Craft Cross CMSとは|基本機能と運用、価格を解説
この記事では、Craft Cross CMSの概要から、基本機能、AI機能や拡張機能などの具体的なスペックまで、導入検討に必要な情報を網羅的に解説します。自社のニーズに合致するかを検討するための、判断基準としてお役立てください。
CMSの導入やリプレイスでは、機能一覧だけで製品を比較しても十分ではありません。更新業務や承認フローに合うか、既存システムと現実的に連携できるか、セキュリティや権限管理の要件を満たせるか、移行や運用の負荷と費用が見合うかまで見て、はじめて自社に合うCMSかを判断できます。
この記事では、Craft Cross CMSの概要から、基本機能、AI機能や拡張機能などの具体的なスペックまで、導入検討に必要な情報を網羅的に解説します。自社のニーズに合致するかを検討するための、判断基準としてお役立てください。
Craft Cross CMSとは|AIネイティブなヘッドレスCMS
Craft Cross CMSの基本定義
Craft Cross CMSは、CXプラットフォーム『KARTE』を展開するプレイドが手掛ける、AIネイティブなヘッドレスCMSです。Webサイトの更新だけでなく、アプリ、メール、LINEなど複数のチャネルをまたいでコンテンツを活用できる「コンテンツ基盤」として設計されています。
ヘッドレスCMSとして、コンテンツの管理とフロントエンドの表示を分離する設計を採用しており、コンテンツをページ単位ではなく、商品情報、FAQ、キャンペーン告知など、コンテンツの種類ごとに構造化して管理できます。作成したコンテンツは、APIを通じて複数のチャネルやサービスに配信できるため、Webサイト用、アプリ内通知用、AIナレッジベース用といった形で一つのデータソースから多用途に展開できます。
技術基盤には、Newt株式会社から譲渡されたヘッドレスCMS「Newt」の技術資産を活用しており、KARTE Craft(KARTEの機能やアプリケーションを開発できるPaaS)に組み込まれています。
AIネイティブな設計と開発背景
Craft Cross CMSの「AIネイティブ」とは、CMS自体にAI機能が付いていることだけではなく、KARTE Craft全体でAIがデータを活用しやすい環境が整っていることを指します。CMSに入れたデータが即座にAIの「情報源」として活用できる設計により、日々のWebサイト更新作業が将来のAI活用につながる資産として蓄積されます。
開発背景には、従来のCMSが「ページを作って公開する」前提で作られており、複数チャネル連携やAI活用といった現代のコンテンツ運用ニーズに対応しきれていないという課題認識があります。
AIネイティブの設計思想や開発背景の詳細は、以下の記事で解説しています。
CMSを、カスタマーデータとAIを活かすコンテンツ基盤に。「Craft Cross CMS」の設計思想
Craft Cross CMSの主な機能
Craft Cross CMSは、ヘッドレスCMSとして必要な基本機能に加え、AI機能と拡張機能を備えています。
基本機能
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| モデル設定 | コンテンツ管理項目を自由に設定可能。リッチテキスト、画像、他モデル参照など多様なフィールド型に対応 |
| 公開予約 | 指定日時に自動公開 |
| メディアライブラリ | 画像・動画を一元管理 |
| 権限管理 | 最低プランでも50人まで利用可能。モデルごとの細かな権限設定に対応 |
AI機能(Copilot、RemoteMCP、AI Modules、Craft RAG、Craft Vector Search)
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| Copilot | 入稿画面上で文案提案や改善を実行 |
| RemoteMCP | AI前提のコンテンツ制作ワークフローを実現 |
| AI Modules | 記事公開時の自動翻訳、ガイドライン準拠の自動レビューなど運用自動化 |
| Craft RAG | CMSコンテンツをRAGの情報源として活用し、企業特有の文脈を含む質問に回答 |
| Craft Vector Search | CMSコンテンツをベクターサーチ(自然言語検索)の情報源として活用した、セマンティック検索を実現 |
拡張機能
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| Craft Functions | バックエンド開発環境を無料で提供。一括入稿、通知、承認フロー構築に対応 |
| Management API | 外部連携や自動化が可能。商品データ統合、広告フィード運用の自動化など |
| KARTE連携 | セグメント条件に応じてWeb接客、アプリ通知、メール施策に即時反映 |
Craft Cross CMSの活用シーン
Craft Cross CMSは、機能を組み合わせることで多様な業務を効率化できます。
| 活用シーン | 実現できること | 使用する機能 |
|---|---|---|
| マルチチャネルコンテンツ配信 | CMSで更新した記事をWeb、アプリ、メール、LINE施策に即時反映 | KARTE連携、Management API |
| AIエージェント連携 | FAQやナレッジをAIチャットボットの情報源として活用し、問い合わせコストを削減 | Craft RAG、Management API |
| AI自動タグ付け・要約 | コンテンツ保存時に自動でタグ付けや要約を生成し、検索性を向上 | AI Modules、Craft Functions |
| 承認フロー・通知の自動化 | コンテンツ更新時にSlack通知やKickflowでの承認ワークフローを起動 | Craft Functions、外部連携 |
| ECシステム連携と広告フィード自動化 | Shopifyの商品データとCMSコンテンツを統合し、Googleショッピング広告用フィードを自動生成 | Management API、Craft Functions |
| データ分析結果の自動入稿 | Datahubのクエリ結果をCMSに自動反映し、データドリブンなコンテンツ更新を実現 | Craft Functions、Management API |
| 外部CMSからの移行 | noteや他CMSのコンテンツを一括取り込み | Management API |
各活用シーンの詳しい実装方法は、以下のソリューションブログで解説しています。
マルチチャネルコンテンツ配信
・KARTEの接客サービスを使ってCraft Cross CMSのコンテンツをWebサイト上に表示する
AIエージェント連携
・Craft Cross CMSで公開したコンテンツをCraft RAGに同期する
AI自動タグ付け・要約
・Craft AI ModulesとCraft Functionsを使って、Craft Cross CMSのコンテンツに自動でタグ付けする方法
・Craft Cross CMSで保存したコンテンツをCraft AI Modulesで自動要約する方法
承認フロー・通知の自動化
・Craft Functionsを使って、Craft Cross CMSのコンテンツ操作をSlackに通知する
・Craft Cross CMSのコンテンツ更新時にkickflowでチケットを作成してSlackに通知し、kickflow承認時にコンテンツを自動で公開する方法
ECシステム連携と広告フィード自動化
・Craft Cross CMSとShopifyのデータを統合し、Google広告用データフィード同期
データ分析結果の自動入稿
・Datahubクエリの結果とCraft Functionsを使って、Craft Cross CMSにコンテンツを一括入稿する方法
外部CMSからの移行
・KARTE API v2とGASなどを使って、noteのコンテンツをCraft Cross CMSにまとめて移行する方法
・Cross CMSへ別のCMSから既存コンテンツの移行を自動で行う方法
さらに多くの活用例については、Craft Cross CMSのソリューションブログ一覧をご覧ください。
導入事例
株式会社メンバーズ|編集部の業務効率向上とマーケティング活用
エンジニア向けメディア「BEMA」の運営において、従来のヘッドレスCMSからCraft Cross CMSへ移行しました。管理画面のUIが洗練され、生成AI(Copilot)による文章の整形・校正で運用効率が改善されました。
詳細: 株式会社メンバーズの導入事例
株式会社スワニー|AIチャットによる問い合わせ削減とCVR向上
老舗キャリーバッグメーカー「スワニー」では、購入前の電話問い合わせに課題を抱えていました。Craft Cross CMSでFAQを構造化し、Craft RAGを活用したAIチャットボットを構築したことで、以下の成果を上げています。
・電話問い合わせ: 約25%削減
・対応コスト: 1/3に圧縮
・CVR: 約20%向上
・休業日の売り上げ: 平日との差がなくなる
詳細: 株式会社スワニーの導入事例
運用体制と必要な人材
Craft Cross CMSは、社内にフロントエンド開発者がいなくても、制作会社との分業で運用できます。
典型的な体制
・コンテンツ設計・更新: 社内の編集担当者やマーケター
・フロントエンド実装/バックエンド拡張: 制作会社やフリーランスエンジニア
API経由でコンテンツを取得・表示する設計のため、制作会社との分業がしやすく、「小さく始めて徐々に拡張」するアプローチが現実的です。
権限管理の柔軟性
最低プランでも50人まで利用可能で、追加も可能です。モデルごとに編集・閲覧権限を細かく設定できるため、中堅から大企業での運用にも対応できます。
拡張時のサポート
Craft FunctionsやManagement APIを活用する際は、JavaScriptの基礎知識があれば社内で対応できます。高度な連携が必要な場合は、制作会社やプレイドのサポートを利用できます。
向いている企業
Craft Cross CMSは、以下のような企業や状況に適しています。
1. 複数チャネルでコンテンツを活用したい企業
・Web、アプリ、メール、LINEなど複数チャネルで統一されたメッセージを配信したい
・チャネルごとにコンテンツ管理が分散しており、運用負荷が高い
・顧客の行動や属性に応じてコンテンツを出し分けたい
2. コンテンツを資産として活用したい企業
・FAQやナレッジをAIチャットボットの情報源として活用したい
・既存コンテンツが十分に活かせていないと感じている
・ページ単位ではなく、体験をつくるための素材としてコンテンツを扱いたい
3. AI活用を見据えてデータを整備したい企業
・将来的なAI活用を視野に、今のうちからコンテンツを構造化したい
・CMSのデータをAIナレッジベースとして即座に活用したい
4. 運用効率を改善したい企業
・承認フロー、通知、翻訳、レビューなどの運用を自動化したい
・ECサイトで商品情報やテキスト・画像データを一元管理し、広告フィードなどに活用したい
KARTE非導入企業でも利用可能
コンテンツ構造化やAIネイティブな設計、そしてKARTE Craftを用いた独自のカスタマイズは、CMS単体で完結しているため、KARTEを導入されていない企業でも活用が可能です。その上で、KARTEと直接連携させることで、さらなる価値を積み上げることができます。
価格
月額4万円から利用可能です。
基本プランに含まれる内容
・モデルごとの権限管理
・Management API(プログラムからのコンテンツ操作)
・メディアライブラリ
・公開予約
・AI Copilot
・RemoteMCP
・50人まで利用可能(追加も可能)
・バックエンド拡張に対応(Craft Functions と無料で連携可能)
特定のプロジェクトや1サイトからのスモールスタートに最適な価格体系でありながら、事業の成長や運用規模の拡大に合わせて、スムーズにメンバー追加や機能拡張を行える設計です。
セキュリティと信頼性
Craft Cross CMSは、以下のセキュリティ認証を取得しています。
・ISO/IEC 27001: 情報セキュリティ管理体制
・ISO/IEC 27017: クラウドサービス提供の運用管理
KARTEと同等のセキュリティ水準で運用されており、企業の重要なコンテンツ資産を安全に管理できます。
技術基盤の信頼性
Craft Cross CMSは、Newt株式会社から譲渡された実績のあるヘッドレスCMS技術資産を基盤とし、KARTEを支えるプレイドのインフラ運用ノウハウを活用しています。
KARTEは2015年よりCXプラットフォームとして提供を開始し、多くの企業に導入されています。EC事業者のセールやイベント時の突発的なアクセス集中にも対応できるスケーラビリティを持つクラウドネイティブなアーキテクチャで運用されています。
こうしたプレイドの長年のインフラ運用実績と技術基盤が、Craft Cross CMSの信頼性を支えています。
導入のしやすさ
Craft Cross CMSは、導入時の負荷を軽減する仕組みを用意しています。
他CMSからの移行
Management APIを活用することで、noteや他のCMSからコンテンツを一括取り込みできます。ヘッドレスCMS間の移行であれば、APIの接続部分を修正するだけで対応可能です。
段階的な導入が可能
まずは基本的なコンテンツ管理から始め、運用に慣れた段階でAI機能や外部連携を追加していくアプローチが現実的です。制作会社との分業もしやすく、社内リソースが限られていても運用を開始できます。
まとめ|検討時の確認ポイント
Craft Cross CMSは、AIネイティブなヘッドレスCMSとして、複数チャネルをまたいだコンテンツ活用を前提に設計されています。
検討する際は、以下の観点で自社の状況と照らし合わせてください。
1. 解決したい課題を明確にする
・コンテンツ管理が複数のツールに分散しているか
・FAQやナレッジをAI活用したいか
・承認フローや翻訳などの運用を自動化したいか
・ECサイトで商品情報を一元管理し、広告フィードなどに活用したいか
2. 運用体制を確認する
・社内にフロントエンド開発者がいるか(いなくても運用可能)
・制作会社との分業体制を構築できるか
・何人が利用するか(最低プランで50人まで対応)
3. 予算と拡張性を評価する
・月額4万円から始められる価格が適正か
・将来的に拡張する可能性があるか
4. KARTEとの連携の必要性を判断する
・KARTE導入企業であれば、カスタマーデータとコンテンツを統合した活用が可能
・KARTE非導入でも、コンテンツ構造化、AIネイティブ設計、拡張性を利用できる
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