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顧客のサイト上の行動から改善やアクションにつなげるには?KARTE Liveの活用方法をわかりやすく解説【顧客理解/分析編】

KARTE Liveは、主に「施策改善」「プロダクト開発」「顧客理解/分析」「カスタマーサポート」の4つの活用場面があり、今回はそのなかでも特にKARTE Liveが多く使われているふたつの場面「顧客理解/分析」と「施策改善」を取り上げます。今回は前編として「顧客理解/分析」の方法を説明します。

顧客のサイト上の行動を動画で見ることができる「KARTE Live」では、数値では可視化できない顧客の感情や文脈、背景などを読み解く助けをします。

KARTE Liveは、サイトに来訪するお客様一方ひとりの行動データから数多くのインサイトを得られる一方で、得たい示唆を得て、アクションにつなげていくことが難しい側面もあります。成果に結びつけるためには「どこを重点的に見て、どのような示唆を得て、改善に活かしていくか」が重要です。

KARTE Liveは、主に「施策改善」「プロダクト開発」「顧客理解/分析」「カスタマーサポート」の4つの活用場面があり、今回はそのなかでも特にKARTE Liveが多く使われているふたつの場面「顧客理解/分析」と「施策改善」を取り上げます。今回は前編として「顧客理解/分析」の方法を説明します。

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「施策改善編」の記事はこちらから
顧客のサイト上の行動から改善やアクションにつなげるには?KARTE Liveの活用ポイントをわかりやすく解説【施策改善編】

※本記事は2021年8月に実施されたセミナーの内容をまとめたものです。

理想の行動とそうではない行動を見比べ、施策に落とし込む

KARTE Liveを活用し次の施策に生かせるような示唆を得るためには、顧客の行動を「線」として捉えることが大切です。以下の5つのステップで進めていきましょう。

  1. 顧客の線の行動を洗い出す
  2. 理想状態の言語化
  3. 知る目的の整理
  4. 仮説を持って顧客の行動を見る
  5. 比較して見る

1. 顧客の線の行動を洗い出す

単純に「ECサイトで商品を購入した方」の動きを見たくても、そのなかには、滞在時間、来訪回数、商品詳細ページの閲覧履歴、お気に入りに商品を登録したかどうか、といった様々な行動パターンが含まれています。また、「何回目の来訪でその行動をとったのか」もそれぞれ異なります。

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そのため、このような行動パターンを 「来訪回数(タイミング)×サイト上で触れたコンテンツ(どんな行動をしたか)」という点をつなげ、線として整理していきます。

例えば、初回来訪(タイミング)で商品詳細ページ(コンテンツ)を経て購入、初回では商品をお気に入りリストに入れて離脱したが2回目来訪(タイミング)でお気に入り閲覧(コンテンツ)を経て購入、といったような形です。

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2. 「理想状態」と「現実的な姿」の言語化

次に、線で整理した行動パターンを 「自社にとって一番理想の状態」と「理想から一歩手前の現実的な姿」のタイプに分けて、言語化していきます。

例えば「一番理想の状態」を「初めての来訪タイミングで商品を購入してもらう」ことだとします。そして「理想から一歩手前の現実的な姿」として「初回来訪で商品をお気に入りに登録する」と定義。

現実的な姿を考える時は、どういう行動をとってくれれば、次回の来訪と一番理想的な行動(この場合は購入)につながるのかという観点で考えるのがポイントです。

3. 知る目的の整理

理想の顧客の行動を言語化すると、「どのような顧客のどのような行動を見て、自分たちは何を知りたいか」が明確になってきます。

例えば、先程の「初回来訪で商品をお気に入りに登録してもらう」ことが現実的な姿だとすると、そのような行動をとってくれる方を増やしたいので、知りたいことは「初回来訪者でお気に入り登録をしない方のボトルネックは何か」逆に「初回来訪者でお気に入りに登録した方はなぜ登録してくれたのか」になるでしょう。

4. 仮説を持って動画を見る

ここから実際にKARTE Liveで動画を見ていきます。仮説を持つことで「ここの動きは想定と違った。なぜだろう?」「ここの動きは想定通りだった。他にも似たような方がいるかな?」など考えながら動画を見ることができるので、気づきが増えたり、また新たな仮説を生まれることができます。

今回は「THE COFFEE SHOP」という実際にあるコーヒーのECサイトの事例をもとに解説します。

理想を「初回来訪者で購入にまで至る」とします。この場合、知りたいことは、「初回来訪者で購入に至っていない方のボトルネックは何か」逆に「初回来訪者で購入に至った方はなぜ購入してくれたのか」になります。

ここですぐに動画を見るのではなく、まず仮説を立てます。「初回訪問者で購入している方はどんな状態か」に想像を膨らませ、例えば「コーヒー診断や並び替え機能を使い、ほしい商品にスムーズに辿り着けている」という仮説が出たとします。

対して、「初回来訪者で購入に至っていない方はどんな状態か」を考えると、「スクロールを繰り返し、自分の気に入った商品に辿りつけなかったのではないか」という仮説を立てます。

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では、実際に動画を見てみます。

実際に動画を見てみると、初回訪問者で購入している方は、コーヒー診断や並び替え機能は使っておらず、何度もスクロールし、商品ページのロースト具合や風味を見て、自分の好みの豆を選んでいたことがわかりました。

ここから「自分の好みがはっきりしていたからこそ、欲しいものに出会い、購入に至った」という要素が抽出できます。 しかし、好みの商品を見つけるためのコーヒー診断などの機能は使われなかった。また、コーヒーを自分で選べない方の場合は離脱しやすいのかもしれないとも考えることができます。

これらがわかることで、好みがはっきりしている方は好みの商品と出会えれば購入してくれると考えられるので「いち早く好みの商品に出会ってもらうためにはどうしたらいいか?」、自分で選べない方には、コーヒー診断を使ってもらうことが有効だと考えられるので、「コーヒー診断を使ってもらうためにはどうしたらいいか?」を考えて施策に落とし込むことができます。

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5. 比較する

動画を見比べることで「なぜこの方は理想の行動に至らなかったのか」という理由の掘り下げができ、課題も見つけやすくなります。

なぜなら、理想ではない行動だけを見ると、どうすれば理想の行動をとってくれるのか、何が課題なのかがわかりにくいからです。合わせて、理想の行動をしている方の動画を見ると、その行動をしてもらうためには「お客様はどのような情報が必要なのか」「お客様は何に困っているのか」という疑問から、アクションにつながるアイデアを考えることができます。

先程のコーヒーのECサイトの例では、未購入者は、ローストも風味もバラバラな商品ページをいくつも見ていて、購入意欲は比較的高そう。また、コーヒー診断の機能は把握していたけれど利用しなかった、というケースが多いことがわかりました。

事前に理想の行動(初回来訪で購入に至った方の行動)から「自分の好みに出会えると購入してくれる確率が高い」ということも分かっていたので「未購入者の方にも好みと出会ってもらうためにはどうすべきか?」と考えることができます。

今回の場合は、上記の動きから「コーヒーを選ぶポイントがわかりづらい」「スクロールを繰り返しているということは購入意欲が高いと考えられるので、購入を後押しできる仕組みやコンテンツが必要」など、課題や改善点を得ることができます。

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顧客の行動を知ることで、深い顧客理解とより良い顧客体験につながる

いかがでしたでしょうか。今回の内容を実践いただくことで、顧客の行動から正しく示唆を得て、効果的なサイト改善、接客施策の企画を進めやすくなると思います。

また、動画はひとりで見るのではなく、複数で見ることで様々な視点や課題が得られたり、課題の認識を合わせることができたりしますので、この記事で紹介した活用法も複数名で実施いただくのがおすすめです。

記事に沿って進めていただき、難しい部分があれば、弊社のメンバーがファシリテーションをするワークショップも実施しているので、お気軽に担当にお問い合わせください。

「施策改善編」の記事は下記からご覧ください。
顧客のサイト上の行動から改善やアクションにつなげるには?KARTE Liveの活用ポイントをわかりやすく解説【施策改善編】

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