お客さまの困りごとを深掘りし、一人ひとりに合わせて解決先を提示。東京ガスが実践する顧客体験を向上させるWebサポートとは

お客さまの困りごとを深掘りし、一人ひとりに合わせて解決先を提示。東京ガスが実践する顧客体験を向上させるWebサポートとは

東京ガス株式会社 様

東京ガス株式会社(以下、東京ガス)カスタマー&ビジネスソリューションカンパニー CX推進部デジタルマーケティンググループでは、近年、家庭用Webページや会員制サイト「myTOKYOGAS」をはじめ、スマートフォンアプリ、メール、LINEなど、お客さまとの「デジタル接点」を強化しています。

同社はこれまでリアルでの接点を大切にしてきましたが、電気やガスの自由化、スマートフォンの普及が進んだ近年では、お客さまから選ばれ続けるための「デジタル接点」の強化も欠かせません。

同部署では、デジタルコミュニケーションツールを使った顧客体験の向上を目指し「KARTE RightSupport」を導入しました。

本記事では、CX推進部デジタルマーケティンググループ/マネージャーの及川様と、同じくCX推進部デジタルマーケティンググループの杉﨑様に、KARTE RightSupportを導入した背景や導入の効果を伺います。

「FAQでのサポートだけではお客さまに寄り添えていない」という悩み

ーーはじめに、御社の事業内容を教えてください。

及川様:東京ガスは、日本最大の都市ガス事業者として、首都圏を中心にガスや電気を供給しています。私が所属するCX推進部デジタルマーケティンググループの主な業務は、お客さま向けのデジタルコミュニケーションツールの開発・運営です。

ーーKARTE RightSupportの導入前は、どのような課題があったのですか?

及川様:「myTOKYOGASの会員登録やログインでつまずくお客さまへのサポート」です。当時は、お客さまがつまずいた際に、サイト上のFAQからお客さま自身で解決策を探してもらっていました。

FAQは必要な情報を網羅していますが、たくさんの情報の中からお客さまご自身で解決方法を探していただくのはご負担になっているのではないかという思いもありました。

「お客さまの困りごとに合わせて、解決方法を能動的に提示できないか」と考えていたときに出会ったのがKARTE RightSupportです。

CX推進部デジタルマーケティンググループ/マネージャー 及川様

CX推進部デジタルマーケティンググループ/マネージャー 及川様

杉﨑様:KARTE RightSupportなら、Google Analytics(以下GA)ではわからないお客さまの行動を分析でき、チャットボットでは難しいお客さまに合わせた細かいサポートができるとわかったので、迷わず採用しました。

Google Analyticsに比べ、お客さまがつまずくポイントを具体的に把握できる

杉﨑様:GAでは、「お客さまがどのページをどの順番で閲覧したか」などは把握できます。もう少し具体的に言うと「会員登録のページで離脱していることはわかる」ということです。

しかし、会員登録ページで離脱していることはわかっても、「会員登録ページのどの情報を入力する段階で離脱しているか」はGAでは把握できません。結果として、会員登録ページの中でも、特にどこを改善すればいいかわからないというわけです。

この点、KARTE RightSupportなら「どのページの、どの部分で離脱しているか」を把握できるので、具体的な改善ポイントがわかります。さらに、KARTE Liveを使えば、離脱しているお客さまがどの画面でどう行動したかを動画で観察できるため、より細かい分析も実施できます。


チャットボットと併用することで、よりお客さまに合わせた細かいサポートができるように

ーー「つまずくお客さまへのサポート」という意味で、チャットボットと比較するといかがですか?

及川様:チャットボットも良いのですが、お客さまが利用するためにはチャット画面を起動しなければいけませんし、お客さまが自分で質問して回答を得る必要があります。お客さまが必ずしも自分の疑問を言語化できるとは限らないため、チャットボットを使って質問するのは意外と難しいものです。

そこで、お客さまの状況に合わせて「必要なタイミングで、必要な情報を、こちらからピンポイントで提示すること」を、チャットボットと併用することはできないかと考えていました。

例えば、お客さまがログインで失敗したとき「ログインにお困りですか?」とポップアップで自動的に表示できれば、お客さまはチャットボットに質問する必要がありません。

また、ポップアップでの情報で解決方法がわからなくても、そのポップアップで表示した画面で問い合わせ窓口を案内できれば、スムーズにサポートできます。

このように、お客さまが困ったときに解決方法を提示しつつ、必要に応じて問い合わせ窓口を案内できるのは、KARTE RightSupportしかありませんでした。

CX推進部デジタルマーケティンググループ/杉﨑様

CX推進部デジタルマーケティンググループ/杉﨑様

杉﨑様:前職で、さまざまな会社の人におすすめのWEB接客ツールを聞いて回っていたとき、多くの方が「行き着く先はKARTEですよね」と声を揃えていたのも印象に残っています。ポップアップを出すだけなら簡単ですが、分析やLiveなど、これほど機能が充実しているのはKARTEだけでした。

お客さまの課題を具体化して深堀できるように

ーーKARTE RightSupportを導入して、どのような効果がありましたか?

杉﨑様:これまで把握できていなかった「お客さまがつまずく理由や背景」と「困ったお客さまが具体的にどう行動しているか」が明確になりました。

KARTE RightSupportのレポート画面

ユーザーごとのページ遷移や滞在時間が一目でわかる

​ お客さまがつまずく理由を特定し、解決方法を届けられるように 

 杉﨑様:KARTE RightSupportの導入前から、会員登録ページの離脱率が高い原因を探していたのですが、GAでは「なぜ離脱しているか」まで深掘りできません。KARTE RightSupportを使って分析すると、お客さまが会員登録する際に「どの項目を入力する際にエラーが発生し離脱しているか」が明確になりました。 

そこで、エラーが発生したお客さまに向けて解決方法をポップアップで提示すると、30%ものお客さまがポップアップをクリックしていました。 

ーー基本的にポップアップのクリック率は高くても10%ほどなので、かなり高い数字でしたね。 

杉﨑様:そうですね。想定よりも多くのお客さまがポップアップをクリックしていることに驚きました。お客さまは、ポップアップの情報が不要と判断したらクリックしません。「お客さまの困りごとに合わせて解決方法を提示できている」からこそ、一般的な数値よりもクリック率が高くなったのだと思います。 

導入前、お客さまが不満を持ちながら何も言わずに離脱していた可能性があった。そう考えると恐ろしいばかりです。

​ 困ったお客さまの具体的な行動が明確になり、対策が打てるようになった 

 杉﨑様:KARTE RightSupportの導入前は、会員登録の際、メールアドレスの登録でつまずくお客さまが多くいました。しかし、メールアドレスを登録できないお客さまが、どのように行動しているかがわからず、対策を打てずにいました。

KARTE RightSupportで分析すると「すでに登録してあるメールアドレスを何度も入力している」お客さまが多くいることがわかりました。 

そこで、メールアドレスの入力で止まってしまうお客さまに絞って、ポップアップを出すようにしました。こういったポップアップの設定を、KARTE RightSupportでおこなえば、既存のWebサイトに簡単に反映できるのも便利ですね。

​ 「素早くリリースして、実データを得る」文化が形成

 ーーその他に、KARTE RightSupportを導入した効果はありますか? 

杉﨑様:業務において「気づきや学びを得るまでのスピード」が上がったと感じています。 

以前は、新しい機能をリリースした後の「分析」に時間がかかるうえ、分析してもお客さまのつまずくポイントが具体的にはわかりませんでした。また、リリースしたものの、お客さまの行動が仮説と違うことがあり、「仮説の再検証」にも時間がかかっていたのです。

すると、次に起こるのは「改めて分析を重ねてから修正版をリリースすること」です。このサイクルでは時間がかかり続け、その間に外部環境が大きく変わり、すべて徒労に終わる。こうしたケースもありました。

この点、KARTE RightSupportを使えば、新機能をリリースした直後からお客さまがつまずくポイントが見えてきます。気になる行動をしているお客さまがいた場合、KARTE Liveを使って実際にページを閲覧している様子を観察することも可能です。

リアルタイムで、ユーザーの行動を把握できる

​ リリースすることでお客さまのつまずくポイントがわかるようになるため、仮説を立てる作業に時間をかけず「リリースしながら分析を繰り返し精度を高めていく」という手順に変わりました。

KARTE RightSupportを導入するまでは、分析に時間がかかり手をつけられない施策も多くありました。しかし、導入後はリリースまでのスピードがはやくなったうえ、リリース後すぐに分析して改善につなげられるので、精度の高い施策がはやく打てるようになっています。

​お客さまがマイページを使いこなすために活用し、サポート不要な状態を目指している

 ーーKARTE RightSupportの今後の使い方について教えてください。 

杉﨑様:今後は、「myTOKYOGASを使い始めたお客さまに対して、KARTE RightSupportで操作方法や仕様を案内する」といったように、お客さまがmyTOKYOGASを使いこなすためのサポート役としても活用しようと考えています。

 また、契約したばかりの人が「myTOKYOGASを使ってどんな情報を知りたいのか」というニーズを探るためにも利用したいです。

及川様:理想は、myTOKYOGASを利用するお客さまが困りごとを抱えない状態だと考えています。

お客さまがmyTOKYOGASを利用しているとき「FAQが不要である = わかりにくい点がない」という状態を目指していますが、今すぐに改善できないことも多いです。

そのため、お客さまが疑問を持ってもすぐに解決できるよう、KARTE RightSupportを使って日々できることから改善を重ねています。

また、私たちの取り組みを知ってほしいという想いがあり、noteでの発信も始めました。さまざまな形で、お客さまとの接点を強化していきたいと思っています。 

ーー御社の発展を全力でサポートいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。 

及川様:KARTE RightSupportの活用とは違う内容でも、さまざまな点でご相談させていただけるので、とても頼りにしています。 

これからも、多方面で当社の課題解決のためにご協力いただけると幸いです。 

ーー本日はありがとうございました。

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