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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?デジタル技術によって変わる業界や企業

デジタルトランスフォーメーションとは、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と唱えた概念のことです。 英語圏では「Trans」を省略する際に「X」を用いることが多いため、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称は「DX」と表記されます。

21 Jul, 2019

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    デジタルトランスフォーメーションとは、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と唱えた概念のことです。
    英語圏では「Trans」を省略する際に「X」を用いることが多いため、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称は「DX」と表記されます。デジタルテクノロジーを駆使して経営の在り方に変革をおこすDXは、どのようなものなのでしょうか。

    DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

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    参照:総務省平成30年版情報通信白書 第1部 特集・人口減少時代のICTによる持続的成長

    デジタルトランスフォーメーションは、直訳すると「デジタルに変換すること」です。しかし、単にこれまでアナログで行われていたものをデジタル化し、新規事業の立案や生産効率を改善することだけを意味する言葉ではありません。

    DXとデジタライゼーションとの違い

    DXに類似した言葉として、「デジタライゼーション(Digitalization)」があります。デジタライゼーションとは、わかりやすく表現すると「デジタル化」で、生活やビジネスの隅々にまでデジタル技術を適用することです。IoTやAIなどのテクノロジーを駆使して、機能を向上させ、効率を高めていくプロセスがデジタライゼーションです。
    様々な領域でのデジタル化は20世紀中頃からスタートしていたものの、スマートフォンをはじめとするデバイスの急速な浸透によって近年あらためて注目されています。
    DXとデジタライゼーションは厳密に区別されずに用いられることがありますが、既存の価値を高めるデジタライゼーションに対して、ビジネスモデル全体の変革を伴いながら新たな価値を創造するDXは明確に異なります。つまり、DXを達成するための手段の一部がデジタライゼーションだと言えます。

    デジタル技術がもたらす環境変化に適応する

    では、デジタルトランスフォーメーションとは何か。2018年12月に経済産業省が発表した「DX推進ガイドライン」によると、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。
    また、企業がDXに取り組まなければと注目を集める背景には、デジタル技術を用いて業界自体を破壊的に変えていく、「デジタル・ディスラプター」の存在もあります。登場からわずか数年で業界を塗り替えるプレイヤーたちの影響を受け、その他の企業も変化を余儀なくされているのです。

    デジタル技術が既存のビジネスに大きな変革をもたらした例

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    実際に、デジタル・ディスラプターと呼ばれる企業がどのように業界にDXをもたらしたのかや、既存の業界をデジタルで変革しようとしている事例を見ていきたいと思います。

    テクノロジーで流通をディスラプションする|Amazon

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    参照:Amazon

    DXの象徴と言われているのが、Amazonです。1994年に書籍販売からビジネスをスタートさせたAmazonは、創業時は注文の便利さや配達のスピードで大手書店との差別化を図り、ユーザーファーストを徹底してテクノロジーの活用を促進したことで、レコメンデーションやカスタマーレビューなどのスタンダードを作りました。
    Amazonは既存の書籍販売のビジネスモデルにデジタルを活用したのではなく、テクノロジーを中核に据えて全く新しいビジネスモデルを構築しました。在庫管理や物流の方法など、小売業界の根本を覆す改革によって、顧客の購入体験や経営形態、従業員の働き方、業務内容までが変化したのです。
    このAmazonの成長は、既存ビジネスに大きな影響を与えたことから、デジタル・ディスラプター(創造的破壊者)と呼ばれています。Amazonのようにデジタルによって業界に変革をもたらすケースはDXと言えるでしょう。

    デジタルによって「移動体験」に変革をもたらす|Uber

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    参照:Uber

    2009年にアメリカ・サンフランシスコで誕生したUberは、車で移動したいユーザーと車を所有していて空き時間があるドライバーをマッチングするオンデマンド配車・カーシェアサービスです。
    登録しているドライバーの位置情報をGPSで把握し、空車情報をデータ化。乗車したいユーザーはアプリで目的地を設定し、クレジットカード情報を登録しておけばキャッシュレスで利用できます。
    従来の、街中で見つけたタクシーを止めて乗車するという体験を大きく変化させ、ユーザーの支持を集めました。Uberはあくまでプラットフォームであるため、車を所有していません。提供する体験のみならず、タクシー業界をはじめとする既存産業のビジネスモデルとの大きな違いでした。
    Uberのような新しいサービスの登場と成長は、価値観や働き方の変化にもつながっています。必要なタイミングだけ車での移動ができることから、車を所有するのではなく、「利用」へと価値観が変わってきています。また、Uberに登録したドライバーのようにオンデマンドでの仕事を基盤とする「ギグ・エコノミー」は、これまでの雇用制度や働き方の常識を大きく変えてきています。
    タクシー会社や運転手によるデモが発生するほどに、既存のビジネスモデルに影響を与えているUberは、デジタルによってタクシー業界を始めとする業界に変革をもたらしています。

    行政サービスの電子化によって中小企業の成長を支援|経済産業省

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    日本において、スタートアップと呼ばれる新興企業以外でもデジタルトランスフォーメーションに取り組む動きは出てきています。民間企業にデジタル化を促してきた経済産業省は、トップダウンになりがちだった官公庁の中でもDXを進めようとしています。

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    参照:経済産業省のデジタルトランスフォーメーションについて

    全企業数の99%以上を占める中小企業・小規模事業者が頭を悩ませる課題の一つが、人手不足。ただでさえ経営者の業務が多岐にわたる中小企業で壁となりやすいのが、官公庁との手続きの煩雑さです。中小企業庁は補助金などのさまざまな支援制度を用意しているものの、ほとんどの申請に紙の書類を用いており、必要な書類が膨大で事業者の負担になっていました。
    そこで中小企業の成長を促すDXを実現するために、中小企業庁が設計したのが「中小企業支援プラットフォーム構想」です。単なる書類の電子化にとどまらずに、オンラインで一度入力した必要事項を他の手続きにも再利用できる「ワンスオンリー」と、電子化によって得られたデータを踏まえて各事業者に最適化した支援を提案する「リコメンデーション」の2つの機能を軸としています。
    省内ではIT人材の採用や研修を重ねて体制を整えることで、上記以外にも、デジタルプラットフォームの構築をはじめとした、利用者にとって便利な行政サービスを提供できるようにDXの推進を続けています。

    DX(デジタルトランスフォーメーション)の考え方を組織に導入するために

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    産業にも影響を与えるデジタルトランスフォーメーション。企業は、どのようにデジタルトランスフォーメーションの概念を組織に浸透させていけば良いのでしょうか。環境変化に適応し、デジタルによって経営やビジネスプロセスを変革させていくために必要な5つのステップを紹介します。

    DX(デジタルトランスフォーメーション)を組織全体で推進するために必要な5つのステップ

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    参照:5つのステップで考えるデジタルトランスフォーメーション

    デジタルマーケティングにおける最先端のノウハウを提供している電通アイソバーは、DXの実践には5つのステップを踏んでいく必要があると説明しています。

    1. デジタル化

    ステップ1は「デジタル化」です。組織の中で用いているあらゆるツールにデジタルテクノロジーを取り入れることで、業務を効率化します。さらに、これまでデジタルに接続していなかったモノやコトにもIoTやAIの技術を用いることで、組織全体でのデータの蓄積が可能になります。これが先ほどご紹介した「デジタライゼーション」に当たります。

    2. 効率化

    ステップ2は「効率化」です。例えば生産効率アップのための改善を図ったり経費削減を模索したりと、ステップ1で蓄積したデータを具体的に各部門でどのように活用するかを検討します。

    3. 共通化

    続くステップ3は「共通化」です。ステップ2ではデータの活用が各部門にとどまっていましたが、ステップ3では部門を超えてデータ運用する基盤を築いていく段階です。DXに関する組織全体のKPIを設定してPDCAを回していくことで、組織全体でDXの実践を検討することが可能になるのです。

    4. 組織化

    更なるDXの推進を図る組織づくりが求められるのが、ステップ4の「組織化」です。DX推進の明確な役割を担うデジタル推進部門の設立や、ステップ3で共通化したデータを運用可能にする体系の確立が必要になります。

    5. 最適化

    そして最後のステップ5が「最適化」です。デジタルテクノロジーを活用してビジネスモデルを再構築し、データドリブンな経営戦略によってビジネスモデルや事業そのもののイノベーションが可能になります。
    現状では、国内の多くの企業がこのステップ2にとどまっていると言えます。先述のUberのようなDX先進企業でも、ステップ4の段階を進めている最中です。今後は最終的なステップ5に向けて、あらゆる業界の企業がDXの実践を加速させていくことでしょう。

    また、NECは自社のDXを「リアルとサイバーをつなぎ合わせて新たな価値を創造し、私たちの暮らしやビジネスをより良く変えていくこと」と定義した上で、実践のためのポイントを社外に公表しています。

    参照:デジタルトランスフォーメーション

    2018年12月に経済産業省が発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン) Ver1.0」には、刷新後のITシステムに変化への追従力が求められると述べられています。上記のポイントを踏まえ、DXの具体策を実践する際はビジネスに貢献しているかを判断の基準としましょう。

    時代の変化に適応するために

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    参照:DXレポート

    経済産業省のデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会が2018年に発表した「DXレポート」によると、企業がDXを実現できない場合、既存システムの残存によって2025年以降年間最大12兆円の経済損失が予想されています。
    今後も企業が持続的に成長するには、DXに向けた取り組みが欠かせません。DXに取り組み、経営やビジネスモデルを変革していきましょう。

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