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店舗でもサイトでもファッションの楽しさを感じてほしい。三陽商会が実践する、顧客の声を心地よい体験につなげる取り組み

店舗でもサイトでもファッションの楽しさを感じてほしい。三陽商会が実践する、顧客の声を心地よい体験につなげる取り組み

28th Apr, 2021

自社ブランドに加え、海外の様々なブランドを展開する、老舗アパレル企業「三陽商会」。同社では、NPS®を定期的に調査し、顧客の声を全社的に取り入れ、様々な改善に活かしています。

また、自社ECサイト「SANYO iStore」に2017年からKARTEを導入。アンケート機能やKARTE Datahubを活用しながら、顧客理解を深め、ニーズに合わせたコミュニケーションを行っています。

今回は、自社ECサイト「SANYO iStore」を中心に、ブランド、サイト全体の管理業務及びデジタルマーケティングを担当されている、事業本部 ウェブビジネス部 デジタルマーケティング課課長 花輪俊夫様(写真左)と小川大輔様(写真右)に、三陽商会のCXに対する考えや具体的な取り組みについて伺いました。(写真中央:プレイドのカスタマーサクセス担当高杉)

常に顧客のリアルな声に耳を傾けるため、組織全体でNPS®を重要視

まずはじめに、三陽商会が企業として大切にしていることを教えてください。

花輪:企業のミッションとしては、創業した当初より社是として「真・善・美」を掲げています。また、「ファッションを通じ、美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献します。」という経営理念にもとづき、商品やサービスでお客様のご期待に応え続けることを目指しています。

個人的な想いも含めると、いろいろな服を着ていただくことで、楽しさを感じてもらえたり、満足していただけたりすることが、私たちの最終的なゴールだと思っています。 おしゃれなファッションは、必需品ではありません。しかし、好きな服を着ることは自己表現だったり、モチベーションを上げたりします。その根底には楽しさがあると思っていて、その楽しさを店舗でもECサイト上でも提供していきたいと思っています。

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花輪さま

「お客様の期待に応える」ために行うには、お客様のことを知らないと難しいと思うんですが、そのような取り組みはされているのでしょうか?

花輪:そうですね、2018年からNPS®の計測を開始しました。お客様は私たちの何を支持してくださっているのか、定量的なデータだけでは見えてこないブランドや商品への愛着、なぜ私たちを選んでくださったのかなどに立ち返るために、NPS®を測定してリアルな声を収集しています。

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NPSイメージ

「お客様に何が支持されているのかを知る」という点では、どのような気付きがありましたか?

花輪:NPS®のデータをみると、私たちが最も重視している「商品の質」がお客様からも支持されていることがわかりました。さらに、店舗スタッフの接客も大きな価値として感じられていることもわかりました。商品と接客サービス、この2つの提供価値がお客様に伝わっているとわかってうれしかったですね。

提供したい価値と、顧客が感じている価値が一致していたんですね。NPS®を計測するようになって、社内の変化はあったのでしょうか?

花輪:現在は半年に1度NPS®を測定し、その結果を各部署にフィードバックしています。NPS®のアンケートの回答数は数万件になりますが、これだけの「お客様の声」が集まることで、よりお客様の感じていること、不満や課題の輪郭を捉えやすくなり、全社的に顧客視点で考えることが浸透してきています。

小川:また、半年に一度ではリアルタイムにお客様の声を汲み上げられないと感じ、今は商品購入のタイミングに合わせてアンケートも取っています。

まず、店舗での購入後にお買い上げサンクスメールをお送りし、接客も含めた体験の満足度を伺っています。さらに、商品に対する満足度を深堀りするために購入から約4週間後にもアンケートをお送りしています。

それらの回答は、社長を含めた経営企画、営業、商品企画など100名程度に、週次でフィードバックしています。このように、様々な角度からご意見をいただくことで、商品の企画からプロモーション、接客に至るまで、あらゆる場面でお客様の声をもとにした提案が行えるようになってきていますね。

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アンケートを実施してみてどのように感じましたか?

花輪私たちは、特にインセンティブは設けずに様々なアンケートをお客様にお願いしているのですが、多くの方が回答してくださるんです。しかも、必須ではない自由記述欄にコメントを入れてくださる方も多くて。 せっかく改善できる立場にいるので、この期待に応えたい。より愛されるブランド、ECサイトにしていきたいという想いを持つようになりましたね。

顧客の声をもとに改善した内容をきちんとお伝えし、共創していきたい

NPSに限らず、様々な角度から顧客の声を集めているんですね。顧客を知るというのはKARTEでも大事にしていますが、その部分で何か活用されることはありますか?

花輪:そうですね、先ほど全社的なNPS®やアンケートのお話をしましたが、それとは別に、EC上で私たちのチーム独自のアンケートも実施していて、そこでKARTEのアンケート機能を活用しています。KARTEを使うとアンケートを配信する対象を簡単に設定できるので、「こんなお客様に、こういうことを聞いてみたい」という、より細やかなアンケートが実施できるんですよね。

例えば、月に複数回サイトにいらっしゃるリピーターのお客様に対して、サイトの使いにくいところや追加してほしい機能を聞いてみる、といった使い方をしています。

そこでいただいた声を改善に活かした事例があれば、教えてください。

小川商品をお気に入り登録する機能に商品を一括削除できる機能を実装した事例があります。 もともとお気に入りに登録した商品の一覧ページをこまめに確認して削除するニーズはあまり想定していなかったのですが、お客様は、特にセール期間中などは在庫がなくなったものや欲しいサイズが売り切れたものを一気に消したいと思われていたんです。

NPS®調査でもリピーターのお客様へのアンケートでも、お気に入り機能の使い勝手に対する要望は多く挙がりました。何回もご利用いただいているお客様がそう言ってるのであれば、すぐに改善しよう、となりましたね。また、改善をしたことはメールでお客様にお知らせしました。

今後もこのようにお客様の声から改善した内容は、きちんとお客様にお知らせして「自分たちの意見を取り入れてくれるんだ」ということ感じていただき、一緒にサービスを良くしていく関係をつくっていけたらと思っています。

KARTEとSTAFF STARTを連携。お客様が好みのコーディネートに出会いやすく

NPS®調査を通じて見えてきた顧客のニーズが、KARTEのアンケートによってさらに明確になり、実際の改善につながったんですね。他にはKARTEをどのように活用されていますか?

花輪:自社で保有している会員情報と、サイト来訪者のデータを紐付けて活用しています。導入以前までは、セキュリティの観点から自社のデータベースと分析ツールをつなげることができず、ローカル環境でExcelを使いアナログに会員分析を行っていました。

KARTE Datahubを使うことで安全性を確保しながらデータを紐付けられ、会員の方の性別や年代、実店舗での購買の有無などの情報に、サイト上の行動データを付与できるようになりました。

会員情報とサイトの行動がつながることで、そのお客様をより細かく理解できるようになり、ニーズに沿ったご提案を考えやすくなりました。

小川:KARTE Datahubの活用でいうと、商品ページのコーディネート写真の掲載にも活用しています。

もともと商品ページには、ほぼ外国人モデルの写真しか掲載していなかったのですが、お客様アンケートでは日本人モデルの写真やスタッフのコーディネートが見たいという声が多かった。そこで、お客様が参考にしやすい写真を増やすために、スタッフがECサイトにコーディネートを簡単に投稿できるサービス「STAFF START」を2019年の秋頃に導入しました。

ただ、商品のメイン画像の下にその商品のコーディネート画像を載せたいと思っていたのですが、他のレコメンド等の商品画像と並列的に表示されてしまうため、コーディネートの発見がしにくいという、サイト体験として課題がありました。それをKARTEの埋め込み機能などを活用して、解決できました。

現在は、KARTEとSTAFF STARTを連携させることで、メイン画像の下にSTAFF STARTの画像を表示することができています。この機能をイチから開発しようとするとかなりの時間と費用が掛かりそうだったのですが、KARTEであれば簡単に実装することができたので、大変助かりました。

また、お客様が自分の好みの商品やコーディネートを探しやすくなるように、閲覧している商品IDとスタッフIDをKARTE Datahubで紐付けて、関連度の高いコーディネートを表示できるようにもなりました。 POSにあるオフラインデータを活用しサイト来訪者と関係性のあるスタッフのコーディネートをTOPページで表示する施策もテストもしましたね。

花輪:コーディネート写真を商品詳細に表示する取り組みは、最初はひとつのブランドでテスト的に行ったのですが、お客様からかなりの反響がありました。コーディネート写真を表示させたパターンは、そうでないパターンと比較して平均PV数が195%。平均滞在時間が190%、商品の閲覧から購入に至る確率も2倍近くに向上しました。この結果からも、お客様が必要とする情報を提供でき、より楽しんで商品を選んでいただけたのかなと思います。 (例:調査期間:2020年10〜11月、対象ユーザー:該当期間にサイトを訪れたユーザー)

また、今まではこうした定性的な声をもとにアクションを実施しても、効果が見えにくいことがありました。しかし、KARTEをはじめ様々な分析面の改善があり、お客様視点での取り組みの効果をある程度測定できるようにもなってきています。

一連の、お客様の声を改善に活かせるようになってきたのは、このようにお客様の声を取り入れたアクションには効果がある。そう証明できる環境が整ってきたことも大きな要因ですね。

適切な情報を適切な顧客に届け、振り返りも深堀りがしやすくなった

KARTEがあることで難しそうなアクションを実現でき、顧客からの反応も良かったというのは嬉しいです。

花輪:KARTEは本当にできることが多いので助かっています。「こんなコミュニケーションや接客をやってみたいな」というアイデアをすぐに形にできるので、チーム全体で色々なアクションを試しながら改善していく姿勢が浸透していっています。

以前は別のABテストツールを導入していたのですが、コミュニケーション施策の立案や設定などに時間がかかり、一ヶ月ほどかけて2つぐらいのアクションしかできない環境で。実施までのハードルが高いと失敗したくない気持ちが大きくなり、みんな「試す」のを躊躇しがちでした。

また、全員に対してアクションをすることしかできず、本当の成果の良し悪しがわからなかった。例えば、FAQを表示する/しないパターンでABテストを実施して、もし結果がよくなかったとしても、そのFAQが表示された一人ひとりのお客様は年齢も購入頻度も異なるので、一部のお客様にとっては必要だったのかもしれない。

KARTEであれば、様々なグループに細かく分けて配信できるので、対象のグループを変えながら配信することで、本当に必要なお客様にだけ表示することができるようになる。 さらに、全体の数値だけでなく一人のお客様の行動まで深堀りできるので、なぜこの結果になったのか、どんな人はあまり反応しなかったのか、など細かいところまで理解できます。だから、改善もしやすいんです。

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他にもそのような顧客に対するコミュニケーションで工夫されたことはありますか?

小川:お客様の状況に合ったアプローチがしやすいのもいいですね。例えば、あるキャンペーンをメルマガで告知しようとしても、そもそもメルマガの受信を停止している方には、メールを届けることができません。

でも、メルマガはうっとうしくても、役に立つ情報ならほしいはず。KARTEを使えば、メルマガではアプローチできないお客様にも、サイトに来訪したタイミングでアプローチできます。サイト内の行動データなどをもとにすれば、よりニーズにあったご案内もできる。アプローチの自由度が上がりましたね。

顧客視点の言葉を使うことで、意識から変えていく

今後はどのように顧客体験を高めていきたいですか?

小川:つまづかないサイト作りをしていきたいですね。商品のどこに価値を感じるかは人それぞれですが、まずはその前提となる情報をしっかり伝えることがサイトの使命だと思っています。

実店舗では、お客様の様子がよく見えるので細かい対応ができます。そんな細やかな接客をサイトでも行い、One to Oneのコミュニケーションを目指していきたいなと。

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花輪:引き続き顧客視点を大切にするとともに、自分たちが使っている言葉も顧客視点の表現へ変えていきたいです。例えば、部内では、集客や訴求ではなく「CXインビテーション」、刈り取りではなく「CXコミュニケーション」などの言葉を作って、顧客視点の体験を考えようとしています。

集客や刈り取りって私たち目線の言葉ですよね。キャンペーンのメールを送ったとして、それが有意義なものかはあくまでお客様が決めること。だからこそ、サイトにご招待するという想いを込めて、「CXインビテーション」という言葉にしています。

さらに、招待に応じてくださったお客様にすべきことは、おもてなしのコミュニケーションです。決して「これがお得!」「今はこれを買うべき」といった押し付けでありません。招待状と相違のない丁寧な接客や情報の提供を大切にしたい。この考えから、サイト上での接客を「CXコミュニケーション」としました。

データやロジックは重要ですが、私たちの根本には商品としての服があり、それをお届けするための店舗や接客がある。お客様と直に接するビジネスだからこその顧客視点を、デジタル化しても忘れずに大切にしていきたいと思います。



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