CXを考える

デジタルマーケティングとは?企業も顧客もマーケティングの主体になる時代

デジタル技術によって、マーケティングはどう変化したのでしょうか。今回は、デジタルマーケティングの基本を理解するための記事をお届けします。

24 Jul, 2019

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    デジタル技術によって、マーケティングはどう変化したのでしょうか。今回は、デジタルマーケティングの基本を理解するための記事をお届けします。

    デジタルによって変化するマーケティング

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    企業がマーケティングの主体ではなくなる

    デジタルマーケティングを理解するために、『一橋ビジネスレビュー』2016年秋号に寄稿された、高広伯彦氏と藤川佳則氏による共同論文「デジタルマーケティング マーケティングの民主化」を参考にしながら、マーケティングの定義の変遷を見ていきましょう。

    2007年に改訂された、米国マーケティング協会(AMA)によるマーケティングの定義は、

    「顧客、得意先パートナー、そして社会一般にとって価値ある提供物を伝達し、交換する活動であり、一連の制度でありプロセスである」というもの。(この定義は2013年に再度承認)

    これより以前のマーケティングの定義は「組織とその利害関係者の利益となるように、顧客に価値を創造・伝達・流通し、顧客との関係を管理するための組織的な機能や一連の過程である」というものでした。

    改訂された定義では、マーケティングの主体が売り手に限定されておらず、買い手もマーケティングの主体であると解釈できる、と共同論文の中で書かれています。

    企業と顧客との関係の中で価値が生まれる

    こうしたマーケティングにおける主体の変化には、デジタル技術が大きく関係しています。そして、デジタルマーケティングを理解するには、単にデジタルツールを使ったマーケティングという狭義の捉え方をするのではなく、デジタルによってマーケティングがどう変化するかを考えることが大切です。

    インターネットとスマートフォンの普及により、人々はいつでもどこでも情報を自ら探すことができるようになり、ソーシャルメディアの登場によって、メディアに限られていた情報の「探索」と「生産」が、一般の人々にも可能になりました。

    先述したマーケティングの主体が曖昧になった時期に登場していた考え方が「サービス・ドミナント・ロジック」です。2004年にマーケティング研究者であるロバート・F・ラッシュとステファン・L・バーゴによって提唱されたこの考え方は、「企業がいかにして顧客とともに価値を創造できるか」という価値共創の視点に立っています。

    それ以前の考え方である「グッズ・ドミナント・ロジック」は、商品自体に価値があり、顧客はお金を支払うことで商品を得て、企業と顧客とのあいだで価値が交換されるというものでした。マーケティングが売り手主体から脱却していったことで、買い手も主体となり、その結果、価値は企業と顧客との関係の中で生まれるという考えが広がっていきました。

    最近でこそ、SaaSをはじめとするサブスクリプションサービスが注目を集め、「売って終わり」からの脱却が注目されていますが、それより以前から「売って終わり」の時代は終わりを迎えており、企業と顧客の関係は徐々に変化してきていたのだとわかります。

    企業だけがマーケティングの主体という時代が変わり、買い手もマーケティングの主体となる。そして、企業と顧客の関係によって価値が定まっていくという考え方へのシフトが、デジタルマーケティングを理解する上での前提になります。

    デジタルがマーケティングにもたらす変化

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    デジタルがマーケティングの捉え方自体にどのような変化をもたらすかを確認した上で、もう少し具体的にどのような変化が起きているのかを確認していきましょう。デジタルによってマーケティングが変化しているポイントを3つ挙げ、紹介していきます。

    1. 取得・蓄積できるデータの増大
    2. 企業と顧客の接点が多様かつ線になる
    3. マーケティングプロセスのデジタル化

    1.取得・蓄積できるデータの増大

    Web上の行動データから、位置情報データ、購買データ、さらには生体データなど、デジタル技術の普及によって取得・蓄積できるデータは増大しました。個人データのみならず、ビッグデータと呼ばれるマクロなデータの取得と解析も可能になったことで、より一人ひとりの顧客に合わせた提案ができるようになりました。

    参考:ジオターゲティングで位置情報に合わせた適切なアプローチが可能に

    2.企業と顧客の接点が多様かつ線になる

    企業と顧客の接点も多様化しました。マスメディアからの発信や店舗しか接点がなかった時代から、ソーシャルメディアの登場などによって企業による発信も増え、企業と顧客の接点は継続したものに変化してきています。さらに、「オムニチャネル」と呼ばれるように、オンラインのみならずイベントや店舗などのオフラインとも連携する必要がでてきています。

    顧客接点が多様化しているなか、企業が顧客にファンになってもらうためには、顧客のことを知り、各チャネルを通じて一貫性のあるアプローチをとらなくてはなりません。前述の蓄積されたデータを活用しながら、顧客一人ひとりに合わせたアプローチをとる、One to One のマーケティングが可能になる点もデジタルによるマーケティングの変化です。

    3.マーケティングプロセスのデジタル化

    顧客データが蓄積され、継続した企業と顧客の関係構築を可能にしているのは、マーケティングプロセス自体のデジタル化です。マーケティングを進めていく上での手法やツールもデジタル技術の影響を受けて変化してきています。下記のようにマーケティングプロセス自体のデジタル化が進んでいることで、増大する顧客データや多様化する顧客との接点にも対応することが可能になっています。

    参考:

    デジタルマーケティングの未来

    デジタルによってマーケティングが変化し始め、マーケティングが企業主体のものでなくなってから、まだ10年ほどしか経過していません。その間もデジタル技術は高度化を続けており、取得可能なデータの領域は広がり、分析するための技術も進歩しています。

    この先、それぞれの企業が持つデータの連携も進んでいき、ますます売り手は顧客のことを知り、合わせることが可能になっていくでしょう。そんな時代において、企業はマーケティングの主体が自分たちだけではないと自覚し、顧客と共に価値を作るのだという意識を持ち続けなければいけません。

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