ネット保険の手続きで離脱を防止するには?三井ダイレクト損害保険の施策

三井ダイレクト損害保険株式会社では、三井ダイレクト損保公式サイトにおいてKARTEをご利用いただいています。 今回は、三井ダイレクト損保公式サイトにおけるサービス体験の改善の取り組みについて、マーケティング部CX推進グループの村上様にお話を伺いました。

三井ダイレクト損害保険株式会社では、三井ダイレクト損保公式サイトにおいてKARTEをご利用いただいています。

今回は、三井ダイレクト損保公式サイトにおけるサービス体験の改善の取り組みについて、マーケティング部CX推進グループの村上様にお話を伺いました。

商品だけでなく、顧客体験の価値を上げていく

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— 三井ダイレクト損保について教えていただけますか。

村上:個人向け自動車保険やバイク保険を、インターネットや電話を通じて販売しています。保険商品は特約などの補償内容では、他社と比較したときに特徴が出しにくいものです。

そのため、保険の商品だけではなくサービス面も強化する必要があり、私の所属するグループではサービスの強化に取り組んでいます。

— CX推進グループというのは珍しい部署の名前だと思いますが、いつからこの部署名なのでしょうか。

村上:CX推進グループというのは2018年4月に発足しました。お客様との接点を大事にしていくという意思からついたグループ名です。当グループの役割は、ものすごく広いです。

保険金支払業務以外で、お客様に関わることは、ほぼ全てです。Webサイトの運営管理や、商品・サービスをどう見せていくか、契約の売上などの実績の把握も担当しています。

— お客様との接点はほとんどWebだと思いますが、他にはどのような接点があるのでしょうか。

村上:弊社の営業開始は2000年からですので、Web以外の接点というとメールを送ることしかできなかったというのが本音ですね。

リターゲティングのWeb広告なども実施しているのですが、最終的に1人のお客様に対してどうアクションをするの?というと、やはりメールになってしまっています。

それが別に悪いとは思わないのですが、メール自体が開封されるのが10%〜20%ほどです。メールの内容を読んで、Webページまで来てくれるのはさらに率が落ちるので、一人ひとりに対してこちらの想いが伝わっているのかというと、疑問がありました。

— メールでのコミュニケーション以外ですと、どのようなことを村上さんは担当されていますか。

村上:私の担当としては、保険の継続契約の売上などを見ているので、日々どれぐらい継続されたか、継続率がどうだったかというところを見て、継続についての施策をおこなっています。

例えば、「クルマ生活応援サービス」という、いろいろなレジャー施設やレストランなどで割引きを受けることができるサービスがあります。

このサービス自体の満足度がとても高いものなのですが、サービスの認知を拡大し、利用を促進することで、保険契約自体の継続率も向上させるというような取り組みを担当しています。

KARTEの第一印象は、見やすい・使いやすい

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— 最初にKARTEの管理画面を触った印象はどのようなものだったでしょうか。

村上:初めて触った時から、見やすいし、使いやすいと思いました。
クリエイティブの書き換えなど、かなり簡単にでき、これは本当にすごいなというのが第一印象でしたね。複雑な操作をすることなく、管理画面の操作だけで出し分けなどもできる。

まさにお客様が今見ているWebページの内容に応じてKARTEで出す内容を変えるというところが、すごく画期的だなと思ったことを覚えています。今までのツールやサービスとは、全然違った感覚でした。

— KARTEと併用されているサービスはどのように活用されていますか。

村上:申し込み手続きの画面では、Googleアナリティクスでアクセスログを確認しています。どのWebページで離脱したのかという集計の中で、離脱率が高いWebページについては、実際の画面を見ながら、社内でいろいろと話し合います。

「これは情報量が多すぎるので、何を確認していいかわからないんじゃないの?」、「じゃあ、KARTEでこういうふうに出したらどう?」といった感じです。

改善案を思いついた時、すぐにサイト自体を改修できたらいいのですが、時間もコストも掛かりますし、改善案が本当に正しいのかどうか、なかなか判断できない場合もあります。

サイトの内容がわかりづらいという苦情があった際にその意見を参考にする、というのは一つの判断要素にはなりますが、その意見は極一部かもしれません。

内容を変えることによって、今まで何の問題もなかった人の行動を阻害してしまうという可能性もあります。
KARTEを使うことで、まずはテストで改善案を試してみて、改善の方向性は間違っていないか判断するということができるようになりました。

— KARTEの中で、気に入っている部分はどこでしょうか。

村上:KARTEは、思ったことはまず何でもできると思わせてくれるところですね。そう簡単には変えられない、変えて本当によかったのかという部分も含めて、KARTEだと機動的にすぐテストもできますし、その結果をすぐ見られます。

とりあえずはKARTEで対応できるし、それが本当によければシステムに落とし込めばいいという発想です。そういったテスト、試行錯誤という流れが、ものすごく速く回せるというところが気に入っています。今まではこのようにPDCAを回すことに苦労していた人にはおすすめです。

見積りが保存できることをお知らせするアクションイメージ(※実際に掲出された画面とは異なります)

劇的に増えた投票数

— KARTEでの成功事例としてはどのような施策がありますか。

村上:CSⅤ活動としておこなっている「三井ダイレクト損保スマイル基金」という取組みがあります。
弊社が選定したNPOの団体が四つあり、毎月そのどれかをお客様が投票し、投票割合に応じて弊社がその団体に寄付していますが、もともと投票率がものすごく悪い状態でした。
(CSV:Creating Shared Value 社会との共通価値を創造し続けること)

投票するまでのステップが複数あり、投票ページに行くこと自体が面倒でした。
最初はKARTEで投票ページへ誘導する施策をしていましたが、思ったように投票が伸びませんでした。

それで「もう、KARTEで投票箱を作ってしまえばいいんじゃない?」という発想が出てきました。保険の契約継続の申し込み完了をした際に、KARTEで投票ボタンをポップアップさせるようにしたら、劇的に投票数が増えました。

KARTEで投票ボタンを出したアクションイメージ(※実際に掲出された画面とは異なります)

— おそらくですが、終わった直後のタイミングというのも、ユーザーにとっては良かったのかもしれないですね。

村上:そうですね。このような、お客様が「どういうモチベーションでいるのか」というのも、なんとなく見える感じがしてきています。

「三井ダイレクト損保スマイル基金」の寄付先団体には、交通事故防止に取り組んでいる団体や、震災などの復興支援をしている団体があります。
今まで交通事故防止の団体への投票率はすごく低かったですが、KARTEで投票を出すようになってから選択されることが増えました。

これはたぶん、自動車保険を申し込んだ直後ですから、事故防止の方面に意識がいくというのが大きいと思います。
今までなんとなくしかわからなかった、多分そうなんじゃない?というお客さまの思考や行動がより具体化され、可視化されています。

— そのほか、保険の継続に役立った施策はありますか。

村上:申し込みの手続きの中で、画面の確認がものすごく多く、実際に自分で操作してみても、これは何を聞いているんだろう?とか、これさっきも聞かれなかった?みたいなことが、結構多いです。

そういったときに、ここにはこれを入れてねというメッセージを出したり、わからないときにここを押したら自動的に入力されるよという補足をしてあげたり、Webページ上でのサポートをしていますね。

KARTEで申し込み手続きの途中に説明を出したアクションイメージ(※実際に掲出された画面とは異なります)

タイミングを見極めた情報発信を

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— 手続きは継続されていると、一年に一度だけしかないと思うのですがそれ以外にお客様と接点を持つことも意識されていますか。

村上:メールなどの情報発信を闇雲にたくさんやるのではなくて、お客様のモチベーションなどを考えています。お客様が保険期間を通して「どのタイミングで、何をもらったら一番いいのか」というところを意識して、メールを施策全体の流れの中に組み入れてていくというところを今やっていますね。

— 今後、KARTEを運用していく上での展望がありましたら教えてください。

村上:KARTEで見ることができるお客様1人ひとりの動き、例えば「いつ来て、どこを見て、また何日後に来て」という動きを、もっと追って見ていきたいと考えています。

実際に一人ひとりのお客様がどういう動線で動いているのかというのが見ていると、もっとよりよい発想、アイデアが出てくるでしょうし改善につながると思います。よりお客様一人ひとりを見る、よりよいサービスにできるように、改善を続けたいと考えています。

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