コアウェブバイタルとは?Webページの体験を測り、改善するための指標
Webサイトにおいて、ページの読み込みや応答速度、レイアウトの安定性などは、顧客のサイト体験を左右する重要な要素です。それらを数値で表し、継続的な改善を進めやすくするのが「コアウェブバイタル」です。今回はコアウェブバイタルとは何か、構成する3つの指標や計測のためのツール、改善の基本ポイントについてご紹介します。
Webサイトにおいて、ページの読み込みや応答速度、レイアウトの安定性などは、顧客のサイト体験を左右する重要な要素です。それらを数値で表し、継続的な改善を進めやすくするのが「コアウェブバイタル」です。
今回はコアウェブバイタルとは何か、構成する3つの指標や計測のためのツール、改善の基本ポイントについてご紹介します。
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは
コアウェブバイタルは、Webページにおける体験を測るための、3つの指標を指します。2020年5月にGoogleが発表し、2021年5月から検索順位を決めるロジックにも組み込まれています。
「LCP(コンテンツの読み込み速度)」「FID(読み込みの応答速度)」「CLS(視覚的な安定性)」で構成されています。
LCP(コンテンツの読み込み速度)
LCP(コンテンツの読み込み速度)は、Webページのメインコンテンツを、どのくらいの速度で読み込み、表示したかを測る指標です。LCPが速いほど、ユーザーはページを素早く表示、閲覧できます。
FID(読み込みの応答速度)
FID(読み込みの応答速度)は、Webページで最初に操作してから応答するまでの時間を測る指標です。FIDの時間が短いほど、ユーザーはページにおいて素早く必要な操作を完了できます。
CLS(視覚的な安定性)
CLS(Cumulative Layout Shift)は、Webページの予期しないレイアウトのズレが起こる頻度を測る指標です。ここでいうレイアウトのズレとは、文字やボタン、画像、広告バナーなどサイトの一部要素が遅れて表示され、レイアウトが変化する事象を指します。
CLSが低いほど、ユーザーは閲覧中のコンテンツが急に移動して戸惑ったり、意図せぬボタンをクリックしたりすることなく、Webページを閲覧できます。
Core Web Vitalsがなぜ重要か?
ユーザーの体験をチームで改善しやすくなる
コアウェブバイタルを用いることで、Webページにおけるユーザーの体験を、客観的な数値によって確認しながら、改善に向けたアクションや効果検証を行えます。
それによって、改善に取り組むチームで目線を合わせやすくなり、かつ意思決定者に対しても投資対効果を説明しやすくなります。
Googleも、コアウェブバイタルがビジネスにおいて重要な理由として、ユーザー中心の指標を最適化する取り組みや、ビジネスの成長に目を向けさせ、チーム全員で共通の認識を持てるようになることを挙げています。
Webページの検索順位にも影響を与える
コアウェブバイタルはGoogleの検索順位の評価指標にも含まれています。コンテンツの品質に加え、それらを快適に閲覧できるかどうかも、サイトの質を高め、検索順位を上げるために重要なポイントです。
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)の計測ツール
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)は以下のツールで計測できます。
Google Search Console
Google Search Consoleは、Webページの掲載順位を管理するためのツールです。「エクスペリエンス」から「ページエクスペリエンス」あるいは「ウェブに関する主な指標」をクリックすると、コアウェブバイタルに問題がないか、問題のある場合は該当ページのURLを確認できます。

PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsは、Webページの読み込み時間を測定、表示するツールです。調べたいページのURLを入力すると、コアウェブバイタルの数値や改善項目が表示されます。

Light House
Light Houseは、Webアプリの品質を測定できるGoogleChromeの拡張機能です。コアウェブバイタルの LCPとCLSに加え、FIDと相関のあるTBT(合計ブロック時間)を測定します。

コアウェブバイタル(Core Web Vitals)の改善方法
以下では、コアウェブバイタルの改善方法について簡単に紹介します。より詳しくはGoogleのドキュメントなどを参照することをおすすめします。
LCP(コンテンツの読み込み速度)
LCPが低下する原因としてはサーバーの応答に時間がかかっている、あるいはJavascriptやCSSを処理し、画面に表示するのに時間がかかっているなどが挙げられます。改善には、JavaScriptやCSSの最適化、画像の最適化・圧縮などを行うと良いでしょう。
FID(読み込みの応答速度)
FIDが遅延する原因としてはJavaScriptの実行が重いことなどが挙げられます。改善には、JavaScriptを最小化し、実行にかかる時間を短縮すると良いでしょう。
CLS(視覚的な安定性)
CLSが悪化する原因として、画像や動画などのサイズが指定されていないこと、アニメーションが設定されていることなどが挙げられます。改善には、画像や動画のサイズをあらかじめ指定し、読み込む前に必要なスペースが確保されるよう設定すること、レイアウトのズレが起きづらいアニメーションを設定すると良いでしょう。

コアウェブバイタルは、Webページにおけるユーザーの体験をより良いものにするうえで有益な指標です。リテンションレートやコンバージョン率など、顧客の体験を知るための指標と合わせて参照し、改善につなげてみてください。