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“点”の施策と“線”の顧客体験の繋がりを捉えるために。ママリは「自分たちのCXとは?」を定義する

“点”の施策と“線”の顧客体験の繋がりを捉えるために。ママリは「自分たちのCXとは?」を定義する

16th Jun, 2021

2021年2月16日、17日に、アプリサービスのCX事例にフォーカスしたカンファレンス「KARTE CX Conference 2021 for App」を開催しました。「すべては顧客のために。3つの『シンカ』で考えるママリのCX」と題したセッションでは、コネヒト株式会社サービス部部長の齋藤大輔氏が登壇。

コネヒトは、「ママの一歩を支える」をブランドステートメントに掲げ、ママ向けのQ&Aコミュニティサービス「ママリ」を運営しています。同社は、ユーザーが安心して悩みを共有・解消できるコミュニティをつくるため、自社のCXを明文化。社内で共有し、日々の改善に落とし込んでいます。

セッションでは、ママリの提供したい価値やCXの定義、それらを体現する施策が共有されました。

悩めるママが安心して集うコミュニティをつくりたい

「ママリ」は妊活・妊娠・出産・子育ての疑問や悩みを、ママ同士で相談、アドバイスできるコミュニティサービス。全国で「およそ3人に1人のママ」の悩みに寄り添っています。

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齋藤氏「ママリには、SNSのようにフォローしたり、友達と繋がったりといった機能はありません。質問と回答をユーザーが送り合い、悩みを解消するシンプルな仕組みです。ただし、一言で悩みと言っても、ユーザーの置かれている状況は様々。状況によっては、お互いに打ち解けられないこともあります。

そうしたコミュニケーションの難しさも、ユーザーのモラルの問題と捉えず、私たちが取り組むべき課題の一部として向き合っています。 一見シンプルなようで、体験を改善するにあたっては、複雑さもあるサービスだと思います」

また、齋藤氏はママリの提供価値が、単なる悩みの「解決」だけでないと捉えています。

齋藤氏「『妊活・妊娠・出産・子育て』の悩みは、すぐに解決につながるような答えを出すのが難しい場合もあります。

けれど、答えを得ることができなくとも、誰かに悩みを打ち明けて心が軽くなったり、相談して日頃のもやもやが和らいだりすることもある。“満足感”や“喜び”などの情緒的価値も、悩みが解消するという機能的価値と同じくらい、大切にしています

CXとは繋がりを太くし、長く保ち続けること

そうした情緒的価値の提供が、ママリのファンを増やし、コミュニティを構築していく上で欠かせないと、齋藤氏は言います。

齋藤氏情緒的価値を繰り返し届けることで、ユーザーは『また来たい』と感じるようになる。また、他のユーザーや運営に信頼を感じ、コミュニティが構築されていく。 それこそが、ママリにとってのCXであると私たちは考えています。よりシンプルに定義するなら『顧客と製品の繋がりを太くし、長く保ち続けること』です」

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「顧客と製品の繋がりを太くし、長く保ち続ける」ために、ママリが何に取り組むべきなのでしょうか。齋藤氏は「顧客の課題に長く寄り添い続ける」と「顧客と製品の繋がりを太く」に分解して捉えています。

齋藤氏『顧客の課題に長く寄り添い続ける』とは、ユーザーの顕在化した不安や課題と、未知の不安や課題の両方に応えることです。 顕在化した悩みの解消だけでなく、ユーザーが次に悩みそうなことを過去のデータから推測して、伝えてあげる。“今”と“未来”の課題を行き来し、ユーザーに長く寄り添い続けることを目標にしています。

『顧客と製品の繋がりを太く』とは、ユーザーと運営者、あるいはユーザー間の信頼や繋がりを構築していくことです。ママリはC2Cのコミュニティサービスで、ユーザー間のコミュニケーションが体験の主となります。会ったことのないユーザーに安心して相談できるようにするには、運営がユーザーに寄り添っていると信頼してもらうことが何より大切です

3つの「シンカ」を軸に、施策を生み出す

「顧客と製品のつながりを太くし、長く保ち続けること」をCXとして定義した上で、施策を行うにあたっては、CXを3つの「シンカ」で整理しています。セッションではそれぞれの説明と、実際の施策を共有してくださいました。

齋藤氏「1つ目は『進化』です。進化とは、サービスが成長することではなく、ユーザーが抱えている課題が解決されて前進することを指します。

『進化』の施策としては、機械学習を活用して、その人の条件や過去の行動から適切な回答をレコメンド。『ママリさえ開けば悩みが解消される』体験をユーザーに提供したいと考えています」

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2つ目は「新化」です。ユーザーが新たな気づきを得ることを指します。

齋藤氏「ママリには、過去数年分に渡るママの悩みが蓄積されています。そのデータをもとに、今後発生し得る不安や悩みを事前に知らせ、新たな気づきをユーザーに提供しています。

『新化』の施策としては、検索する前にサジェストワードを提示する、検索ボタンをタップした際に今後直面すると思われる課題を表示するなどを行っています」

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3つ目は「深化」です。ママリや他のユーザーとの間に繋がりを感じ、深めることを指します。

齋藤氏「繋がりを深めるには『あなたのことを大切に思っている』と伝えていくことが大切。それも機械的なメッセージではなく、人間らしいメッセージを表現することが欠かせないと思っています。

『深化』のための施策としては、KARTEの表示機能を使ってユーザーの誕生日にママリからのメッセージを送信。家事に追われながらも毎日頑張っているママを少しでも労いたいという気持ちから始まった施策です」

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この施策では、実際に誕生日メッセージをスクショし、ママリに投稿してくれる人も増加。ユーザーのエンゲージメントを高めるきっかけにもなったと言います。

CXを明文化し、常に立ち返る大切さ

進化・新化・深化という「3つのシンカ」で届けたい体験を整理し、施策を行うママリ。それぞれの施策や体験は、決してバラバラに存在するものではないと、齋藤氏は念を押しました。

齋藤氏「『進化・新化・深化』は、別々に存在するものではなく、相互作用し、高めあうものです。点の施策が、線の体験を形づくっているのだという認識が大切です。

その認識を共有するためにも、企業やサービスは、それぞれの立ち返る場所を用意しておく必要があると思います。私たちにとってのCXの定義、3つのシンカのようなものですね。

また、顧客に良い体験を届けるのは大前提として、一つひとつの施策や体験が、KPIや事業目標の達成につながっているかという視点も大切です。 今後もその両方を抜かりなく取り組んでいきたいと考えています」

ママ同士のコミュニケーションが体験の中心であり、かつ情緒的価値という、一見捉えづらい価値を提供する。ママリでは、そうしたサービスの特徴を踏まえて「自分たちにとってのCXとは何か」を定義し、具体の施策に落とし込んでいました。

常に立ち返るべき「自分たちなりのCX」を定義し、顧客と向き合う。思考と実践を実直に重ねていく大切さを、改めて実感するセッションでした。

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