少人数や兼務でも、お客様に向き合うEC運営はできる。ファブリックEC「cocca」によるKARTE活用

創業70年以上のファブリックメーカー、株式会社コッカの手がけるEC「cocca」では、社員2名がEC運営全般を担当。時間や人員が限られるなかでも、KARTEを活用することで、自分たちの目指す顧客体験を形にしてきました。今回は、coccaの運営を担うソーイング事業部リテール課 課長の古味あずささん、同課の松下美樹さんに、導入のきっかけから活用における壁の乗り越え方、施策を行う上で大切にしている考え方などを伺います。

EC運営の業務は、商品企画からサイト更新、販促施策の実施、在庫管理、カスタマーサポートなど多岐に渡ります。一方、その業務範囲の広さ、タスク量の多さにかかわらず、少人数チーム、あるいは兼務のメンバーでまかなっているケースも少なくありません。

創業70年以上のファブリックメーカー、株式会社コッカの手がけるEC「cocca」では、社員2名がEC運営全般を担当。時間や人員が限られるなかでも、KARTEを活用することで、自分たちの目指す顧客体験を形にしてきました。

今回は、coccaの運営を担うソーイング事業部リテール課 課長の古味あずささん(写真左)、同課の松下美樹さん(写真右)に、導入のきっかけから活用における壁の乗り越え方、施策を行う上で大切にしている考え方などを伺います。

当日の取材には、お二人にとって「心強い相談相手」だというプレイドのカスタマーサクセスの岡田和路も同席。どのように活用を軌道に乗せていったのかを共に振り返りました。

手芸を楽しむお客様に寄り添うEC運営

はじめに、coccaでは顧客にどのような体験をしてほしいと考えていますか?

古味:前提として、coccaのお客様は手芸を趣味として嗜んでいる方々です。必要なサイズ、素材、予算に当てはまる布を素早く安く手に入れるだけではなく、買い物のプロセス自体も楽しまれている方が多い。そういったお客様が、思いがけず好みのデザインの布と出会ったり、作りたいものの発想が広がったりする体験を届けたい。coccaで買い物をするからこその高揚感を楽しんでもらいたいと考えています。

そのために、少し値は張りますが、ユニークなデザインの国内生産の生地も、一般的な生地屋や手芸ショップに比べて多数取り扱っています。

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また、お客様との距離の近さや親密なコミュニケーションも大切にしています。たとえばお客様の中には、「こういうものを作りました」と友人や知人へのお便りみたいに、私たちに作品の画像を送ってくださる方もいます。問い合わせの用事が終わってから雑談が続くこともあるんです。

こうしたやりとりは私たち自身も嬉しいですし、日頃届くメールや電話から、お客様にも価値として感じてもらえている気がします。

目指す体験を実現するにあたって、お二人の担う業務を教えてください。

古味:リテール事業の責任者として、事業部の損益管理や、阪急うめだ本店に構える実店舗のマネジメントと並行して、coccaの運営を担っています。

商品の企画から仕入れ、画像の加工、商品登録、売り上げ管理、KARTEの活用、カスタマーサービスまで。運営に関わるほぼ全ての業務を、2019年に入社してから1年半は私一人で、2021年に松下さんが入社してからは二人で分担して行ってきました。

松下:古味さんが数値の管理などをメインで行い、私はクリエイティブの企画・制作やメールマガジンの運用、KARTEを使った施策の実装を担当しています。他にも商品の企画や開発、販促企画などに関わることもあります。

壁打ちできる相談相手を求めて、KARTEを選んだ

KARTEを導入したきっかけは?

古味:新型コロナウィルス感染症の影響で生地の需要が急増し、業務が追いつかなくなったことです。

ですが、前年対比でECでの売り上げが数倍になるような状況のなか、注文や発送管理、サイトの業務だけで手一杯。サイトでの施策を行えていない状態が続いていたんです。この状況を変えなければと思っていたところ、SNSを通してKARTEを知りました。

担当者に話を伺うと、操作も視覚的に理解しやすく簡単そうで。あまりこうしたツール活用に慣れていない私でも、素早くサイトでの施策を実装できそうだと期待が膨らみました。また、当時は活用サポートの手厚さも重視していたので、KARTEはカスタマーサクセス担当がついていただける点でも惹かれました。

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なぜ、サポートの手厚さを重視していたのですか?

古味:それまでずっと一人でECを運営していたので「このやり方で合っているのか?」と不安だったんです。アイデアを壁打ちできる相談相手がほしいという気持ちがありました。

また、ECの売り上げ規模が伸びていたとはいえ、まだまだコッカの他の事業に比べて少ない状況。決して安くはない費用をかけて導入して「結局使えませんでした」となるのは絶対に避けたかったんです。

KARTEは担当者によるサポートに加え、他社事例やヘルプページも充実していましたし、少人数の活用事例も多いと知って、少し安心できました。

多忙でも定例会議でペースをつくり、活用を軌道に乗せる

実際にKARTEを使ってみて、いかがでしたか?

古味:最初、感覚を掴むまではむずかしかったですね。。導入前に見せていただいたデモのように、数クリックでササッと施策を実装……とはいかなかった(笑)。

ですが、担当の岡田さんが、隔週の定例会議を通してセグメントやイベントといった基礎的な用語や仕組みからレクチャーしてくれましたし、KARTEには施策のテンプレートなど初心者向けのツールも充実していたので、少しずつ慣れていきました。

多忙な中、さらに新しいツールを習得するのは大変ではなかったですか?

古味:もちろん大変でしたが、お客様のために実現したい施策のアイデアが沢山ありましたから、「絶対できるようになるんだ!」と言い聞かせていました。

また、岡田さんが定例会議を軸に学習のペースをつくってくれて、とてもありがたかったです。具体的には、毎回、データの分析や施策の実装などの宿題を出してもらい、実施した結果について次の回でフィードバックしてもらうサイクルです。業務が立て込んでも「宿題だけはやる!」とフォーカスを絞って取り組めました。自分のカレンダーも毎週2時間は必ずKARTE用にスケジュールをブロックし、他の会議は入れないようにしていました。

私のやりたいことを理解し、実現に向けて必要な成長をサポートしてくれるという点で、岡田さんはもはやマネージャーのような存在でしたね。

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岡田さんは、古味さんのKARTE活用をサポートするにあたって意識したことはありますか?

岡田:古味さんはとにかく多忙なので、「活用における困り事や課題があれば何でも相談してください」と伝えていたのを覚えています。

古味:施策のビジュアルの質を高めるために、デザインに強みのある人に加わってもらったほうがいいのでは、といった採用の相談もしましたよね。採用戦略を立てて、実際にデザイン経験豊富な松下さんが入社してくれました。それからはKARTEで実施するクリエイティブも、さらにレベルを高めることができました。

松下さん入社後は、どのような体制でKARTEを活用しているのですか?

松下:施策のアイデアは古味さんと一緒に議論して、実装などは私が担う形です。二人でEC運営にまつわる隔週定例を設けているので、そこで商品企画や販促施策と合わせて、KARTEの施策についても話しています。

岡田さんとは月に一度定例を実施して、1ヶ月間に取り組む課題の設定や施策のリフレクションを行なっています。隔週の社内定例では他の議題を優先することもあるので「次の定例までにこれをやる」と課題を設定してもらえるのは、とても助かります。

松下さんはKARTEを使ってみて、デザインの観点からどう感じましたか。

松下:CSSなどで施策の見た目を細かく調整できる点がとても便利でした。coccaでは、買い物の高揚感や親しみやすさなど、ブランドの世界観をビジュアルでも表現したいと考えています。一つひとつの施策も、ちゃんと自分たちの世界観に馴染むよう丁寧に作り込みたい。KARTEはそうした思いに応えてくれるツールだと思います。

古味:松下さんはどれだけ忙しくても雑なクリエイティブを作らないんです。coccaの世界観を大事に思っていて、お客様に見せるものは妥協せず美しく仕上げる。その真摯な姿勢は本当にすごいなと感じます。

松下:ありがとうございます。一方で、どんなに美しいデザインの施策でも、お客様がサイトを閲覧するうえで邪魔になったり、クリックしたときに動きが遅くなったりしたら、体験を損ねてしまいますから。ビジュアルだけでなく操作性も大切にしています。実際の顧客の行動データから両者のバランスを確かめられるのも、KARTEの利点だと思います。

岡田:古味さんと同じく、僕も松下さんのクリエイティブの質の高さにはいつも感動しています。それが実現できているのは、ブランドの世界観を大切にするのはもちろん、利用するお客様の目線にも立たれているからこそなのだと改めて感じました。

ブランドの世界観を体現する施策の試行錯誤

KARTEを使って、サイトでどのような施策を行っていますか?

古味:忙しくても必ず行っているのは、生地作家さんの新作をおすすめするコミュニケーション設計です。coccaでは毎週のように新作生地が発表されます。個性溢れる生地との出会いはcoccaの目指す体験を形にするうえで欠かせません。作家さん一人ひとりの特徴や思いが埋もれてしまわないよう、お客様の閲覧した商品に合わせて近しいテイストの作家さんの商品を提案するなどの施策を試しています。

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あとはお客様が商品を探しやすいよう、滞在時間の長い方に「どんな生地をお探しですか?」とお聞きして回答に合わせたページを案内する施策や、閲覧した商品に合わせて「最近見たアイテム」を表示する施策も反応が良く、ずっと出し続けています。

「どんな生地をお探しですか?」とたずねるポップアップは、回答の選択肢を定期的に変えて、その回答を施策や商品企画に活かしています。

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松下:商品との思いがけない出会いを増やすという観点では、雑貨など、生地以外の商品を訴求するポップアップにも力を入れています。

たとえば、母の日用のギフトなど季節に合わせた商品をおすすめしたり、カーテンとして使える生地を閲覧している方にカーテンクリップを提案したりといったものです。いずれの施策も、毎回クリエイティブを3パターンくらい用意し、A/Bテストで反応を確かめ、最適な施策を最終的に選ぶようにしています。

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(計測期間:2023年1月8日〜2月6日)

そういえばカーテンクリップを「商品として売ったらどうか?」というアイデアは、岡田さんがカーテンを探している、という話が発端でしたね。

岡田:そうでしたね。coccaは他の店舗にはない個性ある生地を沢山扱っていますので、お客様のなかにも、気に入った生地をカーテンとして使いたい方がいるのではないかと提案させてもらいました。

古味:「たしかに、お客様に喜んでもらえそう!」と思って、翌月には商品化したんですよね。

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古味:ちょうど、手芸上級者以外の方にもcoccaを利用してもらうアイデアを考えたいねと話していた時期でもあったんです。カーテン用に生地を買って、縫わずにカーテンクリップで留めるだけなら、気軽に楽しめるはず。手芸初心者の方や家にミシンのない方にも、ぴったりのアイデアだと思いました。

これから手芸を始める人にも届く、丁寧な接客を目指して

KARTEの導入前後で、チームに変化はありましたか?

古味:当初期待していた通り、外部の方に議論に入っていただくことで、チームで思考の整理やアイデアの発散が進むようになりました。目の前の業務に追われていると、発想が凝り固まってしまう気がしていたので、とてもありがたいなと感じています。

また、私たち以外のメンバーにも「お客様にはこの商品が人気」「ページのここを気にされている」といったことを、具体的なデータとして共有できるようになりました。将来的には、商品企画のメンバーともKARTEをみて議論していきたいです。

他チームとの連携も視野に入れているのですね。最後に、今後の展望について教えてください。

古味:coccaの実店舗でお客様の声を集めると「店員さんの接客が好きで足を運んでいる」と答える方が多数いらっしゃるんです。coccaの親切な接客をサイトでも再現して、実店舗を訪れた方と同じような気持ちになっていただけたら嬉しいです。

松下:冒頭にお話した通り、coccaのお客様は、すでに手芸を楽しまれている方や手芸上級者が多いんです。そうした方々はもちろん、今後は、これから始める方にも便利に利用してもらえるサイトをつくっていきたいです。

新しく手芸を始める方がcoccaを訪れて、気に入る生地と出会い、手芸を楽しむまでのストーリーを描き、そのためにどんなKARTEの施策ができるのか、古味さんと一緒に探究していきたいと思っています。

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