多様な求職者がスムーズに応募できるように。 KARTEで見つけた意外な行動から、顧客のインサイトが見えた(エン・ジャパン様)

エン・ジャパン株式会社が運営する、掲載企業数No.1の求人サイト「エンゲージ」。日々幅広い層の求職者が様々なニーズを持ってサイトに来訪します。顧客への理解を深めるためにKARTEをどのように活用しているのか、実際に起こしたアクション・成果について、エンゲージのデータ分析を担当している3名にお話を伺いました。

エン・ジャパン株式会社が運営する、掲載企業数No.1の求人サイト「エンゲージ」。掲載企業の多さや多様さから、様々なニーズを持った求職者が訪れます。年齢や属性、希望する職種や勤務形態が異なる顧客それぞれの行動を把握し、より使いやすいサイトへと改善するのに、難しさを感じていました。

そこで、顧客への理解を深めるためにKARTEを導入。サイト内での行動を知ることで、より効果的な施策を実施できるようになったそうです。KARTEをどのように活用しているのか、実際に起こしたアクション・成果について、エンゲージのデータ分析を担当している柴本 海人さん、小畠 早貴さん、鶴谷 明久さんに伺いました。

入社後の活躍まで見据え、求職者に必要な情報を届けるために

エンゲージでは、どのような体験を目指されているのでしょうか。

柴本:エン・ジャパンは、求人サービスを通して企業と求職者の幸せな出会いを追求していくことを掲げており、入社して終わり、ではなく、入社後にいかに活躍できるかを重視しています。

その中でエンゲージでは、充実した求人情報を求職者に提供することで、企業と求職者のマッチングを最大化することを目指しています。

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柴本 海人さん

企業と求職者の幸せな出会いを阻む課題のひとつに、「求職者が入社する企業に関する情報を十分に得られていないこと」があると考えています。具体的には、求職者は会社が求める人物像や入社後のキャリア、仕事内容などの詳細情報を求めていますが、企業側が常にそのような情報を更新し、求人サイトなどに掲載するのは運用コストが高い。結果として、企業への理解を深められないまま入社し、お互いにミスマッチが起こってしまうこともあります。

その課題を解決するために、当社では企業が簡単に自社の採用ページを作成でき、求人情報の詳細情報も更新しやすい採用支援ツール「engage」を無料で提供しています。従来の求人サイト中心の採用では、掲載期間や文字数の制限などによって鮮度の高い情報を発信することが難しかった企業であっても、無料で、自社の正確な求人情報を管理、運用、発信できるようにしたんです。

採用支援ツール「engage」を使って作成された求人情報は無料で求人サイト「エンゲージ」に掲載されます。企業側が最新の正確な求人情報を発信しやすい環境を作り、かつそれを求職者に届けるプラットフォームとしてエンゲージがある。この相乗効果で、入社後まで活躍できるような企業と求職者の適切な出会いという体験を生み出していきたいと考えています。

求職者が十分な情報を得られ、活躍できる会社を見つけられる仕組みを作ろうとされているのですね。そのなかで、データ分析チームはどのような業務を担当されているのでしょうか?

柴本:私たちのチームは、求職者が会員登録から求人検索、応募まで、ストレスなく不安なく進むようにするためのサイト分析と改善を担っています。具体的には、検索のしやすさやレコメンドのマッチ率など、UIUX面の改善に力を入れています。

KARTEを導入するに至った背景や課題について教えてください。

小畠:求職者がどのようにサイトに流入し、求人にたどり着き、応募に至るのか。一人ひとりの行動の流れを、より詳しく知りたいと思ったからです。

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小畠 早貴さん

エンゲージは無料で求人を掲載できるため、一般企業から官公庁、NPO、飲食業や農業まで幅広い業種、規模の企業が利用してくださっています。その分求人数も多く、サイトを訪れる求職者のニーズも幅広い。属性も年齢も、求めている求人情報も様々です。

これまでもアクセス解析ツールなどを使って各ページの閲覧数など全体のボリューム感は把握できていたものの、サイト内での一連の行動の流れなどを見る方法はなく、「スムーズに応募まで動けているか」は見えていなかったんです。どんな人が、どんな動きをしているのか詳しくわからず、サイト改善の方向を定めにくく感じていました。

鶴谷:例えば、施策のABテストも感覚と経験で行っていたので、どのように改善するべきか検討するための材料がもっと欲しいと思っていました。KARTEで求職者の行動を多角的に見ることで、何か示唆を得られるのではと。

柴本:加えて、様々なタイプの求職者を細かくグループに分けて、それぞれの対象に絞って施策を実施できる点も魅力に感じました。お伝えしたとおり幅広い求職者がサイトに訪れるため、一人ひとりに最適な体験を提供するためには、属性やニーズに合わせた設計が必要不可欠です。KARTEなら、グルーピングから行動分析、施策の実行まで一気通貫でできるのがよかったですね。

応募につながる行動を分析すると、意外な顧客行動が見つかった

実際にどのようにKARTEを活用し、求職者の行動を知り、施策につなげたのか、具体例を伺えますか。

柴本:求職者一人あたりの応募数を増やすための施策を実施した際は、KARTEによって意外な顧客行動が見え、有効な改善ができました。

どのような点が意外だったのでしょうか?

柴本:アグリゲーションサイト(複数の求人サイトの求人情報がまとめられたサイト)経由でエンゲージに来訪する求職者が一定数いるのですが、流入してきた求人に応募した後すぐにサイトを離れてしまうケースが多いという課題がありました。

なので、特定の求人への応募だけでなく、エンゲージでもほかの求人を探してもらうために、どのような行動を促す必要があるかを検討したかったんです。そこで、ゴールである求人応募を増やすために、当月2回以上応募している人を絞り込んで、ユーザーリストでどのような行動をしている人が多いかを見てみました。すると、いいね機能を使っている人が多いことがわかりました。いいねを押した求人はいいねした求人一覧でまとめて見られます。

その次に、どのようなタイミングでいいねを押しているのかを行動チェーンで見ていきました。私たちは求職者がいいねをするのは応募したい求人だと考えており、求職者は求人詳細を読んでからいいねを押すと思っていました。ですが、KARTEで見てみると、求人詳細の手前の検索結果一覧(検索条件に合致した求人が複数表示されている画面)でいいねが押されていることが多いことがわかったんです。

一覧ページでは情報量が少ないので、応募するかどうかの判断ができないのではと思っていました。ですが、この結果から、一覧で「自分が応募できそうか」を判断し、詳細ページでは求人に「応募するかどうか」を判断しているのではないかと仮説を立てることができました。

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行動チェーン(β)は、顧客に発生する複数ステップの行動をひとつの流れとして定義し、その行動に到達したユーザーの量と該当者を表示できる機能。これによって、ボトルネック箇所を特定し、該当ユーザーの行動を分析することができます

さらにリテンションレポートで会員登録後何日以内でいいねをしているか見たところ、会員登録した当日から翌日にいいねしている人が多かったことがわかりました。

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リテンションレポートは、任意の起点・ゴールイベントと、任意のセグメントをかけ合わせて期間コホート(特定の期間にXXした人、というグループ)ごとにリテンションの時系列推移をみることができるレポートです

アグリゲーションサイト経由で来訪する求職者は応募する求人が決まっている段階で来訪するので、当日から翌日が一番アクティブであるという仮説を感覚的に持っていました。KARTEによってそれを確信に変えることができましたね。

いいね機能の利用が応募数の増加につながりそうだという仮説はありましたが、いいねがよく押される画面が検索結果画面なのは意外でした。もしKARTEで求職者の行動を見ていなかったら、詳細ページを一生懸命改善していたかもしれません。

これらの顧客行動から、いいね機能の見せ方を変えることで、求人の応募数を増やせるのではないかという仮説を立てました。具体的には、求人に対する「いいね」というよりブックマーク的に使われていそうだったので、使い方に合わせていいねボタンの文言を変更するテストを行いました。

柴本:いままで「いいね」と表示していた部分を、「気になる」および「キープする」に変えたパターンで、ABテストを実施。すると、「キープする」では、「いいね」と比較してクリック数が1.2倍になり、CVRも+22%改善できました。(調査者:エン・ジャパン株式会社、調査期間・調査対象:2021年9月28日~2021年10月6日のサイト来訪者)

データをかけあわせて複数人で見ることで仮説が深まる

求職者の行動を詳細に知れたことで、有効な施策を実施できたんですね。現在は、どのようにKARTEを使っていますか?

小畠:普段の会話の中で、「こういう顧客のこんなことを知りたいんだけど、KARTEで見られる?」という話が増え、知りたいことや疑問が生まれたとき、すぐにKARTEを見にいくようになっていますね。想像だけではなく、実際の求職者の行動を元に議論ができています。

もともと蓄積していた属性などのデータとKARTEの行動データをかけあわせて見ていくことで、より根拠を明確にしながら仮説や施策を考えられるようになっています。

例えばですが、求職者の雇用形態とプロフィールの入力率を見て、求職者が探している求人の雇用形態によって、行動が違うのではないかという仮説をもってKARTEの行動データを見たりしています。

鶴谷:データ分析業務はひとりで黙々と進めがちだったのですが、KARTEは管理画面も見やすく、見たいデータを簡単な操作で表示できるので、社内の他のメンバーにも相談しやすくなりました。その結果、データ分析から施策に落とし込むまでは、複数人でディスカッションしながら進めた方がスムーズで、ビジネスとしての成果も出しやすいと感じるようになりました。

例えば、求人詳細・一覧ページの「いいね」に何が影響しているかということを考えるときも、人によって考えていることが異なります。データがないと、議論点が定まりにくかったり、それぞれ違う点を見てしまっていたりしていたのですが、KARTEのデータを見ながらディスカッションすることで、認識を合わせながら進められ、施策を実施するまでがよりスピーディーにできるようになりました。

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鶴谷 明久さん

柴本:行動チェーンは、先に紹介した事例以外でもかなり活用しています。他のツールでも、求職者ごとの動きが見れるものはあると思いますが、設定が結構大変で。KARTEであれば、簡単にユーザーをグループ分けし、それらを用いて様々な観点で分析をできるので、便利だなと感じています。

オンラインで、入社後の活躍までを含めたサポートをしていきたい

今後はどのような体験を目指し、KARTEを活用していきたいか教えてください。

小畠:求職者がサイトで、素早く自分に合う求人を見つけられるように求人情報を提案していきたいですね。今は、求人サイトに登録するとメールがたくさん送られてきてどれが自分に合ってるかわからないために、エージェントに相談するという方も多いと思います。オンラインでも、それぞれに合った提案をするエージェントの役割を実現したいです。

柴本:私たちは、求人を掲載している企業とも連携しているので、求人に応募したかだけではなく、その後入社し、活躍しているかどうかまで知ることができます。なので、採用されて終わりではなく、活躍しやすいかどうかも加味した求人の提案を出せるとより良いなと思います。

そのためにも、求職者それぞれの行動をより可視化し、必要な情報や機能を、最適なタイミングで訴求していきたいと考えています。

例えば、営業経験がある求職者が訪れたら、「営業経験のある方はこういう企業で採用されて活躍されています」「この経験であれば営業職以外の●●職種で活躍されている方もいます」といった提案ができたらと。求職者と企業それぞれのデータを活用して精度を上げて、求職者が活躍するまでをサポートできるサービスにしていきたいですね。

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