Event Report

理想のCXをサービスの隅々まで行き渡らせるためのデータ活用とは?|KARTE Datahub Night vol.2

2019年11月7日、2回目となるKARTE Datahub Nightを開催しました。「KARTE Datahub(以下Datahub)」は、KARTEのプロダクト群の中でも「データベースの統合、利活用」に強みを持つ。Datahubを活用している方、これから導入を検討している方々を中心に当日は50名を超える参加者が集まりました。

顧客の状況をリアルタイムで捉え、ニーズに合った情報を提供する──。

2019年11月7日、2回目となるKARTE Datahub Nightを開催しました。「KARTE Datahub(以下Datahub)」は、KARTEのプロダクト群の中でも「データベースの統合、利活用」に強みを持つ。Datahubを活用している方、これから導入を検討している方々を中心に当日は50名を超える参加者が集まりました。

参加者からは「あっという間に時間が過ぎていった」「Datahubの導入を本格的に検討したくなった」といった声も上がりました。Datahubの導入や活用方法を迷っていたらぜひ参考にしてみてください!

KARTE Datahubは、社内外に散在する様々な情報をデータベースに統合することで顧客の解像度を高め、CX(顧客体験)向上につなげていくことができるツール

今回の登壇者

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今回登壇したのは、Datahubを導入して有効活用している株式会社MonotaRO、株式会社野村総合研究所、株式会社ココナラの3社。前半はMonotaROのKARTE運用チーム3名による発表、後半はMonotaRO、野村総合研究所、ココナラの3社によるパネルディスカッションという2部構成でお届けしました。

KARTE Datahubの導入にあたって乗り越えたハードル

株式会社MonotaROは、事業者向けに事務用品や工具、消耗品などを取り扱うECサイト「モノタロウ」を運営しています。同サイトは、必要なものが素早く見つかる利便性を強みに、現在約380万の事業者に利用されています。

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登壇したのは、同社でKARTE運用においてプロデューサーの役割を担うデータマーケティング部門の米島和広さん、デザイナーの権藤友子さん、企画担当の岡崎真理子さんの3名です。

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参照:モノタロウ

モノタロウがDatahubを導入する際に決め手となったのが、Googleのビッグデータ解析サービス「BigQuery」との親和性の高さです。

もともと、モノタロウでは「データを活用してCXを高めること」を重視していました。1,800万点を超える膨大な商品がある中で、「どのような業種の企業であっても、欲しいものにすぐにたどり着ける顧客体験」を実現するためには、データ活用が必要不可欠だったのです。

米島さん 「BigQueryを使ってデータの蓄積・分析はできても、それを顧客体験の向上に結びつけるのが難しい状況でした。モノタロウが扱う商品の幅広さゆえに、サイトに訪問する顧客の状況やニーズも様々。個々のお客様への施策には開発が必要でした。」

そこで知ったのが、KARTE Datahub。「Datahubを使えば、これまで蓄積してきたデータを具体的な施策に落とし込み、各タッチポイントでパーソナライズされたCXを提供できるようになる」と考え、導入を決定しました。

Datahubへの期待感はあったものの、実際の導入にあたっては障壁もありました。

米島さん 「メンバーの中には、『大規模サイトで安定的に稼働してくれるツールなのか』、そして『無事に導入できたとして、本当に自分たちがツールを上手く活用できるのか』といった不安があったのです。

モノタロウのような大規模サイトで新しいツールを導入する場合、そもそも安定的に稼働するかが課題になります。ツールの影響で少しでもページの表示速度が遅れたりトラブルが起きたりすると顧客体験が損われ、売上減に直結してしまうからです」

実際、過去にいくつかのWeb接客ツールを試したときにはBigQueryとの連携が上手くいかず、苦い経験をしたことも。

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権藤さん 「過去の失敗もあり、導入によって、ページ動作が遅くなったり、表示が崩れたり、といったサイトへの悪影響があるのでは、という不安もありました。そこで今回は、本導入の前にテスト期間を設け、施策の反映や効果測定ができるか、ほかのシステムやページ表示速度に悪影響を与えないかなど、納得できるまで検証しました。検証期間を通して懸念点がクリアになっていたので、安心して使い始めることができました」

「新しいツールを導入する際には、効果を重視する考え方が一般的かなと思います。ですが、安定稼働を重視して選定する方法もありなのではないでしょうか」と、米島さんはツール導入時の選定の仕方について会場に投げかけていました。

岡崎さん 「導入後も機能を使いこなせるかという不安がありました。そこで、KARTE全般に関するミーティングを毎週設定。定期的にメンバー間で活用の方向性をすり合わせることで、スムーズに施策の考案、実行ができるようになっていきました」

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米島さん 「サイトに訪れる多様な顧客に合わせて、施策を分けられるようになりました。以前より施策実行後の分析は得意でした.。それを実施する上でのスピードは課題でした。Datahubの導入後、蓄積してきたデータを使って顧客を細かくセグメントした上で、施策を設計できるようになりました。パーソナライズされた精度の高いCXの提供が可能になったんです」

セッションの最後に、米島さんはDatahubを導入したことで、失敗するリスクがあっても挑戦できるようになったと語りました。

米島さん 「以前は、ある程度効果が期待できる施策でないと実装に踏み切りにくい面があったのですが、KARTEを導入したことで、サイトに悪影響を与えずに施策を実行できる環境を整えられました。施策によって一時的に数値がマイナスになったとしても、前向きにPDCAを回せるようになりました。挑戦のハードルが下がったと感じています」

ここで前半のセッションは終了。Datahubを導入、運用するにあたってのイメージが膨らむ内容をお話しいただけました。

参照:常識破りのデータドリブン企業・モノタロウが分析から施策までを直結させ、PDCAを3倍速にできた理由

サービスの隅々まで理想のCXを行き渡らせる

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後半の3社によるパネルディスカッションに登壇してくださったのは、前半に続いて株式会社MonotaROの米島和広さん、そして株式会社野村総合研究所の大場正隆さん、株式会社ココナラの中村憲佑さんの3名です。

Datahubの導入にハードルを感じている参加者が多かったため、「Datahubを使いこなす上で難しい部分は?」という話題からスタートしました。

中村さん 「Datahubの運用において難しいのは、導入直後のデータベースを作成する段階です。先々、実施しようとしている施策を考慮してDBの設計・構築をしないと、拡張性のないデータ基盤になってしまい実行できる施策に制約が出たり、DBの作り直しが必要になってしまいます。弊社では導入してから1,2ヶ月は施策を何も打たずにデータベースの設計・構築に時間をかけていました」

大場さん 「Datahubを使いこなすにはSQLを扱える必要があります。特に導入初期は少し複雑な設定が必要なこともあるので、エンジニアにもチームに入ってもらうと安心です」

会場からの質問にも答えながらいくつかのテーマをお話しいただく中で、特に参加者の反応が大きかったのが、 「Datahubを活用して上手くいっていることは?」という質問への回答でした。

米島さん 「Datahubを利用することで、顧客のために用意しているのに、気付かれずに埋もれてしまっていた機能を活かせるようになりました。

モノタロウには、顧客体験を高めるための便利な機能がたくさんあります。しかし、顧客が必要とするタイミングで適切にご案内できず、活かしきれていなかったんです。

でもDatahubなら、『こういう状況の顧客に使ってもらえたらいいのだけれど、他のタイミングではもうお知らせは不要』といった細かい設定ができます。

このような交通整理がうまく進み、埋もれていた既存機能を顧客にどんどん提供できるようになりました。結果として、サービスの隅々にまで気を配ったWeb接客を実現できた。これはDatahubを導入して本当によかったと感じている点です」

中村さん「どんな状況でどのポップアップを表示させるのかなどを細かく調整することで、本当に効果が変わりますよね。

理想のCXを実現するためには、顧客の状況をリアルタイムで捉え、こちらの対応を変えていかなくてはなりません。Datahubを使うことでそういった対応を実現できるようになってきたのは、大きな前進だと思います」

Datahubを実際に活用している企業ならではのリアルなつまづきポイントや苦労した点、活用方法を多く共有いただき、パネルディスカッションは幕を閉じました。

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最後の懇親会では、プレイド社員によるDatahub相談ブースを設置。Datahubを利用している方から導入に迷っている方まで、さまざまな相談が集まりました。

このようにKARTEのミートアップは、他社の事例から学びを得ることはもちろん、KARTEの開発・運営メンバーへの相談の場としてもお使いいただけます。ミートアップをさらなるCX向上の場として活用していただけたら嬉しいです。

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