“お客様目線ではどうか?”を考える人が増えた。パルのKARTEチームの歩みと社内にもたらす変化

パルクローゼットでは、チームでKARTEを活用した分析や施策の仮説検証を行っています。どのようにチームで活動してきたのか、どういった施策が生まれているのか。メンバーの皆様にチームに加わる経緯や施策を行う中での気づき、活動を通した変化などを語り合ってもらいました。

「みんなそれぞれ考え、実践し、学びを持ち寄る場になっています」

株式会社パルのWEB事業推進室の名嶋恵佑さんは、チームの様子をそう表現します。

約50以上のブランドを展開する株式会社パルでは、アパレルEC「PAL CLOSET(パルクローゼット)」にKARTEを導入。当初は名嶋さんのみで活用を推進していましたが、現在は有志でワークショップに集まった8名のメンバーを中心に、KARTEを使った分析や施策の仮説検証を行っています。

メンバーそれぞれが自ら考え、動くチームになるために。どのようにチームを作り上げ、活動してきたのか。また、活動の中からどういった施策が生まれているのか。メンバーの皆様にチームに加わる経緯からKARTEで施策を行う中での気づき、活動を通した変化などを語り合ってもらいました。

お客様を知りたい気持ちや「知る」楽しさをチームで共有

はじめにWEB事業推進室の役割と、メンバーの皆さんの担当業務について伺えますか。

高橋:WEB事業推進室は、パルクローゼット全体の企画運営だけでなく、出店する各ブランドのEC施策を横断的にサポートする部署です。

WEB事業推進室は、マーケティングディビジョンとフルフィルメントディビジョンに分かれており、私はマーケディビジョンの責任者をしつつ、KARTEチームにも参加しているような形です。

他には、以下のようなメンバーがいます。

(以下、五十音順)
雨宮さん:2022年11月にWEB事業推進室に。高価格帯ブランドのEC支援を担当
井上さん:ブランドのEC担当を経て、2022年にWEB事業推進室にジョイン
坂中さん:EC支援を経て、現在はブランドのPR系業務を担う 
鈴木さん:高価格帯のブランドを中心にEC運用を担当、パルクローゼット全体のコンテンツ企画にも関わる
高島さん:「3コインズ」のEC支援、パルクローゼット全体のCX改善チームにも関わる
宮川さん:ブランドのEC運用とパルクローゼット全般のCRMを担当

このように、パルクローゼットの体験をよりよいものにするというゴールは共有していますが、支援しているブランドや業務領域は異なるメンバーが集まっています。

前編の記事では、名嶋さんとプレイドの担当者が企画したKARTEのワークショップに、有志で参加したメンバーが集まり、チームを結成したと伺いました。そもそも、皆さんはどういった理由でワークショップに参加したのでしょうか?

宮川:私はワークショップ以前から、KARTEについて多少興味は持っていたので「ちょっと勉強してみようかな」という気軽な気持ちで、ワークショップに参加しました。

名嶋さんから送られてきた案内メールの内容が「もっと知りたい人、触ってみたい人はぜひ」というライトな内容だったので参加しやすかったのを覚えています。

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左から宮川さん、鈴木さん、高島さん

皆さん、それ以前はどのくらいKARTEを使っていたのでしょうか?

高島:使ったことがない人もいますし、使ったことのある人も、名嶋さんの資料をコピー&ペーストして、ポップアップを出すくらいでしたね。僕自身も、KARTEで色々なことができると漠然と知っていたものの、実際にどう使えばいいのかはわかっていませんでした。

なのでワークショップに参加することで、もう一歩、KARTEの理解を深められるのではと期待しながら参加した覚えがあります。

「もう少し知りたいな」という気持ちがあったのですね。実際にワークショップでn1分析を実施してみて、いかがでしたか?

井上:私は初めてKARTEを使ったので、まず「お客様について知りたかったことがわかる!」と感動しました。

昨年からEC関連の業務を担当するようになり、なかなか実店舗のようにお客様の話を聞けない、話しかけられない…と感じることがあったんです。実店舗でスタッフとして働いていた経験もあり、お店でお客様と直接話すことを大切にしたいなという想いが募っていました。

それが、KARTEで一人ひとりのお客様の行動を見ていると、何を考えて購入してくださったのか、想像がとても膨らみました。実店舗とは異なるやり方でお客様の声を聞くことができる。それに合わせて色々な施策を通して話しかけることもできるのだと思って、ワクワクしましたね。

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左から高橋さん、井上さん、雨宮さん

宮川:僕も、n1分析でお客様の動きを見ながら「こういう思いを持って、このページにいったのかな」と想像するのがとても面白かったです。

たとえば、とあるお客様はレディースブランドの洋服を選んだ後、必ず子供服を見ていたんです。しかも閲覧している時間が朝の5時、6時で、購入したのが夕方の5時頃。恐らく子育て中の方で、子どもが起きる前に商品を見て、仕事や家事の落ち着く夕方に購入したのかな、とか。データからお客様一人ひとりの輪郭がみえてくるような感覚がありました。

メンバーが個性を発揮し、“顧客視点”で施策を改善!

チームとして活動する前から「お客様を知ること」の楽しさや面白さをメンバーの皆さんが共有されていたのですね。ワークショップ後は、どのように活動しているのでしょうか。

名嶋:1ヶ月に一度集まり、KARTEでお客様をみている中での気づきや、施策の仮説検証の結果や学びを共有し合っています。それぞれが自身の業務領域の中で、多種多様な実践をしています。

最近、印象的だった分析内容や施策などはありますか?

名嶋:一つを選ぶのは難しいのですが、驚かされたのは坂中さんの分析ですね。

どのような分析だったのでしょう?

坂中:ワークショップのときに、最低でも6人のお客様をn1分析すると、傾向がみえるという話を伺ったんです。

なので、PRやブランディングの方向性に悩んでいるブランドを対象に、そのブランドで商品を購入したお客様が、どのページで、どの写真を閲覧・お気に入り登録しているのか、ほかにどのようなブランドの商品を見ているのか、数ヶ月前、数年前まで遡ってみていきました。

そうすると、それまで見えていなかったお客様の傾向やブランドの魅力が浮かび上がってきたんです。分析した内容はブランドの担当者にも共有し、ブランドの方向性の検討やビジュアルのディレクションに活かしています。

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左から高島さん、坂中さん、名嶋さん

高橋:宮川さんのポップアップの検証も印象的でした。デザインだけでなく、表示方法や消えるまで時間などによって、閲覧回数や閉じる回数がどう変わるのか。細かく検証して、どうすればお客様の体験を邪魔せず、より多くの人に見てもらえるのかを探っていました。

宮川:個人的にそういう細かな検証が好きなので、やってて楽しかったですね。

担当する業務やブランドごとに、それぞれの得意領域や関心を活かしながら、さまざまな検証を行っているのですね。

高橋:そうですね。ブランドの価格帯も様々ですから。それぞれが自身の担当ブランドにとって、有効にKARTEを使うための実践を重ねています。施策一つひとつにも個性が発揮されているなと感じますね。

チームから部署、全社へと、広がるKARTE活用の輪

チームでKARTEを活用する中で、感じている変化などがあればお伺いしたいです。

鈴木:n1分析をする前は「このタイミングでこのポップアップを出すと、クリック率が上がる」と、成果のみを見て、機械的に施策を行っていたなと思います。

ですが、今は一人ひとりのお客様がどのような生活をしているのかも想像した上で、いつ、どのようにコミュニケーションをするかを考えるようになりました。

お客様目線に立った会話が増えたのですね。

井上:そうですね。お客さまは何を求めているのかについて考えたり、話したりすることが増えたと感じます。

加えて、そうした会話をブランドの担当者ともしやすくなりました。KARTEのデータをもとに「お客様はこういう行動をしている」と伝えた上で施策を提案するので、必要性を納得してもらいやすいですし、向こうから「それならこういう施策はできないか?」とアイデアが挙がることも増えました。

宮川:ブランドの担当者の方は、それぞれ「この商品を届けたい」という強い気持ちを持っていらっしゃるので。その気持ちも尊重しながら、私たちがお客様目線ではどうかという視点を共有できるように、と意識するようになりましたね。

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高島:KARTEのおかげで、部署内外の人と関わる機会が増えたのも大きい変化でした。

このチームのメンバーもそうですし、必要に応じてデザイナーに相談をすることもあります。その過程で、KARTEやお客様視点な考え方を、全社に広げていけたらいいなと思っています。そのためにも個人として、チームとして、成功事例を沢山生み出していきたいです。

最後に、皆さんがこれからチャレンジしたいことを教えてください。

宮川:個人的には、KARTE for Appのアップデートで導入された新機能『Journey』に興味を持っています。自分の持っているブランドの体験設計で使っていきたいですね。

雨宮:このチームに参加してお客様への理解が深まった結果、日頃の業務の中でもやりたいことが色々湧いてくるようになりました。最近もKARTEを使って、担当するブランドで購入単価を増やすための施策を試していたところです。まだ使えていないKARTEの機能も沢山ありますので、触りながら施策の幅を広げていきたいです。

高島:ブランドごとにお客様が「いい」と感じるものは異なりますので、担当するブランドのお客様のニーズや課題への理解を深めて、必要な機能や施策をどんどん形にしていけたらと思っています。同時に、実現した機能や施策が成果につながったら、他のブランドやサイト全体に広げていく動きも取っていきたいです。

井上:ブランド同士で連携した施策を行ってみたいと思っています。複数ブランドのお客様の動きを見ていると、ブランドをまたいで買い物をされている方も多くいらっしゃるんです。高島さんの言うようにブランドごとの良さも大切にしつつ、時にはブランドの枠を越えて、お客様の求めているものを提案することで体験の質を高めたいです。

鈴木:私はパルクローゼット全体のコンテンツ企画にも携わっていて、今はサイト全体のパーソナライズも目標に置いています。なので、ブランドごとのページ以外でも、KARTEを使ってニーズごとにセグメントを設定し、コンテンツを出し分けるなど、新たな施策を試していきたいです。

坂中:私はPR系の業務を担当しているので、先ほどのように閲覧されているコンテンツの分析内容を、お客様の共感できるPRコンテンツの制作に活かしたいです。

ブランドごとのページからパルクローゼットのサイト全体、PRコンテンツなど、さまざまな領域でチャレンジが始まっているのですね。

高橋:マネージャー視点でいうと、KARTEチームがコーポレートメッセージを体現し、社内に影響を与えてくれることを期待しています。

パルは今年創立50周年を迎え、コーポレートメッセージを「PASSIONとLOVE」へと刷新したんです。情熱を持ち、愛情深く、おせっかいなくらいお客様に寄り添える人でありたい、という意志を込めました。

「PASSIONとLOVE」をパルクローゼットを訪れるお客様にも体験してもらうには、サイトやアプリでも、私たちなりのおせっかいな施策を実現していく必要があります。そこに、お客様一人ひとりを徹底的に知ることのできるKARTEは大いに貢献してくれると思っています。

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