KARTEで顧客を知り、合わせる。プレイドが取り組む、受注につなげるための体験設計

プレイドでは、これまでより一層サービスサイトなどを活用し、商談の機会を増やすトライをしていくためにプロジェクトチームを発足。KARTEのサービスサイトにおけるKARTEを用いるなどして、お客様への理解を深めてニーズに寄り添ったコミュニケーションをとれるよう、様々な施策を実行していきました。その結果、それまで月数件程度であったオンライン商談の申し込みも月30件まで増えるなど、成果も上げています。プロジェクトチームは、どのようにKARTEを活用し、成果を出したのでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大により、対面で会う機会や展示会などが大幅に減少する中で、企業のセールス活動におけるオンラインでの接点づくりの重要性が高まっています。

プレイドも、これまでより一層サービスサイトなどを活用し、商談の機会を増やすトライをしていくためにプロジェクトチームを発足。KARTEのサービスサイトにおいてKARTEを用いるなどして、お客様への理解を深めてニーズに寄り添ったコミュニケーションをとれるよう、様々な施策を実行していきました。

その結果、それまで月数件程度であったオンライン商談の申し込みも月30件まで増えるなど、成果も上げています。プロジェクトチームは、どのようにKARTEを活用し、成果を出したのでしょうか。代表して、セールス 高村直輝、デザイナー 岸優華、インサイドセールス 青木卓にCX Clip編集部が聞きました。(写真左からデザイナー木村、岸、セールス高村、インサイドセールス青木、冨里)

最初の接点から受注後まで、顧客との関係性を構築するための体験づくり

はじめに、どういった課題があり、プロジェクトが発足したのか教えてください。

高村:「プレイドが提供したい顧客体験」を、サービスサイトで実現できていないという課題感がありました。そもそも、KARTE自体が顧客と商品、サービスの出会いから利用全般の体験を良くするためのプロダクトです。それなら、KARTEのサービスサイトこそ、顧客視点で考えられた体験を提供する場であるべきですよね。

しかし、実情に目を向けてみると、サービスサイトにおける理想的な体験が設計されているとは言えない状況で。もちろんある程度情報は充実していますが、「サイトに流入した方が知りたいことをすぐに見つけるためにどのようなご案内をするか」といったところまでは考えきれていませんでした。

KARTEのカスタマーサクセスやプロダクト改善においては、管理画面でのお客様の行動をKARTEで分析してニーズを汲み取り、最適なご案内や開発につなげていました。ですが、KARTE未導入の方との接点になるサービスサイトでは、そういった体験の向上に取り組めていなかったんです。

お客様の熱量や興味関心に合わせた情報を提供できるようにコミュニケーションをとり、KARTEの魅力をしっかりと届けたい。そこで、同じような課題感を持ったメンバーが有志で集まりチームを結成。サービスサイト内での体験を高めるため、より有効的にKARTEを活用する活動を始めました。

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高村直輝 / Sales プレイドにてインターン経験後、新卒として入社。クライアントの事業成長に従事

実際にどのような改善を実行し、どんな成果が生まれたのでしょうか?

高村:1つ目の改善は、資料請求フォームの入力完了画面でオンライン商談の案内をしたことです。

サービスサイトからの問い合わせ方法は資料請求とメールのみでしたが、コロナ禍の状況もあり、オンライン商談を設置しました。ですが、オンライン商談を希望されるお客様は、月5件程度に留まっていたため、より多くのお客様に活用いただきたいと考えていました。

オンライン商談をした方の行動をKARTE Liveで見ると、資料ダウンロードをした後にオンライン商談の問い合わせをしている方が一定数いたため、資料ダウンロード完了画面にオンライン商談のボタンを設置しました。

:ダウンロードできる資料は、プロダクト説明から活用方法の解説、事例集など数種類に分かれているため、ダウンロードした資料に合わせた適切な案内ができるようKARTE Blocks※で実装し、ダウンロードした資料に合わせた文言に調整。

そのほか最初は「オンライン商談受付中」という言葉でしたが、オンライン商談というとハードルが上がってしまうのではないかと考え「ダウンロードいただいた資料をベースに詳細をご説明いたします」とするなど、お客様に寄り添った表現に調整をしました。

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このような文言の調整をした結果、月5件だったオンライン商談が、月30件ほどまで増加しました。ご案内するタイミングや表現を見直し、お客様の関心に合わせた文言にすることで「わざわざオンライン商談に申し込むのはハードルが高いけど、説明は聞いてみたい」といったお客様のニーズに応えられたのかなと思います。

※参考:KARTE Blocksとは
サイトをブロックの集合体として捉えてブロックごとに更新・管理ができ、分析、ABテスト、パーソナライズまで、ワンストップかつノーコードで誰でも簡単に行うことができるプロダクト。

青木一連の体験をより良くし成果につなげるために、現在はオンライン商談が実際に受注につながっているか、お客様とプレイドの双方にとって有益なものになっているか、案内方法にアップデートすべき点があるかを、実際に商談を担当するインサイドセールス、セールスとも連携しながらブラッシュアップしています。

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青木卓 / RelationGrowth InsideSalesに関する業務に幅広く従事、お客様ニーズに応じた適切なプロダクトやSalesのアサイン業務、ナーチャリング設計などを担当

高村:2つ目は、過去に商談したお客様への再アプローチです。SalesforceとKARTEを連携し、サイト経由で一度お問い合わせや資料請求をしていただき、商談履歴のあるお客様がサイトに来訪した際にSlackで通知がくるようにしました。

Salesforceの情報とKARTEを連携することで、過去に担当したセールスから再びコンタクトをとる際も、KARTEの管理画面で過去の商談履歴などを確認できるようになり、それまでのやり取りや文脈を踏まえたコミュニケーションが取れる体制を作ることができました。

青木結果として、お客様が再びKARTEに興味を持ったタイミングで適切なコミュニケーションをとることで、商談や契約にもつながっています。 実際にコンタクトをとった営業からのフィードバックをもとに、Slackに通知される情報をブラッシュアップしたり、顧客にとっていいタイミングを逃さない体制づくりを進めています。

通知に関しては最初、直接担当者に通知されるように設定しようとしていましたが、適切な人に通知するのが難しかったため、現在は自分が通知を確認し様々な情報を参照してから、適切な人にSlack上で連絡しています。

また、過去に商談したお客様のサイト内の動きを確認する取り組みも始め、検討度合いが高い人がよく見るページの特定が可能になりました。そういった実際のお客様の行動を踏まえて、ご連絡のタイミングや内容も調整しています。

顧客理解から始めたからこそ、職種やスキルが異なるメンバーでも目線を合わせられた

プロジェクトチームはどのような体制で運営されているのでしょうか?

高村:チームのメンバーは、デザイナー、リレーショングロース(インサイドセールス)、カスタマーサクセス、KARTE Blocksのプロダクトデザイナー、今年新卒として入社しセールスをしている私を含めて、複数のチームから合計5名が集まっています。

プロジェクト全体の推進は私が担当し、課題発見や仮説立て、KARTEの設定はみんなで担いつつ、冨里さんにサポートしてもらいながら、デザインやブランドのトーン&マナーの統一はデザイナーの岸さん、顧客の声のフィードバックはリレーショングロースの青木さん、KARTE Blocksの設定は、デザイナーの木村さんが担当してくださいました。

どのようにサービスサイトの課題を見つけ、改善策を考えていったのでしょうか?

青木プロジェクトチームを結成してからは、まずKARTE Liveでお客様のサイト上の動きを見て、お客様を知ることから始めました。お客様の実際の行動を見ながら、気付いたことや気になった点をスプレッドシートに書き込み、それをもとに改善点を議論。

そこから、主にインサイドセールスである私がお客様にお電話し、検討状況や必要としている情報をヒアリング。それをチームにフィードバックしてまた議論を重ねていきました。

KARTE Liveでサイト上での動きを観察するのはもちろん、実際にお客様とお話しして得た情報や、別のツールで見られるメルマガ開封などの行動データも加えることで、より深くお客様のことを理解できたと思います。

様々な情報を組み合わせることでリアルにお客様の姿や気持ちを想像できたため、スキルや背景知識が異なるメンバー間でも、「お客様の立場で考える」という目線合わせがスムーズにできました。

高村:その観察を経て、具体的なコミュニケーションの設計は、まずセールスの接点に近い、資料ダウンロードやオンライン商談をした人、そのページに来訪した人を対象にしようとなりました。なぜなら、オンライン商談や資料ダウンロードは熱量が高まったタイミングであり、能動的なアクションが起こりやすい。そういった人を対象にしたほうがお客様の反応の変化が見えやすく、コミュニケーションのブラッシュアップができ、結果として成果にもつながりやすいからです。

さらに、実際にお客様と接したセールスメンバーからのフィードバックも得られやすいため、顧客理解をより深められる利点もあります。

職種が異なるメンバーで議論しながらお客様への理解を深め、KARTEへの興味が強いお客様をメインにアクションを実行していったんですね。

プレイドメンバーがKARTEを活用して気づいた、3つのポイント

実際にKARTEを運用してみて、どのような気づきがありましたか?

:本格的にKARTEを活用してみて、難しかった点、うまくいった点は色々ありました。そこから見えてきた、KARTEをうまく活用するためのポイントも見えましたね。

①アクションの実行は、区切りと振り返りをセットに

:1つ目は、新たなアクションは区切りをつけて実行し、振り返りまでをセットにして運用すること。KARTEではテンプレートなどを使って簡単にアクションを設定、実行できます。だからこそ、やりっぱなしになったり、どのような効果があったかの振り返りを忘れがちです。

私たちも振り返りをおろそかにしてしまいそうになったことがあったため、アクションを実行する前に「いつまで測定するか」という区切りを設定。基本的には4週間後に結果を見ながら振り返るようにしています。

加えて、施策の効果がでているかを確認するため、週1回の振り返りの場を設定。KARTEはアクションごとの効果を管理画面でサクッと見られるので、レポーティングの必要もありません。手間をかけずに振り返りができ、次のアクションをどうするかの議論に時間を割けました。

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岸優華 / デザイナー 主にKARTEのサービスサイトやイベントサイト、広告周りなどマーケティング領域のデザインを担当

②複数の視点で仮説を立てる

高村よかったポイントでいうと、1人でKARTEを使うのではなく、複数のメンバーでお客様の動きを観察し、仮説を立てられた点です。

今回は、マーケターやデザイナー、インサイドセールスなど様々な専門性をもったメンバーがいましたが、それぞれの職種ごとに重視する視点は異なることが多いです。そういった視点を活かすことでお客様を理解するにあたっての仮説のバリエーションも増え、様々な観点で課題を見つけられました。

③成果が見えやすいところから着手していく

青木私が感じたポイントは、問い合わせや商談数など、具体的な変化が見えやすい部分から着手していくことです。

職種や部署が違うからこそ異なる視点で様々な議論ができますが、その分どんな目的に向かっているか見失いやすい。しかも、成功するアクションは4~5つのうち1つくらいになるので、変化がわからないとモチベーションも下がりがちです。

だからまずは、問い合わせ数やオンライン商談の回数など、変化が明確に見える数値を目標におくことが大切です。成果も可視化しやすく、早めにチームとして成功体験を積める可能性も高まりますから。

私たちははじめにオンライン商談数を目標数値としたため、セールスや売上への貢献度合いも判別しやすかったです。またアクションの実行から成果が出るまでを早めに経験できたため、チームのモチベーションも上がったと思います。

顧客に寄り添いながらKARTEの魅力を伝え、受注へとつなげられるサイトへ

改めて、KARTEを使いながらサービスサイトの改善に取り組むなかで感じた、顧客体験を高めるために欠かせないことを聞かせてください。

とにかくお客様を知ることですね。小さなアクションの積み重ねで、よりお客様に寄り添ったコミュニケーションへと改善していくことはできます。ただ、その背景には必ず観察と理解があるんだというのを体感しました。

高村:お客様を知るときに大切なのが、何にどのような反応をしているか観察することです。行動変容させたい一部分だけではなく、その前後まで見るのが重要。資料ダウンロード数を増やしたいなら、ダウンロード前にどのようなページを見ていたのか、ダウンロード後の商談ではどんな反応があったかまでを観察することで、より深くお客様のニーズを理解できると思います。

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最後に、プロジェクトチームとしての今後の展望を聞かせてください。

:これまでチームとして、資料をダウンロードした人や問い合わせに近い人にフォーカスしてきました。今後はさらに対象を広げて、様々なアクションを試してみたいです。例えば、複数のQ&Aページをぐるぐると閲覧している人がいたら、チャットで「何かお探しですか」と話しかけるなど、困っているときに自然と手を差し伸べられるようなサイトにしていきたいです。

青木:セールスの観点だと、お客様との接点をどうしても点で捉えてしまうというか、何度か商談をして密にコミュニケーションを取っていても、失注してからは関係が途絶えてしまうパターンも多くあります。でも実際には、時々プレイドのセミナーに参加されていたり、CX Clipの記事を読んでくださったりしていて、その結果、サービスサイトにも再訪している。実際のお客様の体験は、線でつながっているんですよね。

継続的につながる線の関係を築き、いつかプレイドやKARTEを想起してもらうためにも、KARTEの導入に至らなかった方に対してもアンケートを実施したり、セールスとマーケティングで連携しながら、お客様にとって有益なコミュニケーションにつなげることを考えています。

高村:チーム発足当初の課題であった「KARTEが提供したい体験の実現」に向けて改善を重ねていますが、まだまだできていないこともたくさんあります。KARTEとしては、オンラインであってもお客様をデータや数字ではなく人として捉え、オフラインでの接客のような温かみを提供したい。「サービスサイトというお客様との接点」を軸に、どのような体験を提供すべきなのかを考えながら、お客様に喜んでいただけるようなコミュニケーションを実現していけたらと思っています。

チームを超えて様々な専門知識を持つメンバーが集まっている強みを活かし、お客様とより長期的な関係性を構築できるようなコミュニケーションを実現していきたいです。

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