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ユーザーは“全体像”ではなく、“N1”で理解する。2000万人が利用するDELISH KITCHENが実践する、個人の「期待」に寄り添った接客とは

ユーザーは“全体像”ではなく、“N1”で理解する。2000万人が利用するDELISH KITCHENが実践する、個人の「期待」に寄り添った接客とは

2nd Sep, 2020

堀田 敏史

堀田 敏史

ほった・としふみ

株式会社エブリー DELISH KITCHENカンパニー ユーザーグロース部 副部長

1987年生まれ。2011年グリー株式会社入社。エンジニアとしてソーシャルゲームの企画/開発、新規事業領域での開発に従事。その後、起業、フリーランスを経て、2016年株式会社エブリー入社。現在はプロダクトマネージャーとしてDELISH KITCHENのユーザーグロースを担当。

2020年7月15日、CX(顧客体験)に取り組む企業の最新事例から、ユーザーの体験価値を創出するための思考を学べるカンファレンス「KARTE CX Conference」が開催されました。

KARTEを導入する企業をゲストにお招きしたセッション「CX Case Study」では、KARTEの活用事例だけでなく、CXを向上するための考え方や取り組みを紹介いただきました。

本記事では、2,000万人以上に利用されているレシピ動画メディア「DELISH KITCHEN(デリッシュ キッチン)」を運用する株式会社エブリー ユーザーグロース部の堀田敏史氏が登壇されたセッションを取り上げます。

堀田氏の口から語られたのは、「『全体像』だけでなく、『N1』でユーザーを理解し、個人に合ったアプリ体験を提供する」重要性でした。KARTEを活用しながら、どのように一人ひとりのユーザーを深く知り、施策に落とし込んでいるのでしょうか?

「全体像」だけではなく、「N1」でユーザー理解を深めるために

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「だれでも簡単においしく作れるレシピ」というコンセプトを掲げる「DELISH KITCHEN」では、管理栄養士の監修のもとでレシピを考案。献立のサポートはもちろん、スーパーのチラシ掲載やオンライン調理レッスンなどの機能も提供しています。

バラエティ豊富なレシピ、多種多様な機能——備わっているものが多いサービスほど、ユーザーが求める体験は多様化します。「全体の満足度を向上するためには、その一つひとつを尊重し、応える必要がある」堀田氏はその重要性を感じていたと言います。

堀田氏 「一人ひとりのユーザーの生活スタイルや嗜好によって、私たちが提供すべき機能や改善点は変わってきます。例えば、冷蔵庫にある豚バラ肉で料理をする場面。仕事や子育てで忙しい方は、レンジで作れる角煮など『時短』重視のレシピが気になるかもしれません。栄養バランスを気にする方は『野菜がたくさん摂れる』サラダうどんを、夏バテ予防を望む方は『ガッツリ系』の丼ものを求めているのかもしれない。

個人に合った体験を提供するために、まずはユーザーごとのニーズや行動の分析に注力する必要がありました」

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個々のニーズに応えるため、「STPD」のフレームワークをベースに、改善に乗り出します。STPDとは、See:観察、Think:分析・思考、Plan:計画、Do:実行の頭文字をとった改善サイクルのこと。PDCAなどのフレームワークと比較すると、ユーザーの観察、理解に重点が置かれている点が特徴です。

STPDでは、まずはユーザーを「よく見る」ことから始めます。アンケートやインタビュー、自社のログ基盤に蓄積されたデータを活用し、ユーザー理解を進めようと試みました。

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ところが、一人のユーザーを深く理解する「N1」での深堀りは、思うように進みませんでした。

堀田氏 「一人ひとりのユーザーはどのようにアプリを利用しているのか、つまづいているポイントはあるのか、あればどこなのか、原因は何なのか……。分析のためにN1でアプリの行動フローを把握しようにも、データ構造上、手間がかかってしまっていたのと、仮設の立案から実装までには開発が必要なこともあり、その仮説を検証するまでに時間がかかってしまう課題がありました」

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2,000万人以上のユーザー、一人ひとりのニーズに寄り添うためには、STPDを高速に回して改善を重ねる必要がある。その中でも実際のアプリの使われ方、行動データからN1でのユーザー理解を深めながら、仮説検証、改善の流れを速めるためには、どうすればいいのか?たどり着いたのが、KARTEの導入でした。

ユーザーの“期待”に合った機能の提案で、利用率1.5倍アップ

KARTEの導入後、N1の行動やニーズの分析を改めてスタート。具体的には、アンケートやインタビューなどの従来の手法に加え、KARTEでユーザーのアプリ内行動データを分析。なかでも、個別のユーザーの来訪ログと、来訪時に発生したイベントを可視化できる「ユーザーストーリー」の機能を重宝していると言います。

堀田氏 「行動データを見ながら、つまづいている部分がないかを注視しています。ユーザーが課題を抱えている場面を見つけたら、どういうユーザー体験であるべきかのカスタマージャーニーを元に、解決策を検討して施策に落とし込み実行します。

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ユーザーストーリー画面

分析によって見つけた「つまづき」の例として挙げられたのは、「アプリをダウンロードしたばかりのユーザーが、望む機能をすぐに見つけられていない」こと。ユーザーは様々な「期待」を抱いてアプリをダウンロードしますが、いざアプリを開いたときに、期待に合った機能にたどり着けていなかったのです。

これを受けて、同社はアプリの新規ユーザーの導線を変更しました。広告流入の場合は流入元の広告で紹介した機能に早くたどり着くためのポップアップを表示、広告ではないオーガニック流入の場合はアンケートでニーズを把握し機能を提案。様々な機能があるなかで、ユーザーが必要としている可能性の高い機能の利用を促しました。

堀田氏 「DELISH KITCHENには、近くのスーパーの特売情報をチェックできる機能があります。その機能を訴求する広告からアプリをダウンロードしたユーザーに、アプリ内での利用を促したところ、未実施の場合と比べて、同機能の利用率が1.5倍アップしました」

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堀田氏 「オーガニック流入の場合は、『チラシをチェックしますか?』などの質問をアンケートで聞き、その回答によって勧める機能を変えています。アプリをダウンロードしたときのモチベーションや期待は、ユーザーによって異なる。その一つひとつに応える姿勢が重要なんだと、改めて実感した例でした」

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アプリを立ち上げた際に表示されるアンケート

上手くいかないときこそ、原点の「ユーザー理解」に立ち戻る

KARTEを活用しながら、N1でのユーザー理解、接客に奔走してきた堀田氏。これまでの運用から、KARTEのどのようなところに魅力を感じているのでしょうか?

堀田氏「ひとつは、ユーザーのアプリ内での行動をN1で深く掘り下げられることです。先ほど紹介した『ユーザーストーリー』を見れば、ユーザーのアプリ内のアクションが分かるので、課題発見はもちろん、ニーズに合わせて提案した機能がちゃんと使われているかを確認するときにも活用しています。

もう一点は、仮説検証のプロセスを早く回せる仕組みが充実していること。ABテストを実施するときも、KARTE内にある接客テンプレートを利用すれば、エンジニアやデザイナーの工数をかけずに実施できます。自分たちでデータを集計せずとも、KARTEを見れば結果を簡単に確認できる点もありがたいですね」

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全体像だけでなく、N1でのユーザー理解を深め、STPDのサイクルを高速化する——KARTEを導入する前の課題は、着実に改善に向かっています。ですが、挑戦の幅が広がった分、浮き彫りになる問題も。DELISH KITCHENの挑戦は、まだまだ続きます。

堀田氏 「施策を進めていく中で、ユーザー理解がまだ不十分だと感じる部分も多く、接客が上手く機能していない事例もあります。

そんなときこそ原点に立ち戻り、N1でのユーザー理解を深め、ユーザー視点でサービス設計や改善を考える姿勢を大切にしたいですね。今後も一人ひとりのユーザーの行動を掘り下げながら課題と向き合い、アプリの改善はもちろん、サービス全体の改善に力を入れていきます」

どれほどユーザー数が増えても、向き合うべきはたった一人の人間である。そう再確認するセッションでした。

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