用語解説

ホワイトペーパーを活用するには?顧客の信頼を得るために気をつけたいポイント

近年、BtoB領域を中心に、ホワイトペーパーをマーケティングに活用する企業が増えています。 今回はホワイトペーパーが注目されている背景や、活用において注意すべきポイントを解説します。

近年、BtoB領域を中心に、ホワイトペーパーをマーケティングに活用する企業が増えています。

今回はホワイトペーパーが注目されている背景や、活用において注意すべきポイントを解説します。

マーケティングにおけるホワイトペーパーとは?

元々、ホワイトペーパーは政府や公的機関が発行する白書を意味する言葉。マーケティングにおいては、自社サービスやプロダクトの概要や導入事例、顧客の抱えている課題への解決策、業界動向、調査結果などをまとめた資料を指します。

ホワイトペーパーを制作する目的とは?

ホワイトペーパーを制作する目的は複数あります。一つは、自社のサービスやプロダクトを知らない顧客(潜在顧客)が関心を持つ情報を届け、認知を得ること。その際、ホワイトペーパーを閲覧・ダウンロードする際、氏名やメールアドレスなどの入力を促し、継続的なコミュニケーションを図るケースも少なくありません。

また、カスタマージャーニーの「認知・興味関心」段階の顧客に、サービスやプロダクトをより理解してもらう目的で制作される場合もあります。資料請求や問い合わせ、セミナー参加などコンバージョンの手前にある行動へ導く、「リードナーチャリング」の手段として活用されています。そうした顧客向けのセミナーや展示会でホワイトペーパーを資料として利用している企業もあります。

他にも、既存顧客がサービスやプロダクトをより便利に使うための情報を届けロイヤリティを高めてもらう、あるいは特定の分野において業界内での認知向上を図るために活用されています。

BtoB領域で活用されるケースが多いホワイトペーパー

ホワイトペーパーは、とりわけBtoB領域で、効果的なマーケティング手法として注目されています。調査によると、企業でサービスやプロダクトを購買する担当者の78%が比較検討の際にホワイトペーパーを参照しているそうです。

背景にはBtoB領域の扱うサービスやプロダクトの特性があります。一般的に、BtoCに比べ、BtoBのサービスやプロダクトは専門性が高く、一度の購入にかかる金額も大きくなります。購入に至るまで複数人での検討を要するケースも多々あります。

そのため、顧客はより信頼性と専門性が高く、詳細な情報を必要としています。そうしたニーズに応える手段として、一定の時間とコストをかけ、詳細に情報を共有できるホワイトペーパーが活用されているのです。

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例えば、『Amazon』は自社のクラウドコンピューティングサービス「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」の概要や具体的な活用法、導入事例、EUデータ保護などの業界動向を、ホワイトペーパーにまとめて公開しています。潜在顧客から既存顧客まで、カスタマージャーニーの各段階の顧客にとって役立つ情報を届けています。

ホワイトペーパーを活用する上で気をつけるべきポイント

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ホワイトペーパーを効果的に活用するには、いくつか気をつけるべきポイントがあります。

1.顧客の抱える課題に答えるテーマを設定する

まず、届けたい顧客を定め、彼らにとって役立つテーマを設定しましょう。カスタマージャーニーにおいてどの段階にいるのか、どのような課題を抱えているのか(他のプロダクトやサービスと比較検討したいのか、単に業界のトレンドを知りたいのかなど)によって、届けるべき情報は異なります。

また、顧客の求めているテーマであっても、自社の知見や専門性が活きない、すでに多くの情報が出回っている場合は、別のテーマを設定した方が良いでしょう。

例えば営業支援システムの『Salesforce』は、営業支援システム(SFA)に関心のある顧客に対し「いまから始める営業支援システム SFAを決める前に知っておくべき10の基礎知識」と題し、SFAの導入に必要な知識をまとめています。

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すでにSalesforceの利用を検討している顧客に対しては、「自社サービスを活用した具体的な事例、知らぬ間に増えた業務システムと「巨大Excel」や、「営業赤字13億円からの黒字回復!老舗企業ゆえに陥った成長鈍化の罠、その脱出劇」など、より具体的な改善事例をホワイトペーパーで紹介しています。

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2.読み進めたくなる構成とフォーマットを練る

ただ情報を並べるだけでは読み手の集中も途切れてしまいます。興味を持って読み進められ、ホワイトペーパーを読了後の読み手の気持ちの変化を意識して構成を検討ししましょう。

ホワイトペーパーの作成支援外資系企業『FOLEON』は、ホワイトペーパーにおいても「背景の提示」「転換点」「結末」といった、物語の構成に沿って情報を配置する重要性を指摘しています。例えば、Salesforceの改善事例をまとめたホワイトペーパーでは、冒頭でどのような課題があったのか、社員の声を引用しながら共有。その上で、サービスやプロダクトをどのように活用したのか、どのような効果があったのかを伝えています。

また、ホワイトペーパーは数ページから数十ページのドキュメントやスライド形式が多いですが、目的に合わせて他のフォーマットも検討しても良いでしょう。

マーケティングオートメーション(MA)ツールを扱う株式会社ギブリーは、MAという概念をできる限り簡単に解説するため、マンガ形式でホワイトペーパーを制作しました。累計の印刷部数は1万部、ダウンロードも200件を超えるなど、同社の制作したホワイトペーパーのなかでも評判が高かったそうです

3.視覚的な読みやすさやデザイン性を高める

内容だけでなくデザインにもこだわりましょう。小さな文字だけで書かれたホワイトペーパーは、顧客も内容を理解しづらく、必要な情報も見つけづらいです。複雑な概念の説明には適度に画像や動画、グラフ、インフォグラフィクスを用いると、理解しやすくなります。また、重要なポイントを太字にする、あるいは冒頭に箇条書きするなど、読み手が必要な欲しい情報を素早く得られるような気遣いも重要です。

ホワイトペーパーはパソコンだけではなくスマートフォンから閲覧される場合も多々あります。スマートフォンからもストレスなく閲覧できるよう、文字の大きさやデザインを調整できると良いでしょう。

4.届ける経路を設計する

制作したホワイトペーパーを自社のウェブサイトやSNSに掲載するだけでは、届けられる顧客の数は限られます。

とくに、潜在顧客にホワイトペーパーを届けたい場合、FacebookなどのSNSやニュースサイトへの広告出稿、プレスリリースの配信なども検討しましょう。最近では業種別にホワイトペーパーを検索・閲覧できるサイトも増えています。

複数のホワイトペーパーを用意できている場合、顧客の属性や閲覧情報などの行動履歴、カスタマージャーニーに合わせ、表示する内容を出し分けることも効果的です。

例えば、初めてウェブサイトを訪れた顧客にはプロダクトへの理解が深まる内容、何度か訪問し、検討段階にある顧客には具体的な導入事例を紹介する内容など、彼らにとってより役立つ情報を届ることでコンバージョンに至る可能性は高まります。

すでにメールアドレスを知っている顧客には個別でメールを配信する、セミナーや展示会に訪れた人には資料としてホワイトペーパーを配布するなど、顧客との接点で配布する機会がないか検討すると良いでしょう。

5.読んでもらった後のネクストアクションを設計する

顧客にカスタマージャーニーにおいて次の段階へ移ってもらうためには、ホワイトペーパー を読んだ後のアクションに合わせ、導線を設計することが重要です。

例えば「認知・興味関心」の段階にいる顧客に、詳細資料をダウンロードしてもらうなら資料のリンク、セミナーへ参加してほしい場合は申し込みフォームへの案内をホワイトペーパー内に載せておきましょう。

BtoBマーケティングツールの『ferret One』は、機能にまつわるホワイトペーパーなら、末尾に該当機能を体験できる無料セミナーやデモ体験を案内するなど、内容ごとに異なる導線を設定しているそうです

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ホワイトペーパーは顧客に寄り添い、信頼関係を築く上で重要な手段です。作って終わりにならないよう、いつ誰にどのように届けるかを考え抜き、マーケティングに活かしていきましょう。

CXプラットフォーム「KARTE」のホワイトペーパー

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最後に、弊社の提供するCXプラットフォーム「KARTE」のホワイトペーパーをご紹介します。プロダクト、業界、または職種によって複数のホワイトペーパーをご用意し、それぞれに特化したユースケースを多数掲載しています。

【概要】

【業界別活用事例集】

【職種別活用事例集】

ご興味いただけるものがあれば、ぜひこの機会にダウンロードしてみてください。

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