アプリのプロダクトマネジメントにおける重要な5つの考え方
本登壇ではアプリのプロダクトマネジメントをテーマに、アプリの成長に向き合う全ての人にとって重要な5つの点について、前職では事業責任者・PO・PMとして複数アプリの成長を担ってきた株式会社プレイドの松下よりお話しさせていただきました。
アプリの事業に携わる方にとって、MAUやリテンションレートの改善など、どのようにすればアプリを成長させることができるのかという悩みは共通のものでしょう。その悩みを解消するためには、本やインターネットなどでの情報収集や、他社事例を参考にするなど、様々な工夫の仕方があります。
一方で、そのような情報を深く考えず鵜呑みにしてしまうと、本質的に重要なことを見失ってしまう危険性があります。
本登壇ではアプリのプロダクトマネジメントをテーマに、アプリの成長に向き合う全ての人にとって重要な5つの点について、前職では事業責任者・PO・PMとして複数アプリの成長を担ってきた株式会社プレイドの松下よりお話しさせていただきました。
※本記事は、2019年4月23日に行われたKARTE Friends Meetup - App -で、KARTE for Appの弊社のグロースハッカー / エクスペリエンスデザイナーの松下三四郎が発表した内容です。
1.フレームワークは思考の整理をするための手段である
アプリを成長させる手段の一つとして、KPIツリーやカスタマージャーニーマップなどのフレームワークの活用があります。ただし、本来はアプリ成長の「手段」であるはずのフレームワークの運用がいつしか「目的」になってしまい、アプリの成長に寄与せずに終わってしまう傾向にあると言います。
もともと世の中に出回るフレームワークは、書籍などで売れるようにキャッチーにしたものも少なくありません。フレームワークの発明者の環境では有効であったものを、その本質的な役割などを考えずに運用してしまうとうまくいかないケースが出てきてしまうのです。
2.ユーザーはアプリの「機能」ではなく、そこから得られる「価値」にお金を払う
それでは、フレームワーク以外に何を頼り進めるのが良いのでしょうか。
プッシュ通知のCTRが低い、リテンションレート(継続率)が上がらない、Androidのユーザー数や継続率に課題があるなど、アプリ事業者の悩みは尽きません。
これらの課題に対して、無闇にクーポン配布や機能開発などを行ってもなかなか成果がでないケースが多いのではないでしょうか。
アプリのプロダクトマネジメントにおいて、これらの課題の背景にはアプリ事業者の考えとユーザーの間になんらかのギャップが生じていると言えます。良かれと思って作った機能やクーポン配布などの施策が、ユーザーにとっては時にはストレスになっているケースがあります。
ここで重要なのは、ユーザーはアプリの「機能」に対してお金を払うのではなく、そこから得られる「価値」にお金を払うという点です。あらゆるサービスが充足している時代において、もはやユーザーは機能でサービスを選ぶのではなく、そこから得られる体験にどのような価値があるのか、という点でサービスを選ぶのです。この点を見失ってしまうと、様々な機能やクーポン・ポイントのばらまきなどによりユーザーが離れていってしまいます。
このような状態に陥らないためにも、松下は3つの問いを参加者に呼びかけました。
3.ユーザーの「コンテクスト」を理解する
ユーザーにとってのアプリの価値を仮説立て、理解した上で、それをスムーズに体験してもらうために重要なのが、「コンテクスト(文脈)」を理解することです。コンテクストとは、一般的には文章の前後関係、文脈、脈絡、あるいはある事柄の状況や環境と説明されますが、アプリにおいてはユーザーの置かれている状況や前後の行動などのことを指します。このコンテクストを理解することで、ユーザーの行動ログの捉え方が大きく変わってきます。
例えば、ユーザーがアプリをバックグラウンドに遷移させたとします。アプリに飽きたり、アプリの使い方がよくわからずにバックグラウンドに遷移するというネガティブな理由も考えられますし、ユーザーが目的を達成したというポジティブな理由も考えられます。
ここでは架空の旅行ツアーサイトが特集コンテンツ訴求のポップアップを表示する例をあげ、ユーザーの興味関心などのコンテクストに合わせて表示タイミングをコントロールすることで施策の効果が大幅に変わってくるという話をしました。
4.仮説からすべてが始まる
MA(マーケティングオートメーション)などあらゆるマーケティング施策の実施が自動化される中であっても、仮説をたてる力は今後も重要なスキルです。ユーザーを理解して最適なコミュニケーションをする上では、ひたすら仮説をたて、ブラッシュアップして事実に近づけることで施策の精度を高めていくことができます。
時にはチームメンバーなど社内の仲間やユーザーにインタビューしたり、アプリ上の行動ログを点ではなく線で分析するなど、あらゆる手段を用いて仮説を事実に近づけることで、本質的にユーザーのことを理解していく必要があります。
5.KARTE for Appでユーザー体験向上に必要な一連のサイクルをスピーディーに回す
これまでの話を踏まえて、最後にはKARTE for Appの”知る”機能をうまく活用することで、これまでご説明してきた課題の発見から仮説の検証、施策の実行まで行う方法について説明しました。
KARTE for Appでは、レポートやユーザーダッシュボード、リテンションレポートなどの定量分析、ユーザーストーリー画面やスコアリングの機能による定性分析が可能です。
定量分析から課題発見や仮説立案を行い、ユーザーストーリー画面やスコアリング機能によってユーザーの実際の行動を点ではなく線で確認することで、その仮説を事実に近づけることができます。
さらに、エンジニア・デザイナーリソースを使わずにマーケター自身で簡単に施策配信や効果検証ができるため、ユーザー体験向上に必要な一連のサイクルをスピーディーに回すことができます。
アプリにおけるCX(顧客体験)とは
これまでアプリのプロダクトマネジメントで重要な点を5つご紹介してきました。5つの点に共通することとして、アプリ成功の秘訣は「ユーザーを理解すること」にあります。KARTE for Appはあらゆるアプリ事業者様のユーザー体験向上のお手伝いをしていますので、お困りの際はこちらからお気軽にご相談ください。