTE活用を自主学習できるKARTE Academyを事前に視聴いただいてKARTE Blocksを使用してもらうようにしています。それから、実際の運用においてはKARTE Blocksのラベル機能も使わせていただいています。全体配信であれば『全体』A/Bテストであれば『AB』、セグメント配信ならば『セグ』とラベルをつけることで、多種多様な施策がある中でも、施策を検索・管理しやすいように工夫できているかなと。」
マーケターだけが知っているのはもったいない!他事業部を巻き込むための情報共有のコツ
また、マーケティング組織に閉じない施策運用やKARTE Blocksの活用についてお話しいただいたのは、株式会社デファクト・スタンダードの遠藤さん。施策管理・アイデア考案ともに、組織を横断して実施するために、情報共有を大切にしているといいます。
遠藤さん「基本的にはマーケターで施策を行い、ツールを使うようにはしているのですが、それだけですと、やはりクオリティ面で少々恐ろしい部分もあるので、デザイナーにSlackでデザインを確認するフローは怠らないようにしています」
株式会社デファクト・スタンダード 遠藤さん
遠藤さん「メンバー一人ひとり、特定の数値目標を持っているので、『この目標を達成するためにはKARTE Blocksのこの機能が使えるかも』と自発的に思ってもらうことが、施策のアイデアを出すにあたって大事なのかなと思っています。
そのためには『こんな機能ができました』という機能のリリースを紹介するのではなく、個別具体的な活用例を共有するのが大事なのかなと。他社の皆さんの活用例を見たところから、『こんなことができるなら、私の担当しているページの数値をあげるためにも使えるかも』というアイデアが生まれるのかな と思っています。」
また、仮説やアイデアの実施についても、KARTE Blocksを活用して、スピーディにトライを繰り返してサイトを改善している事例をご紹介してくださいました。
遠藤さん「アイデアや仮説が生まれたら、すぐに実施できるのもKARTE Blocksの良いところなのかなとも思っていて。KARTE Liveでユーザーの動きがわかることで、課題が見える化されて、アイデアや仮説が生まれてくることが多々あると思うんです。そうしたら、あまりその施策を作り込みすぎないで『試してみるか』とスピーディに実施してしまう。その結果を元に、次の検証に活かすようにしています。」
合わせてご覧ください👇
パーソナライズされたサイト体験の提供と、クイックなサイト改修を両立するブランディア。そのKARTE Blocks活用法とは
サイト改善を繰り返していくために有効な振り返り方法
施策を実施した後には、チームで振り返りを行ったり、その上で施策の優先度を明確にしたりすることが必要です。イベントの最後のテーマは振り返り。企業ごとの多様な振り返り方法について聞くことができました。
丹伊田さん「施策の管理表を作って、別の事業部にも共有する報告会を週に1度行っています。管理表には、どんな施策がはしっていて、今どういう状況なのか、いつ検証を行うのかを記載しています。報告会では『こういう課題があるから、この施策を行っています』という説明も行っていますね。
実はその結果、別の事業部でも『KARTE Blocksを使いたい』という声があがるようになりました。施策の共有ができるだけではなく、マーケティングツールの活用が広がる ことにもつながっています」
ディップ株式会社 丹伊田さん
合わせてご覧ください👇
サイト改善サイクルを内製化。成果をあげ、アイデアが湧き出るチームへと変化したディップのKARTE Blocks活用
檜山さん「週に1度、Webサイトに関わる人たちが集まる時間に、検証が終わったものから順番に振り返りを発表するようにしています。振り返りにはテンプレートを用意しておりまして、施策実施の背景や施策の狙いや内容のまとめを話すようにしています。ただ、それだけではなく、この施策を他に転用できないかまで話すことも大事にしていますね。また、コンバージョンが良くても良い商談につながっていない事例もあるので、きちんと事業に貢献する施策になっているのかまで確認する ようにしています。」
KARTE Blocksを活用して実施した有効な施策から、チームで運用するための方法まで、明日から実践できる有益なお話を盛りだくさんに聞けるイベントとなりました。
Meetupの最後には、Friendsの皆さん同士での交流会も。 KARTE Blocksの改善ご要望もたくさんいただきました😊