1,100万の会員情報を活かし切るデータマネジメント。アルペンが目指す1to1コミュニケーションとは

ゴルフ・アウトドアをはじめとした総合スポーツ用品販売のアルペングループ(以下、アルペン)では、同社の会員プログラム「アルペングループメンバーズ」の登録者数が1,100万人を超える。会員へのメルマガやアプリなどを活用したオウンドマーケティングに力を入れているが、膨大なデータ量ゆえにコストがかさみ、作業時間がかかるなどの課題を抱えていた。そこで同社は、より効率的に顧客に情報を伝えていくために、プレイドが提供する「KARTE Message」を導入。結果、工数の大幅な削減に加え、より高度なマーケティングが実現したという。実際にどのようなメリットや効果があったのだろうか。アルペンの岡氏、プレイドの和田氏と竹内氏に話を伺った。

ゴルフ・アウトドアをはじめとした総合スポーツ用品販売のアルペングループ(以下、アルペン)では、同社の会員プログラム「アルペングループメンバーズ」の登録者数が1,100万人を超える。会員へのメルマガやアプリなどを活用したオウンドマーケティングに力を入れているが、膨大なデータ量ゆえにコストがかさみ、作業時間がかかるなどの課題を抱えていた。そこで同社は、より効率的に顧客に情報を伝えていくために、プレイドが提供する「KARTE Message」を導入。結果、工数の大幅な削減に加え、より高度なマーケティングが実現したという。実際にどのようなメリットや効果があったのだろうか。アルペンの岡氏、プレイドの和田氏と竹内氏に話を伺った。

(この記事は、翔泳社「MarkeZine」で2023年12月18日に公開された記事を転載しています)

1,100万人超の会員と1to1コミュニケーションを

今回は、アルペンにオウンドメディアを活用したマーケティングについて伺います。まずは自己紹介をお願いできますか。

:アルペンのマーケティング部で、メルマガやアプリなどのオウンドメディア配信全般を担当しています。私たちは、お客様に適切な情報をお届けして1to1マーケティングを実現するため、様々な施策を実行しています。

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株式会社アルペン Marketing Owned Marketing Group Chief 岡涼子氏

和田:プレイドでカスタマーエンジニアとして、KARTE Messageの導入サポートを担当しています。具体的には配信先のデータなどをKARTEに渡すためのデータベースのつなぎ込みなどを行っています。

竹内:プレイドでカスタマーサクセスとして、KARTEの導入からフルで活用していただくまでの伴走支援を担当しています。お客様の業務の中にKARTEが溶け込み、PDCAを回していけるようサポートしていく役割です。

アルペンのマーケティング戦略を教えてください。

:弊社には「アルペングループメンバーズ」という会員プログラムがあります。その会員数は年々増加し、現在では1,100万人以上います。会員様向けの商品やサービスの提供は、弊社のマーケティング戦略で大きな柱の一つになっています。

会員様の属性や購買履歴に合わせ、メールやアプリで情報をお届けするのが私たちの主な業務です。お届けする情報は新商品情報や店舗開催イベントのお知らせ、セールやポイントアップの企画のご案内が中心です。

データ量の増大によりコストと工数がかさむ

アルペンが、KARTE Messageを導入した背景を伺えますか。

:一番大きかったのはコスト面です。以前は別のツールで配信を実施していました。しかし配信数や保有データ量に伴う従量課金サービスだったため、会員数が増大したことでコストがかさんでいました。今後も会員増を見込んでいるため、新たなMAツール導入の検討が必要となりました。

コストカット面に加え、元々弊社のECサイトで購買促進・パーソナライズを目的にKARTEのWeb接客機能を使用していたので信頼感もありました。

他に決め手となった点はありますか。

: 3点あります。1つ目は、工数削減です。会員情報を元にセグメント作成、メールの配信にかかる時間が短縮できると感じました。

2つ目は、データのつなぎ込みです。弊社ではデータウェアハウスとして、BigQueryを使っています。KARTE Messageであれば、データのつなぎ込みが簡単にできる点も魅力でした。

そして3つ目はサポートの手厚さです。他のツールではSQLを書かねばなりませんでしたが、プレイドさんはその点もサポートいただけました。我々のやりたいことをくんで、前向きに寄り添っていただけたことが選定の決め手となりました。

これらの話を受けていかがでしょうか。

竹内:1,000万人規模の会員データを活用したパーソナライズ配信を確実かつ的確に実現することに加え、今のメールだけでなくLINEやアプリなど今後の配信チャネル拡大も見据えながら導入プロジェクトを進行することは、弊社としてもチャレンジングではありました。そのためKARTEのプロダクト群とともに万全の支援体制を組んで臨みました。

和田:アルペンさんが導入いただいた決め手の1つであった、データつなぎ込みの観点では、KARTEのオプション機能であるKARTE Datahubを使えばバッチ連携一つでほとんどのデータのつなぎ込みができます。加えて、大量データに対してクエリを実行してもすぐに結果が返ってくるBigQueryの特長を活かして配信することを提案しました。

また、KARTE Messageでデータを整える際にSQLが必要になりますが弊社でサポートし、SQLを書けない方でも配信できる形にしました。

誰でも使える、わかりやすいUI

導入の際にアルペンからリクエストしたことはありますか。

:MAツールの扱いに慣れていないスタッフに協力してもらう場合もあるため「UIを使いやすくしてほしい」と強くお願いしました。結果、素晴らしいUIにしていただいたので、部内でKARTEを触れる人が多くなりました。

プレイド側で気を配った点はありますか。

竹内:以前運用していたツールでできたことは再現できるように意識しました。すべて元のデータ形式で引き継いでいける形を整えています。

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株式会社プレイド Customer Experience Designer 竹内亮太氏

:「このお客様はこのメールをクリックした」といったデータも蓄積していたのですが、それらも引き継いでいただけました。

具体的にどのように導入していきましたか。

竹内:弊社の役割としては大きく3つのステップがあります。1つ目は、KARTE Messageで何を行いたいかお話を伺ったあと、どのようなデータが必要になるかを精査。2つ目に、SQLを書いたり、配信対象者を抽出したりとリストとなるデータを抽出します。3つ目に、施策効果を振り返られるように配信結果をダッシュボード上に表現する支援も行いました。

和田:たとえばメール配信の結果として、オンライン/オフラインごとの購入数や配信チャネルごとの効果を可視化しています。ダッシュボードのスタイルは各社様で変わってくるので、基本的にはオーダーメイドでサポートしています。

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株式会社プレイド Customer Engineer 和田吉平氏

データを「使える」形で持て、細やかなコミュニケーションが可能に

KARTE Messageの使い心地はいかがですか。

:2023年4月頃から半年ほど使ってきましたが、非常に使いやすいです。セグメントの自動更新機能で特定のお客様をグループ化し、適切な商品情報を自動配信できるようになり、反応もいいです。

竹内:アルペンさんはやりたいことを明確にオーダーくださるので、我々としてもサポートしやすいです。

:加えて、プレイドさんから適切なデータベース項目の持ち方を提案いただきました。1,100万人分のオンライン・オフラインの購買データとなるとその数は膨大ですが、いくつかのマスターデータを別々に分けて「あとからつなぎ込む方が使いやすいですよ」とアドバイスをいただいて。

弊社は商品数も多く、商品の分類変更などが起きた際にデータの修正が非常に大変です。しかし分けて管理したことで微小な修正で済むようになりました。こういった使えるデータとなるようサポートいただけたのは心強かったです。

お取り組みを進めていく上で大変だった点はありますか。

:以前のツールは導入時に私が担当ではなかったこともあり、何のデータがどこにあるかわからなかった点が大変でした。その経験も踏まえ、現在はBigQueryにあるデータをKARTE Messageが参照する形になっています。もし今後ツールの移行が発生したとしても連携を切り替えるだけなので、安心です。

竹内:データの置き場所は、他のお客様でも課題になりやすいです。そこでBigQueryを参照する形であればデータマネジメントがしやすくなります。またKARTE Messageのデータも、管理画面で列名に日本語を付与したほか、各テーブルのデータに内容や単位をつけ、わかりやすくデータ管理することをご提案しました。

和田:もし他のツールに移行することになったとしても、「一生使える」データになるよう意識しています。

24時間かかっていた工数が10秒に短縮

KARTE Messageを導入した成果はいかがですか。

:配信に要する作業時間が劇的に減りました。以前は24時間以上かかることもあったセグメント作成の時間が10秒程度になり、配信終了までに数時間かかっていたものが半分の時間に短縮されました。おかげで、その商品が実際に使われる場面やシーン、タイミングを想像し、そこから逆算して配信時間や内容を吟味できるようになりました。

KARTE Messageでは、配信のセグメントも一度つくった条件をドラッグ&ドロップで組み合わせられます。たとえば各都道府県のセグメントをつくっておけば、東京と千葉の会員様に情報を配信する際、その2つを数秒で設定できます。そうした工数が大幅に削減されました。

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マスターリストから過去に作成した条件でフィルターをかけ、リストの絞り込みを設定する際の操作イメージ

施策の面ではいかがですか。

:KARTE Messageで「1ヵ月で2回以上同じ配信をしない」という制御機能をつけていただいた点がよかったです。連続で同じような内容が届くと不快に感じてしまうお客様もいらっしゃると思いますので、体験の質が下がり受信停止をされてしまう可能性もあります。そうなると何も情報が届けられなくなってしまいますので。

KARTE Messageの導入によってチーム内の会話に変化はありましたか。

:企画を手がけるプランニングのチームなどから「もしかしてこんなことできる?」と相談を受けることが増えました。

以前のツールではセグメント作成だけでも膨大な時間がかかっていたほか、レポートの生成も料金が発生していたので「できない」と答えざるを得なかったので、大きな変化ですね。今はクエリ数課金なので気軽に調べられるようになりました。プランニングのチームはお客様の立場で施策を考えるのが得意なので企画の幅も広がっています。たとえば「メールを配信した人のうちまだ買っていない人」などもセグメントできるようになりました。

ECサイトやオフラインとも連携し、OMOにもチャレンジ

今後の展望をお聞かせください。

:メール配信では、セグメントの切り口を変えて会員様と深いコミュニケーションを重ねられるように活用していきたいと思います。また、以前からECサイトで使っているKARTEとKARTE Messageを連携させ、サイト内外でシームレスな体験を実現したいです。

また、オフラインでのデータを活用した配信やOMOにもチャレンジしたいと考えています。

竹内:KARTE Messageでの施策は、ECサイト内の施策ともシームレスにつながっていることが理想です。今後はECサイトでの行動データと掛け合わせてパーソナライズやタイミングの最適化を図るなど、相互にシナジーを起こすようなご支援もできればと考えています。

:KARTE Messageを導入したことでできることが増え、「ほかにもこんなことができるかもしれない」と活用のイメージが広がってきました。この半年間でプレイドさんに色々なアップデートをしていただきましたが、今後どんなことが一緒にできるのか、楽しみにしています。


KARTE Messageで1to1コミュニケーションを実現
CXの向上・業務プロセスの効率化を実現する「KARTE Message」の5つの特徴をご紹介します。詳しくはKARTEのサイトからご確認ください。

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