1,100万人以上の会員と1to1のコミュニケーションを。アルペンがKARTE Messageを選んだ理由|KARTE Friends Meetup vol.30
2023年8月3日にプレイドでは「メールマーケティング」をテーマにミートアップを開催。株式会社アルペンのメールマーケティングの取り組みやKARTE Messageの活用法について共有しました。
メールは顧客との重要なチャネルです。近年は、安価かつ簡単にメールを配信できるツールも充実しています。一方で、気軽に送れるからと顧客ニーズを理解せず配信を重ねてしまうことは、受け取る側の体験を損ね、成果にもつながりづらくなってしまいます。どうすれば一人ひとりのニーズに沿って適切なメールを届け、より良い体験を実現できるのでしょうか。
2023年8月3日、プレイドオフィスでは「メールマーケティング」をテーマに「KARTE Friends Meetup vol.30」を開催。株式会社アルペン マーケティング部の岡涼子さんが登壇し、同社のメールマーケティングの取り組みやKARTE Messageの導入背景、セグメント配信の施策について共有しました。
コスト面のメリットや柔軟なセグメント配信が導入の決め手に
アルペンは、総合スポーツ用品店の「SPORTS DEPO」や「SPORTS Alpen」、ゴルフ専門店の「GOLF5」、アウトドア専門店の「Alpen Outdoors」など複数の業態を運営しており、全国400ヶ所以上の実店舗を構えています。
最近では顧客ニーズの変化に伴い、デジタルにも注力。自社ECサイト「Alpen Group Online Store」やオウンドメディア「ALPEN GROUP MAGAZINE」を開設し、様々な施策を行っています。
(オウンドメディア「ALPEN GROUP MAGAZINE」のトップページ)
アルペンでは、2017年からECサイトにてKARTEを使い始めました。2023年の2月にはKARTE Messageの活用を見越して、KARTEの行動データと自社のデータを統合して施策などに活用できるKARTE Datahubを導入。同年4月からKARTE Messageでメール配信を開始しました。
KARTE Messageは、KARTEの行動データや外部連携したデータをもとにターゲットリストを作成、属性や行動に沿ったメールやプッシュ通知などの配信を簡単に行えるパッケージです。
岡さんが担当しているのは1,100万人以上が登録するアルペンの会員管理システム「アルペングループメンバーズ」の活用。中でも会員向けのメールマーケティングを担っています。
岡さん「アルペングループメンバーズは2019年に開始したシステムで、約4年半で会員数は1,100万人を突破しました。現在は、会員のパーソナルデータや購買データなど複数のデータを分析・活用し、一人ひとりにより良い情報を届けていくことに取り組んでいます」
岡さんの自己紹介が終了した後は、プレイドのプロダクトカスタマーエンジニアの和田とカスタマーサクセスの竹内も交えてパネルディスカッションの時間に。アルペンが抱えていた課題を振り返りながら、KARTE Messageを導入した背景を多角的に語っていきました。
まず、和田が「KARTE Messageを導入するに至った背景はどのようなものだったのでしょうか?」と問いかけます。
岡さん「アルペンでは2016年からメールマーケティングを実践しており、KARTE Messageの導入までにいくつかメール配信ツールの変遷がありました。最初に使っていたツールは会員システムとも連携しておらず、手作業で対応する必要がありました。そのため、担当する者のPCに会員情報を入れなければならず、セキュリティ的にも万全とは言えませんでした。
2020年に別のツールに切り替えたのですが、今度はアルペングループメンバーズの会員数の増大により顧客データ数、メールの配信数も増加。料金が従量課金制だったため、コストが増加してしまい、新しいツールの導入を検討し始めました」
新しいツールとして、KARTE Messageの導入を決めた要因はどのようなものだったのでしょうか。岡さんが決め手となったポイントを複数紹介します。
岡さん「KARTE Messageはメールの配信数による課金となっています。登録されたメールアドレス数に応じた課金と異なり、かかる費用が必要な配信数の分だけで済むのは大きな魅力でした。
また、配信スピードの速さも惹かれたポイントです。配信するお客様の数が多いため、以前使っていたツールでは200万通の配信が完了するまでに4、5時間かかってしまうこともありました。ですが、KARTE Messageなら1、2時間程度で完結します」
さらに、アルペンは「お客様の数が多いだけでなく、お客様の層も幅広いのが特徴」だからこそ、多様なデータをもとにセグメントを設定できることも決め手になったそうです。
岡さん「“一人ひとりにより良い情報”を届けるために、どのようにセグメントを分けて配信していくかは大きなテーマです。
実店舗で商品を購入してくださるお客様も多いため、オンラインのデータだけでなく実店舗でのデータもセグメント設定に活用したいと思っていました。
KARTE Messageは、会員データに加えて、実店舗での購買データも繋ぎ込み、セグメント設定に活用できます。多様な軸でセグメントを設定して、配信施策の幅を広げられそうだと期待していました」
これらの利点に加えて、不明点があった際や実現したいことがあるもののやり方がわからない際に、プレイドのカスタマーサクセスやカスタマーエンジニア(※)にすぐに相談ができるという点もプラスになったそうです。
※プレイドにおいてプロダクトとKARTE Friendsの間に立ち、活用支援やプロダクトへのフィードバックを担う役割
多様な軸でセグメントを設定し、顧客に合わせたメール配信を実現
様々な利点を感じてKARTE Messageを導入した岡さん。導入後はKARTE Messageを活用して、顧客に合わせた配信を実施しているそうです。
岡さん「都道府県ごとにセグメントを分けた配信も行っています。例えば、新宿にある旗艦店『Alpen TOKYO』に近い一都三県の顧客には『Alpen TOKYO』での特別なセールなどについてお知らせしています。他にも性別など多様な軸でのセグメント配信を行ってきました」
中でも岡さんが成果につながったと振り返るのが、購買履歴のデータを使ったセグメント配信です。
岡さん「SPORTS DEPOでお買い物をしたお客様が、野球やサッカー、ゴルフなど、どのスポーツの関連商品を購入したかによってメールの内容を出し分けました。
その結果、開封率とクリック数が非常に高くなりました。メールを受け取った方に『自分の好きなスポーツの情報が来たぞ』と興味を持っていただけたのかなと思っています」
商品のカテゴリだけではなく、お客様の購買金額も掛け合わせてセグメントを設定し、配信した例もあるそうです。
岡さん「ゴルフ専門店の『GOLF5』のお客様を、ゴルフクラブを買われた方とゴルフウェアなどアパレル商品を買われた方に分け、さらに購入金額ごとに複数のランクに分けて、おすすめの商品や新商品をお知らせするメールを配信しました。
お客様の中には、ゴルフクラブは『GOLF5』で買って、アパレル商品は別の店舗で買う方、あるいはその逆のパターンの方もいらっしゃいます。さらに、どのくらいの頻度でゴルフをプレイするのか、どのくらいお金をかけていらっしゃるかも様々です。
お客様の多種多様なスポーツの楽しみ方に合わせた配信を実現できた好例かなと思っています」
セグメントの設定から配信にかかる時間が短縮し、施策の幅が広がった
多様な配信施策を紹介した上で、岡さんはKARTE Messageの導入によるメールマーケティングの変化を以下のように語ります。
岡さん「セグメントごとに配信するための条件設定をクリックのみで簡単に実施できるので、配信設定にかかる時間が大幅に短縮されました。
以前はセグメントの作成だけで1日かかることもありましたが、KARTE Messageならセグメントの作成から配信設定までの作業がすぐに完了します。施策を試して検証するサイクルを素早く回せるようになりました。
また、先ほどお話した通り、メールの配信スピードも速いため、以前のように『夕方に送信したメールをお客様が5時間後の夜に受け取ってしまう』といった事態も起こりません。お客様にとってベストな時間帯に配信できるようになりました。
さらに、クリックのみで簡単に操作できるため、新入社員のようにツールに慣れていない人でもメールの配信設定などを行えるようになりました」
さらにKARTE Messageを使うことで施策のスピードが上がっただけでなく、複雑な設定にもとづく配信も実現できるようになったと言います。
岡さん「クエリの設定など、一部和田さんの力もお借りすることで、先ほど述べたような購入金額のランク分けにもとづくセグメント配信を行うことができました。
以前のツールでは、基幹システムに入っている別のツールからデータを抜いて、再度入れて…といった手順が必要でしたが、今はKARTE Message内で必要な設定が完結します。これまで諸々の制約によって諦めていた個別最適な配信にも、今後は積極的にトライしていきたいですね」
“買い足しニーズ”を先回りするメール配信を実現したい
最後に、KARTE Messageを活用して実現していきたいコミュニケーション、体験について伺うと、スポーツ用品ならではのアイデアを共有してくださいました。
岡さん「スポーツ用品を購入されるお客様は、定期的な買い替えや買い足しを行う方が多いんです。たとえば、ランニングシューズなどは毎日走る方だと一年も持たないので、数ヶ月経ったら買い替えます。筋トレをする方であればプロテインも定期的に購入しますよね。
今回、購入履歴をもとにした配信を実現できましたので、今後はそうした買い替え、買い足しの需要を先周りして提案するような施策も実現していけたらと思います。また、これまでセグメントを作るのが手間だったこともあり、一斉配信が多くなっていました。KARTE Messageのおかげでセグメント配信が容易になりましたから、今後はもっと1to1のコミュニケーションを拡充していきたいです」
発表後の質疑応答では「セグメントを細かく切っていくと配信するメールの数自体は減ってしまいますが、その中でどのように成果を最大化しているのでしょうか?」という質問がありました。
岡さん「まず、KARTE Messageでは『このメールに反応してくださった方』というセグメントの絞り方も可能です。すでにサービスに関心のある方に絞って配信を行うことで、配信数は少なくとも着実に成果にはつながる。ROIの高い配信を実現できるよう努めています。
KARTEの機能を使ってコンテンツの出し分けをすることにより、メール1本あたりの制作コストを削減することができ、たくさんの種類のメールを作成することができます。
1種類あたりの配信数は少なくなっても、多数の種類の配信をそれぞれ興味のあるお客様に届けられるので、一人あたりに届く通数は減りません。
もう一つ、今後取り組んでいきたいのは、画像やテキスト、リンク先をパーソナライズしたメールの配信です。一人ひとりのニーズに沿ったコンテンツを充実させることで、受け取るお客様の体験は損なわずに、一通あたりのコンバージョンへの導線を増やし、成果につなげられるのではと考えています」
発表の後は記念撮影を経て、懇親会を開催!メールマーケティング全般やKARTE活用について、参加者が活発に意見を交わす様子がみられました。
今後もプレイドでは、KARTE Friends同士がKARTEの活用方法や施策、よりよい体験を実現するためヒントを得られる機会をつくっていきます。メールマーケティングはもちろん、他にも様々なテーマでの開催を予定しておりますので、ぜひ次回も楽しみにしていてください。