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“オンリーワン”の体験価値はファンとの共創から生まれる。mineoの実践するコミュニティづくり

“オンリーワン”の体験価値はファンとの共創から生まれる。mineoの実践するコミュニティづくり

19th Aug, 2020

谷 真治

谷 真治

たに・しんじ

株式会社オプテージ モバイル事業戦略部 コミュニティマネージャー

大学卒業後、社内IT部門にて情報システム開発やIoTサービス開発を担当。その後、2018年6月より「マイネ王」のコミュニティマネージャーに就任。ファンとサービスを創りあげる共創戦略を軸に、ブランド戦略やコミュニティ戦略 / 運営、ファンの声を元にしたサービス開発業務に従事。

市場に商品やサービスが溢れる今。企業が顧客に選ばれるためには、価格や機能の良し悪しだけではなく、より顧客に向き合い自分たちならではの価値を届けることが一層重要になります。

2020年7月15日に開催された「KARTE CX Conference 2020」内のセッション「mineoが考えるCX戦略~ファンとの共創でオンリーワンの存在へ~」では、株式会社オプテージ モバイル事業戦略部コミュニティマネージャーの谷真治氏が登壇。

格安スマホ通信サービス「mineo」を運営する株式会社オプテージ(以下、オプテージ)は、ファンとの共創によって“オンリーワン”の体験価値づくりに取り組んできました。今回は、mineoのコミュニティサイト「マイネ王」を軸にしたファンとの共創の取り組みやKARTEを活用した施策について語っていただきました。

価格や機能で勝つよりも“ファンにとってのオンリーワン”

なぜmineoはファンとの共創を重視するのか、背景にある市場の状況について谷氏が語ります。

谷氏 「モバイル通信市場では、法改正による機能やサービスの均質化と、価格競争の激化が進んでいます。機能やサービスで違いを出すのは難しいため、どの企業も価格で競争する。そうなると結局、安いプランを提供したりマス広告を打ったりする体力のある企業が有利です。

そのなかでmineoのサービス開始は2014年。市場では後発です。不利な状態から成長するためにどうすれば良いのか。考えた末にたどり着いたのが、『ファンとの共創』でした。mineoに愛着や共感を抱いてくれているファンと一緒に、mineoでしか得られない体験価値を創っていけないか。そうすれば、機能や価格以外の部分で、顧客に選んでもらえるのではないかと考えました」

では、ファンとどのような体験価値を共創するのか。mineoは「機能的価値」「情緒的価値」「社会的価値」に分類して、取り組みを整理しました。情緒的価値は、mineoを利用して得られる「楽しい」や「心地よい」といった感情の価値、社会的価値はmineoを通して社会の役に立つ経験の価値を指します。差別化の難しい機能的価値ではなく、情緒的価値や社会的価値を創ることへの挑戦を始めたのです。

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mineoにしかない体験価値を“共創”するコミュ二ティ

情緒的価値と社会的価値を共創するため、mineoが2015年に立ち上げたのがコミュニティサイト「マイネ王」。マイネ王を起点にオンラインとオフラインを融合したファンづくりに取り組んできました。

谷氏 「オンライン(マイネ王)では、スタッフ(社員)が情報発信するスタッフブログや、ファン同士でスマホに関する疑問を解決するQ&A、ファン同士が自由に交流する掲示板などで、ファンとスタッフ、ファン同士が積極的にコミュニケーションを図っています。

mineoを身近に感じてもらえるよう、スタッフにはブログもコメントも個人名で投稿してもらっています。サービス内容や背景を自分らしい言葉で発信してほしいので、内容について上司の承認も必要ありません。

オフラインでは、mineoに関するクイズや懇親会などを通じてmineoの独自価値に触れてもらう『ファンの集い』や、mineoの現状と今後を半日かけて熱く議論しファンとの共創を体現する『オフ会』を開催しています。どちらもスタッフとファンが互いを深く知るための貴重な機会です」

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谷氏は価値を共創するためのユニークな取り組みとして、ファンが講師を務める「格安スマホ相談会」、余った通信容量を分け合う「フリータンク」を挙げます。

谷氏 「格安スマホ相談会では、強くmineoに共感しているファンの方がボランティアで講師を務めてくださっています。ユーザー目線で格安スマホを検討している方や利用し始めた方の困りごとに答えていて、私たちも学びが多いです。

『フリータンク』は、余った通信容量を共通の“貯蔵庫”に保存しておくと、月末や災害時など必要なときに、他のファンが利用できる仕組みです。日々、全国のファンの間で助け合いが生まれています。

通信容量の残量や推移もファンと共有しており、過去に残量が枯渇しかけたことがありますが、その際はサービスに込めた想いやルール変更案を事前に共有する等、都度一緒に議論しながらサービスを共創しています。」

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マイネ王を起点とした取り組みを始めて以来、NPS®や顧客満足度、紹介加入率は着実に向上したそうです。いずれも業界平均に比べて高い数値を維持し、紹介からの加入率も増加したと谷氏は語ります。

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多様なファンのニーズに応えるKARTE活用方法

マイネ王の会員数は、2017年の14万人から2020年6月には62万人と、大幅に増加しました。増加に伴い、マイネ王を利用するファンの属性や利用目的も多様化。それらを理解した上で一人ひとりに合わせたコミュニケーションを図るためにKARTEを導入しました。

谷氏 「KARTEでは、顧客一人ひとりに寄り添った柔軟なコミュニケーションを設計できます。契約前だけでなく契約後のカスタマージャーニーを整理し、マイネ王を認知してからコミュニティで積極的に活動するまでのフェーズに合わせて施策を行なっています」

谷氏はマイネ王でのコミュニケーションのきっかけを増やすための施策を例として紹介してくださいました。

谷氏 「例えば、互いのコメントにリアクションする『ナイス!』機能を紹介するポップアップを配信しました。一定時間ページを閲覧したファンに絞って配信をテストした結果、閲覧数あたりのナイス!率は37%も向上しました。

また、スタッフブログにコメントをしたことがない方には、ブログを最後まで読み終えたタイミングで、コメント機能を伝えるポップアップを表示しました。これも表示してから、閲覧数あたりのコメント率は22%増加しています。パブリックな場にコメントするのはハードルが高いなか、これだけコメントしてくださっているのは嬉しいですね」

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ファンの反応を踏まえてクリエイティブを繰り返し改善

一つひとつの施策でABテストを繰り返し、ファンにとって最適なメッセージやクリエイティブを探っています。

谷氏 「パケットが得られるコンテンツについて伝える施策では、試行錯誤の結果、他のパターンよりも4.2倍もクリック率の高いクリエイティブを特定できました。KARTEではエンジニアの力を借りずとも文言やクリエイティブなどの細かいチューニングを行えます。素早くPDCAを回すことができるので助かっています」

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谷氏はこうした施策のPDCAを回すなかでも、ブランドステートメントにある「『誠実』であり続けます」を体現できるよう心がけてきました。

谷氏 「私たちの施策で、ファンの行動を邪魔してしまうようなことは避けなければいけません。そのために誰に、どのタイミングで、どう伝えるか、ファンの立場に立って考え、コミュニケーションしていきたいと考えています」

ファンの体験価値向上のために“誠実”にアクションし続ける

「ファンが何を求めているのか」と向き合う姿勢はコミュニティの未来を考える上でも徹底されています。

谷氏 「以前、マイネ王の印象をファンに調査したところ、『スタッフとの距離が近い』や『雰囲気がいい、優しい』といった声とともに、『生き生きしている』や『なりたい自分になれる』といった声も挙がっていました。それをみて、もっと多くのファンの自己実現を後押しできないかと思ったんです。

マズローの5段階欲求に照らし合わせると、安くて安定した回線は生理的な欲求や安全の欲求を満たすもの、マイネ王を起点としたファンコミュニティは社会的欲求を満たすもの。『なりたい自分になる』というのは、その上位にある承認欲求や自己実現欲求に当てはまるのではないかと考えています。

今後は『なりたい自分になれる』コミュニティへと進化し、さらにmineoの体験価値を向上させていきたいです」

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すでにmineoでは全国のアーティストを応援する企画や、個人の挑戦や夢を応援する企画ど、自己実現のためのコミュニティに向けた取り組みを進めています。

市場で勝つためではなく、顧客の体験価値を高めるために“誠実”にアクションし続けること。その積み重ねこそがオンリーワンの体験価値を提供するのだと実感するセッションでした。

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