あなた一人のためのコミュニケーションをオンラインでも。マキアレイベルに根付く顧客視点とは

化粧品・スキンケアの「マキアレイベル」を運営する株式会社JIMOSではお客様の声を大切にし、オンラインでも「一人のお客様」を意識した施策を行なっている。

化粧品とスキンケアのECサイト「マキアレイベル」を運営する株式会社JIMOS。Webが顧客との接点となる前から、電話やDMやカタログを通じて顧客とコミュニケーションを行い、そこから生まれてくる顧客からの声を重視した商品、サービス改善を行ってきました。

顧客視点を大切にする姿勢は、ECサイトという新しいチャネルが加わっても変わりません。KARTEを用いて、電話窓口のように、一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションに取り組んでいます。

今回は、マキアレイベルの顧客体験に対する考え方や姿勢、KARTEの活用などについて、IT統括部 政木克憲氏、マキアレイベル事業部 オンラインチーム 森木俊光氏にお伺いしました。

「one to only one」を体現する、コンタクトセンター

まずは、お二人のミッションや役割を教えてください。

森木:私は、マキアレイベル事業部 オンラインチームに所属し、新規顧客の拡大と、リピート顧客の売上拡大を担っています。業務では、新規広告の運用、ECの運用やUI改善、キャンペーンの企画立案などを行っています。

政木:私は、IT部門に所属し、ECを専門で担当しています。そこで、オンライン販促の企画実現においてソリューションの検討をしたり、UIの設計や改善も担っています。KARTEは導入時から関わっており、設定から運用の全体の管理・管轄をしています。

事業全体では、どのような顧客体験を目指しているのでしょうか。

森木:当社は使命として「one to only one」を掲げており、JIMOSと関わる全ての方に誠実に寄り添い、本当によいものをお客様一人ひとりに届けたい と考えています。 そのため、誰かではなく、“あなた一人のため”のコミュニケーションを心がけており、創業当時から特にコンタクトセンターには力を入れてきました。

コンタクトセンターでのコミュニケーターの対応は、お客様からも高く評価いただいており、「コミュニケーターの対応がよいので、長年マキアさん使っている」というお客様も多くいらっしゃるんです。この細やかな接客こそが、私たちの強みでもあり、ロイヤリティの向上や、マキアレイベルのイメージにつながっています。実際、お電話をいただくお客様のほうがLTVが高い傾向もありますね。

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「one to only one」の考え方が浸透していると感じる場面はありますか?

政木:例えば、新商品やキャンペーンを電話でご案内する際にも、「お肌のお悩みありますか」や「お肌の調子いかがですか」などのヒアリングを重視しています。一人ひとりお肌の状態は違うので、その方に寄り添ったご案内を心がけています。

「これはお客様にとって本当によい体験になるのか」と立ち返り、意思決定を変えたことも

宣伝ではなくお客様の状況を伺うことを第一優先にしているんですね。お二人の業務ではいかがでしょうか。

森木常に最もお客様に近い40〜50代の女性の意見を判断軸に置いています。 本当は自分の中で等身大のお客様になれたら一番いいのですが、それは難しいので、社内でもお客様に近しい人の意見を聞くようにしています。

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森木さま

例えば、販促企画の言葉の言い回しで「お客様にとって不快に思われるかな」と悩んだことがありましたが、その時はお客様と同じ年齢くらいのコンタクトセンターの方に相談しましたね。「全然失礼に思わない」「これぐらいがちょうどいいわよ」など正直なアドバイスをいただきました。

長年、販促をやっていると、どうしても顧客視点が希薄になってしまうことがあるので、できるだけお客様に近しい人の意見を聞いて、それを信じてアクションに移すようにしています。

政木さんはいかがでしょうか。

政木:私は、日頃から企画や施策などを俯瞰するように心がけています。「これは本当にお客様のためになるのか」 に立ち返り、会社都合な部分をなるべく抑えるようにしていますね。

以前、期末に向けて売り上げを増やしていく企画として、大きなセールを実施する案が出ました。しかし、セールが続いていたこともあり「定期で商品を購入いただいているお客様がどう思うか」「商品の価値が下がれば、日頃ご利用いただいているお客様が悲しむのではないか」と考え直し、結局そのセールは実施しませんでした。

セールによって目先の売り上げが立つことはわかっていましたが、「本当にお客様のためになっているのか」の視点に立って判断した、私たちの会社らしい対応だったと思います。

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政木さま

「お客様に近しい方のアドバイスを聞く」というお話もされていましたが、「顧客を知る」ための取り組みも行っているのでしょうか。

森木:マキアレイベルには、お客様の声を収集するチームがあり、定期的にアンケートを取っています。 このアンケートでは、ブランドに対するイメージから、新商品の感想、DMのデザインや購入の決め手など、幅広く聞いています。また、コンタクトセンターからもお客様のご意見を一週間に一回まとめて共有してもらうようにしています。

顧客の声を、商品やサービスに活用された例はございますか。

森木:商品の容器の改良、梱包や配送方法の変更に至った事例があります。「商品の中身が出過ぎる」というご意見を元に、キャップの口の形を一部調整しました。また、以前はお届けするダンボールのサイズが大、中、小しかなく、ファンデーション一本だけを購入されたお客様から、小サイズでも「処分が大変」といったお声をいただきました。そこでメール便対応を開始し、加えてよりエコも意識して、メール便に収まる平たい容器開発なども行っています。

他にも、ガラス瓶からチューブ型に容器を変更したものもあります。北海道や東北の寒い地方だと、配送中にガラス瓶の中身が凍結してしまうことがあり、もちろん品質上は問題ないのですが、やはりお客様は不安に感じられると思います。そのため、販促上はガラス瓶の方が見栄えもよかったのですが、お客様の不安を取り除くことを優先し、変更しました。

政木:「one to only one」と同様に、「商品を届けるだけではなく、人と人としてもつながりたい」という思いも弊社にはあるんです。だからこそ、こうしたお客様の声から改善に取り組めていると思います。

森木:はじめにお話ししたように、弊社は今ほどインターネットが発達していない時代から、ずっと電話でお客様とつながってきた歴史があります。オンライン上での行動も重要ですが、お客様から直接いただく声に勝るものはない と思っていて、コンタクトセンターからの情報をすごく大切にしていますね。

KARTEの導入によって、強みである細やかなコミュニケーションをオンライン上で実現

KARTEを導入された背景を教えてください。

森木:コンタクトセンターのコミュニケーションは私たちの強みですが、一方で、その強みをいかにオンラインでも再現できるかが一つのテーマになっていました。ECサイトにおいても「one to only one」を実現したいと考えている中で、KARTEを知りました。

例えば、来店された際、朝であれば「おはようございます」その後に「お肌の調子はいかがですか」のような、電話では当たり前の人との会話がオンラインでは欠けてしまっていると思っています。他にも、商品を買うタイミングはECではカートページにあたるので、そこでお客様が必要そうだなと思った情報、例えば他の新作商品や便利なLINEアカウントなどを紹介するなど、一対一の会話を実現したい と考えています。

実際にKARTEを導入してみて、いかがですか?

森木:実際にKARTEを導入したときは、すごく感動したのを覚えています。当時、Webの知識がそこまでなかった私でも簡単に接客することができ、改善ができる。効果測定も分かりやすくて、KARTEのおかげで「この仕事が楽しい」と思えた気がします(笑)デジタル領域の仕事の経験が全くなくても、色々なアクションを実施できる のは、使い続けられる重要な要素のひとつですね。

政木:あとは、直感的なインターフェースも気に入っていますね。他のサービスも色々使ってみましたが、やはりインターフェースが煩雑だと、モチベーションのダウンや運用時のミスなど、懸念が生まれてしまいます。KARTEは 直感的に「ここを押せばこうなる」が分かるので、活用のハードルが低い と感じます。

実際にKARTEを活用されて、どのような効果を感じていますか。

政木:オンラインでもお客様一人ひとりを理解できるようになり、それぞれに合わせたコミュニケーションを実現できる ようになったと思います。

森木:KARTE導入前は「定期便を持っているかどうか」「ファンデーションの商品を買ったことがあるかどうか」など、点での行動に基づいてコミュニケーションをとっていましたが、実際はお客様の状況や興味関心は移り変わるものです。その点、KARTEではお客様の変化をリアルタイムに知ることができますし、「KARTE Live」では「今、お客様がどう動いているのか」も具体的に分かります。

政木:セグメントに関しても、KARTE Datahubと社内で持っている情報とを連携することで、オンライン・オフライン両方での購入状況や、商品の定期契約の状況もわかるようになりました。これによって 「お客様が何を求めているのか」をイメージしやすくなった と思います。

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顧客体験の面で、変化はありましたか?

森木:KARTEがあることで、より細やかにお客様をフォローできるので、ECをより使いやすいものに改善できている と感じています。「現在、配送ができません」「お電話がつながりにくいです」など急いでお客様に伝えたほうがよい案内も、KARTEによって素早く表示できます。

政木:私もお客様がECをストレスなく快適に使えるようになったと感じています。例えば昨年、弊社のECシステムが新しくなり、以前のシステムでログインをしていた方に、パスワードの再設定のご案内をしなくてはいけなくなったんです。

ここでもKARTEを活用し、以前ログインしている方と新規登録者を判別し、再設定が必要な方にだけポップアップを表示しました。このポップアップから、1ヶ月で500、年間で6,000ほどのお客様に再ログインしていただいたんです。必要な情報を必要なお客様に的確にご案内することで、お問い合わせいただく手間も省けたかと思います。

必要な人に必要なものが伝わる社会を目指す

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KARTEはどのような存在になっているのでしょうか?

森木:今やなくてはならない大切な 「お客様とのコミュニケーションツール」 です。KARTEがあることで、お客様とより親密な関係を築けていると思います。

政木:KARTEがあることで、コミュニケーションのPDCAを速く回せるようになりました。弊社は、アウトソーシングしている部分が多く、費用や工数の面で「やりたいけど、諦める」ことが多くありました。しかしKARTEの導入後は、コミュニケーションを妥協することがなくなり、オンラインでも、コンタクトセンター同様、きちんと 「一人のお客様」を意識できるようになった と思います。

また、社内では「KARTEならなんでもできる」という認知が広がっており、何かあったときは、「これKARTEでできませんか?」と声をかけられることも多いですね。

マキアレイベルとして今後の展望などあれば、教えて下さい。

政木:ECに関しては、良い意味で「お客様が何も考えずに自分が欲しいものを好きなときに必要な分だけ手に取れるような場所」にしていきたいと思っています。 ECに来訪したら欲しいもの、必要なものが目の前にあって、すぐ手にとれるようなイメージです。

森木:そのためにも、「Webサイトの運営には、KARTEが必須」という世界になってほしいと思っています(笑)

というのも、お客様の行動をデータとして表現するとき、ツールが分かれているとその人の人物像がブレてしまうと思うんです。KARTEで行動データや会員情報などのデータが一本化されていれば、より「一人」を理解することができ、正しく価値やサービスを提供できるはずです。そうやって、私たちが売りたい物を売るのではなく、お客様が必要だと感じるものを提供する。その継続が、売上にも繋がっていくものだと思います。

政木:森木の言う通りで、KARTEにはそうした可能性を感じています。本当に必要な人に、必要なものが伝わるような社会にしていきたいですね。

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