プレイドのCTOが語る、「よいものを生み出す」ために大切にしているKARTEの開発思想
KARTE6周年のイベント「KARTE Friends THANKS DAY 2021」にて、弊社CTOの牧野とプロダクトマネージャーの棚橋による「開発者対談」を実施。「生産者の声」をテーマに、今まであまり明かされてこなかったKARTEの設計や開発へのこだわり、想いが語られました。
2021年3月12日、プレイドはKARTE6周年のイベント「KARTE Friends THANKS DAY 2021」をオンラインにて開催しました。
プレイドでは、KARTEに触れる方々のことを、親しみと敬意を込めて「KARTE Friends」と呼んでいます。KARTE Friendsの皆様へ感謝を伝える本イベントの中で、今回は弊社CTOの牧野とプロダクトマネージャーの棚橋による「開発者対談」を実施。
今回は「生産者の声」をテーマに、今まであまり明かされてこなかったKARTEの設計や開発へのこだわり、想いが語られました。
顧客を「直感的に」理解するために、リアルタイム性を追求
棚橋:今日は「KARTE」内すべてのプロダクトの設計、開発に携わる牧野と「KARTE for App」や「KARTE Block」の立ち上げに従事した私とで、日々の開発の裏側をお伝えできればと思います。どのような設計・開発思想を持ち、プロダクトを生み出しているのか、3つのこだわりポイントから、お伝えできればと思います。
まず、ひとつめのこだわりポイントは「エンドユーザーに対して“美味しい料理”を作ってほしい」です。
牧野:我々がKARTE Friendsの皆さんに良いサービスを提供するのはもちろんですが、「エンドユーザーの良い体験を叶えること」を一番大事にしています。「美味しい料理」、つまり「より良い体験」を作るために、我々はそのための素材や道具を準備しています。
なので、ただ単に「安いものを作る」とか「あったらいいものを作る」ということではなくて、「KARTEを使った結果、社会により良い体験が増えていく」ために、ものづくりしています。
棚橋:KARTE Friendsの皆さんと同じ目線で、エンドユーザーの体験を常に思いながら開発をしているのはユニークなポイントなのかなと、社内にいながら思いますね。
牧野:KARTE Friendsの皆さんが「どう使っているのか」、「どういうアクションをしたときにどんな反応をしているのか」を、KARTEで確認しながら開発を行っています。「KARTEを作っている我々が、KARTEを使っている」のは特徴の一つですし、分析の結果が可視化されるので、得られた知見をすぐに開発に活かせています。
棚橋:KARTEの開発者でありながら、自身がすごくコアなKARTEユーザーですよね。
牧野:そして、「より良い体験を提供する」には、エンドユーザーの存在をいかに「リアルなもの」として理解できるかが重要になります。なのでKARTEのUIは「ユーザーをより直感的に感じられる」ようにこだわっています。
棚橋:「直感的」というキーワードが出ましたが、サイト上であっても「今、ユーザーが来訪した」と直感的に認識し、理解できるから「より良い接客」に繋げられるということですね。 また、「柔軟性」というのもKARTEの開発のキーワードになると思います。
牧野:店舗の接客でいうと例えば、お客様がお店に入ったり、商品を手にとったりすることで、店舗のスタッフが話しかけ、近くに寄って商品の説明をしますよね。お客様への声がけもその場の状況に合わせてできます。
その「柔軟性」をKARTEで実現したい。ユーザーリストやダッシュボードを見るだけでお客様の行動が直感的に分かり、一人ひとりに合わせたメッセージや通知を柔軟に出し分けできるようにする、というのはこだわっていますね。
「直感性」や「柔軟性」を実現するために、技術的に大切なのが「リアルタイム性」。KARTEはお客様のデータを1秒以内で解析できるようにしています。柔軟な接客を実現するために、タイムラグをいかに少なくするか。現実と乖離していない“リアルワールド”を作れるかに日々注力しています。
棚橋:これまでWebサイトやアプリの分析するときに見てきたものって、PV数、ユニークユーザー数といった数字が多かったと思います。KARTEでは、来訪したお客様一人ひとりの「今」や、お店のように行動も見えるUIになっています。
動きが見られるからこそ「こんなことで悩んでいるのかな」などの仮説が生まれて、その動きに合わせて柔軟にメッセージなどを配信できる。「直感的に理解し、柔軟に接客できる」。これは開発でも目指している大きなポイントですよね。
KARTEの理想型は、KARTE Friendsの皆さんと共創する
牧野:2つ目のこだわりポイントは、「できなかった料理を作れるようにしたい」「期待を超えるもの作り」です。KARTEを活用していただくことで「これまでできなかったことができる」状態を目指しています。
棚橋:KARTEは他のプロダクトと比較されることもありますが、私自身は「他にない新しいものを作っているな」という感覚があります。このKARTEらしさ、オリジナリティはなぜ生まれているのでしょうか?
牧野:常に「理想状態」を開発の出発地点においています。日々取り組むべき課題には取り組みつつ、「理想状態」とはどんな状態なのか、そのためには何をやるべきか、どういうものを作るべきかを試行錯誤していますね。その際に、とても重要になるのがKARTE Friendsからいただくフィードバックなんです。
今までにない新しいものを作ろうとしているので、皆さんに使っていただくまで、本当に価値あるプロダクトなのかわかりづらい。リリース後に「どう使っていただいているのか」など直接お声を聞かせていただいて、次のプロダクト作りに生かすというのを繰り返しています。
棚橋:プロダクトを使ってくださっているKARTE Friendsの皆さんのお声が、我々にとって欠かせないインプットになっていますよね。 私自身も皆さんに何度もフィードバックをお願いしています。
牧野:そうなんです。ただ、フィードバックをいただいたときは、そのまますぐに改善することはしていません。必ず一度立ち止まって考えるようにしています。KARTEを使ってくださった皆さんがどういう経緯で、なぜその部分を改善してほしいと思ったのかを紐解き、「深い理解」をしてから理想の状態を考えることに注力します。
棚橋:KARTEは様々な業界、業種の方に導入いただいていて、様々なフィードバックをいただきますが、意図を読み解いてみると意外と共通したことだったりしますよね。
牧野:KARTE Friendsの皆さんが思っていることを、いかに同じ視点に立って考えられるかが重要だと思っています。皆さんとチームのように一緒に「理想状態」を作り上げていくプロセスは、開発においても大切なポイントになります。
開発メンバーのEXを高めることが、CX向上に繋がる
牧野:3つ目のこだわりポイントは「よいものを生み出すために、“良い土壌”を大切にする」です。理想状態を作るために、大事な存在がプレイドの社員です。EX(Employee Experience=従業員体験)が高い状態を維持することが、CX(顧客体験)向上のために必要不可欠だと考えています。
棚橋:EXという言葉はプレイドが発信し続けている言葉でもありますが、開発において、EXとCXの関係はどう考えていますか?
牧野:一人ひとりのメンバーの「EXが高い状態」って何かというと、「なぜやるのか、仕事の目的が腹落ちしている」「やりたいと思って仕事に向き合っている」状態だと思います。
プロダクトを提供して終わり、ではなく、その先のエンドユーザーにいかに価値を感じてもらったのかに関心を寄せる。「やらなくてはいけないから」と受動的になるのではなくて、プロダクトに対して能動的になれているか、ですね。
エンジニアだと「この技術を使って開発したい」と、技術面のイノベーションにとらわれることもあるんですが、そうではなく「KARTE Friendsの皆さんやエンドユーザーにとってどういうバリューがあるか」にフォーカスする。それが結果的にエンドユーザーのCXに繋がると思っています。
自発的に仕事のできる質の高いメンバーがいることは弊社の自慢ですね。メンバーそれぞれがお客様のニーズを軸に仕事の意義を見出し、腹落ちした状態で仕事ができていると感じます。
棚橋:自分の身に置き換えても、納得感を持って、やるべきことに真摯に向き合えていると創造性が発揮できると思います。EXの向上がCXに繋がるのは納得できますね。
また、社内ではよく「自由」と「責任」がセットで語られますが、自由に仕事することは、自分の好きなことだけをやるのではない。ミッションに向かって価値あるものを創造していく。きちんとそこにフォーカスすることが大事だと思います。
牧野:自由と同時に「守ること」も必要ですね。KARTEが扱うデータにはお客様の重要な情報や来訪者のプライバシーに関するデータが含まれます。まず第一に大切なデータを守る。守るところはきちんと守りながら、創造性を十分に発揮してチャレンジしながらもの作りをしています。
棚橋:今回の対談では3つのポイントを通じてKARTE開発の思いをお伝えしました。我々が日々「よりよい体験の提供」を目指した設計・開発思想をもち、もの作りを行っていることが伝わっていたら嬉しいですね。
牧野:KARTE Friendsの皆さんと一緒に「理想的な世界を作る」「一歩一歩積み重ねる」ことも目標にしているので、今後も皆さんからフィードバックをいただき試行錯誤を重ねながら、よりよいソリューションの提供目指していきたいです。
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